異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン) 作:3S曹長
私は今、この作品を読んでいる皆さんにお伝えしたいことがあります。
どれくらい酷いかというと、今月号の話を読めば今まで「原作者の漫画」を読んだことが無い人でも「チートスの原作者って本当に『賭ケグルイ』以外に面白い作品を作れないんだなぁ」と分かるくらい、ですね。
ここを読んで「そんなに言われるとどれだけ酷いか気になるなぁ。読んでみよっかな」と思った人のために、今月の「原作者の漫画」のストーリーをザックリお伝えします。
「物語の主人公が殺し合いトーナメントの第一回戦の第二試合に出場し、敵を殺して勝利した後」という内容です。もうストーリーは第一回戦の第二試合が終わっているんです。にも関わらず、
気になる人は読んでみても良いですが、責任は取りません。「本家」「煮こごり」「メイド喫茶の漫画」のレビューは後書きで行います。
それでは本編をお楽しみください。
傷を負ったリュートを見て勝利を確信した米沢が技名を唱える。
「黒虫九式『
次の瞬間、リュートがその場にしゃがみ込む。
「ギギギギギ…!どうだ苦しいか!?だがな、僕を殺そうだなんて野蛮な
米沢の指揮を受け、虫の大群が一気に
「終わりだ、もう動けないだろう?このまま虫に食い殺させても良いんだが、危険はさっさと取り除きたい。まだゴーギャンもバニーラもいるしね…」
そう言って米沢は自慢の黒刀を手に、リュートに向かって歩み寄る。
「一思いに斬殺してやる。苦しんで死なないことを喜びなぁ!!」
彼は一目散に駆けだした。
例え話をするが、もしも
「待て!!それ以上近づくな!!
身の危険を察知した米沢は突如ブレーキをかけ、後ろへ飛び退いた。直後、リュートを包み込む虫の群れから煙がボフッと舞い上がった。煙の中から人影が立ち上がり、ボロボロと大量の虫が死骸となって崩れ落ちる。煙の中の人影は自身を覆う煙を払うかのように、持っていた剣を横に振る。
「なんだ、上手く逃げたみたいだな?」
煙の中からリュートが現われた。
「せっかく、こんな傷だらけになるくらい引き寄せたって言うのに!」
言葉通り、彼の体は虫に噛まれて傷だらけになっていた。だがどう見ても米沢が勝利を確信出来るような状態では無い。リュートは依然、戦闘可能な状態だ。
「ギギギギギギギギ…、リュートぉ!!」
「でも残念なのはお前も同じか?ご自慢の『設置式無限複製魔法』が効かなくてな!」
「どうして…」
「どうして?お前が言ったんじゃないか、『あの死にかけと同じにしてやる』ってな。黒虫九式って言うのはメルクリオさんにかけた『設置式無限複製魔法』だ!そうだろう!?」
「そんなことはどうだって良い!」
米沢が叫ぶ。
「どうして僕の毒が効かない!?それに何だ、さっきの煙は!?僕のデータに無いぞ!」
「知らなくて当然だ。この武器は
リュートはこれまでのケイルとの会話を思い出していた。
ケイルが初めてテンスレのメンバー全員に
その時は「今後の予防」としか聞いていなかったリュートだったが、メルクリオの復讐代行を皆で誓ったあの日にケイルから抗体の説明を受けたのだ。
「
「あ、もしかしてあの時の注射って米沢の毒に対する…?」
「そのもしかして、です。あの注射はカナメノクロムグリが持つ毒素を完全に無効化する抗体なんです」
カナメノクロムグリは、この世界にする生息する雑食性の害虫である。農作物や動物の死骸などを好んで食べるが、小さなネズミを生きたまま集団で食い殺すこともある。その際カナメノクロムグリは体内の毒素を獲物に噛みつくことで注入し、弱らせてから集団で襲いかかる。「小さなネズミを弱らせるほどの毒素」ということは、人体を死に至らしめるほどの殺傷力は有していない。噛まれてもせいぜい、
しかし米沢が使役する虫となれば話は別だ。毒性の強化と「設置式無限複製魔法」により、例え人間であっても相手を死に至らしめることが出来るのである。
「ですから、この抗体を完成させるには米沢が使役する虫のサンプルが必要だったのです。数日前入手した虫の死骸で、ようやく十分な効果を持つものが完成しました」
ケイルが説明をした。
「あれ、じゃあどうしてメルクリオさんはまだ毒状態に?」
「おいおいリュート、ケイルが作ったのはあくまで『抗体』であって『治療薬』じゃあ無いんだぞ」
魔女が呆れたように言う。
「まあこの注射も正確には薬みたいなモノなんですが…。専門的なことはともかく、あの予防注射を受けた皆さんは米沢の毒を無効化する体になっています。毒が効かない以上、相手の『設置式無限複製魔法』も意味を成しません。ですが既に毒に侵されているメルクリオ君には効果が無いんです…」
ケイルは残念そうに首を振った。
「だが、ケイルのお陰で私達が安心して戦えるのは事実だ。戦って毒に侵されるようでは目も当てられないからな」
ラーシャが言った。
「そうでした。ついでに皆さんにアレも渡しておきましょうか。少し待っていてください」
そう言ってケイルは二階の研究室へと向かう。数分後、彼女から皆にテニスボール大のカプセルが手渡された。
「何これぇ」
「こうやって使うんです。えいっ」
ケイルが床にカプセルを叩きつける。まるで忍者が身を隠すときに使う煙玉のように、大量の煙が発生した。
「これは殺虫剤が霧状に発生するカプセルです。地面に叩きつける等、衝撃を与えることでカプセルが割れ、中の殺虫剤が一斉に気化します。虫に囲まれたときに活躍するでしょう」
ケイルが説明を行う。
「すごい!コレさえあれば…」
「ですが周囲の虫を殺せるだけの殺虫剤を気化させるには、これよりカプセルを小さくすることは出来ませんでした。大量に隠し持つことは出来ませんので、使い所にはお気を付けを」
そう彼女は付け加えた。
毒を受けたはずのリュートがピンピンしているのを見て、米沢はギギギと不快な音を口から漏らす。
「もうお前も分かっているだろう?殺虫剤だよ。本当は近づいたお前ごと巻き込むつもりだったんだが…、これじゃあ噛まれ損だな」
「苦しんだフリはお前の得意技だろうがっ!」
リュートは以前、スパノとの戦いでも苦しんだ演技を披露し、相手に致命傷を与えることに成功していた。米沢はその様子を見ていたからこそ、無抵抗なリュートに危機感を覚えたのだった。
「ギギギギギ…、なんてことだ…。一発当てれば勝てると思っていたのに…。これじゃあ
悔しそうな様子を隠そうともしない米沢。彼の言葉を耳にし、リュートはある違和感を覚えた。
「ギギギギギ…、急いで皆に知らせねば!!」
この言葉を最後に、米沢は自身の体を大量の虫へと変化させた。虫の大群は一斉にゴーギャンの方へ飛んでいく。
「待て!逃げる気か!?」
リュートも慌てて後を追う。
「ヤツは転生者だ。魔力は大量にあるハズなのに、どうして一発のミスであんなに焦っているんだ?」
虫の後を追いながら、彼は先程浮かんだ違和感を整理していた。
同時刻
「ふむ…、これは悩み所だな…」
結界の観察を行っていた魔女が、結界から目を離して声を漏らした。
「おい、一人で悩むな。何があったんだ?」
一緒に囚われの身となっているポセイドラが説明を要求する。
「ああ、すまなかったなポセイドラ。さっき私が『この結界の魔力配置は素晴らしい』と言っていたことを覚えているな?」
「ああ。だが俺には全然分からん!」
「分からなくても良い。重要なのはこの結界がとても精密な魔力配置で出来ていることと、それによって最低限の魔力でここまで強力な結界を張れていることだ」
魔女は次の言葉を強調した。
「だがそうは言っても、ここまで強力な結界を張るということは並大抵の魔力では不可能だ。つまり
「米沢はベストナインなんだぞ?」
「だとしてもだ。私が本気を出さねば壊せないような結界を作るのは相当な量の魔力が必要だ」
ポセイドラは魔女がそういうなら、ということで納得する。
「つまり、今リュート達と戦っている米沢は全力を出せない状態なのか?」
「そうだ。だが仮に、私達がこの結界を破ったとしよう。すると結界の生成に使われていた魔力は、中継役の虫を通って一気に米沢本体に戻ってしまう。つまり、この結界がある限り米沢は全力を出せないが、結界を壊せば米沢は全力で戦える状態になるというわけだ」
「くっ!」
真実を知ったポセイドラは苦しそうな顔をする。
「結界を壊すにしろ、今残っているメンバーでメルクリオのいる
「確かに…悩み所だ…」
しかし、魔女は軽く笑った。
「米沢の虫がいると判明して半年以上か…。長かったな、ポセイドラ」
この言葉を聞いたポセイドラはハッとなる。虫が近くにいる今、こちらの持つ手札を大っぴらに口にすることは出来ない。だが彼は魔女の言いたいことを察することが出来た。
今更言うことでも無いんですが、カナメノクロムグリは実在する虫じゃ無いですよ。その証拠にGoogleで「カナメノクロムグリ」と検索すると当作品が一番最初に出てきます。そしてなんと
以下、作者の愚痴です。読む価値無し。
月末恒例企画「原作者の漫画が連載されている某月刊漫画雑誌レビュー」のお時間です。
今月号は「本家」が表紙(二ヶ月に一回くらいのペースで「本家」が表紙になる)で、新連載が二つでした。
「原作者の漫画」についての不満は前書きに書いたので割愛します。ただ先月のレビュー(第五章第4話)で私は「『原作者の漫画』が抱える最大の問題点は作画担当です。間違いないです」と言いました。撤回します。
「本家」は今月号も良かったです。内容を話すとネタバレになってしまうので書けません。ただ一つ文句を言わせて貰うとするならば、せっかく二話同時掲載するなら第七回戦開始までは辿り着いて欲しかった。
いつもボロクソに言う「煮こごり」ですが、今月号は特に悪い印象はありませんでした(面白いとは言っていない)。今月号の話が復讐パートなのは予測できてたし、ラスボスっぽいキャラの存在も発覚しましたからね。「煮こごり」が悪く感じられないほど「原作者の漫画」が酷かったのか、あるいは先月号が酷すぎた反動か…。でも先々月号は「原作者の漫画」も「煮こごり」も酷く感じたのでたまたまでしょうね。
「メイド喫茶の漫画」は毎回面白いんですが、今月号は特に良かったです。見ているこっちが照れちゃうような、主人公の甘酸っぱい恋心の描写が絶妙でした。物語の方向性も何となく示唆されましたしね。ただ出来れば二人が結ばれて終わりにするのでは無く、付き合った後も連載が続いて欲しいですね(某恋愛頭脳戦みたいな感じで)。まあまず二人がいつ付き合い始めるのかも分からない状況なんですが…。
一応、新連載二作も目を通しました。
一作目は「北斗の拳」のアミバが異世界転生する話でした(マジですよ)。あまり面白いとは言えなかったのですが、作者の「北斗の拳」への愛は伝わりました。
二作目は歴史上の様々な英雄が異世界で国取り合戦を繰り広げる話で、所謂「国取り合戦版『本家』」といった内容ですね(神は出てこないようですが)。話は面白かった(「煮こごり」は見習って、どうぞ)んですが、やっぱりこの手の話は偉人のチョイスに文句を言いたくなりますね(これは「本家」でも変わらない)。何だよ、真田幸村って。それならまだ武田信玄(「掘り出しもんだヮ」じゃ無いぞ)か伊達政宗の方が納得出来るわ。
最後に、この月刊漫画雑誌に言いたい。
「北斗の拳」と歴史上の偉人に頼るの、もうやめにしませんか。
あなたは連載陣の内容を被らせて一体なにがしたいのか。
「本家」の二匹目のどじょう狙いが本当に上手く行くと思っているのか。
漫画の内容を被らせることで自分は幸せにならないとあなたは知っているはずだ。
私がもしあなたに会えたなら、目の前のあなたは優しい微笑みを湛える方かもしれない。
だからあなたにお願いします。
もうやめにしませんか。