初投稿です。ニコニコに上げているRTA動画の原作小説的ななにかです。


【ウマ娘】URA優勝RTA_15:13_異世界に転生したようですがここでもグラス最強のようですチャート

「くっ・・・させません!!聖障壁!!」
私は防御魔方陣を展開するのに精一杯。
竜騎士サイレンススズカは遥か上空。無数の光の槍の前に、私たちは何もできない。
これほど、これほどまでも差があるのか。

「大丈夫デスか?」
「ええ、私なら大丈夫です。それよりも……。それよりもエル、あなた、少し手傷を負ったのではありませんか?」
「ふふふ、私はあれくらいの攻撃、なんとも思いまセン!」
「このままではラチがあきません。いちど引き返しましょう!」
「いえ、このままでは師エビーナに顔向けできまセン!私は師エビーナとトレセン学園と、そして……。
そして、グラスワンダー!アナタをも必ず守ってみせマース!!」
「エル……」

ーーー幻想世界ウマネストでの戦いの幕が上がるーーー

【GAME】
ウマ娘プリティーダービー

【レギュレーション】
・使用キャラ:グラスワンダー
・計測区間:育成開始~登録画面まで
・ハード:PC(DMM版)
・マクロ等使用不可

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【ウマ娘】URA優勝RTA_15:13_異世界に転生したようですがここでもグラス最強のようですチャート

目が覚めたら、異世界にいました。

何を言っているか分からないと思いますが、現実のようです。

 

順を追って話しましょう。

私の名前はグラスワンダー。

父シルヴァーホーク、母アメリフローラ、母父ダンジグというロベルトの系譜。

グランプリ3連覇の偉業。誰が呼んだか「栗毛の怪物」とは私のことです。

 

それが、どうしたことでしょう。ファンタジー世界の衣装に身を包み、「ウマネスト」と呼ばれる異世界へと転移してしまったみたいです。

剣と魔法の幻想世界。こんなことが起こるとは、夢にも思いませんでした。

 

ともあれ、現実は受け入れなければなりません。

無職も魔王も転生し、無双したりスローライフを送ったりするこの時代です。

となれば、まずやることは決まっています。

 

「ステータスオープン」

 

そう唱えると、私のステータスが頭上に表示されました。こういう仕組みはどれも同じようですね。

ステータスを見るに、俗に言うワタシツエー的なチート能力は備わっていないらしく・・・。

こういうのは駄女神を言いくるめてチート能力を付与してもらうのが定石ではないのでしょうか。

まぁ、それは置いておいて、前の世界と大きく違う点といえば、成長率です。

以前はスピード20%パワー10%の成長率でしたが、この世界ではスタミナ15%賢さ15%に変わっています。

 

そしてもう一つ。我が矜持である「精神一到何事か成らざらん」

これが、「ゲインヒール・スペリアー」という回復スキルに変わっている・・・。

そう、この世界では、私は「治癒士」なのです。

度重なる骨折に悩まされた私も、この世界でなら、因子でスピードパワーをカバーすることで、後方から支援するヒーラーにも、前線でヘイト管理をする優秀なタンクにもなれそうですね・・・。

 

などと考えていると、脳裏に声が響きました。

「チカラガ、ホシイカ・・・」

童貞臭のするその声の主は、どうやら私を召喚したマスターのようです

「オハガチャデキタ!」と豪語する私のマスターは低位の神であり、特殊な能力は持ち合わせていません。

ハイカキンゼイと呼ばれる異次元の神の元に召喚されれば、より優位な能力を授けてもらえたかも知れないのですが・・・まぁいいでしょう。

私はいつの世も、「グラス最強」でなくてはなりません。だからこそ、「グラス最強」にならなくてはなりません。

 

私は低位のマスターの持つカードから、5種類の使い魔を。そしてハイカキンゼイの神から1種類だけ使い魔を授けて貰えることとなりました。

低位の神であっても、いえ、低位の神であるが故か、高位の神のフォローには余念がないようです。良い因子をお持ちの方は是非、フォロワーを整理して私のマスターにフォローされてくださいね。

 

ではここで、私のかわいい使い魔たちを紹介させていただきましょう。

まずは、一番かわいいスペちゃんです。最近はレースボーナス育成が流行っていることもあって、外せなくなりました。

カードに映っているのが私ではなくスズカさんであることがマイナスポイントでしょうか。そしていつものキタちゃんに、同期のキングへイローちゃん。そしてレースボーナスを持つエイシンフラッシュさん。差しが得意な私には持ってこいの使い魔さんです。スタミナ枠にはマックイーンさんを配置します。あの優雅な佇まいには敬意を表しますわ。パクパクですわ。

あら、口調が移ってしまいました。うふふ。

 

ハイカキンゼイの神からは、スーパークリークさんをいただきました。

練習効率も良いのはもちろんですが、レースボーナスも10%付くんですよね。

やはりママは正義なのでしょうか。私も母性を備えることができれば、グラス最強がさらに最強になるのでしょうか。

 

【1】ジュニア級メイクデビューに出走

 

では、メイクデビュー街道を通って街を目指しましょう。ウマ娘が本気を出せば、ヒューマンなど簡単に押さえつけることができます。心配はご無用です。

暴れる芦毛馬あればトコトンぶちのめし、輝くトロフィーあれば無理やり独り占め。大胆不敵、電光石火、勝利は私のためにあります。

こんなところで負けるわけには参りません。

前の世界では、トレーナーさんに怪我をさせる訳にはいかないのでチカラを隠していましたが、ここでは全力を出しても構わないのでしょう?

メイクデビューの魔物など吹き飛ばします!!

 

黄昏よりも昏きもの

血の流れより紅きもの

時の流れに埋もれし

偉大なる汝の名において

我ここに 闇に誓わん

我等が前に立ち塞がりし

すべての愚かなるものに

我と汝が力もて

等しく滅びを与えんことを!

 

竜破斬!!(ドラグスレイブ)

 

ふぅ、少々大地が削れてしまいましたが、ドラゴンの七つの宝玉のチカラですぐに戻るので心配はいらないでしょう。

 

このあたりの敵は相手になりません。

やはり、ライバルと呼べる存在があったのは大きいですね。

 

あの頃、私たちは黄金世代と呼ばれました。

日本総大将スペシャルウィーク

青空の逃げ馬セイウンスカイ

怪鳥エルコンドルパサー

誇り高き王者キングへイロー

 

彼女たちもまた、この異世界「ウマネスト」へと来ているのでしょうか・・・。

そんなことを考えながら荒野を歩いていると、ぽつぽつと灯りが見えてきました。

そういえば、朝から何も食べていません。私の好きなタンポポにはありつけるでしょうか。

 

辿り着いた先は、アサヒタウン。

その昔、町を襲ったワイバーンを一人で倒したという伝説の英雄を崇める街だそうです。

街の中心には、私もよく知っているマルゼンスキーさんを象った像が祭られていました。

そう、アサヒタウンを救った英雄とはマルゼンスキーさんのことだったのです。

 

マルゼンスキーさんもこの世界に来ていたのでしょうか。それにしては、転移の時間に差があることが少し気になります。

 

と、その時。

「ブフォオオオオオオオオ」

地鳴りのような汚い声を上げて、二足歩行の魔物が遠くから突っ込んできました。

「オークの群れだ!!オークがウマ娘の街を襲いにきたんだ!!」

逃げ惑う街の人々。このままではオークに蹂躙されてしまう。ここは私が何とかしなければ。

私は臆することなく魔方陣を展開。

前世でも、放馬されたウマが突っ込んできても微動だにしなかった私です。そんな威嚇で怯むほどやわな鍛え方はしていません。

「右手からメラゾーマ・・・左手からバギクロス・・・

火炎竜巻っ!メラゾロス!!」

 

悍ましい断末魔を上げて消滅するオークたち。

私が考えたオリジナルの魔法も効果抜群のようです。

「ふぅ・・・ウマ娘が本気を出せば、ヒューマンはおろかオークなど、大した敵ではありません」

そう呟き、私は二歳時に走った朝日杯を思い出すのでした。

 

【2】朝日杯FSで5着以内

 

私はオークを撃退したのを機に「マルゼンスキーの再来」「怪物二世」と呼ばれるようになりました。

「二世・・・?」この表現には少し憤りを覚えます。

マルゼンスキーさんは尊敬していますけれど、私はマルゼンスキーさえも越えていきます。

 

そうそう、ライバルといえば、この街でエルを見つけました。

モンジュードラゴンに素手で殴りかかって瀕死になっているところに遭遇したのは、不幸中の幸いでした。

モンジュードラゴンはこの世界にて最強。いまの私たちが敵う相手ではありません。そう・・・「いまの」私たちでは。

 

エルはこの世界でモンクのジョブに就いたようです。年度代表馬選出に「モンク」が出たからでしょうか・・・?

しかし、エルコンドルパサーは凱旋門賞に一番近かったウマ娘。

3歳馬ながらジャパンカップを圧勝したそのチカラは伊達ではないのです。

 

エル曰く、ジパング地方に敵はいないと、ロンシャン地方へ旅立とうというところでしたが、私は取引を持ちかけ、ひとまず彼女と共闘することにしました。

エルもこの世界に来ているのなら、あの人もきっとこの世界にいる。前世の毎日王冠で、私たちを子供扱いした永遠の風。二度と立ち向かうことを許されなかった最速の機能美。そう、彼女を倒さなければ、グラス最強はグラス最強になりえないのです。

 

手始めに、エルはNHKマイル迷宮を攻略するようです。

遅咲きの外国馬と呼ばれた彼女もまた、私が尊敬するライバルの一人。

しかし私は、出汁の効いた繊細なお料理にデスソースをかけられた恨みを忘れたわけではありません。

毎日王冠で先着したからと、いつまでも大きな顔をさせるつもりはありません。いつか、エルも倒します。

 

話を戻しましょう。

かつての私は、朝日杯を制したのち、骨折で春シーズンは全休することになりました。

まぁ、当時はJRAの規程でクラシックには出走できなかったのでありますけれど。

ですが、今の私は治癒士。自身の怪我も治して、クラシック戦線でも戦えます。

 

私たちは、フチューギルドに赴きました。

ここを仕切るのはシライ教団。総本山にはシライ最強を名乗る騎士がいるそうです。

しかしその騎士、多くの人々に「あげません!!」して困らせているようです。これは少し、お仕置きが必要かも知れません。

 

シライ教団の総本山「ダービーの塔」で待ち受ける騎士。

このダンジョンのボスはやはり、彼女でしょうか。

 

私とエルだけでは心許ないため、酒場で仲間を探すことにしました。

仲間はすぐに見つかりました。

「オーッホッホッホ。私が先頭に立って進んでさしあげますわ!!」

タズーナの酒場で踊り子をしていたキングヘイローを先頭に、高低差200メートルの坂を越え、私はダービーの塔を登り詰める。

 

あぁ、彼女の香りがしてきました。足音がしてきました。この香りを、この足音を、私は知っています。

何度も私の前に立ちはだかった同期のダービー馬。

目標でもあり、絶対に負けたくないライバルでもありました。

 

前世では宝塚と有馬で「分からせた」はず。

この世界でもあの幸せな時間は続くのですね。

遠慮は無用です。私も「全身全霊」で挑みましょう。

 

しかし、どうにも様子がおかしい・・!?

「・・・栗毛??・・・栗毛えええええええっ!!」

どうしたことでしょう。栗毛である私を見るや否や殺意を剥き出しにし、襲いかかってきたのです。

「どうして・・・?」

スペちゃんは強い。しかし、こんなに気性が荒かったでしょうか。何か、闇にうごめく黒いものを感じずにいられません。何か・・・。

「さぁ、価値ある時間をあげるわ!!」

考える間もなく、キングへイローが果敢に攻め込む。超高速の乱舞で場を支配する。

しかしスペちゃんも黙っていません。

その剣先に魔力が集中し…

「あげません!!シューティングスター!!」

スペちゃんが剣を振るうと同時に、幾重もの流星が、並ばない!並ばない!

音にも並ばずに光となって眼前に降り注ぐ。キングへイローは躱すことができずにダウン。

流石のスピードとパワー。

ですが、並ぶ間もなく先に行くならば、並ばせなければ良いだけのこと!!

「させません!!聖障壁!!」

「何っ!?」

スペちゃんが興奮のあまり剣を落したスキを、私は見逃しませんでした。

「やってみせるデス!!グラス!!」

「何とでもなるはずだ・・・!!」

「魔法だとっ!?」

 

「汝、その諷意なる封印の中で安息を得るだろう永遠に儚く」

「セレスティアルスター!!」

 

【3】日本ダービーで5着以内

 

「くっ・・・」

シューティングスターとセレスティアルスター。どちらが強いかは一目瞭然、私の勝ちです。

 

スペちゃんはよろよろと立ち上がり、しかしその目に宿す炎は消えていません。

「差し育成なら食いしん坊あげます!!」

そう言い残して去っていきました。

やはり、この世界でも、あなたの目にはサイレンススズカしか見えていないのでしょうか。

で、あるならば

目を覚ましてあげなくてはいけませんね。

それが、同期のウマ娘である私に課せられた使命でしょう

 

此の世であなたの愛を手に入れるもの

踊るライト見つめて忘れない

あぁ謎が解けていく

 

しかし、スペちゃんの様子はやはりおかしい。まるで私から離れて歩いていた函館の時のよう・・・。

あの時、私はナニをしていましたっけ・・・。うーん、よく思い出せません。

 

【4】ジャパンCで5着以内

 

私たちは、スぺちゃんの異常を調べるべく、有馬の遺跡に向かった。

有馬の遺跡には、天候すらも操る高名な占い師がいるといいます。

その人物が、青空の菊花賞を駆けた同期であるとも知らずに…。

 

【5】有馬記念で3着以内

 

セイウンスカイちゃんの話によると、どうやらスぺちゃんは何かの呪いに罹っているとのことでした。

セイウンスカイを仲間に加え、ここで一度温泉牧場へ向かうこととなりました。しかし、私の道は急ぎの旅路。

タイムは命より重いのです。私はにんじんハンバーグで英気を養い、次の夢へと旅立t(カランカラーン

 

……。

 

ある日のこと、ギルドを通じて1通の手紙が届きました。

差出人の名前はなく、表題には「果たし状」とあります。

中を開くと、ミミズが踊るような字でこう書かれていました。

「よろしくブシドーのほど、おねがいします!!」

どうやら、あのマイルの皇帝からのお誘いのようでした。

確かに、私は長丁場の戦いよりも、電撃戦の方が得意かも知れません。かの芦毛の怪物も、実はマイル界最強との呼び声が高かったり。

 

でも、ごめんなさい。ロンシャンには行けません。いま、ハンシンにいます……

本当は、挑戦してみたいけれど、でも今はもう少しだけ、知らないふりをします。

私の走るこのレースも、きっといつか誰かの夢を乗せるから。

 

しかし、今のままでは流石にレベル不足が否めません。

そこで私とエルは、とある高名な魔術師のもとで修行することとしました。

 

その魔術師の名は、マトーバ。

少し彼の話をしましょう。

 

マトーバは、かのカントーの刺客ライスシャワーとともに、数々の大物を喰ってきた大魔術師。

相手をこれと決めたときの彼は怖いのです。人々は彼を恐れ、レコードブレイカーと呼びます。

多くの人の夢を奪った。それも事実かも知れません。

しかし彼は言います。

 

「ウマ娘と勝負師が勝ちにいっているのだ。そこには悪役も何も、ないはずである」

「カントーの刺客とかマーク屋とか言われるのは決して気持ちのいいものではない。僕らは勝つために最大限の努力をしている。その努力には、様々な思いや戦略が、たとえ一つでも違ったら勝利を勝ち取ることができない程の緊密さ、複雑さで絡み合っている。そのあたりを見てほしいのだ」と。

 

ただ勝つために最適な戦術を採り、それを実行する。

マトーバの教えは、それだけだった。

その言葉に、何故でしょうか、運命的な何かを感じます・・・!!

 

そしてマトーバも、グラスワンダーとエルコンドルパサーとの出会いに特別な何かを感じていた。

「共に戦っているときは無我夢中で気づいていなかったけど、振り返ってみれば見るほど、ウマ娘というものが、どれだけいっぱい人間には計り知れない物を持っていたかということを、ライスシャワーは教えてくれた気がする。僕が出逢う前に、もしそれをもっとわかっていたら、もっといい接し方をしてあげることもできたかもしれない」

そしていま、ライスシャワーに勝るとも劣らないウマ娘がいる。

おい・・・見ているかライスシャワー。お前を越える逸材がここにいるのだ・・・!それも・・・ふたり同時にだ!!

 

しかし、我が最終奥義を継承できるのはどちらか一方のみ。マトーバは悩んだ。

「調整度はどう考えてもエルコンドルパサーの方が上だが、絶対的な能力はどっちが上だと聞かれればわからない。どっちもよく走るし、どっちかわかれば答えは簡単だ。でもどっちが凄いか、わからないから辛いんだ」

 

特訓は3週間続き、継承者に選ばれたのは私でした。エルは、「私はモンクだから魔法は必要ありまセン」と言っていましたが、ちゃっかりエビーナという有名な魔術師から奥義を授かったようです。肉体の経絡秘孔に衝撃を与え、内部から破裂させる一子相伝の奥義だとか何とか。

 

私は、師マートバから、マナの樹から作り出したという伝説の聖剣「スーパーひとしくん」を授かりました。

 

この剣で、呪いを断つ。

そうして私は、ハンシンの地へやってきました。

目標はただひとり、同期のダービーウマ娘。

 

あなたの目には、何が映っているのでしょうか。

ロンシャンの景色?サイレンススズカの面影?

あなたの目に、私は映っていないのでしょうか・・・

 

【6】宝塚記念で3着以内

 

「スペちゃんだからこそ全力でした。スペちゃんは私に全力で来てくれましたか?」

「くっ・・・あげません!!」

そう言ってスペちゃんはまた去っていきました。

 

どうやら、スペちゃんの目を覚ますためには、毎日王冠の祭壇にいる最強のガーディアンを倒す必要があるそうです。

 

ガーディアンとして佇むは、竜騎士サイレンススズカ。

このめぐりあいに、感謝します。

 

前世。私はあの時、生まれて初めて心の底から震え上がった。

真の恐怖と決定的な挫折に・・・

恐ろしさと絶望に涙すら流した。

 

だけど、これはもう一つの私の物語。

申し訳ありませんが、今回は先頭の景色を譲ってもらいます・・・!!

私はエルとともに、サイレンススズカに勝負を挑む。

 

「覚悟は良いデスか、グラス!」

「今宵、この命が露と消えようとも私は一向に構いません!」

「良い心掛けデス!行きマス、先手必勝!!コンドル猛撃波!!」

 

行きなさいエル。私たちのためじゃない・・・あなた自身の未来のために!!

エルの手から放たれたエネルギー弾は真っ直ぐにスズカさんの元へ向かい・・・

直撃した。

 

はずだった。

空間が歪む。

 

「こっちです」

前方にいたはずのスズカさんは私たちの後方に現れると、回し蹴り一閃。

エルを吹き飛ばす。

かと思えば次の瞬間、逃げるように距離を取り、涼しげに髪を揺らしながら遥か前方へ駆けていく

その体は、光り輝いて見えた。否、光り輝いている。

「聞いたことがありマース。アレはトランスの光。感情の高ぶりがそうさせるのデス」

知っているのか、エル。

言葉を発しようとした瞬間、サイレンススズカの姿が消えた。

「どこ!?」

その瞬間、無数の光の槍が降りそそぐ。

何が起きた。何処にいた?見えない、何も見えない。

「上デース!!」

「くっ・・・させません!!聖障壁!!」

私は防御魔方陣を展開するのに精一杯。

竜騎士サイレンススズカは遥か上空。無数の光の槍の前に、私たちは何もできない。

これほど、これほどまでも差があるのか。

 

「大丈夫デスか?」

「ええ、私なら大丈夫です。それよりも……。それよりもエル、あなた、少し手傷を負ったのではありませんか?」

「ふふふ、私はあれくらいの攻撃、なんとも思いまセン!」

「このままではラチがあきません。いちど引き返しましょう!」

「いえ、このままでは師エビーナに顔向けできまセン!私は師エビーナとトレセン学園と、そして……。

そして、グラスワンダー!アナタをも必ず守ってみせマース!!」

「エル……」

 

心強い言葉ですが、彼女にいつもの笑顔はありません。

そう、どうしてよいか分からないのだ。勝つ方法が見つからないのだ。

この最速の機能美に。

この世界でも勝てないのか。

この世界でもまた負けるのか。

 

異次元の逃亡者サイレンススズカ。

その風はいつまでも、どこまでも先頭で、永遠となった。人々の夢となった。

その後、私がどれだけ頑張っても、どれだけ勝ちを重ねても、人々は語り継ぐ。

 

「それでもサイレンススズカには勝てなかった」と。

 

いま倒さず、いつ倒す。

しかし、どうやったら勝てる?

「『不退転』。 ……何が『不退転』か」

 

トドメを刺そうと詰め寄ってくるサイレンススズカ。もはやこれまでか。

と、その時、ポケットにしまっていたポトリと白い封筒が落ちた。

「あの人」からの果たし状だ。

 

そうか・・・!!そうだ・・・!!いまなら、この体なら、サイレンススズカ勝てる武器を持っている・・・!!

私はフラフラになりながら、大きく胸を突き出した。

 

【7】毎日王冠で1着

 

「くっ・・・」

サイレンススズカが崩れ落ちた。そう、その「胸囲」こそが「脅威」だったのだ。

速さを追い求め、極限まで擦り減らしたカラダは、時に武器となり、時に弱点となる。

「スズカだけゲート広くてずるいデース」ここにヒントがあった。ありがとう、タイキシャトルさん。

 

スズカさんに事情を説明すると、スぺちゃんの呪いを解くために協力してもらえることになりました。

仲間になると心強いですね。

 

さぁ、後は・・・。

と、外が騒がしいですね。

 

「おい!!大ニュースだ!!モンジュードラゴンを倒した奴が現れたぞ!!」

誰も倒せないと思われた最強のドラゴンが倒された。

倒したのは、日本総大将。彼女しかいまい。

技術も、体力も、精神も成熟した彼女に勝たずして、何がグラス最強か。

私たちは再度、有馬の遺跡へと向かう。

 

今度は、鼻差などではなく、圧倒的な差を付けよう・・・。

「サイレンススズカは倒しました。次は、私だけを見てもらいます。」

いざ、最強の証明へ。

 

【8】有馬記念で1着

 

互いが譲らぬ接戦の末、最後に立っていたのは私だった。

しかし、流石はスぺちゃん。この世界でも、貴方が最強のライバルでした。

そしてきっと、これからも私の好敵手であり続けるのでしょう。

「はっ・・・私は何を・・・。あれ?グラスちゃん?」

スペちゃんも元に戻ったみたい。

この世界に転移した後、芦毛の魔王から「栗毛のウマ娘を見たら興奮するカラダ」に改造されていたみたいです。それも、これで一安心。

 

【9】URAファイナルズ

 

スペちゃんを仲間に加え、私たちの旅は順調そのもの。

 

ここからは、新しい私の物語だ。

ポーキーの魔法をかけられた前世とは違う、本気の私で5歳時の冒険を駆けるのだ。

まずは手始めに、オペラ座の覇王によるグランドスラムを止めることが至上命題です。

 

そのあとの目標は

7つの海を統べる魔王ゴールドシップか

天空の覇者シンボリルドルフか

私たちの冒険は、まだはじまったばかりd「どかああああああああああん」

 

「大変大変!!タキオンさんの部屋でまた爆発よ!!」

 

スカーレットさんの声が響く。トレセン学園のいつもの光景だ。

 

ハッ!夢か・・・今日は私の大事なレース。早くレース場に向かわなければ・・・

しかし、長い夢を見ていたような気がします。まるで現実のような・・・

手早く着替えをすませてドアに向かうと、何かを踏みつけてしまいました

 

「あら、これは・・・。」

 

これは、夢に出てきたスーパーひとしくん。

「どうしてこんなところに・・・?・・・まさか!!」

いま、私が思っていることが現実ならば、なんと夢ような出来事でしょうか。

 

「僕が勝ったのではない、馬が勝たせてくれたのだから。 僕だけが勝ったのではない、その馬に関係した全員で勝ったのだから。 」

「僕が馬の上で興奮したり、格好をつけたりすることは必要ない。そんなことより、その馬を無事に止めることが、何よりも大事なことだ。ゴールをトップで通過しただけでは終わらない。無事に馬が止まって、何事もなく馬房に戻ってこられたときにこそ、レースは終わるのだ」

師マトーバの言葉を思い出し、私はレース場で待つライバルたちのもとへかけていくのであった。




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