幼馴染のついでにマフィアにされたら、武器がフォークでした 作:クォールツ
この前書きを書いていて気づいたことがあるのですが、今までずっと幕間を"ばくま"って呼んでました。
そんな間抜けですら小説が書けるので、皆も小説、書こう!
そしてサブタイトルを忘れて投稿し、早くも編集。RTAかな?
黒スーツの赤ん坊……リボーンは、自らの生徒の一人である四阿 直継の背中を見送った後、夕暮れが差し込む教室に一人残っていた。
ここに残る理由は特には無いのだが、ならば何故この場を去らずにここに留まっているのか。
それは彼の──彼の教える二人の生徒の両方から何を考えているのか分からないと称される──頭の中で思考が渦巻いていたからである。
リボーンは、確かに未来を見通しているかのような行動を起こすことがあるが、それは彼の類稀なる頭脳によって生み出される"推理"である。
それ故に、リボーンとて頭を悩ませることはある。今回はまさにそうだった。
リボーンが悩んでいるのは他でもない、手のかからない方の生徒の指導方法についてだった。
その生徒の悩みは分かっている。だがその悩みを解決するにはどう動くべきかを、彼は考えあぐねていた。
リボーンとて暇ではない。なるべくなら時間は、とても手のかかる方の生徒を教育するのに使いたいというのが本音だ。。一緒に教えられればそれが一番だということは分かっているが、それは二人の生徒のためにならないどころか悪影響を及ぼす可能性があるのでそれも出来ない。
彼が悩みに悩んだ末に出した答えは……
「ま、しょーがねーな。もう少し様子を見るか」
なんとも呑気な答えだった。
ただ、彼をフォローさせて貰うとすれば、リボーンがそう判断したということは、"もう少し様子を見ても特に問題はない"と判断したということでもある。
真に頭脳明晰であるこのリボーン。早計な判断を下す事も無ければ、熟慮するうちに機を逃し手遅れになる事も無い。
的確な判断に基づく的確な行動……それがプロの殺し屋の仕事である。
そのリボーンがもう少し様子を見るというならば、きっとそれは正解であるのだろう。
“一旦様子見"という判断を下したリボーンが手のかかる方の生徒の家に戻ろうとした時、彼の内ポケットの中にある携帯が震える。
慣れた手つきでそれを取り出し、番号を確認する。
それは彼の雇い主からの電話だった。リボーンは迷わず通話ボタンを押して携帯を耳に当てると、電話の向こうの雇い主に向けて彼の特徴とも言える気の抜けた挨拶をした。
「ちゃおっス。調子はどうだ?」
「おかげさまで。それで、彼等の様子はどうかな? 上手くやれているかい?」
電話の向こうから聞こえたのは、老いた男性の声だった。
穏やかなその声は威厳もあるが、どこか孫の様子を知りたがるお爺ちゃんのようにも聞こえる不思議な声色だ。
「俺を誰だと思ってるんだ? 心配されなくとも、アイツらは順調に育ってるぞ」
「それは良かった」
そう言って彼の雇い主は小さく微笑んだ後、申し訳なさげに口を開いた。
「すまないなリボーン。本来なら一人に集中して貰えるはずだったのに、此方の都合で急にもう一人の教育もお願いする事になってしまった」
「気にしてねーぞ。その分のギャラはキッチリ貰ってるし、何よりもう一人はあんま手が掛かりそーにもねーからな。まぁ少し予想外もあったが問題ねーぞ」
「そう言って貰えると助かるよ。ではそろそろ失礼させて貰う。彼等を頼んだよ、リボーン」
そうして彼とその雇い主との通話は切れた。リボーンは慣れた手つきで携帯を内ポケットに仕舞い込み、今度こそ手のかかる方の生徒の家に帰るべく歩み始める。
「何より、俺自身もアイツらの成長が楽しみなんだ」
そう一人呟いて、ニヤリと楽しげな笑みを浮かべるリボーンの姿を知る者はいない。
強いて挙げるのであれば、彼の相棒である形状記憶カメレオンのレオンだけがその姿を知っていた。