少年はそこで英雄と出会う。   作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!

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レプリカ①

 

 

 

あの後、訓練で満点とって何回かランク戦してB級に上がることができた......ので

 

「禍根を取り除くか」

 

―――――――――――――――――――

 

「よう、ヒマか?湊」

「...!ネイバーの...!!」

 

俺は自販機で湊を見つけたので話しかけている......ここだけ聞くとナンパみたいだな。

 

「あのネイバー、それにあなたも我が物顔でうろついてるわね」

「どうした元気ないな、前はいきなり斬りかかってきただろうが」

「本部があなたたちの入隊を認めた以上、あなたを殺すのは規則違反よ」

「おっ、 隣のクラスに転校してきた比企谷くんじゃん!そういえばボーダーに入ったんだっけ?」

 

すると確か...今井?が横の路地から出てきて話しかけてきた。

 

「っていうか友希那、会議に呼ばれてなかった?」

「体調不良で欠席するって言ってるわ」

「大丈夫かお前?」

「違う違う、ネイバーを殺すのは当然だと思ってたのに最近周りが逆のことを言い出したから混乱してんのよ」

「ああ、確か父親がネイバーに殺されたんだっけ」

 

それで復讐に燃えてボーダーに入ったっていうわけか、だがなら......

 

「敵討ちするなら力貸すぞ」

「なんですって......!?」

「レプリカが詳しく調べればお前の父親を殺したのがどこの国のトリオン兵か、結構絞れると思うぞ、どうせやるなら本気でやった方がいいだろ?

俺は別にネイバーすべてが良い奴と思ってるわけじゃないし、普通に恨みもある、ネイバーの被害にあって1番楽しい時期を奪われたからな、俺の人生はネイバーのせいで変わったし、 まあ今も普通に楽しいけどな、人間も一緒だろ?いいやつもいれば悪い奴もいる。だからネイバー全体を恨むのは、お門違いだ。」

 

本当にこれに限るんだよな。ネイバーには良い奴もいっぱいいるけど普通にクズもいるし、戦争してる国の上層部なんてゴミの掃き溜めみたいなもんだ。

でもそれは人間だって同じことだと思う。

 

「...............」

 

すると湊は一瞬の恭順をみせ

 

「......ふざけないで!あなたたちの力は借りない......!ネイバーはすべて敵よ......!」

 

そう言って立ち去った湊の顔はどこか強がっているように見えた。

ま、布石は打った。後はあいつ次第だな。

すると、遊真たちを引き連れて、迅さんが来た。つーか陽太郎までいるな。

 

「何の用ですか?」

「城戸司令が呼んでる、ついて来てくんない?」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「失礼します。」

「遅い!何をもたもたやっとる!」

「いや~どもども」

「またせたな、ぽんきち」

「なぜおまえが居る!?」

 

と 俺は 今ボーダーの会議室に来ている。湊と三輪もいるな。あとどうやら米屋は宇佐美の従姉弟だったらしく陽太郎の面倒を見ていたらしい、案外、玉狛支部と本部の仲は、悪いわけではないらしいな。それで偶然、遊真たちと会ってこっちにきたようだ。会議室の中にはネイバーフッドの惑星国家、その配置図があった。

 

「時間が惜しい、早く始めてもらおうか」

 

すると、忍田さんが話し始めた。 はじめは本部長と読んでいたのだが忍田さんが比企谷さんの息子だったら別にそんな敬称は不要だ、と言ってきたので今は忍田さんと呼んでいる。

 

「我々の調査で近々ネイバーの大きな攻撃があるという予想が出た。先日は爆撃型ネイバー1体の攻撃で死傷者こそ出なかったが、多数の建造物への被害が出ている。我々としては万全の備えで被害を最小限に食い止めたい、 平たく言えばネイバーである君と、 ネイバーの世界を渡り歩いてきた比企谷くんの意見を聞きたいというわけだ」

 

なるほど、ネイバーの世界を見てきたものとしての意見...ね。

 

「ネイバーフッドにいくつもの国があることはわかっとる。いくつかの国にも遠征もしとる。だが、まだデータが足らん。」

「なるほど、そういうことなら俺の相棒と兄さんに聞いた方が早いな」

 

俺ひとりの説明も面倒くさいしな、レプリカに出てきてもらおうか。

 

「レプリカ、でてきてくれ」

『心得た』

 

すると、会議室の面々が警戒した様子になった。まあ無理もないか、レプリカは多目的型トリオン兵だからな。

 

『私はユーマの父、ユーゴに作られた多目的型トリオン兵だ』

「トリオン兵ですって......!?」

「空閑有悟......」

 

やはり城戸さんと有悟さんの間には何かしらの確執か因縁があるのか? でなければこんな反応の仕方はおかしい。

 

『私の中にはユーゴとユーマそして、ハチマンが旅したネイバーフッドの国々の記録がある。おそらく、そちらの望む情報も提供できるだろう』

 

その通りだ。有悟さんが死んでからの3年間、そして玄界(ミデン)に向かってくる1年間、その中でも俺はずっと調査を続けていた。

有悟さんの遺志を継ぐこともあるが、それ以上に、

 

『だがその前に、ボーダーにはネイバーに対して無差別に敵意を持つ者もいると聞く、私自身まだボーダー本部を信用していない。ボーダーの最高責任者殿には私の持つ情報と引き換えにユーマとハチマンの身の安全を保証すると約束していただこう』

 

この交渉の手札を残しておくためだ。ただの口約束、破ることは簡単だ。だが現時点の意志は少なくとも、遊真の副作用(サイドエフェクト)のおかげで確かめることができる。最低限、遊真の安全さえ守られていればいい。俺は1人ならどうとでもなる。

さあ、どう出る?

 

「...... よかろう、ボーダーの隊務規定に従う限りは、隊員、空閑遊真と比企谷八幡の安全と権利を保障しよう」

 

...... 遊真は反応してない。トリオンの乱れもない。嘘はついてないな。

 

『確かに承った。それではネイバーについて教えよう。』

 

交渉成立だな。

 

 

 

 

 

『ネイバーの世界。すなわちネイバーフッドに点在する国はこちらの世界のように国境で分けられているわ けではない。ネイバーフッドのほとんどを占めるのは果てしない夜の暗黒でありその中にネイバーの国々が星のように浮かんでいる。それらの国々はそれぞれ決まった軌道で暗黒の海をめぐっており、ユーマの父、ユーゴはそのあり方を“惑星国家”と呼んだ。

太陽を回る惑星の動きとは少々異なるが 惑星国家の多くはこちらの世界をかすめて遠く近く周回している。

そしてこちらの世界と近づいたときのみ、遠征船を放ちゲートを開いて侵攻することができる。

「 攻めてくるのはどこの国か」その問いに対する答えは「今現在こちらの世界に接近している国のうちのいずれか」だ。』

 

「そこまではわかっとる! 知りたいのは「それがどこの国か」! その「戦力」!その「戦術」だ!」

 

『どの国がそうなのかを説明するには、ここにある配置図では不十分だ。私のもつデータを追加しよう、リンドウ支部長』

「OK、レプリカ先生、宇佐美よろしく」

「あいあいさー」

 

 

すると、宇佐美はタブレットを操作しデータを加えた。 すると配置図は今までの十数倍の大きさになった。 これが、

 

 

『これがユーゴとハチマンが自らの目と耳と足調べ上げた。惑星国家の起動配置図だ』

 

 

俺たちの努力の結晶だ。ふん、恐れ入ったか。死ぬ気で調べた甲斐があったぜ。

 

なんだこのノリ...気持ち悪...

 

 

『この配置図によれば現在こちらの世界に接近している惑星国家は4つ

 広大で豊かな海を持つ水の世界海洋国家、リーベリー

 特殊なトリオン兵に騎乗して戦う騎兵国家、レオフォリオ

 厳しい気候と地形が適用阻む雪原の大国、キオン

 そしてネイバーフッド最大級の軍事国家、神の国アフトクラトル』

 

「その4つのうちのどれか...... あるいはいくつかが大規模侵攻に絡んでくるというわけか?」

 

『断言はできない。未知の国が突然攻めてくる可能性もわずかだがある。また惑星国家のように決まった軌道を持たずに星ごと自由に飛び回る乱星国家もネイバーフッドには存在する』

「“乱星国家”......」

「細かい可能性を考え出したらきりがないな」

 

 

俺と有悟さんが調べた中になかった可能性もある。細かい可能性を考えだしたら本当にキリがない。

 

 

「話を戻しましょう。先日の爆撃型トリオン兵と偵察用小型トリオン兵。あれらを大規模侵攻の前触れとして対策を講じるという話だったはず」

 

 

イルガーを使っている国は数少ない。

 

 

「それだったら確率が高いのはアフトクラトルかキオンですね。イルガーを使う国はあまりありません」

 

 

すると、遊真が聞いた。

 

 

「...... てゆうか、そういうの迅さんの副作用(サイドエフェクト)で予知できないの?どこが来るとか」

 

 

それは俺も1番最初に考えたが、おそらく何かしらの制限があるはずだ。

 

 

「俺は会ったこともない奴の未来は見えないよ。“近々何かが攻めてくる”ってのはわかっててもそいつらが何者かわからない。」

 

 

なるほど、会ったことはある人に対しては使える副作用(サイドエフェクト)だったのか。

 

 

「今はひとまずその二国が相手と仮定して対策を進めよう。次に知りたいのは相手の戦力と戦術、 特に重要なのが的にブラックトリガーがいるかどうかだ」

 

『我々がその二国に滞在したのは7年以上前なので 現在の状況とは異なるかもしれないが私の記録では当時キオンには6本、アフトクラトルには15本のブラックトリガーが存在した』

「ですが変動もあります。俺のこのブラックトリガー一方通行(アクセラレータ)、これは元はアフトクラトルのもので4年前、戦闘の末、奪取しました。 また 俺自身は2年前にもう一度アフトクラトルに足を運んでおり、その時のブラックトリガーの変動はありませんでした。なので、現在はアフトクラトルのブラックトリガーは14本ということになります。」

 

 

あの時は本当にしんどかった。2年前の時は、あの爺さんに見つかって危うく細切れになるところだった。

 

 

『しかしブラックトリガーはどの国でも希少なため通常は本国の守りに使われる。遠征に複数投入されることは考えづらい多くても1人までだろう。又に使われる船はサイズが大きいほどトリオンの消費も大きい攻撃には卵にして大量に運用できるトリオン兵を使い遠征の人員はできる限り少数に絞るのが基本だ』

 

「つまりいずれにしろ敵の主力はトリオン兵で人型ネイバーは少数だということだな」

『現在の情報ではそうなる』

「では人型ネイバーの参戦も一応考慮に入れつつトリオン兵団への対策を中心に防衛体制を詰めていこう。三雲くん、君は爆撃型と偵察型両方の件を体験している、何か気付いたことがあったらいつでも言ってくれ」

「は、はい!」

「遊真くん、八幡くん、そして、レプリカたちには我々の知らない情報の補足をお願いする」

「わかりました」

「さあ、ネイバーを迎え打つぞ。」

 

 

その後、大規模侵攻に向け、

ボーダーの屋上では迅悠一が、そして、比企谷八幡が、

 

 

「何の用......比企谷くん」

「湊、おまえに頼みがある」

 

それぞれ動いていた。

 

 

 

 

 

湊は俺を睨みつけている。まあ無理もない、父親をネイバーに 殺されているのだから。そのネイバーをかばい、弟とする俺の態度が気に食わないんだろう。

だがこっちにも事情がある、話は聞いてもらう。

 

「私に頼み...?喧嘩を売っているの?悪いけど、他を当たって」

「... じゃあ今から話だけ話す。それで判断してくれ、迅さんの副作用(サイドエフェクト)によると、今回の大規模侵攻の流れのどこかで三雲がピンチになる、その時に助けてやってほしい。」

「三雲くんが......? なぜ私に頼むの、あなたや玉狛支部の隊員それかあなたの弟のネイバーにやらせるなりすればいいじゃない。」

「もちろんそのつもりだが、その時に駆けつけられそうな人間がおまえか三輪ぐらいしかいないらしいんでな」

「......ここまで聞いて悪いけど返答は変わらないわ、他を当たってもらえる」

 

やっぱりそうか、でもここまで読みきって本部にあれを渡したんだ。

 

「俺が持ってきたトリガー技術そして金属で一品もののトリガーが作られる。

それは俺の殺戮の天使(キラーエンジェル)の機能をトリオンを入れれば10分間、“天罰“モードまで使えるようにする。トリオンは俺が入れて、10分間普通に”天罰“モードで使えるようにした。 お前らが味わった通り、あのトリガーはそのモードなら、ブラックトリガーにも匹敵する性能を持っている、一時的だがブラックトリガーの強さをえられると考えてもいい。

今、万能手の中でこれを誰に使わせるか悩んでるらしい。

お前が俺の頼みを聞いてくれるのなら、俺はお前を推薦する。

あれは俺が持ち帰ってきたネイバーフッドの中でも貴重な金属で作ってある。もう多分作れない。

それにトリオンさえ込め直せば、いつでも誰でも天罰モードまで使えるようになる。

あれさえあれば、 父親の敵を討ちやすくなるぞ。」

 

さてここまで条件をつけたがどう出る?

 

「...... ふざけないで、あなたの一存でそんな戦力の持ち手が決まるわけがない 話は終

わりよ。」

「おまえはきっと助けてくれると思う、俺の勘がそう言ってる。」

 

湊は俺に背を向け、帰っていった。

 

 

 

「父さんを殺したネイバーはすべて敵よ......」

 

ボーダーの廊下で湊友希那は自分に言い聞かせるように力なく呟く、

よみがえるのは、幼き日の記憶か、それとも......

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

三歳のころ、父親の影響か湊友希那は音楽、とりわけ歌が大好きだった。

友希那の歌、その初めての観客は父だった。

 

『お父さん!聞いて!!』

『友希那は歌がうまいな』

『お父さんみたいに歌手になるんだ!!』

 

 

 

小学生のころ、湊友希那は幼馴染の今井リサとどんどん音楽にのめりこんでいった。

だが、彼女の尊敬する人物であり、目標、そして誰よりも超えたかった彼は......

 

『父さん...どうしたの?』

『友希那...はは、父さん音楽はやめたんだ』

『なん...で......』

 

 

 

そして、中学時代、大規模侵攻......

 

『友希那!逃げろ!!』

 

彼女は父に言われて家から逃げていた......

 

『父さんは......!?』

『安心しろ、後で必ず行く』

 

だが、その父は柱に足を挟まれた状態であり、身動きはとれなかった。

 

『母さん......まかせたぞ』

『......はい』

 

母は湊友希那の手を引き走り出した。

 

『離して!母さん!!離してよ!!!』

『友希那!!』

『!!』

 

すると、母は今にも泣きだしそうな表情で

 

『父さんは来るから......ね?』

『......』

 

だが、この物語に......

 

『湊さん...ですね?』

 

ハッピーエンドはない。

 

 

 

 

彼の顔は原型を留めていなかった。

バムスターに家ごと踏みつぶされ、ぐちゃぐちゃになっていた。

余りの凄惨さに、母は嘔吐した。

湊友希那は耐えきれなかった。泣き出して、精神が壊れた。

幼馴染のリサに諭されなければ、そのまま仮設住宅の一室で一生を終えていただろう。

これが、彼女の悲劇。

大規模侵攻ではありふれたものだ。

 

 

 

 

 

彼女も分かっているのだ。自分が八幡たちにしているのはとんでもない八つ当たりだということに。彼らの力を借りれば、敵討ちは現実的なものになるということに。

だがネイバーを敵として憎み、そうすることで自分の精神を保っていた彼女の4年間は、そうさせてくれない。この世の全てを憎んだような目で、こう呼びかけてくるのだ。

 

「ネイバーはすべて敵よ......!!」

 

 

――――――――――ー

 

 

その頃、アフトクラトルでは侵攻の準備が進んでいた。

 

「頼りにしてるぞ、テート」

「分かってますよ、元一方通行使用者(あいつ)に代わってやります。」

「マナとモネも頼むぞ」

「分かっています。私たちの連携に、」

「勝てるものなんてない」

 

 

 

 

 

『次回、大規模侵攻①に、トリガー、起動(オン)

 

 

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