《ナイアーさん、私怒ってますからね》
《ごめんよ……でも》
《でもじゃないです、あんな安売りしてそれでとんでもないのが出てきたらどうするんですか…まぁ私もガゼフって人には好感持てるんで助けるつもりでしたけど、良いですかナイアーさん…まず絶対無茶をしないでください》
《分かったよ…それにしてもアレは炎の上位天使だよね?それに監視の権天使もいるし…何でユグドラシルの魔法を使ってるんだろうね?》
《確かに…それより良いですか?戦士長の話からして相手はスレイン法国の特殊部隊『陽光聖典』です、そして今回の勝利条件は戦士長を逃す事です》
《そして、取り敢えず最初は時間稼ぎをして出来れば向こうに手を引いてもらう…もしダメならぶちのめす!って事だよね》
二人は打ち合わせをしながら陽光聖典が待ち構える丘を歩きながら独断で判断したナイアーを叱りながら今後の話をしながら、モモンガは内心ナイアーに感謝していた。
正直な所助けはするが戦士長を囮にし戦力を測った上で助けるつもりだった、ナイアーの行動は最初、慎重さがないと憤ったがその人間らしさに好感を持ちながら、今後はもうちょっと慎重にしてほしいと考える。
ニグンは困惑した、部隊を集結させた場所に現れたのは王国戦士長ではなく見覚えもない謎の四人組だった…いや一人だけ見覚えがある、2mの大柄で鎧を纏う巨人…見間違える訳がない、アレは
「バカな…
ローケンを見ながらニグンは震える声を絞り出しながら呟いた、その言葉に陽光聖典の隊員達がざわつく、そしてその呟きにナイアーも反応した。
「第二帝国……死の天使…君達は何処まで知ってるの教えてよ」
「自己紹介が遅くなって申し訳ない、私はアインズ・ウール・ゴウンです、彼女は友人のナイアーさんです、さて…彼女の質問に答えてもらえませんか?」
「……なるほどガゼフ・ストロノーフより重大と見た…良いだろう!話をしようじゃないか魔法詠唱者」
結論から言えばこの争いは誰も血を流す事なく終結した、撤退する最中のガゼフは遠巻きにそれを見ていたが、もしかして陽光聖典相手に交渉をしている姿に驚愕と共にそれだけの力があると言う確証を得ながら走り去った。
そしてニグンからの話による分かった事はガゼフがいる王国の現状、各勢力の現状、人類の現状そして法国の成り立ちと建国の土台となった第二帝国と言う国の話を
この第二帝国は三つある、一つ目はウォーハンマー40kにおいて第二帝国、これはホルスの大逆時に地球と孤立した総主長ロブート・グィリマンと彼の惑星ウルトラマールにおいて第一兵団ダークエンジェルの総主長ライオン・エル・ジョンソンそして第九兵団ブラッドエンジェルの総主長、天使の如きサングィヌスらによって作られた帝国の意思を引き継ぐ帝国であり、この帝国は人類の皇帝を救う為に軍勢を引き連れ地球に向かった為、この帝国は建設中に瓦解している。
そして二つ目はユグドラシルでの第二帝国、これは要はギルドであり先程の総主長三人他数名で作ったギルドである。
そしてこの世界での第二帝国、これは法国建国前つまり彼等の神である六大神が降り立つ前の時代で人類圏を守護し保護していた国の事であり、その土地が今のスレイン法国であり、六大神が滅びゆく人類を救えた要因の一つである。
そしてその帝国と既に亡くなった総主長の遺産がローケンの様な戦闘者である、ニグンから教えて貰った情報にやはりこの世界には俺達以外のプレイヤーがいたのかと思いながら隣の明らかに動揺しているナイアーを見る。
ニグンが語った総主長の三人はナイアーの知り合いでギルド、アインズ・ウール・ゴウン加入前からの友人だった、その友人達がこの世界に飛ばされてた事に動揺するのは無理もない事だった。
「……これが我々の知っている情報だ、単刀直入に言おうアインズ殿にナイアー殿、我々は貴殿らと争うつもりはない…逆に友好関係を築きたいと思っている、法国の方針は分からないが私個人としてはそう思っている」
「素晴らしい!!いや本当に素晴らしい!!私も貴方と同じ考えですニグン殿」
彼の言葉に人間に変化している弊害として精神安定が発動しない為興奮しながらモモンガはニグンの言葉に賛同する、モモンガにとっては願ってもない話だから無理もない、推定プレイヤーが建国した国と繋がりが出来るのだから。
「あぁ…それでは私達は一旦貴殿達の話を持っていくとしよう」
「アインズ君……探そう皆んなを」
立ち去る陽光聖典を見送りながらナイアーはポツリと呟く、モモンガは無言で彼女を見る、プレイヤーが何人か過去にいたのならアインズ・ウール・ゴウンの仲間達もこの世界の何処かにいるだろう……可能性は限りなく低いがそれでもやらないよりはマシだろう。
「多分……いやきっと!皆んなこの世界にいるから探そう!何なら僕達の名声をこの世界に轟かせて来てもらおう!」
嫉妬マスクを外したナイアーは涙を流しながらモモンガを見上げながら語る、そんな様子のナイアーの頭を撫でる。
「そうですねナイアーさん…聞けアルベド、ローケン」
「「はっ」」
「私達アインズ・ウール・ゴウンはこの世界に名声を轟かせる!!」
その言葉に跪くアルベド、敬礼をするローケンを見ながらモモンガは心の中でナイアーに向け感謝の言葉を投げ掛けた。