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未来の俺から「頼むから死んでくれ」と通信が届いた。
ふざけるな。

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この形式でもっと長い物語作ってみたいけど一応小説の形を成したので投稿


想像以上の馬鹿だった、ってサブタイね

 おーい

 見えてるのかこれ

 おーい

 まぁいいや

 後で見るだろ

 あのな

 俺は未来のお前だ

 未来は今

 破滅しかけてる

 なんつーの、

 ポストアポカリプス?

 直前、みたいな笑

 で

 そうなった原因に

 俺があるわけ

 今俺不死身でさ

 死ねないのよね

 死ねない上に

 人類滅ぼしちゃった、みたいな

 だから

 死んでほしいんだ

 不死身じゃない内に

 お前が死んでくれたら

 未来は万々歳

 人類も

 俺の家族も

 大切な人達も

 みーんな助かるわけ

 今のお前には

 家族も大切な人達もいないだろうけど笑

 まぁそこは許してくれや

 俺のために

 死んでくれ。

 不死身もつまんねーんだよな

 結構

 じゃ

 そういうことで

 この通信は

 返信不可だから

 いつまで経っても死ななかったら

 また送るわ

 ばいびー☆

 

 そう言って

 一方的に切られた通信に

 俺は憤りが隠せなかった。

 なんてったって、今日なのだ。

 今日、全てが始まる。

 家族のいない俺が、初めて好きになった人。

 昨日告白をして、OKを貰えた幸せの日々

 それが今日から始まるのだ。

 その朝に

 その目覚めてすぐに

 こんな不快な通信を貰って、

 怒らない奴がいるのだろうか。

 死ねと。

 人類のために

 これから出来るのだろう家族と

 大好きになったあの人のために

 俺は幸せを経験することなく

 死ねと。

 そう言ってきたのだ。

 そもそもなんだ不死身って

 ファンタジーが過ぎる。

 未来というのもそうだ。

 どうせ嘘に決まっている

 顔も見せない、音声も乗せない

 こんな文面だけのもので、自殺する、なんて

 そっちの方がどうかしている。

 いたずらだ。それも、タチの悪い。

 警察に届け出ようか。

 いや、無視でいい。

 こういうのは反応するだけ無駄。

 相手の思うつぼだ。

 そんなことより、

 今日は彼女とのデートの日。

 ブードゥーランドという場所に行く

 彼女の指定したテーマパークで

 そこで、素敵な体験が出来るのだとか

 素敵な体験、という言葉自体が

 こっ恥ずかしいけれど

 彼女と一緒なら平気だ

 せいぜいラブラブイチャイチャして

 周りに見せつけてやろうと思う。

 いってきます。

 

 あー、お前さ

 俺の言葉が足りなかったのは

 謝るよ

 まずな、お前

 お前が好きになったあの子な

 お前をゾンビにしようとしてる。

 ブードゥーってご存じない?

 知らないよな。

 だって俺が知らなかったもん笑

 俺が知ってるわけねーや

 まぁなんかやべー魔術よ

 それは本来食屍鬼とかゾンビを

 呼び出すものなんだけど

 生け贄が必要らしくてさ

 それを現代風に改良したのが

 ブードゥーランド

 遊びに来た奴を、

 そいつが気付かない内に

 作り変える。

 生け贄と呼びだしたゾンビを

 融合させちゃうわけだな

 お前が好きになったあの子

 そもそもお前に魅了の魔術を

 かけてたし

 だからお前が告白してきて、

 OK出すのは当たり前だし。

 なんつーの?

 マッチポンプ?

 みたいな笑

 ソイツ、敵だから。

 今も俺達の敵。

 人類を滅ぼして、

 地球に化け物を跋扈させて

 支配を目論む侵略者だから笑

 俺の言った大切な人達ってのに

 含まれてないから笑

 だからさ、見誤んなよ

 本当に大切なものがなんなのか

 わかるだろ

 そんな奴より、もっと

 大切な人達がいるんだよ

 頼むよ、俺

 

 心の底から

 知るかよ、と思った

 翌日に送られてきた通信

 なるほど、確かに

 彼女は人類の敵なのかもしれない

 ブードゥーランド。

 そこは一見普通のテーマパーク

 だったけど

 ああ、確かに

 俺は化け物になってしまった。

 周りの人々が

 食べ物に見える

 視覚的に何かが変わっている

 わけではない

 ただ、ただ

 美味しそうなのだ。

 噛みつきたい

 舐めたい。

 そういう衝動がやばい

 彼女はそんな俺を見て

 満足そうに頷いていたし

 未来の俺とやらの言う事は

 多分、間違ってないんだろう。

 だから、その上で

 知るかよ、という。

 もしかしたら、俺には

 俺にはこれから、その

 未来の俺の言う大切な人達が

 俺を助けてくれようとする、とか

 俺を理解してくれようとする、

 みたいな人達が

 現れるのかもしれない。

 けどそれは

 今、俺の知らない人だ。

 家族と言っていた

 恋人が、あるいは子供が出来る

 のかもしれない。

 でも、やっぱり

 それは俺の知らない人で

 俺の大切な人は、

 やっぱり一人で。

 それは変わらなかったんだ。

 

 お前の意思はよーくわかったよ

 いつまで経っても未来は

 変わらないんだ。

 つまりそういうことなんだろ

 お前は今から、

 自分の衝動に従って、事を起こす

 手始めに級友を

 次第に街の人々を

 襲って、噛みついて

 撃退されて、けれど諦めなくて

 そのまま、アイツの意のままに

 世界を滅ぼすんだ。

 クソ野郎

 いいか、よく聞けよ

 ゾンビとなったお前は、けれど

 不死身じゃない。

 まだ死ねる。手段があるんだ。

 まず、一つ。

 術者であるアイツを殺す。

 ゾンビはあくまで呼び出されるモノ

 故にお前との融合は未だ安定せず

 なれば引き剥がし得る。

 俺の段階まで来てしまうと

 ダメなんだ。もう剥がせない

 だけどお前は出来る。

 だからアイツを殺せ。

 それが出来なければ第二の手段

 海へ飛び込め

 お前はゾンビだけど

 ゾンビウイルスとか、そういう

 科学的なソレでゾンビになった

 わけじゃない。

 だから、海にいる生き物に

 噛みついても、感染はしない

 下へ下へ

 深い海底へ

 誰の目も届かない場所へ

 そこで圧縮されて、死ね

 正確にはそれじゃ死ねないけど

 動けなければ死も同然

 どっちかだ

 最後の選択だぞ、これが

 

 引き剥がせる

 のに、アイツは

 しなかったんだ。

 ポストアポカリプスになるまで

 自分の幸せを優先した。

 その上で、自分は満足したから

 俺には死ね、と。

 そう言っている。

 ふざけるな。

 そんな誰かもわからない奴のために

 死ねるか。

 何より。

 俺を化け物にした、彼女。 

 殺す、なんて出来るはずもない。

 今はまだ、俺の事なんて

 本当に実験動物程度にしか

 思っていないんだろう。

 でも、必ず。

 振り向かせて見せる。

 初めて好きになった人なんだ。

 たとえ裏側にどのような思惑が

 どんなあくどい一面があっても

 俺は彼女を好き続ける。

 関係ないんだ。

 俺にとって、彼女は。

 大切な人だから。

 何よりも失いたくない人だから

 世界よりも、人類よりも

 見知らぬ家族よりも、

 未来の俺なんかよりも。

 大切な人。

 故に、俺は。

 この衝動を抑え込む。

 海には行かない。ただ

 彼女を改心させてみせる。

 そして、俺と添い遂げる事を

 約束させるんだ。

 彼女が俺を従えるんじゃない

 俺が彼女を従えるんだ

 俺が主導権を握る。

 お前になんか、命令されない

 されてたまるか

 

 あのな

 簡単に顛末を言うけど

 俺もそうだったんだよ

 お前が好きになったあの子

 殺したくなかった。

 真実がわかっても、

 殺したくはなかった。

 でもその感情って

 チャームと、契約で

 植え付けられた感情でさ。

 で、お前が反骨心

 抱き始めてるのは、

 アイツの力量が足りないからでさ

 なんつーの?

 未熟なんだよ、アイツ

 未熟なのにアレンジして

 不安定な術式作って

 それの割を食ってるのがお前。

 で俺。なわけ。

 まだ言う? 好きとか。

 まだ変えられないか、未来は

 返信不可だから、どうなってるかは

 推測だけど

 手に取るようにわかるよ。

 アイツを無理矢理従えようとして

 泣かれて

 面食らった所に強制命呪だろ

 お前はもう、六人殺してる。

 生徒会のメンバーだ。

 お前はもう、六体のゾンビを

 作っちまってる。

 まだ遅くはない。

 そいつらを殺せ。

 お前が上位のゾンビである以上

 お前ならそいつらを殺せる。

 脳だ。脳を潰せ。

 そして海に捨てるんだ。

 お前も一緒にな。

 あるいは、アイツを引き摺り込んでも

 どっちでもいい。

 失望させんなよ、俺

 想像以上の馬鹿じゃない事を祈るぜ

 

 


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