異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン)   作:3S曹長

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 今回からようやく新章です。やっとオリジナルベストナインの()()が書けます。
 「活躍」と言うからには彼らは単なるやられ役ではないということです。主人公はあくまでリュートですが。

 オリジナルベストナインの活躍が本格的に始動するに当たって、再度注意喚起をします。この作品のベストナインは()()()()()()()()あくまで「()()()()()」です。
 原作のチートスレイヤーと同じです。キルトはキリトに二つ名も容姿も似てますが、キリト本人では無くオリキャラであることは間違いないのと同じです。
 当作品も同じです「あー、よく見かけるあのキャラがこの作品に転生したんだな」とは思わないでください。()()()()()()()()()()です。

 毎回毎回、前書きに長文で読者に対しての注意喚起を行うのは私としても大変心苦しいのですが、なにぶんデリケートな内容を扱う作品ですし、ハーメルンの二次創作では原作キャラそのものが転生する内容の作品も多いため、改めて説明しました。ご了承ください。

 それでは新章スタートです。


第二章 「ソルティングブレッド」殺し その1 「死体発見」

 物語はリュートがルイを殺した二日後に飛ぶ。

 

 王都にある「神の反逆者」のギルドの敷地内には大きなプールがある。「神の反逆者」のトップ九人で結成される「ベストナイン」の序列1、「マウンティングウォリアー」ことマウントール=フランスの命により設置されたものだった。

 朝、プールで一人の男が泳いでいた。マウントールだった。泳ぐ彼の体は「序列1」に相応しい引き締まった肉体美を有しており、泳ぎのフォームもプロの水泳選手さながらであった。そんな水泳中の彼に一人の紳士服を着た男が近づいてくる。彼はプールサイドで足を止め、大きな声を張り上げる。

 

「御遊戯中失礼します、マウントール様!」

 

彼はギルドの使用人だった。大声を出したのは水泳中のマウントールに確実に声を届けるためだった。声を耳にしたマウントールは泳ぎを止め、使用人の方に顔を向ける。

 

「やあ、君か。朝目覚めてからの水泳は気持ちいいぞ。身も心も引き締まるからね」

 

「それは結構なことで御座います。しかしながら申し上げます。そろそろ朝のミーティングの時間となります」

 

「おっとそうだったか。序列1の私が遅刻するわけにはいかないな。伝えてくれてありがとう」

 

マウントールはプールから上がり、更衣室へと向かった。

 

 ギルドでは毎朝、ベストナインのミーティングが行われる。内容は朝の挨拶と各自の活動報告、今日の活動の確認等であった。ギルド全体の朝礼に置き換わることもあったり、ベストナインのメンバーには自分勝手な者も多いため欠員がでることも少なくなかった。

 しかしこの日のミーティングには全員が出席していた。ルイを除いた全員が。以前の会議でルイが途中退席して以降、彼の姿を誰も見ていなかった。いくら彼が自分勝手な性格をしているとはいえ、これは異様なことだった。ミーティングの欠席者がいなかったのはこのためだった。

 

「Bonjour.(おはよう。)朝から皆よく集まってくれた。これより朝のミーティングを始める。議題はもちろん、ルイの安否についてだ。誰かこれまでに彼の姿を見ていないか?」

 

 マウントールが質問するが、誰も彼を見ていなかった。

 

「ならば彼の目撃情報は?」

 

重ねられた質問にも、誰も回答する者はいなかった。

 

「となるとやはり、最後の目撃情報は歓楽街の店での証言か…」

 

「勝手に抜け出しちまったんじゃ無いのカ?この前の件でヨ」

 

そう口を開くのは、ベストナインの序列5。通称「ソルティングブレッド」、スパノ=ヤナティン。

 

「ちょっと待ってくださいよ!それだと私が悪いみたいじゃないですか」

 

抗議の声を上げるのは序列7。通称「決めつけ講談師」、立花亭座個泥(たちばなていざこでい)

 

「みたいも何もあんたが悪いんでしょ。あんな風に喧嘩売って。あたしみたいにクールに生きられないのかしら?」

 

発言をしたのは序列3。通称「Ms.ダブルマッカレル」、アルミダ=ザラ。

 

「豚がクールかどうかは置いておいて、奴が出て行ったときの様子…。ベストナインが嫌になって抜け出したとは思えん」

 

アルミダを軽く馬鹿にしながらも自分の見解を主張するのは序列2。通称「Mr.土方(どかた)」、アシバロン=ボーナス。

 

「とりあえず、今朝(けさ)から米沢(よねざわ)にルイの捜索を頼んでいる。すぐ見つかるだろう」

 

 マウントールが言った。この発言は皆を安心させるためだけでなく、アルミダとアシバロンの喧嘩を防ぐ目的もあったのだろう。

 マウントールの発言に出てきた序列4、通称「バグズフェンサー」の米沢反死(よねざわはんし)はさっきから一言も口を発していない。というのも彼は別の行動をしていたからである。彼の元に先程から()()()が飛来して来ていた。真っ黒な羽に棘が生えた6本の黒い足、長い黒の触覚という、コオロギともゴキブリともカミキリムシともつかない黒い虫。彼はさっきから、その飛来してくる虫を捕まえ、()()()()()のである。異様とも言えるその行動だが、他のメンバーに彼の行動を気味悪がる者はいなかった。

 

「彼の身に何かあったのでは?」

 

 抑揚の乏しい声で発言したのは、序列6。通称「無自覚勇者」、ギットス=コヨワテ。

 

「そっちのほうがありえないって~」

 

そう序列9、通称「ロリロリポップキャンディ」の御手洗幼子(みたらいようこ)が反発した直後のことだった。

 

「ぎゃああああああああああぁぁっ!!!!」

 

 悲鳴が上がり、皆が思わず顔を向ける。叫んだのは米沢反死(よねざわはんし)だった。

 

「どうした!?米沢!」

 

皆の思いをマウントールが代弁する。

 

「しっっしししししししし、しっしし…」

 

米沢の声は震えていた。

 

「しっ死んでるううぅぅ!!ルイが死んでるうぅっ!!」

 

米沢が叫ぶ。戦慄が走る。「そんな馬鹿な」と誰もが思う中で、マウントールは比較的冷静に質問する。

 

「場所はどこだ!?」

 

「まま前にルイが滅ぼした村ぁ!!スパノが言ってたとこぉ!!!」

 

「移動するぞ!スパノ、『ワープゲート』を開け!!」

 

マウントールの判断は迅速だった。スパノが「ワープゲート」を開き、八人は扉をくぐった。

 

 

 

 

 

 米沢の案内でたどり着いた場所には、胴と首が離れたルイの無残な死体があった。

 

「キャアアアアアアァァァァァ!!!!」

 

 御手洗と立花亭が悲鳴を上げる。

 

「どっどうなっているんだヨ!!」

 

「何でこんなことになってるの!!?」

 

スパノとアルミダも叫んだ。米沢は頭を抱えうずくまって震えている。マウントールとアシバロンも動揺を隠せない中、ギットスだけは何の反応も起こさずその場に立っていた。そして口を開く。

 

「これじゃまるで、俺たちの中に犯人がいるみたいじゃないか」

 

「はぁ!?あんた何とんでもないこと言ってるの?」

 

ギットスの発言にアルミダがつっかかる。

 

「俺の発言がとんでもないって…」

 

ギットスが再び口を開く。

 

「普通すぎるってことだよな?」

 

「あんたねぇぇ!!この非常事態に!!」

 

アルミダが怒号を上げた。

 

「大体、私達の中に犯人がいるならあんたが一番怪しいじゃない!何なのよその涼しい態度は!」

 

「俺の態度が涼しいって…。いつものことじゃないか」

 

「ムッキーーーーーー!!!」

 

アルミダの大噴火を尻目にアシバロンは立花亭に目を向ける。

 

「立花亭、お前はルイに対して妙につっかかっていたな?」

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!私がルイに辛辣なのはあいつがゲスヤローだからです!いくら別れる前にあいつに殺意を向けられたとしても殺したりなんてしませんって!!」

 

立花亭が疑惑を否定する叫びを上げると

 

「calmez-vous」

 

マウントールが落ち着いていながらも大きい声で場を沈めた。

 

「フランス語だったから分からなかったかな?『落ち着いて』と言ったんだ。ギットス、どうして犯人が私達の中にいると思ったんだ?」

 

「ルイはベストナインのメンバーだ。あんなに強い彼を俺たち以外の誰かが殺したとは思えない」

 

マウントールの質問にギットスが答える。マウントールは言った。

 

「なるほどな。だが私は皆を疑ってはいない。ギットスの反応が乏しいのも立花亭がルイに辛辣だったのもいつものことだ。内部の犯行か、外部の犯行か…。確かめる方法がある。幼子ちゃん?」

 

「ふぇ?」

 

マウントールに声をかけられ、半泣きの状態だった御手洗が反応する。

 

「お前の特殊能力『キャンディマスター』の()()()()()で皆を調べてくれないか?」

 

「そっか!わたしの出番だね!」

 

御手洗は元気を取り戻し、立花亭に顔を近づける。

 

「タッチー、行くよ?」

 

立花亭も御手洗に顔を近づけた。すると御手洗は()()()()()()()()()()。続けてギットス、スパノの順に顔を舐めて、米沢の番。

 

「うぅ…、ヨネシー舐めるのいやだなぁ」

 

渋っていた御手洗だったが意を決して彼の顔を舐めた。そしてアルミダ、アシバロン、最後にマウントールの顔を舐めた。

 

「どうだった?」

 

マウントールが御手洗に尋ねる。

 

「うん!誰もルイを殺してなんかいないよ!」

 

御手洗は元気に答えて

 

「えっへへぇ、おじさん達良かったね!可愛い女の子に顔ペロペロしてもらって!」

 

と挑発的な声を出す。

 

「はっはぁ?何のことだヨ!?」

 

スパノは顔を赤くして明らかに動揺した。

 

「う、うむ…」

 

アシバロンも少し照れているのか顔を背けた。ギットスは無表情のまま一言。

 

「御手洗に舐められることの何が良いんだ?」

 

米沢は未だに恐怖が抜けきっていないようでガタガタと震えていてそれどころでは無さそうだった。マウントールは笑顔で

 

「あぁ、幼子ちゃんありがとう!君のお陰で皆の疑いが晴れたよ」

 

と返した。

 

「ちょっと待ちなさいってぇ。まだ幼子が嘘をついている可能性もあるでしょ?」

 

アルミダが舐められた箇所をハンカチでぬぐいながら言った。

 

「え~!ウソなんかついてないよ!!」

 

御手洗が大声で反発する。それに対してマウントールは言った。

 

「うーむ。そこまでして味方を疑って欲しくはないのだがな。ならばこうしよう、米沢」

 

「はっはい、何でしょう」

 

マウントールの呼びかけに米沢が反応する。

 

「しばらくの間、皆に()()ことは出来るか?」

 

「は、はい、出来ます…」

 

「ならばそうしてくれ」

 

「分かりました…」

 

 二人の会話を聞いていたアシバロンが尋ねる。

 

「ルイの死体はどうする?」

 

マウントールはしばらく考えた後

 

()()()()()()()。ベストナインから死人が出たことが知れ渡ると、世間に無用な混乱を招く。強い魔族の仕業かも知れないし、人間の仕業かもしれない。死体を調べる(すべ)が我々に無い以上、犯人が分かるまで、ルイの死は伏せておこう。それでどうだ?」

 

誰からも異論は出てこない。

 

「決まりだな。『ファイアストーム』!!」

 

マウントールがルイの死体に手のひらを向け、魔法を唱えると彼の手のひらに魔方陣が浮かぶ。一瞬にしてルイの死体を大きな火柱が包み込み、骨も残らず焼き尽くしてしまった。

 ルイの死体の焼失を見届けたアシバロンが口を開く。

 

「そろそろ良いかな?俺は現場に行かなくてはならないのでね」

 

そう言うと彼は「ワープゲート」を開き、立ち去っていった。アルミダも

 

「あーあ、よく考えたらルイの序列って9じゃない。あんなに騒いだのが馬鹿みたい」

 

と吐き捨て、「ワープゲート」を開いて去って行く。

 

「ほんと、あの二人っていつも冷たいですよね」

 

 立花亭のぼやきに残りのメンバーは頷いた。そしてこう思う。「ベストナインのメンバーであったルイが殺された。自分の身ももしかしたら危ないかも知れない。だがあの二人は自分の危険などこれっぽっちも考えていない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が」

 否、自分の危険を感じていない人物は正確にはもう一人。マウントールもそうだった。彼の仲間思いは確かなものだったが、彼自身も自分の危険など一切考えてはいなかった。

 

「我々も戻ろう。このことはベストナイン以外には知られないように、分かったね?」

 

 マウントールは朝のミーティングの最後をこう締めくくった。




 長くなってしまった。ベストナインの描写を書きたくて仕方なかったからね。しょうがないね。
 
 ここで裏話を一つ。ベストナイン序列1「マウントール=フランス」の名前は、フランスの文豪「アナトール・フランス」からきています。
 あと、諸事情によりマウントールの通称を「マウンティングウォリアー」に変更しました。





次回予告および警告

 諸君、私はパロディが好きだ。そういう意味では私もチートスの原作者と一緒なのかもしれない。
 沢山新キャラ出ます。ほぼ全員パロディキャラです。しかもマイナー作品ではなく、あの()()()()()のパロディキャラです。オリジナリティもあるキャラを目指しますが、「こんなこと望んでなかった」という批判も覚悟してます。しかし私はパロディを許容出来る人に見て欲しいと前から書いてました。
 パロディ嫌いの皆さん、残念ですがさようなら。OKな人は引き続きこの作品をお楽しみください。
 次回、対ベストナイン組織登場。お楽しみに!
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