少年はそこで英雄と出会う。   作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!

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大規模侵攻①

 

「おはようございます。」

 

そう言って俺は教室に入る。

すると当然だが三輪が睨んでくる。

とりあえず席につくが、居心地悪いなあ。

 

「おはよう比企谷くん!今日も目腐ってるね!本当にどうなってるの?」

 

......居心地、悪いなぁ、 男子の“氷川さん話しかけてもらいやがって”という視線が痛い。

 

すると三輪が近寄ってきた。

 

「......のうのうと学校によくこれたな」

 

............居心地、悪いなぁ........

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

昼休み、 中等部の遊真たちと合流して屋上で弁当を食べている。

 

「薫に氷川、大和、あと那須も俺と飯食っていいのか?他に友達といるんじゃないのか?」

「ああ別にどうということはないさ、ところで八幡、那須さんとも知り合いだったのかい?」

「ああ、初めての防衛任務の時ちょっとな」

「ふうん......」

 

怖い、怖いよ薫さん......っ!?

俺は素早く基地の方へ視線を向ける、雨取もだな。

すると、基地の周りが黒い雲に包まれる。そして、大量の門が開いた。

 

「おいおい、アフトクラトルはそんなに切羽詰まってんのか?」

 

さすがにこの量はおかしい。3㎞以上離れているのにトリオンの揺らぎで気付けたほどだ。

 

「緊急呼び出し......!」

 

だが...

 

「ついに来たってことだろ」

 

『門発生!門発生! 大規模な門の発生が確認されました。警戒区域付近の皆様は ただちに避難してください』

「三雲!俺はとりあえず、最短で本部まで行く!!遊真と一緒に後で来い!!」

「八幡...君は?」

「俺はブラックトリガーだからな、それも防衛戦力としてのだ。 本部から召集かけられてんの」

 

 

 

 

「トリオン兵はいくつかの集団に分かれてそれぞれの方角へ市街地を目指しています 本部基地から見て西、北西、北、東、南、南西の六方向です」

『こちら比企谷、ただいま本部に急行中』

「よし! 現場の部隊を二手に分けて、南、南西の敵にそれぞれ当たらせろ!比企谷には北に行くように伝えろ!」

「了解!」

 

すると、根付が

 

「ちょ、ちょっと待ってください本部長!西と北西はどうなるんです!?」

「心配はいらない、西と北西にはすでに迅と天羽が向かっている。あの2人に任せておけば問題ない」

「おお、こういうときは頼もしいねぇ!」

「問題はほかの四方だ。防衛部隊が比企谷が追いつく前に市街に入られるわけにはいかない。鬼怒田開発室長。」

「わかっとる、すでに冬島と組んで防衛隊員や比企谷が追いつくまでのトラップは仕込み済みじゃ。」

『比企谷現着!』

「部隊も追いついた、一気に反撃するぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

よし現場に着いた。今まで使っていたのはボーダーのトリガー、 グラスホッパーと変化弾(バイパー)を使って、来る途中にもトリオン兵はだいぶ減らした。

だが......

 

「おいおいマジかよ......」

 

間近で見るととんでもない量だ。ブラックトリガーは温存するとして...... スコーピオンを使えばいけるか?

トリオン兵は基本的に下からの攻撃に弱い。 スコーピオンは確かに広げれば広げるほど 強度が弱まるが、それでも真下からなら貫けるはずだ。

俺はスコーピオンを展開し、変形させて壁に伝わせて迅さんの風迅の要領で突き出した。

 

「よしいけるか......?」

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

ボーダー本部の周りでは追いついた正隊員たちが順調にトリオン兵を駆逐していった。

だが、異変は起こった。

 

東隊もしっかりとした連携で順調に敵を倒していた。だが倒したバムスターから1体のトリオン兵が出てきた。

 

「なんだ、あれは?」

「東さんは向こうをやってください! こいつは俺らが......」

 

そのトリオン兵は今まで見たことのあるトリオン兵とは全く違った言うならば人型をしていた。そして頭頂部には特徴的な耳のようなものが生えており、全身が白い。

東隊の隊長である東春秋はスナイパーだ。接敵したときは東も援護のためかなり近くまで来ていた。よって隊員である奥寺常幸は東に別の場所のフォローをしてもらおうと声をかけたが......

 

「奥寺!!」

 

そのトリオン兵はとんでもない速度で動き、奥寺を裏拳で殴った。

奥寺は弧月でガードしようとするが受けきれず、吹き飛ばされ民家を何件も突き破った。

 

「奥寺!応答しろ!!」

「だ、大丈夫です......」

「この野郎!!」

「止せ小荒井!奴の狙いは隊の分断だ!奥寺が戻るまで待て!!」

 

東の制止もむなしく、隊員である小荒井登はそのトリオン兵に突っ込んでいった。

そして弧月を振りかぶり切りつけようとするが、トリオン兵に掴まれて民家の塀に 叩きつけられた。そこから逃れようとトリオン兵の腕に弧月を突き刺そうとするが、その突き刺そうとした両腕を掴まれて、身動きがとれない状況になる。

そしてトリオン兵は小荒井の両腕を引きちぎった。そして腹部を開いてその中から複数の細いアームを出した。

小荒井を助けようと東は狙撃用トリガーの中で最も威力の高いアイビスを使い、そのトリオン兵を狙うが、その一撃はトリオン兵の腕により阻まれてしまった。

 

「うわああああ!!東さん!!」

 

そのトリオン兵の中にどんどん引きずり込まていった小荒井は思わず東に助けを求める。

東は今度は小荒井の方を打った。

ボーダーのトリガーには緊急脱出機能がある。だから今の東の行動は正しい。

 

 

 

『忍田さんこちら東! 新型トリオン兵と遭遇した!サイズは3m強、人に近い形態で二足歩行、小さいが戦闘力は高い! 特徴として隊員を捉えようとする動きがある、各隊、警戒されたし。以上』

 

「...... わかった。今増援に湊隊が向かっている、それまでうまくしのいでくれ」

 

『忍田さん』

 

「比企谷か?どうした?」

 

『そいつは多分、アフトクラトルで開発中だった捕獲用トリオン兵、 “ラービット”だと思います。こいつは大型とは違い、トリガー使いを捕獲するためのトリオン兵です。後、諸々のトリオン兵を見ても、今回の襲撃はアフトクラトルで間違いないでしょう。』

 

『おそらくハチマンの見立て通りだろう。ほかのトリオン兵とは別物の性能と思った方が良い。 前回ハチマンが潜入した時にはおおよその形はできていた。それ故に一度差し向けられたが、その時の戦闘データから予測した。完成しているとなれば A級隊員であったとしても、単独で挑めば食われるぞ』

 

 

――――――――――

 

 

場所は変わり基地の東、ここにもラービットが出現していた。ここを担当する諏訪隊は銃手2名、攻撃手1名の中近距離の隊なので火力は集中させやすい。

隊長の諏訪洸太郎と隊員の堤大地が弾幕を張る。そして、攻撃手である笹森日佐人がとどめを刺す手はずだったのだが...

 

「いけっ!日佐人!!」

「はい!」

 

そう叫び笹森はラービットの頭上に飛び乗り、そのまま弧月を突き刺そうとするが、 突然ラービットの背中から無数のトゲのようなものが出てきてそれが何本か笹森に突き刺さり、電撃を浴びせた。その電撃は強力で笹森は動けそうもないと判断した諏訪はサポートのために通常弾(アステロイド)をまとめて撃った。その衝撃で笹森は解放されたが代わりに諏訪が捕まってしまった。

 

「くそっ!!」

 

堤は笹森を抱えて逃げる。だが、捕まるのも時間の問題かと思ったが次の瞬間近くのビルの屋上にいた。彼らを助けたのは、

 

「風間隊、現着した。これより諏訪の救助に向かう。」

 

A級三位、風間隊だった。

 

「風間さん、オレもやります。オレがやられたせいで諏訪さんが......」

 

笹森は諏訪が捕らえられたことに責任を感じ、協力を申し出るが...

 

「俺たちがやると言ったはずだぞ、攻撃手の連係は銃手よりシビアだ。なれない奴が入ると逆に戦闘力が落ちる。」

「でも、このままじゃ引き下がれないです......!」

 

笹森もそのことはわかっているが、それでも加わりたいという意思を表した。だが、

 

「じゃあ勝手に突っ込んで死ね。それでお前の役目は終わりだ。」

「引っ込んでなよ、弱いんだから」

「お前は堤さんとほかのトリオン兵を追ってくれ、諏訪さんは俺たちが必ず助ける」

 

ボーダーの緊急脱出機能は、生身は無傷で帰ることができるが、戦闘体はそうはいかない。 戦闘体が破壊された後、また戦線に復帰するためには、多大な時間がかかる。よほどのことで戦が長引かなければ、戦線復帰は絶望的だ。 風間たちは冷たいことを言っているようだが、理には適っている。

そして自分は戦力にならない、そのこともわかっている笹森は苦渋を飲んで離れた。

 

「三上、この区画の情報を」

『了解です。支援情報を視界に表示します』

「敵の数が多い。さっさと片付けて次に行くぞ」

「「『了解!』」」

 

 

 

 

 

基地南部、新型に襲われていた東は絶体絶命の状況だったが、

 

「湊隊、現着しました。」

「東さん、下がっていてください。」

「助かる」

 

湊隊が到着した。ラービットは当然襲い掛かるが、友希那と紗夜によって抑えられる。

 

「リサ!」

「はいはい!通常弾(アステロイド)!!」

 

そしてその間にリサがラービットの目をめがけて通常弾(アステロイド)を打つが、ラービットは目を守るように頭を下に向け、通常弾(アステロイド)をはじいた。

 

「うっそぉ!!硬い!?」

「やはり装甲は貫けなそうね、東さんからの情報でもアイビスを弾いたらしいわ、しっかりと抑えて忠実に目を狙いましょう。あこ、他に何か情報はある?」

『あ、今風間隊から...... 特に装甲が分厚いのは両腕、それと頭と背中らしいです。』

「薄いところから削りましょう、足を切って動けなくした所をリサがのけぞらせて、最後に腹部よ。」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

そのころ、アフトクラトルの遠征艇では、トリオン兵に仕込んだカメラから戦況を分析していた。

 

「 おいおい... もうラービットとまともに戦える奴が出てきたぞ」

「いやはやこれは......玄界の進歩も目覚ましい......ということですかな」

「大したことねーよ、ラービットはまだプレーン体だろうが」

「いやいや分散の手にもかからなかったし、なかなかに手強いぞ」

「それに...... 面白そうなやつがいるな」

「おやおや、これはヒキガヤの坊っちゃんではないですか?」

「あのウィザ翁にも勝った...」

「ええ、テート殿。あのブラックトリガー、一方通行(アクセラレータ)の現保有者ですよ」

「へぇ......こいつが......」

「我々も出撃致しますか?ハイレイン隊長」

「私たちもそろそろ......」

「戦場に出たい...」

「いや、お前たちが出るのは玄界(ミデン)の戦力の底を見てからだ。慌てることはない、卵はまだたくさんある。」

 

 

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