異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
ランク4/闇属性/悪魔族/攻1900/守 0
レベル4モンスター×2
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、
レベル5以上のモンスターの特殊召喚を無効にし破壊する。
リュートの背後から黒虫の大群が押し寄せてくる。しかし背後ばかり気にすることも出来ない。正面からはリュートを串刺しにせんと、米沢が伸ばした黒刀の刀身が伸びてきてきた。
横に飛んで避けることも一瞬考えたが、虫の群れと伸びる刀の二つを相手に避け続けることは厳しいと判断し、止めにした。
リュートはあえてその場から動かない。決して諦めたわけでは無い。だが手にしている剣だけで両方を相手取ることも難しい。彼は
意外!それは霧吹きッ!
「はあっ!」
リュートは剣を右手、霧吹きを左手に持った。彼は近づいてくる黒刀の刀身に霧吹きを向け、液体を噴射する。液体が刀身に命中すると、当たった部分がボロボロと崩れ落ちた。リュートはその場面を見ていない。彼の視線はすでに虫の大群へと向いていた。素早い剣さばきで襲い来る虫を次々と切り捨てる。
「ギギギ…!お前、その霧吹きはァ…!!」
米沢は黒刀を一度元の長さに戻した。虫の群れもリュートを襲うのを止め、米沢の元へ撤収していく。元に戻った黒刀は
「やっぱり俺の言ったとおりだな!その黒刀は刀なんかじゃない!黒虫が集まって擬態したものだ!」
リュートは先程まで自分が立っていた場所を確認する。黒い虫の死骸が一列に並んで地面に落ちていた。彼はその場所を指差して言う。
「この不自然に並んだ死骸がその証拠だ。この死骸は霧がかかった部分の刀身に
そう、リュートの予想は正しかったのだ。米沢の武器である黒刀「黒虫」の正体は、
リュートは米沢の戦闘スタイルの正体を見抜いていた。だが、米沢が先程
「ギギギギギ…。褒めてあげるよリュート…。その通りだ。僕の黒刀は虫の集まりさ」
米沢の言葉を受け、黒刀「黒虫」が散っていく。黒い破片が宙を舞う。その一つ一つは確かに
「だけどそれが分かったから何だ?そんな霧吹きだけで僕に勝った気か!?調子に乗るんじゃ…無いぞォ!!」
米沢は再び大量の黒虫を展開し、リュートへ突撃させる。彼の手にはいつの間にか黒刀が握られており、技名も唱えず刀身を相手へと伸ばした。
リュートは霧吹きを、自身へ向かってくる刀身へと向ける。しかし刀身は霧吹きの射程距離限界まで伸びたところで、虫の群れへと急に姿を変えた。相手に正体がバレた以上、いつまでも刀のフリをする必要も無い。正体を現した黒虫の群れを突っ切るかのように、別の虫で形成された刀身がリュートに向かって一直線に伸びてくる。
「何がしたいんだっ!?」
そう言って殺虫剤を噴射するリュート。霧は刀身へ命中し、虫の死骸がボロボロと崩れ落ちる。しかし「最初に刀身のフリをしていた虫の群れ」は霧を避けるようにしてリュートに襲いかかる。米沢は伸びる刀身を「霧吹きの
「くぅっ!!」
リュートは次々と襲いかかる虫の群れを時には
「今だ!」
彼の
時は少し
米沢の結界に捕らわれたポセイドラが、同じく囚われの身となっている魔女に問いかける。
「魔女、この結界は何という魔法なんだ?」
しばらくの沈黙の後、魔女が答える。
「分からない…。この結界は米沢のオリジナルだな」
「分からないだと!?」
「落ち着けと言っただろう」
魔女の言葉を受け、ポセイドラは口を
「私もふざけている訳じゃ無い。結界魔法の生成というのは、衣類の生成と似たようなものだ。使用する繊維の種類によって衣類の伸縮性や通気性、防寒機能が変化するのと同じように、結界魔法も使用する魔力次第で効果をいくらでもアレンジできる。私は今、この結界を観察して効果を見極めているのだ。その上で、現段階で分かっていることをお前に教える」
魔女はポセイドラの方に顔を向ける。
「この結界は分かりやすく言うなら、『超優秀な魔法耐性の結界』と『優秀な物理耐性の結界』の組み合わせで作られている。つまり、魔法耐性の方が物理耐性よりも優れているのだ。外からも内側からも魔法で破壊するのは不可能に近い(まあ、私が全力を出せば不可能じゃ無いんだが)。かと言って魔法無しの力押しで破壊するのもそれはそれで大変、というわけだ」
ポセイドラは黙って魔女の説明に耳をかたむける。
「逆に言うならばこの結界、攻撃機能は全く備わっていない。生成次第では、結界の壁から魔法が放たれて内部を攻撃出来るようにしたりも出来るのだが、この結界にそう言った機能は備わっていないということだ。今分かるのはこれだけだ。解析を待たれよ」
そう言って魔女は結界へと目線を向けた。ポセイドラも彼女に習い、結界の観察を始める。
「やめとけ!やめとけ!お前はそれほど魔法に詳しいわけでも無いだろう?今言ったことは、魔法に精通し尽くした私の解析で判明したことなんだぞ。ケイルならともかく、お前が解析に努めようとした所で気力の無駄遣いだ」
魔女の忠告を聞いたポセイドラが不満げに言葉を返す。
「なら俺はどうすれば良い?」
「精神統一でもしておけ。結界を突破した後、すぐにでも反撃に移れるようにな」
普段なら言い返していたであろうポセイドラだが、今の状況で魔女が冗談を言うハズが無いことは分かっていた。素直に魔女の指示に従い、来たるべき時に備えるようにした。
「しかし何だな…。この魔力配置の精密さは見事だな。ムカツク転生者の作ったモノだが、これは褒めざるを得ない…。
結界を眺める魔女が誰に対して言うのでも無く、こう
「魔女、俺はお前のような知識があるわけじゃない。転生者に関する知識も、魔法の知識も無い。だが、これだけは言わせて欲しい」
「…何だね?」
魔女が気乗りしないように言葉を返す。
「お前は米沢に関してことあるごとに『分からない』『謎だ』『どうやったんだ』と言っているな?だが俺が思うに、お前の抱えるそれらの謎はある一つの事柄から発生しているモノなんじゃないのか?」
「何が言いたい?」
「別に馬鹿にしたい訳じゃ無い。お前は必要以上に難しく考え、多くの謎を背負っているんじゃないか?そんな風に思っただけだ」
「複雑に考えすぎ…か。根拠は?」
魔女に問われたポセイドラはキッパリと言い放った。
「そんなものはない。ただの勘だ」
「プフッ!ただの勘か!」
軽く笑う魔女だったが、真剣な口調で次のように言葉を返した。
「だがまあ、マジメなアドバイスとして心に留めておこうじゃないか」
そう言って彼女は結界の観察へと注意を向け直すのだった。
アシバロンの強襲を受けてから半年以上、リュートはただ漫然と過ごしていたのでは無い。彼は日々の魔人討伐で己を鍛え、戦闘能力を上げていた。
彼の周囲には大量の虫。ブワブワと不快な羽音が耳にこだましていた。そんな中、彼はある違和感を覚える。
この妙な羽音はどこから聞こえるのか。
リュートはそれが後ろから聞こえているのだと察知すると、羽音から避けるようにして反射的に身を
米沢の狙いは、リュートが周囲の虫と自分の操る黒刀に気を取られている隙に、この刀身で背後から奇襲する作戦だった。結果として彼のタイミングは完全に間違っていたとは言えないだろう。もしもアシバロン襲撃以前のリュートが相手だったならば、刀身は見事に目的を遂げていたはずだ。
しかし、今の成長したリュートに致命傷を与えることは出来なかった。刀身は彼の脇腹を切り裂きはしたが、内臓等の致命的な部分を傷つけるには至らなかったのだ。
そんな今の状況を見て、
「ははははは!!
「何!?」
困惑するリュートを尻目に、米沢は技名を叫んだ。
「勝った!黒虫九式『
今回の前書きは、