乾いたターフを湿らせる   作:やわらかスマホ

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第二十一話

 8月も間もなく半ばを迎える。

 うだるような厳しい暑さが続き、辺りに響くセミの鳴き声が鬱陶しく感じられる季節。

 

 暦の上では秋とされているが、現実として秋の訪れを感じるのはまだまだ先になるだろう。

 まさに猛暑と言える――そんな夏の日、俺は学園の室内プールでテイオーのトレーニングを見ていた。

 

 指示した距離である500メートルを瞬く間に泳ぎ終えたテイオーが、プールサイドにいる俺の傍まで泳いでやってくる。

 滑らかで無駄の少ない動きだ。骨折から二か月以上が経過し、既にジョギング程度なら軽くこなせるほどに脚の機能は回復してきた。

 

「よーし、終わりっ! ねぇトレーナー、タイムはどうだった?」

「前と大して変わっていない。そう焦るな……水泳は脚への負荷は少ないが、だからってまだ無茶をするのは禁物だ」

「それはわかってるけど……。でも、皆はこうしてる間も合宿で頑張ってる。ボクたちただでさえ遅れちゃってるのに、悠長になんてしてられないよ……もっと練習しなきゃ」

 

 そうぼやいたテイオーの顔からは、現状に対する焦燥感が滲み出ていた。

 

 現在、トレセン学園は夏季休暇の真っ最中だ。

 7月から8月にかけてのこの長期休暇は、通常であれば大多数の生徒が夏合宿に参加する。

 

 海辺にある宿泊施設を学園が借りて、生徒も教員も泊まり込みで激しいトレーニングを連日で行う――それが夏合宿。

 俺たちも去年は夏合宿に参加して、それまでとは一段も二段も違う成長をすることが出来た。

 

 しかし、今年は当然不参加だ。脚の骨折がまだ完全に治りきっていないのに、合宿になど行けるわけがない。

 合宿が始まった7月頃のテイオーは、満足に歩くことさえ出来ていなかった。そんな状態では行っても何も出来ないどころか、かえって逆効果にすらなる。

 

 学園に在籍する大部分の生徒は合宿へ向かうが、それでも全員がそうではない。

 俺たちのように怪我のリハビリに励んでいる者、あるいは引退して次のステージを見据えている者などそれぞれに事情がある。

 

 そのような者のために、学園は夏季休暇の間でもいつも通り開放されている。

 流石に人手が足りなくなるため一部機能は縮小されているが、それでもこうやって普段通りの練習を行うには何の支障もない。

 

 まぁ、両親との折り合いが悪く実家に帰りたがらないウマ娘だっているんだ。そのような者のためにも、この学園は夏休みに閉鎖されていないのだろう。

 うちの理事長はウマ娘の健全な教育のためなら、どんな努力でも厭わない情熱的な人物だからな。

 

 しかし、本音を言えば夏合宿に参加できなかったのは痛かった。

 基本的に、ウマ娘はレースの少ない夏で大きく能力を伸ばす。夏を終えた頃には別人のような成長を遂げている者だって少なくない。

 

 そんな重要な時期でこうやって足踏みしているなど……。俺自身、口ではテイオーを諫めてはいるがこいつが焦る気持ちもよくわかる。

 だが、それでもなお急ぎ足になるのは危険すぎる。本当に恐れるべきことは、足踏みではなく後退――再度の骨折だ。

 

 それに足踏みも終わりつつあり、最近はゆっくりとだが先へ進んでいる――優先順位を決して間違えるな。そうやって、血気に逸りそうになる気持ちを落ち着ける。

 とはいえ、怪我を恐れすぎて大した練習が出来ないのも問題ではあるか。結局のところ、身体に負荷を掛けなければ筋肉は鍛えられない……大事なのはリスクを見極めることだ。

 

「……なら、お前の要望に応えて今日はもう少し量を追加するか。あまり怪我に怯えすぎても強くはなれないからな」

「やったっ! そうこなくっちゃ、早速もう一回――」

「待て待て、話は最後まで聞け。当然俺が何か違和感を感じたらすぐに止めるし、お前からも隠さずに何でも話してもらう。絶対に体調に関して俺に隠し事はするな」

「あはは! もちろんわかってるって、トレーナー! じゃあいってくるねーっ!」

 

 そう言うや否や、テイオーは豪快に水飛沫を上げて泳ぎ去っていった。

 

(……まったく、本当にわかってるのかあいつは)

 

 まさに水を得た魚のように、活き活きとしたその様子に思わず呆れてしまう。

 まだ怪我は完全に治りきっていないのだから、常に慎重に行動しろと再三言い聞かせているというのにこれか。

 

 俺もやや過保護になっているのかもしれないが、ハラハラしながら奴を見守るこちらの身にもなってほしいところだ。

 水中では浮力が存在するため脚への負担は地上よりも軽い。だから俺が神経質になっているだけだろうが、やはりああいう動きは心臓に悪いな。

 

 水泳は全身の筋肉が満遍なく鍛えられるし、体力も自然とつくためスタミナトレーニングにはもってこいだ。

 目標であるクラシック三冠の最後を飾る菊花賞は、距離3000メートルの長距離に区分されている。トウカイテイオーには、今までこのような長距離を走った経験がない。

 

 未知の領域では、いくら才能があっても存分に実力を発揮できるとは限らない。そのことも踏まえて考えると、体力はいくらあっても足りないだろう。

 だからこそ、水泳という脚を酷使しないトレーニングで徹底的にスタミナを鍛え上げるのは合理的であるのだが……。何処かで忌避感を感じてしまうのは俺の弱さ故か。

 

 芝のコースを全力で走りでもしない限り、まず大丈夫だと頭では理解しているんだがな。

 情けないことに、あのときの光景は軽いトラウマになってしまっているらしい。まあこの恐怖は必要なものだ、それも消え去ってしまえばいざというときの歯止めが効かないのだから。

 

「ふぅ、久しぶりに思いっきり身体を動かしたって感じだなぁ……。今までなんて、勉強とかリハビリとかばっかで全然思うように運動できなかったし」

 

 ……本日の練習もひと段落して。

 プールから上がったテイオーが、タオルで身体を拭きながらすっきりとした顔で呟いた。

 

「仕方ないことだが、水泳のタイムは以前と比べると振るわないな。こればっかりは徐々に身体を戻していくしかないか」

「そうだね、すっごく鈍っちゃってる。これからはもっと頑張らないと」

「何度でも言うが、焦りは禁物だぞ。まずお前がやらなきゃいけないことは、怪我を完全に治すことだ。また骨折すれば今度は走れなくなる恐れだってある、それは肝に銘じておいてくれ」

「……うん、わかってる」

 

 ウマ娘の本業は芝やダートを走ることであり、水泳のタイムなど本来関係はない。

 しかし今までよりタイムが落ちているというのは、どれだけ筋力が衰えてしまっているかの指針になりえるため、全て捨ておくのも問題だ。

 

 テイオーの叩き出した記録は、そこらのウマ娘では相手にならないものであるが、それでもこの優駿にしては満足のいかない速さだった。

 やはり脚の筋力だけではなく、そもそものスタミナも相当衰えてしまっている。これらを怪我する以前の状態まで戻し、さらに可能な限り上回るレベルに仕上げたいところだが……。

 

 もう菊花賞まで残り三か月を切っている、時間的にはかなりキツいスケジュールになりそうだな。だが、そのような難題だからこそ挑戦する価値があるというものだ。

 

 ここまでやってきてやはり駄目でした、など認められるわけがあるか。

 確実に、冷静に――何もかもを十全にこなしてやる。内心の不安も恐怖も、こいつの前では絶対に見せることをしないと誓う。

 

 俺がついている限り、必ず勝てるのだと思わせてやろう。それが嘘だろうが虚勢だろうが、そうやって安心させてやるのがトレーナーの役目だ。

 だから……そんな風に、影が差した表情をするのは今すぐやめろ。

 

「なぁ、今日の夜って何か用事はあるか? 連れていきたい場所があるんだ」

「……え? 別に特にないけど、なんか珍しいね、トレーナーから誘ってくるの」

「ま、たまにはな。学園と寮を往復するだけの毎日ってのも味気ないだろ、俺が良い場所へ連れてってやる」

「もちろんいいけど、トレーナーって意外にズレてるとこあるし、あんまり期待できないなぁ。ボクをがっかりさせないでよね?」

 

 小生意気な返答に「言ってろ」と吐き捨てながら、ともに室内プールを後にする。 

 さて、寮に戻ったら早速準備をしないとな。あれをこいつが気に入るかどうかはさておき、どんな形であれ息抜きは大事だ。

 

 

 

 夜の河川敷は、予想に反して人がまばらに点在していた。

 

 辺りはもう薄暗いというのにまだ元気に騒いでいる子供に、それを見守る保護者。仲睦まじく肩を寄せ合っている若いカップルなど、思っていたよりも先客が多い。

 夏休みだからだろうか、あまり他人のことは言えんが暇を持て余した連中は存外いるようだ。

 

「ねぇ、こんなところに連れてきてどうするつもりなの? 特に何もないけど」

 

 テイオーが不思議そうに周りをきょろきょろと見回す。

 良いところと言われて連れてこられたのが、馴染みの深い学園近郊にある河川敷ではそういう反応にもなるだろう。

 

「まぁもう少し待て、今から準備をするから」

 

 持参してきたバケツに川から水を汲み入れた後、鞄からあるものを取り出して点火する。

 細長い棒状をしたそれは、パチパチと音を立てながら暗闇に眩しい火花を散らした。

 

「わぁ、これって――」

 

 テイオーが一転して顔を綻ばせ、幼い少女のように瞳を輝かせる。

 使い終わったそれを水の入ったバケツに入れて消火しながら、その急激な変わりように苦笑する。たかがこの程度のものでそんなに喜んでくれるとは、安上がりもいいところだ。

 

 俺がさっき火を点けたのは市販されている花火――その中でも『手持ち花火』と呼ばれる種類のものだ。

 おそらく店で売っている花火と聞くと誰もが最初に連想するようなもので、その名前の通り手で持った細長い棒の先から火花が炸裂する。

 

 この周辺で花火がやれそうな場所は、この河川敷以外思いつかなかったからな。ここに連れてくるしかなかった。

 流石にロケット花火など、他者に危害が加わる可能性があるものは禁じられているが。それ以外のものであれば、厳重な火の始末やゴミの処理を条件に許可されている。

 

「所詮は子供の遊びで使うような花火だがな、暇潰し程度にはなるだろ」

「奇麗だね、トレーナーにしては気が利くじゃんっ!」

「まったく、お前も大概余計な言葉を加えたがる奴だな。……今年はあの祭りには行けなかったからな、ちょっとした罪滅ぼしみたいなもんだ」

「あっ……。覚えてて、くれたんだ――」

 

 熱っぽい目でまじまじと見つめられ、顔を背けて「たまたまだ」と素っ気なく返す。

 感激したようなその表情を直視するのはなんとなく面映ゆかった。こいつは感情表現が大袈裟なんだ、いちいち喜怒哀楽が急変しすぎる。

 

 去年のこの時期、夏合宿の合間にテイオーに頼まれて祭りに出掛けた。

 そのとき打ち上げ花火を一緒に見たのだが、来年また二人で見に行こうという、こいつとの約束を俺は果たすことが出来なかった。

 

 俺の未熟さがこいつの骨折を招き、合宿に行くどころではなくなってしまったからだ。

 別にまた一緒に花火が見たかったわけではないが、約束を守れなかったという事実は俺の心に棘のように突き刺さっていた。  

 

 おそらく、その痛みの名は罪悪感と無力感だろう。

 担当ウマ娘の些細な願いさえ叶えることが出来なかった……今回のこの行動は、それを少しでも解消したいという動機からでもある。

 

 普段とは違いテイオーは妙に大人しくなってしまったため、静寂が俺たちを包む。

 もっとバカみたいに騒いでくれることを望んでいたが、無駄なことを喋ってしまったか。

 

「そら、こんなのもあるぞ」

「おおーっ! なな、何これ!? いっぱい燃えてるよっ!」

 

 地面に置かれた筒状のその花火は、先端から炎や火花を出して盛大に燃えている。色とりどりの火花が舞い、まるで噴火山のように吹き上げるそれにテイオーも盛り上がっていた。

 このおかしな空気を素早く変えるために別の花火を用意したのだが、思惑通りになって安堵する。辛気臭いのは御免だからな。

 

「『噴出花火』だ。見ての通り火を点けるとこうやって派手に燃え上がる」

「へぇ……なんかすごいね。花火ってこんなのもあるんだ」

 

 テイオーが感心したような声を漏らす。

 いつものように賢しらにも見える態度ではなく、自分が知らなかったものを前にして驚きを隠せないといった調子だった。

 

「なんだ、この手の花火もやったことがないのか? 利き紅茶が出来るようなお嬢様には馴染みがないかもしれないが、俺たち庶民にはそれなりに知れ渡っている代物なんだがな」

「もうっ! すぐそうやってお嬢様だなんだってからかってくる! それくらい普通誰でもわかるでしょ、お嬢様っていうのはマックイーンみたいな子のことなんだから!」

「紅茶の違いが何でもわかるのは普通じゃないから言ってるんだ。お前のは既に立派な特技だぞ、存分に胸を張っていい」

「それ、ぜんっぜん褒められてる気にならないんだけど……」

 

 テイオーに向けていつものお嬢様弄りをすると、ジト目になって苦言を呈される。

 はっきり言って他人の出自に対して、このようにからかうのは趣味が悪いと理解しているのだがなかなかやめられない。

 

 偶然ではあるが利き紅茶が出来ると知ったとき、こいつには悪いが笑ってしまった。

 苦いものが嫌いでコーヒーでも緑茶でも駄目なら紅茶はどうか、そう思ってのことだったが意外すぎる特技だった。

 

 こいつの一番好きな飲み物は間違いなくはちみつドリンク。なのに、なぜ紅茶の細かい味の違いがわかるほどに詳しいのか。

 それは、実家が高級な紅茶の銘柄を豊富に取り揃えている、あるいは上流階級お得意のお茶会などに頻繁に出席していたからだと推測される。

 

 舌とは磨かれるものだ、普段から良いものを数多く味わっていなければ利き紅茶など到底出来るはずもない。

 それを容易くこなしている時点でこいつがお嬢様であるのは疑いようがないが、いつもの快活な様子とのギャップが俺を笑わせてくる。

 

 利き紅茶が出来る事実を知った日を思い返し含み笑いをするが、それをこいつに咎められ再び夜の河川敷で口論が始まる。

 そうやって担当ウマ娘とひとしきりじゃれ合っていると、急にテイオーが意を決したような表情になる。

 

「あ、あのさ、ぼ、ボク……! ボクね、キミの――」

「おいおいどうした、少しは落ち着け。大分掛かり気味になってるぞ、ひとまず深呼吸して息を整えろ」

 

 テイオーがこちらをじっと見つめ、盛大にどもりながら必死に何かを言おうとしてくる。

 しかし、こんな調子では伝わるものも伝わらないだろう。

 

 親切心からそう考え、とりあえず一旦落ち着かせようと、いつもの癖でぽんぽんと軽く頭を撫でたのだが。こいつは「うぅーっ!」とまるで子犬のように唸りながら睨んできた。

 

 やれやれ……随分と反抗的な目つきだな。例えるなら、飼い犬に手を噛まれる一歩手前の状況といったところだ。

 こうやって仏心を見せても結局相手には一ミリも届かないのだから、トレーナーとはつくづく孤独な職業だと感じる。

 

「トレーナーのバカ! どうしてトレーナーはいつもそうなのさ! せっかくボクが大切なことを言って、すごいお礼をしてあげようと思ったのに!!」

「……何をそんなに怒っている。それにその気持ちだけで充分だ、別に見返りが欲しくてやっているわけじゃないし仕事の延長でもあるからな」

「それでもボクは、トレーナーにお礼をしてあげたいんだよ。キミにはいつもたくさんお世話になってるから……。何か、ボクにしてほしいことってある?」

「お前にしては随分と殊勝な心掛けだが、本当に気持ちだけで満足なんだがな……」

 

 テイオーの瞳はいつになく潤んでいるため、本気で礼がしたいと考えているのだろう。

 そう思ってくれたこと自体は嬉しいが、別に彼女に何かをしてもらいたいとも思わない……俺はただ、当然の務めを果たしているだけだからだ。

 

 しかしそう言ってくれる担当ウマ娘の気遣いを無碍にするのもどうかと感じ、しばらく思案することにした。

 

 ……やはり特に浮かばないな。今まで欲しいものは全て自分の力で手に入れてきた。

 何よりお前の心配りから生じたその言葉だけで、俺にはもう充分すぎる。

 

「ならお前には、俺に関する評判を良くしてもらおうか。クラスでも生徒会でも何でも構わないが、『トレーナーはすごく優秀で親切なヒトです』とでも後でさりげなく触れ回ってくれ」

「まぁ、別にそうしてあげてもいいけど、まずは理由を聞きたいかな」

 

 冗談めかしてそう言うと、テイオーは露骨に眉を顰めた。事前に想定していたものとはまったく違った要求であったためだろう。

 俺は、その様子を意に介さずに先を続けていく。

 

「お前は学園の人気者だからな、単純に俺のイメージアップが目的だ。次に有望なウマ娘をスカウトするときに少しでも楽がしたい、流石に毎度毎度あんなに手こずってられん」

「……なにそれ、もう次の話? じゃあそんなこと絶対に言ってやらないから。『トレーナーは不愛想で口が悪くて女心がわからない』って言ってやるもん」

「おいおい、謂れなき誹謗中傷は勘弁してくれ。俺がお前と契約するまでどれだけ苦労したと思ってる、次はもっと手早く終わらせたいと思うのは当然の思考だろ?」

「あのときキミが契約できたのは優しいボクのおかげなのに、ふざけたことばっかり言ってるからだよ! 大体、ボクがいるのに次のスカウトのことなんて――」

 

 いつものように、くどくどと粘着質な長口上が始まる。

 明朗快活で何事にも物怖じしない、太陽のようなウマ娘。その一方でこいつにこのような一面が存在することを知っている者は、俺以外に誰がいるのだろうか。

 

 ま、これにももうだいぶ慣れた。こうなるのはある種の予定調和のようなものだ。まるで似合わない神妙な顔で、お礼がしたいだなんだと言われるよりはずっと据わりが良い。

 

 こいつには、既に多くのものをもらっている。

 今更他の何かを欲しがるほどに、俺は強欲でもないし恥知らずでもないからな。

 

 そうして俺は恒例になってきた、ウマ尻尾を荒ぶらせたテイオーを宥める作業に移る。

 星がやけに奇麗に見える、そんな夏の夜の出来事だった。

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