異世界転生殺し チートスレイヤー アナザーミッション(VSアナザーベストナイン)   作:3S曹長

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 ふと原作者や作画担当がこの作品を見ているのかどうかが気になった。 
 仮に見ていたとしたらどんな感想を抱くのだろうか?「そうそう、そういう展開が描きたかったんだよ」と思うのだろうか?「リュートはそんなこと言わない!」と思うのだろうか?「リュートと魔女だけで戦う物語なんだよなぁ」と思うのだろうか?
 とりあえず「へったくせーなぁ。これだから素人は」という感想を抱くことに花京院と十神白夜の魂を賭けます。


第二章 「ソルティングブレッド」殺し その3 「復讐相手」

 やっぱりそうか、とリュートは思った。魔女が「お仲間」と言うならば自分と同じ境遇を持っているのではないかと推測はしていた。

 そんなリュートを尻目に魔女が言う。

 

「そうだ、大事なことを言い忘れていた。ベストナインのルイだがな、ついさっきリュートが殺したところだ」

 

部屋にいる皆から激しいどよめきが起こった。まるで自分たちが退治するはずの化け物の保護をトップが認めたかのようなどよめきだった。

 

「特にレースバーン。お前に対しては済まなかったと思っているよ。ルイを殺すのはお前だったはずだからな」

 

魔女に名指しされたオレンジ髪の男、レースバーンは

 

「ルイを殺したいと思っていたのは確かだ。だが、ルイを殺したかったのはこれ以上奴の被害者を増やしたくないと考えていたからだ。奴が死んでこれ以上悲しい思いをする人が増えないなら、俺はそれでいい」

 

と明るく答えた。

 

「え、ということはレースバーンさんも家族を…」

 

「ああそうだ。ルイに家族も村も奪われた。残されたのは我が身とこの地下室だけだ」

 

リュートはハッとする。魔女はさっき「この村を滅ぼしたのはルイだ」と言っていた。レースバーンはこの村の生き残りなのだ。そう考えると強い罪悪感が出てきた。

 

「す、すみませんでした!あなたも俺と同じくらい奴を憎んでいるはずなのに…。俺は…あなたの(かたき)を奪ってしまった!」

 

リュートは深々と頭を下げて精一杯の謝罪の言葉を口にする。しかしレースバーンは笑顔で答える。

 

「いいんだよ。奴が死んだならそれでいい、その言葉に嘘は無いよ。それに、俺が君の立場だったら同じことをしただろう。君は俺のことを知らなかったみたいだし、君がルイの被害に遭ったのはつい最近なんじゃないか?」

 

「はい…そうです」

 

「ならば一刻も早く敵討ちをしたいと思うのは当然のことじゃないか!」

 

レースバーンの言葉はリュートの罪悪感を洗い流してくれるようだった。

 

「フフフ、お前ならそう言ってくれると思ったよ」

 

魔女が笑って言うと、ポセイドラが口を開く。

 

「しかし、随分と勝手な行動じゃないか?俺たちには散々、『ベストナイン』に手を出すのはもう少し先だ、と言っておきながら」

 

 そうだったのか、とリュートは思った。その言葉を聞いてふと考える。

 

「魔女がもっと早くに動いてレースバーンさんと一緒にルイを倒してくれていたなら、皆死ななくて済んだんじゃないか?」

 

そう考えると怒りが沸々とこみ上げてくる。思わず魔女をにらんでしまう。

 

「まあそう言うな、ポセイドラ。リュート、お前の言いたいこともよく分かる。だがな、今回のルイ殺しは私にとっても賭けだったのだぞ?」

 

魔女が二人を制すようにそう言った。

 

「賭けってどういうことだよ?」

 

「さっきも説明したがな、「転生殺しの箱(デリートチートゾーン)」は平常心の転生者には効かない。だからルイの過去を宣言することで奴の動揺を誘ったよな?だが、この作戦には一つ懸念材料があった。もしも、奴が転生者としての日々を本当の意味で満喫していたのならば、今更転生前のことを言われたとしても、どうでも良いことだと受け流すかもしれない。そうなれば今回の作戦は失敗に終わっていた。だがそれは杞憂(きゆう)だった。奴は自分の過去を捨て切れていなかった。やはり転生者はチートでイキっているだけのゴミ野郎だったということだ」

 

「つまりお前はこいつを実験体にしたということか?」

 

魔女の弁明を受けて、ポセイドラが問いかけた。

 

「ポセイドラ、女性をいじめて楽しいか?嫌われるぞ?」

 

魔女はごまかそうと考えたようだが、そうはいかないようだと観念したのか

 

「うーん、まあそういうことになるな。リュート、私はお前を作戦が成功するか確かめるための実験体にしたんだよ。ルイの序列は一番下だったし、レースバーンならああ言って納得すると踏んでな。ルイに村を滅ぼされたばかりのお前を使ったんだ。仕方なかったんだ。危ない賭けで彼らを失いたくはなかった。彼らはこう見えて戦闘のエキスパートなのだぞ?」

 

「なっ…」

 

リュートは言葉が出て来なかった。怒れば良いのか(あき)れれば良いのか分からなかった。

 

「安心しろ、リュート。お前はもう実験体では無い。立派に仲間だよ。さっきも言っただろう?『以外と賢いじゃないか』とな。私はお前を見くびっていたんだよ、頭脳面でも戦闘面でも。それに…」

 

魔女は一度言葉を切って目を若干そらした。そして

 

「一応、『済まなかった』と詫びを言おうじゃないか」

 

と言葉をつないだ。

 

「うおー!聞いたか皆、魔女が謝罪したぞ?こいつぁ相当レアだぜ!」

 

ジモーがはしゃいだ。リュートは本当は文句を言いたかったが、魔女が一応謝罪したこと(ジモー(いわ)くレア)と魔女が自分を認めたと言ったことを受けて、何も言わないことにした。ポセイドラも不満そうだったが、腕組みをしながら目を閉じてそれ以上は不満は言わなかった。

 

「それじゃあ、レースバーンさんとはここでお別れなんですの?」

 

 リンが寂しそうな声でレースバーンに尋ねた。

 

「いや、まだ俺の復讐相手が死んだだけに過ぎない。皆の復讐が済んでいないのに、自分は終わったからさようなら、なんて真似(まね)は俺には出来ないさ」

 

「じゃあ、まだここにいてくれるんですの?」

 

「もちろんだ!」

 

「良かったぁ~。レースバーンさんがいないと寂しくなっちゃいますものね」

 

レースバーンの返事を聞いて、リンは安堵したようだった。

 

「あの、皆さんに質問があるのですが…」

 

 リュートが口を開いた。

 

「答えづらいことだとは思うのですが…皆さんは誰が復讐相手なんですか?」

 

リュートがそう質問すると、場は一瞬静寂に包まれた。リュートは何か付け加えないといけない、と感じたようで

 

「あっすみません、こんなこと聞いてしまって。でも俺知っておきたいんです、倒すべき相手が誰なのかを。俺はついこの間まで転生者に憧れていました。いつか転生者の力になりたいと本気で思っていたんです。でも、ルイに全てを奪われて、分からなくなってしまいました。ベストナインには悪者しかいないのかどうなのか…」

 

と自分の気持ちを打ち明けた。それを受けて、ジモーが口を開く。

 

「別にいーんじゃねーのか、皆。それくらい教えてやっても。皆知ってるのにこれから仲間になるこいつだけ知らねぇってのも、おかしな話じゃねぇか」

 

「私も同感です」

 

とケイルが賛同する。

 

「私もかまわんが?」

 

「私もだ」

 

「わたしも~」

 

ゴーギャン、ラーシャ、リンも次々賛同し、残りはポセイドラだけだったが彼も

 

「…別に問題ない」

 

と皆の賛同を受けたのか返事をする。

 

「じゃあ、言い出しっぺの法則ってやつだな!俺から言おう!俺が倒す相手はただ一人、ベストナインの序列2、『Mr.土方(どかた)』ことアシバロン=ボーナスだっ!!」

 

復讐相手を告白するのに相応しくないテンションの高さでジモーが言う。

 

「私の相手は、ベストナインの序列3、『Ms.ダブルマッカレル』のアルミダ=ザラです。彼女に姉を奪われました」

 

ケイルが続ける。ジモーの後だったこともあるが、恨めしそうな低い声での告白は、普段の透き通るような声も合わさり、不気味さを感じさせた。

 

「私も同じだ。アルミダ=ザラに姉を奪われた」

 

ラーシャが続けた。二人の境遇は一緒のようだ。

 

「わたしっていうか、わたしとメルくんはね~。序列4の米沢反死(よねざわはんし)が相手なのですわ~。多分ね?」

 

リンの言葉にリュートは首をかしげる。なぜ自分の復讐相手がはっきりしないのだろう。

 

「あっ、ごめんね~変だったよね?復讐相手に『多分』なんて。う~んと、簡単に話すとね、襲われたのはメルくんの村なの。彼の村が襲われて、その直後にたまたまわたし、メルくんに会いに行くところでね、メルくんの村に着いたときにはもうメルくん以外皆死んでたの」

 

リンが説明を続ける。

 

「メルくんも毒に犯されていて意識がはっきりしてなくてね、誰か助けてくれる人を探していたところで魔女さんに会ってね、メルくんもなんとか喋れるようになるまで回復したの。それで見たんだって。村を襲ったのは黒い虫の集団だったんだけど、その中で米沢反死(よねざわはんし)が立っていたのを」

 

そこまで話したところで別の声が聞こえた。

 

「マ゛…マ゛チガイナ゛イ゛……。アレ゛ハ…ヨネザワ…ハン゛シダッダ!」

 

「もうメルくん!無理しちゃダメだって~」

 

リンは必死に主張しようとするメルクリオの身を心配する。

 

「俺は…ジーモと同じだ。アシバロンに親友を奪われた」

 

ポセイドラが静かに言った。

 

「私の大切な皆を奪ったのは…。ベストナインの序列5、スパノ=ヤナティンだ…」

 

最後にゴーギャンが答えた。

 リュートは次に自分が迎え撃つ相手が誰なのか、分かったような気がした。




 区切りが良いので今回はここまで。次回も説明回になります。

 19日は予定があるのでこれ以上投稿できない可能性が高いです。説明回を終えてストーリーを進めたいのは山々なんですが、申し訳ないです。これまでの話を見直すなり、考察を感想欄で話し合うなりして次回をお待ちください。

 ここで裏設定を一つ。
 転生者には名前と苗字がありますが、現地民は名前のみです。原作で「リュート=○○○」って名前だったらこの設定は無かったです。
 
 ここで、新キャラクター達の名前について、私から問題を出します。新キャラ達の中で、元ネタから連想して名前を決めたのは、レースバーン、ケイル、ポセイドラ、ジーモ、リンの五人です(他のメンバーはインスピレーションだけで色々なところから持ってきて決めました)。さて、どのように連想したでしょうか。下のヒントも参考にしつつ暇で暇でしょうがないときにでも考えてみてください。答えが分かったら感想欄で発表してみては?

レベル1、レースバーン…もう見ただけで分かる。超簡単。文字列見ただけで笑っちゃうレベル。ある共通点をもつキャラ3体のトリプルコンタクト融合。N(ネオスペーシアン) フレア・スカラベもびっくり。

レベル2、ケイル…発想はレースバーンと同じ。融合は無し。

レベル3、ポセイドラ…最近人気のとある作品を知っていれば楽勝。知らなきゃ分からないレベル。一応そのまんまじゃ別のキャラになっちゃうので少々変更。

レベル4、ジーモ…元ネタから3回くらい連想ゲームをはさんでようやく出てくる。作品自体は超有名。

レベルMAX、リン…おそらく絶対無理。マイナーな作品過ぎて見ている人がほとんどいないレベル。仮に見ていたとしても頭の片隅に残っているかいないかだと思う。一応のヒントを言うと、連想は元ネタの声優からスタート。
 
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