十年ほど前から急速に増えていった魔性の小箱。通称ガイアメモリはどこからともなく現れて適合する人間をドーパントにするものだ。

今では全人口の4割以上はメモリを持っていると言われていて、メモリを持っている人間は持ってない人間よりも力を持ち優遇されて高い地位を持つ事が多くなっており、メモリを持っている人間に対して持っていない人間が逆らわないのが現状だった。

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この話を書くにあたって色々な独自設定や独自解釈があります。ご注意下さい。



ガイアメモリを欲したカップルの話

俺はこの日も楽しい日になると思っていた。

思っていたのに……

 

 

 

 

 

 

それなりに明るいという自負がある俺神立勇真(かんだちゆうま)は今高校の玄関で彼女である大浜小町(おおはまこまち)の部活が終わるの待っている最中だった。

女子サッカー部のエースである小町はいつも遅くまで部活の練習に励んでいて、それを娯楽スポーツ部である俺が玄関で終わるのを待つ。これが日常で、こういう何気ない小町との日々が俺は好きだ。

 

今日もいつものように7時前ぐらいになったら、待っている俺の所へショートカットで制服姿の背の小さいのが特徴の小町が来てくれた。

 

「勇真ーー!待ったか?」

 

いつも元気が溢れていて中学生に間違われることも多いのだが、そんな明るい所が小町の長所であり、人に好かれる所だなと俺は思っている。

 

「いや、待ってないよ。それにしても部活が終わったというのにそんな走って来なくても」

 

「いやいや、少しでも早く来ないと勇真との下校デートの時間が減っちゃうだろ?僕そういう嫌だもん」

 

聞いたら分かる通り小町と俺の仲はすごく良好で学年一番のカップルとしてよくみんなに揶揄われることがあるぐらいだ。

 

そして小町が来た事だし俺と小町は世間一般で言われる恋人繋ぎをしながら帰り道を歩いていた。

 

「あーまた勇真の髪くるってなってるじゃん。ちゃんと直さないとカッコ悪いぞ」

 

「癖毛なんだから仕方ないじゃん。俺も小町みたいにストレートな髪質なら良かったのにな」

 

「確かにね。それならお揃いってことになったかもしれないもんね」

 

小町がたまに会話の中で魅せるとびきりの笑顔が俺にとっての毎日の癒しであって俺が小町が好きなところの一つだ。

 

そんな風にいつものように楽しく会話をしながら歩いていると、帰りの道に柄の悪そうなギャングみたいな奴らがたむろしていた。

俺ははっきり言ってそこまで喧嘩が強い訳では無いし、ましてやあんな大人数の年上相手なんてしたこともない。

だからあの集団が目に入った時に小町とどうしようかとお互いに目を合わせてしまった。ここは男である俺が引っ張っていくべきなのに本当に情けない。

 

だがそんな迷っている間にその柄の悪い奴らはこちらにあっという間に近づいて来て、あろうことかこちらに会話をしてきたのである。

 

「なぁなぁそこのお嬢さん。隣の彼氏なんてほっておいて俺たちと遊ばないかい?」

 

しかもこいつらは小町に対してナンパを仕掛けてきたのである。今すぐにぶん殴ってやりたかったが、穏便に済むのであればそうであって欲しかったので、とりあえずは相手の出方をもう少し見ることにする。

 

「いや、僕今彼氏と一緒にいるので、そういうのはやめてもらっていいですか?」

 

「いやー一目見て惚れちゃったから無理かなー。おい!いつもの場所で遊んでいくぞ。二名様追加でな」

 

男のその言葉を聞くと同時に、周りの男共によって俺と小町は二人とも力いっぱいの腹パンを受けてダウンしてしまった。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

俺が目を覚ますと、周りには十人ちょっとの年上らしき男の人達に囲まれていて、今いる場所は誘拐場所でありがちな工場の跡地のような所だった。隣には小町も倒れていて、今目を覚ましたようだった。

 

「お、二人とも起きてくれた?いやー良かったよ。起こす為に手荒な真似はしたくないからさ」

 

気絶する前に俺と小町に道で声をかけてきた奴がまた物騒な言葉を口にしていた。いったい俺たちをさらって何をするつもりなんだよ。こんな事は経験なんてないから分からないから、どんどん最悪の想像が俺の中で膨らんでいくのが分かった。

 

「さぁて、そろそろ始めようかぁ!お前らいつものやつでいいよな?」

 

リーダーと思われる先程から物騒な言葉を口にしている奴の呼びかけに対して周りの奴らは叫び声や歓喜の声を上げて反応を示した。俺は自身の恐怖を押さえつけなら、隣で恐怖しているであろう小町の肩を抱いて、そのまま空いている方の手で手を握り合った。

 

「ふー見せつけてくれるね。でも、それももう終わりだ。『コックローチ』」

 

男が手に持ったガイアメモリを押すとそのままそれを投げて、メモリは男の体の中に入っていった。男の体は人からメモリを通してその名の通りのゴキブリのような体に変化した。

 

「な、なんでだよ。なんで俺らを誘拐するような奴がメモリ所持者なんだよ!」

 

 

俺や小町はメモリを持っていない人間で、まさか自分たちがメモリ所持者に誘拐されるなんて思ってもみなかった。何でこんな野郎にメモリがあって俺らにメモリは無いんだよ!世の中は本当に不公平だ。

 

「羨ましいだろ〜。お前らは持っていないだろうなと目星をつけて声をかけたけど、案の定持ったなかったようだな。さぁ楽しく遊ぼうぜ」

 

その男の声が聞こえると共に周りの男どもはこちらに襲いかかるように来た。必死で二人で抵抗するも十人の男達に敵うはずも無く俺と小町は引き剥がされてしまった。

 

「勇真!勇真!やだ、離してよ勇真が」

 

「小町!お前らどけよ小町に何するつもりなんだよ!」

 

「何って女子高生を攫って来て、することなんて一つに決まってるだろ?お前は俺らのストレス解消に体を張ってもらうがな」

 

 

 

 

そこから先は地獄だった。思い出したくなんてないほどだった。俺と小町が引き剥がされると俺はドーパントと他五人ほど男に殴り蹴られて気絶しようものなら、ドーパントの熱い粘液のようなものを体の一部にかけられて無理矢理起こされてその繰り返しだった。

 

でも、俺なんか序の口だったんだ、小町の方がもっと酷かった。囲んだ四人ほどの男共に弄ばれてしまっていた。

 

俺は自分の弱さへの憎しみと小町への申し訳なさで自身の心がいっぱいになっいて自身への痛みなど感じないほどに目の前の奴らに対しての憎悪が湧き上がっていた。

 

 

★ ★ ★

 

 

あのクソみたいな地獄は終わった。あの男達は満足したのか、こちらに目もくれることも無く、帰って行ってしまった。俺は未だに泣いて倒れている小町の所へ体を引きずりながらも近寄って行って、その体を抱きしめた。

 

「……勇真。僕、僕」

 

小町が泣いている。俺は無力だ。俺にだってメモリさえあれば、メモリさえ……あれば、あいつらに仕返してやれるのに。どうしてどうしてどうして、俺と小町がこんな目にあって、あいつらがのうのうと好き勝手生きてるんだ。

 

「大丈夫だ小町。俺がずっと側にいてやるから」

 

「うん。……僕、勇真のこと信じてるから」

 

 

俺はあの場所からボロボロの体に鞭を打って、小町を背負いながら家に帰っていた。

警察なんてメモリ所持者相手になんて敵わない。だから、そんな意味の無いことをするよりも、今は一刻も早く小町の体を癒すことの方が重要だ。

 

家に着くと、小町を風呂に入れて俺は自身の部屋に戻った。小町の親御さんには小町自身に懇願されて、今日は俺の家に泊まるということになっている。親御さんは了承してくれて、それに幸いにも俺の両親も今日は居ないので、ゆっくと2人とも傷を癒すことにした。

 

お風呂から上がって来た小町の顔は笑顔だった。でも、その笑顔は俺に心配かけまいとしているのか、いつもの晴れ晴れとした笑顔では無く、ただただ痛々しい笑顔だった。俺は自身の情けなさが嫌で嫌で死にたくなっていた。

 

「ごめんな小町。俺が……俺に力が無いばっかりに小町をこんな目に合わせてしまって」

 

今の俺にはただ謝ることしか出来なかった。小町は晴れやかな人生に傷をつけてしまった。俺のせいだ。

 

「勇真のせいじゃないよ。僕こそサッカーのエースなのにあんな惨めにやられちゃって情けないね。アハハ。僕にだって持って力があれば、あいつみたいにメモリさえあれば、勇真を守れたのに」

 

悔しかったたそれだけだった。小町も同じ気持ちなのだろう、俺と同じように自身の手を強く握りしめて涙を堪えるのに必死だった。

 

 

♦︎ ♦︎ ♦︎

 

 

俺と小町が恨み、悔しさ、悲しさ、憎しみ。2人共そんな気持ちを持って、立ちすくんでいた。

そして、その時、窓ガラスが割れて、外から何かが勢いよく机の上に突き刺さった。俺と小町は呆気に取られながらも、それが何かと机を覗き込んだ。

 

それは運命という他に無かった。あれだけ俺と小町が望んでガイアメモリが机の上にあったのだ。その『トランプ』と『ライトニング』の二つのメモリはまさに俺たちが願っても見なかったもの。これで力が手に出来る。その思いだけで今の俺の心は満たされていた。

 

「小町これって、ガイアメモリだよな?」

 

「うん。前にうちの部活のキーパーが持ってたし、さっきの奴が持っていたのと同じ形だ」

 

俺は導かれるように『トランプ』のメモリを取り、小町も導かれるように『ライトニング』のメモリを取った。

 

「これって本物だよね?これが……あれば、僕は勇真を守れる」

 

「使ってみれば分かるよな。これであいつらを」

 

俺たち2人はそれまで抱いていた恨みや憎しみに加えて、好奇心の気持ちが混ざり合って、そのメモリを使うことに対してまるで抵抗感が無かった。

 

『トランプ』

 

ネットで使い方を見たことがあったので、それ通りにメモリのボタンを押して、軽く空中に投げると、ネットで見た動画のように、俺の手の平にメモリが引き寄せられるように入っていった。

 

俺の体は元の体から変わっているようで、呆気にとられている小町のスマホで撮ってもらった写真に写っていた俺は、赤々しい色に黒のライン。四肢に四つのスートであるダイヤ・ハート・クローバー・スペードのマークが入っている。人型で体型もそこまで変わっていないから、体の動かし方なんかはすぐに分かった。顔はトランプのキングとジョーカーが混じったような奇異なだったのだけど、視界の感じは全然変わってはいなかった。

 

「これが俺なのか?それに、なんか分かる気がする。このメモリがどれだけの力を秘めているのかが」

 

「すごいよ勇真。めっちゃかっこいいよ。僕もかっこいい姿になれるかな?」

 

『ライトニング』

 

俺がした時と同じように、小町がボタンを押して投げるとメモリは小町の左足のふくらはぎに引き寄せられ入っていった。

 

メモリが入っていった小町の姿は変わった。

人型なのだが、その色は黄色と白が混在しているが、全体的なフォルムは変わっていない。身体中にはいくつもの稲妻のような形の羽がいたるところから出ている。顔も変わっていて、左半分はギザギザと尖っていたのだけど、右半分は驚くほど何も無く、かろうじて目のような物があるぐらいだった。

 

「メモリを持った人がみんなすごいのも分かるよ。だってこれなんでも出来そうな感じ?全能感って言うのかな?それを感じれるよ」

 

俺には小町の言っていることもすごく良く分かった。俺だってそんな感覚が今でもビシビシ感じているから。

 

「どうする小町?今からでもあいつらにお返しでもしに行くか?」

 

「ううん。お返しは明日にしようよ。今から言っても居ないよ」

 

「……それもそうか。じゃあ明日の放課後だな」

 

そこから俺たちは帰って来たときは、ほぼ真逆の気持ちのまま今日という日を過ごした。この日が今までの人生で一番様々なことが変わった日だろうと、俺はこの人生が終わる時まで思うことだろう。

 

 

♣︎ ♣︎ ♣︎

 

 

次の日になり、いつも通りに学校への道のりを小町と登校していた。いつもと違うのは学校に持って行く持ち物の中にガイアメモリが増えていることだろう。

 

「メモリを持ったことで、これからの学校生活も少しは変わるだろうな」

 

「うん。僕としては悪いことにならないなら何でも良いよ〜。でも、学校で不用意にドーパントになる人は辞めて欲しいとは思っちゃうかな」

 

「確かにな。まぁでも、危険を回避する手段はゲット出来たから。前ほどはビビらないで、すみそうとは思うけど」

 

そこからの学校生活は別にいつもと変わることは無かった。友達と喋ったり、小町と喋ったり、やっぱり今日もドーパントを見たりとかいつも通りだった。

わざわざ言うもの面倒くさいことになりそうだから、メモリのことはまだ誰にも言っていない。俺としてはゴキブリやろうを始末してから言えたら言おうかなと思っている。小町は女子間の関係があるから、言うべき友達に言うとか言っているみたいだった。

 

そしてついに放課後になった。ここまではいつもの日常と変わらなかったが、ここまからは違う。ついにあいつらを殺しに行くんだ。

俺たちが自分たちがぼろぼろにされた工場に行ってみると、あいつらがいた。しかも、懲りずにまた見知らぬ中学生ぐらいの男女2人を連れ込んでいた。

 

「……またやってるよ。でも、俺たちのすることは変わらない」

 

「うん。今の僕たちの力を見せてやろうよ」

 

俺たちは堂々と正面の入り口からは入っていった。最初はこちらに気付いて無かったようだが、段々と近づく内にこちらに気付いたようで、下衆な笑い声をあげてきた。

 

「お前ら昨日の奴らじゃねぇか?どうしたまたやられたくて来たのか?ああ?」

 

「まさか、こいつらを助けようとしにきたってのか?無理に決まってんだろ?」

 

コックローチドーパントの野郎も他の奴らもやられていた2人をほったらかしにして、こちらを馬鹿にした顔と台詞を吐きながら近づいてきた。

 

「そんな人助けなんて高尚な目的のために来たんじゃない。ただお前らに地獄を見せたくて来たんだ」

 

「うん。落とし前はつけようって時代劇で言ってたもんね」

 

俺たちはポケットしまっていたガイアメモリを取り出すと、迷わずにボタンを押した。

 

『トランプ』 『ライトニング』

 

流石にガイアメモリを持っているとはチンピラたちも思っても無かったらしく、少し引いたりして、コックローチに対してどうするなどと言っていた。

 

それを聞いたりしていい気味だと思ったりしたが、こんな脅しだけで済ませるつもりは毛頭ないので、メモリを投げて二人共ドーパントに変身した。

 

「チィ、どうせメモリを手に入れたばっかりの甘ちゃんだ。びびることはねぇよ。何せメモリ歴三年のこの俺がいるんだからな」

 

相手方唯一のドーパントの激励だからか、チンピラどもの士気が上がっているようで各々獲物を取り出してきたが、俺たちは2人なんだ負けるわけが無い。

 

 

❤︎ ❤︎ ❤︎

 

 

さっそくチンピラどもが俺と小町に分かれてかかってきた。

 

こちらの方に来た奴らに関しては、俺が54枚のトランプに分かれて空中から落ちて、切り傷をどんどんと与えた。そして弱ったところで元の人型に戻って杖と剣を取り出して瀕死にさせてやった。非常に楽な作業だったのことには違いは無い。

 

小町の方に向かったチンピラ共は、小町が手をかざすと、空気中に電気の線が少し見えて、本人達でさえ気づかぬ間に一気に崩れ去っていった。

 

俺たちの軽い攻撃でもチンピラどもは全滅してしまって、復讐のしがいがないと言ったところだった。俺が倒れているチンピラを見ながらもそんなことを感じていると、目に追えないスピードで何かが迫って来て腹を殴ってきた。

殴られた場所はそこまで痛くは無く、やってきた奴もどうせコックローチだとは思っていたのだが、まさかここまでのスピードが出せるとは思わなかった。

 

「ハッ、てめぇら案外やるじゃねぇか。どうだ俺と一緒に騒がまくる日常を送らないか?」

 

「「寝言は寝てから言いやがれ。クソ野郎」」

 

俺たちはイラっとしてしまって、前に二人で見たアニメのセリフを同時にクソ野郎に向かって放っていた。こいつは俺たちにしたことを忘れたのか?

それともこいつらをやったことで気が晴れたとか思っていたのか?

そんな……こと……あるわけないだろうが。こいつも許すことなんて出来るわけない。

 

 

コックローチが先手必勝とばかりに突撃して来たのを避けると、小町による電気の攻撃が命中した。それでもどうやらぼろぼろになりながらも、しぶとく生きていたようだった。

 

「はぁ、はぁ、てめぇらもう許すことは出来ねぇからな」

 

また素早いスピードで動いたと思ったら、気づかぬ間に俺の背後に現れやがった。咄嗟に避けようとするも、後頭部を掴まれて、地面に叩きつけられた。その上あの熱い粘液が俺の頭全てを覆い尽くして、息もしにくくなってしまった。

 

「おい!小娘手を出すなよ。愛しい彼氏が死んでしまうからな」

 

ああ小町そんな迷うような顔しなくても良いのに。俺がこの程度の攻撃逃げられないわけないんだから。

 

身体を下半身の方から少しずつトランプにしていって、半分ほどがトランプになったところで、それが集まって瓜二つのトランプドーパントが出来上がってコックローチを殴り飛ばした。

 

「あぁ?なんでてめぇ二人になってるんだよ」

 

「ただ体のトランプを半分に分割しただけです。もちろん力関係も半分になっていますけど」

 

少し説明している間に小町が確実にあいつを仕留めるための雷を足に溜め終わったようだった。

 

「じゃあ、僕と勇真の幸せのためにお休み」

 

その言葉通りに電気を纏ったキックを放った。そのキックはコックローチの変身を解除するほどだったようで、体からメモリが排出されていた。

実際にメモリが出たところは初めて見たけど、昔に流通していたって言われているメモリみたいにやられたら壊れるなんてことは無いようだった。

あのチンピラは倒れてもメモリに手を伸ばしていたようだったが、その前に意識を失ってしまった。

 

やっとやり終わったので、小町と共にメモリを身体から排出した。メモリを使いまくると疲れるって友達が言ってたけど、どうやら本当だったらしい。心身共に疲れている感じがすごくしている。

 

「なんか疲れちゃったね勇真。帰ろっか」

 

「ああそうだな。ここに来ることなんて、もうないだろうしな」

 

「あの、すみません。助けてくださってありがとうございました!」

 

二人でここからとっとと帰ろうとしていると、チンピラどもに襲われていた男女が互いに手を繋ぎながらもお礼を言ってくれた。

 

「いや、良いよお礼なんて。俺たちは落とし前をつけさせるために来ただけだから」

 

「うんうん。今日のことは忘れて、早く帰って休んだ方が良いよ。後、二人ともお幸せにね」

 

「本当……ありがとうございました。私たちも貴方たちみたいになれるように頑張ってみます」

 

 

お礼を受けもらった俺たちはそのまま家に向かって歩き始めた。

メモリ所持者になったことでこれからの生活は変わるかもしれないけど、二人ならば何とかなるだろうと確信していた。

 




ガイアメモリとドーパントが好きなので書いてみました。


T3ガイアメモリ
この世界で広まっているガイアメモリ。T2ガイアメモリを発展改良されたもので、適合者を見つける範囲やより適合出来る適合者へ行くようにもなっている。メモリの外見はT2や次世代型メモリのように化石では無く、クリスタルになっている。毒素に関しても、出来るだけは軽減されている。


トランプメモリ
トランプの記憶を内包したメモリ。T3以前はシルバーメモリに分類されていた。T3のトランプメモリの色は白色になっている。元シルバーメモリということだけあって、その攻撃のバリエーションや能力の多さなどはメモリ全体でも随一。弱点という弱点は無いが、パワー勝負では弱い。特筆すべき能力では、トランプが56枚すべて破壊されないと撃破出来ないところだが、それに伴いトランプが破壊されるごとに弱体化していく。


ライトニングメモリ
稲妻の記憶が内包されたメモリ。T3以前は通常メモリに分類されていた。
T3のライトニングメモリの色は黄色になっている。通常メモリに分類されていたが、そのスピードだけで言えばメモリ全体の中でもトップクラスで、ホッパーの同格以上のスピードを有している。稲妻による攻撃は威力はほどほどだが、音が全く無いのが特徴としてある。攻撃戦術としてはそのスピードを活かした攻撃が主になるだろう。


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