異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
世の中には、
リュートとゴーギャンは屋敷の前で待ち構えていた
「バニーラも呼んだはずだけど?」
「拠点に置いてきたみたいだな?」
米沢が問いかける。
「どうした?」
「拠点に置いてきたのかと聞いたんだけど?」
二人の米沢の再度の質問に対し、リュートが口を開く。
「ふ、不服か?バニーラには別の役目があって…」
「立花亭と御手洗ちゃんの監視だろう?」
「知っているよ」
二人の米沢がリュートの言葉を遮った。
ゴーギャンが困惑した様子で尋ねる。
「どういうことだ?
「そんなわけ無いじゃん」
答えたのは米沢だった。
「僕が二人いるのは僕の能力の仕業さ」
「それ以上教えるつもりは無いけどね」
「そっちが二人いるんだから当然だろう?」
「2VS1で有利に戦えるとでも思っていたのか?」
彼らの回答を受け、リュートがゴーギャンに話しかける。
「落ち着いてください、ゴーギャンさん。この前の作戦会議でケイルさんが言っていたことを思い出して下さい。『米沢は姿の変更がある程度可能なのだろう』と推測してましたよね」
ゴーギャンは
「そう言えばそうだったな。うっかり忘れていたよ」
「こんな姿を見れば驚くのは当然です。でももう慣れたぞ!
リュートの叫びを聞き、米沢は言葉を返す。
「ふん、虚勢はそこまでにしておけよ」
「行くぞ」
二人の米沢が腰の刀を抜く。
「「黒刀『黒虫』」」
彼らが抜いた刀は
瞬間、米沢の
二人も
しばらくすると敵の猛攻が止んだ。二人はどうにか切り抜けたが、気付いた時にはもう、二人の間にかなりの距離があった。
「俺とゴーギャンさんを引き離すことが目的だったのか」
リュートが目の前の米沢に問いかける。
「そうだよ。コンビで相手されると面倒だからね」
米沢は口元に笑みを浮かべながら答える。
ゴーギャンの側にも、もう一人の米沢が待ち構えていた。
「ギギギ…分断に成功したぞ!お前はここで終わりだ」
「簡単に言ってくれるな。私はここで死ぬつもりは無い」
「言ってろ。黒刀『黒虫』の
黒刀を構えた米沢と
一方のリュートも剣を構える。米沢は黒刀の切っ先をリュートに向けた。
「黒虫一式『blue berry』」
瞬間、黒刀の切っ先から黒い塊が銃弾のように発射された。剣から飛び道具が放たれるという不意打ちを、リュートはギリギリで躱す。
「危なかった…」
「一発躱したくらいで余裕ぶるなよ!」
二発、三発と黒い塊が次々に発射される。襲い来る弾丸をリュートは躱し続ける。躱しきれない弾丸は剣で切り裂いた。二つに切り裂かれた弾丸が地面に転がり落ちる。ソレを目にしたリュートが言う。
「やっぱり、飛ばしていたのは
弾丸に見えていた飛び道具は、もはや見慣れた
「虫だから安全だと思うか?当たれば体に穴が空くことには変わらないんだぞ?黒虫一式『blue berry』…」
米沢はそう言うと、黒刀での突きを連発する。
「収穫祭!!」
突きの一回毎に黒虫が一匹射出される。黒い弾丸の群れがリュートに襲いかかる。
「はああああああ!!」
リュートはあえて、黒の大群に突撃する。剣を素早く、かつ正確に振り、自分の体を貫こうとする弾丸だけを切り捨てた。
「ギギ、向かってくるのかぁ!?」
米沢は慌てて黒刀を構える。黒の群れを突っ切ったリュートが剣を米沢に向けて振った。
意外にもリュートの剣は、米沢の黒刀「黒虫」を
しかしリュートは余計なことを考えず、そのまま米沢を切り裂かんとする。だが相手も簡単に斬らせてはくれない。身を後ろに退いてリュートの攻撃を躱した。
「ギギギ…それはルイの剣だな…」
米沢は刀身が半分になった黒刀を眺めつつ言った。
「そうだ。だが今は俺の剣だ」
「別に責める訳じゃ無いさ。ルイを殺したことも、スパノを殺したことも。だけど…」
米沢は大声で叫んだ。
「僕を殺そうだなんて、そんなこと許せるかよ!!黒虫四式『天使』!!」
彼が技名を叫ぶと、斬られたはずの黒刀の刀身はあっと言う間に元通りになった。
「許せないのは俺も同じだ!!」
リュートもひるまず叫びを返す。再び剣を米沢に向けて振った。
「黒虫一式『blue berry』-収穫祭-!!」
米沢は後ろに下がりつつ、弾丸を連発する。ソレを切り捨てながら向かってくるリュートに対し、こう問いかけた。
「『許せない』だと?お前が恨んでいるのはルイとスパノのハズだ。それともアレか?
「お前っ!知っていたのか!?」
「知っていた、というより最近知ったって感じだよ。お前の拠点に侵入したとき、死にかけが一人いたのが気になってね。ソイツに近づいてみたら驚いたよ。僕の魔力が感知出来たからね。あの死にかけは僕の『設置式無限複製魔法』にかかっているな?」
「それだけじゃない!!」
リュートは怒りの形相で言葉を返す。
「メルクリオさんの村の人を皆殺しにしたのはお前だろ!?罪も無い人々を殺すような転生者を生かしておけるか!!」
リュートの怒号を受けた米沢は顔を不快そうに歪ませた。
「ギギギ…、お前、僕のことをルイやスパノみたいなしょうも無いクズと一緒にしているのか!?ふざけるなよっ!!」
米沢が怒りをぶちまけた。
「僕の『殺し』を!ルイやスパノの『殺し』と一緒にするなああぁ!!」
「そんな事知るかっ!!」
米沢に追いついたリュートが再び剣を振る。米沢も黒刀で対抗しようとするが、このままでは先程の焼き回しだ。そんな愚行を米沢はしない。刀がぶつかる直前、彼は技名を叫ぶ。
「黒虫二式『カッコウ』!」
黒刀の刀が垂直に折れ、リュートの剣を躱す形になる。しかしそれだけでは終わらない。カクッカクッと刀身が折れ続け、リュートの剣を巻き込もうとする。つばぜり合いを避け、リュートの剣を黒刀の刀身を変形させることで奪い取る。これが米沢の策だった。
だが彼のそんな作戦は失敗に終わった。リュートの剣に巻き付こうとした刀身がスパスパと切れていくのだ。これではいくら巻き取ろうとしても巻き取りきれない。
「チッ、やっぱりダメか。黒虫四式『天使』」
米沢は潔く諦め、繰り返されるリュートの攻撃を躱すフェイズに移行した。
「ちょこまかと…!」
「大人しく斬られる馬鹿がいるかよ?それに…」
黒刀の切っ先を地面に向ける。
「お前の攻撃を躱し続けるつもりも無い!黒虫三式『ヘビ花火』!!」
すると黒刀の刀身が伸び始め、地面に突き刺さった。刀身の伸びは収まらず、米沢の体を後方へと一気に押しのけた。ビロビロに伸びた黒い刀身は、正しくヘビ花火のようだった。
「ギギギ…作戦変更だ。この伸びる刀身でお前を直接切り刻むっ!」
後方へ退いた米沢が体制を立て直す。伸びた刀身も元へと戻った。
「もうやめにしませんか」
突然、リュートが口を開いた。
「もうやめろよ、そうやってその黒刀を
「は?」
米沢が言葉に詰まる。
「気付かないはずがないだろうその程度のことを、この俺が!!
「ギギギ…」
「刀身が自由自在な理由、それはその黒刀の正体が虫の大群だからだ!技名を一々叫ぶのも、刀の正体がバレることを防ぐため!そうだろう」
「ギギギギギ…、ギギ、くっくくくく…」
米沢は唐突に笑い始めた。
「くくくくくっ、ははははは!!こんなトリックを見破ったくらいで得意顔か?笑わせるなよ!」
「何!?」
「それにさっきのお前の発言…。
その時、リュートの耳に羽音が聞こえてきた。後ろを振り返ると、大量の黒い虫が向かってきているのが見えた。
「どっちみちお前は死ぬ運命!黒虫三式『ヘビ花火』!!」
米沢が再び等身を伸ばす。
「その虫の大群は、さっきお前が
リュートVS
ゴーギャンVS米沢反死《よねざわはんし》
開戦ッ!!