幼馴染のついでにマフィアにされたら、武器がフォークでした   作:クォールツ

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プロローグ

 人生とは……なんて、今まで生きてきた中で考えた事は無かった。

 当たり前だ。俺は哲学者じゃないし、なによりまだ十三年とちょっとしか生きていない。たった十三年、自分の人生を達観するには短すぎる。

 だけど、これからの自分がどう生きてくのか……それだけはなんとなく分かってしまっていた。

 将来の夢なんてものも無ければ、熱血スポーツ漫画の主人公が建てる様な明確な目標も無く、ただ日々を漠然と過ごしていくのだと。

 残りの中学の二年とちょっとの間を適当に過ごし、どこか適当な高校に入って、適当に就職して、適当に死ぬんだと思っていた。

 そう、あの日幼馴染のところに現れた赤ん坊に、無理矢理マフィアにされるまでは。

 

 これは、平々凡々などこにでもいる中学生だった俺、"四阿 直継(あずまや なおつぐ)"が、何故か幼馴染のついでに無理矢理マフィアにされる物語である。

 

 

 

 

 

 俺の人生が大きく変わり始めたあの日の事を、俺は一生忘れる事は無いだろう。

 桜の花が散り、次第に青い葉が増えてつつあったあの日。俺は幼馴染と共に、誰もいない通学路を歩いていた。ただし学校にでは無く、自分の家に向かって。

 俺達は並盛市立並盛中学に通う中学一年生だ。去年の今頃、初めて袖を通した時にはぶかぶかだったこのブレザーも最近になってようやく俺の身体に合ってきた。

 そんな中学一年生の少年二人が何故こんな、人気のない通学路に居ると思う? 

 陽はまだ高く登っており、本来学生である俺達は教室で教科書と黒板相手に睨めっこしている筈である。なのに何故俺と幼馴染は学校へと続く道を、学校と反対側に向かって歩くその理由は? 

 そんなものは一つしかない。俺達は学校をフケたから、それだけだ。二時間目の英語の授業中に計画を立て、そのまま隣の席の幼馴染を誘い、授業が終わった瞬間学校を抜け出した。

 そろそろ三時間目が始まる頃か。今頃学校の教師共は顔真っ赤にしてキレてるだろうな、笑える。

「かったりぃ……正直学校なんてかったるくてやってらんねぇよなぁ〜、なぁツナ?」

 隣を歩く幼馴染にそう聞けば、すぐに答えは返ってきた。

「本っ当にナオの言う通り! 皆何が楽しくて通ってんのか分っかんないよな〜」

 俺をナオと呼ぶこの茶髪のツンツン頭こそが俺の幼馴染、"沢田 綱吉(さわだ つなよし)"だ。綱吉だと長くて呼ぶとき面倒だから、俺は"ツナ"と呼んでいる。俺がツナと呼び続けていくうちにこのあだ名は広まっていき、今では同じ学校に通う奴の大体はツナ呼びだ。まぁ、コイツにはもう一つ不名誉なあだ名があるのだが……それは置いて置こう。

 初めて俺達が出会ったのは一歳の時らしい。

 

 ()()()って言うのは、その時の事を俺が憶えていないからだ。ぶっちゃけ一歳の時の記憶なんて憶えている訳ないし、物心ついた時には既にツナとはよく遊んでいたからな……。憶えてないくらい昔からつるんでいて、喧嘩こそ数えられないほどしたが疎遠になった事は一度も無い、兄弟みたいな感じの奴。それがコイツだ。

「だよなぁ!? いやぁ〜俺は同志が居て、嬉しいぞ! ツナくん!」

 そう言いながら俺は、俺の肩より僅かに下に並んだツナの肩をバンバンと叩くと、その衝撃でツナは少しよろける。

 ツナの身体には脂肪はついてないが、筋肉も無い。つまりガリガリってヤツだ。まぁ俺もあまり他人のことを言える立場には居ないけど。

 言わなくても分かるかもしれないが、俺とツナは運動が苦手……というより嫌いだ。徒競走なんかではいつも俺達がドベのワンツーフィニッシュを決めるし、球技をやれば顔面キャッチは当たり前。体育の成績ではワースト二位を常に競い合っている。

 更に言えば、ワースト二位を競い合っているのは体育だけじゃない、国語、数学、英語に現代社会……ありとあらゆる教科の成績ドベワンツーが俺とツナだ。テストなんて10点越えれば良い方で、0点なんてザラにある。

 だからといって必死になって勉強したり、身体鍛えたりなんて俺達はしない。

 部活は帰宅部、家に帰れば宿題なんか放り出して部屋に籠ってゲーム三昧。それが俺達。

 そんなだから、周りの奴らからは常に馬鹿にされる。

 勉強もダメ、運動もダメでいつの間にやらついたあだ名は"ダメツナ"に"ダメツグ"、二人合わせてダメコンビだなんて言われている。

 けどまぁ、俺達はそんなの気にしていない。気にしたって仕方ないからな。そうだろ? 出来ないモノは出来ない。出来ないって分かってる事を必死こいてやる奴は馬鹿なだけだ。

 そんな無駄なことをやるよりも、日々を楽しく楽〜に生きる方法を考えるべきだ。例えば、学校をサボってつくった暇な時間をどう過ごすか……とか。

「それはそうと、この後どうする? どっか行く?」

「暑ちぃしパス。いつもみたいに俺ん家でゲームしようぜ。そういやツナ、お前新しいソフト買ったとか言ってなかったっけ? それ持ってこいよ」

「あーアレね。別に良いけど、あんま面白くなかったんだよな〜……パッケージに騙された」

「マジかよ、ゲーム選びすらダメだなツナは」

「ナオだって、この前買ったゲームクソだったじゃん! アレに比べたら全然遊べるから!」

「あぁん? それは俺が五千円という大金をはたいて買った、五八(仮)の事かぁ!? ……あれはクソゲーだったなぁ……」

 俺が遠い目をして、クソゲーに消えた小遣いに想いを馳せる横で笑い転げるツナ。それを見てると俺も笑いが込み上げてきて、誰も居ない通学路に、俺とツナの笑い声だけが響く。

 確かに俺達はダメかもしれないが、別に良い。代わり映えの無い毎日を楽に楽しく、それが一番。なんて今思えば甘い考えだが、あの時俺はそう考えていた。

 一人の赤ん坊が、そんな毎日を破壊するなんて露にも思わずに。




回覧いただきありがとうございます。
ノリと勢いだけで投稿を始めてしまいました・・・
誤字脱字等ありましたら教えて頂ければと思います。
拙い文ですが、どうぞよろしくお願いします。


追記 時系列を間違えていた為に、主人公とツナの年齢を変更。十四歳→十三歳  中学二年生→中学一年生
 ストーリーは特に変更してないので、お許しください!
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