少年はそこで英雄と出会う。   作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!

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大規模侵攻②

玄界(ミデン)はまだその戦力のすべてをみせていない。前回ラッドをまいた時は数百の兵が動いていた。その記録からしてこの二隊以外にも、腕の立つ使い手が数多く存在すると推測できる」

 

玄界(ミデン)の猿相手にビビリすぎなんじゃないの?隊長さんよ」

 

「口を慎めエネドラ、上官に対して無礼だぞ」

 

「てめぇこそ誰に口聞いてんだ?雑魚が」

 

「二人に喧嘩されたらこの船が持たないなぁ」

 

「.........チッ...... イライラするぜ!!このクソ狭ぇ船はもううんざりだ!!なあ俺を出せよハイレイン!俺1人で皆殺しにしてやる!」

 

「皆殺しはともかく確かにそろそろ身体を動かしたいものだな、兄...いや隊長」

 

「もう少し我慢しろ、すぐにお前たちの出番は来る......ミラ」

 

「はい、次の段階に移ります」

 

 

――――――――――

 

 

 

トリオン兵の量が増えたな、何体かラービットもいる。そういえば、こいつらウサギに似てるけどウサギ大好きフリスキーの花園は大丈夫だろうか...?

とりあえず、一気に変化弾(バイパー)で削る、だが、キリがない。

ブラックトリガーを使うか?いや、まだ人型ネイバーは出現していない、十五分使ったらもし爺さんクラスが出てきたとき“天罰“モードしか対処の仕様がなくなる。 あれは本当に五分使えばトリオンが底をついて戦闘が不可能になるからな。

 

「遊真たちの方はどうなってる、レプリカ」

 

俺は連れて来たレプリカの子機に聞く。

 

『ユーマとオサムは今別行動をしている。ユーマがトリオン兵の足止め、オサムがキトラと合流し、C級隊員たちの逃亡の補助に向かった』

 

なるほど、遊真は大丈夫だろうが、三雲は...木虎と一緒なら大丈夫か......?

 

「薫と通信をつないでくれ」

『承知した』

「薫か?」

『八幡かい?』

 

よし、 まだラービットに捕まってはいないな。

 

「B級合同に加わったか?」

『ああ、今各地のトリオン兵の掃討作戦に行くところだ』

「よし、“角付き“には気を付けろよ」

 

アフトクラトルの強化トリガー、幼少期にトリオン受容体であるトリガーホーンをつけることによって後天的にトリオン能力の高い人間を作り出すもので、その性能は他のトリガーと一線を画す。さらに、これでブラックトリガーの適正を上げる実験も行われており、適合者の角は黒くなる。

正直言って、薫の隊がそろっても討伐は無理だな。

 

 

――――――――――

 

 

 

その頃、修の方では木虎が辛くもラービットに勝利していた。

 

「うぉぉぉ!!!!すげぇ!!!」

「倒した!!?」

 

その上空ではトリオン兵により遠征艇に情報が送られていた。

 

「目標を確認、雛鳥の群れです。住民の避難にあたっていた模様」

「なるほど巣を叩いても出てこないわけだ」

 

「あなたたち、浮かれている場合じゃないわ、引き続き避難を...」

 

木虎がラービット撃破に浮かれているC級たちに避難を促す。

その時 ラービットの中から3体のラッドが出現した。

そしてそのラッドはそれぞれゲートを開き、色の違う3体のラービットを放出した。

 

「玄界の戦力は、程よく散っているラービットが仕事をする舞台は整った 雛鳥のトリガーに脱出機能が付いてないことはラッドの調べでわかっている。お前たちはラービットの仕事に邪魔が入らないよう、玄界の兵と遊んで来い」

 

ラービットが三体現れ、木虎はアフトクラトルの狙いに気づく

 

「逃げなさい早く!こいつらの狙いはC級隊員よ!!」

 

そこまで言うと木虎は突然地面から現れたブレードにより貫かれてしまった。

見ると新型のうち1体が腕を液状化させて地面に突き刺している。おそらく地面の中でブレードにして突き出したのだろう。

 

(一体ごとに性能が違うの!?)

「木虎!!」

「三雲君あなたは本部に連絡を......」

 

木虎は知り得た情報を伝達するため、修に本部へ連絡するように指示をする。 ただ本人は新型に掴まれて針のようなものを腹部に二本刺され、緊急脱出を試みたがキューブ化されてしまった。

そして、修もラービットに殴り飛ばされ民家へと突っ込んでしまった。

 

「僕に構わず逃げろ!!」

 

修は迷わず千佳たちに逃げるように指示を出す。C級隊員は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。

 

「まじでヤバイよこれ逃げよチカ子!......チカ子!?」

 

千佳と訓練で一緒だった夏目出穂が千佳を逃げるように促す。だが、千佳は足がすくんでしまって動けない。

ラービットが千佳に向かって歩みよる。

 

「千佳!!」

 

このままではまずいと修が助けに向かおうとするが、距離が離れすぎている。

もうダメかと思われたが、一発のトリオンの弾がラービットをのけぞらせた。

 

「チカ子に手ぇ出してんじゃねぇぞこんにゃろー!!」

 

夏目が放ったアイビスである。夏目はラービットを倒そうともう発追撃するが、それは腕によってはじかれてしまい、逆に本人が捕まってしまった。そしてラービットの腹部が開き取り込まれそうになる。

 

「チカ子逃げろ!!走れ!!」

 

夏目が持っていた猫を逃がしながら言う

 

「逃げろ千佳!!」

 

修も叫ぶ。しかし千佳は動けない。脳裏に言葉がちらつく

 

『逃げなさい早く!!』

『僕にかまわず逃げろ!!』

『チカ子逃げろ!!』

 

自分のせいでつかまってしまった友人、それが小学校の頃の友達、そして兄と重なってしまう。また自分のせいで身近な人がさらわれてしまう。その恐怖に千佳は思わず涙を流した。

そんな時、不意に最近の思い出がよぎる。

 

『そりゃもちろん戦闘員でしょ、この先ネイバーに狙われた時のためにもチカは戦えるようになった方がいいだろ』

 

最近出会った修の友人の言葉、そして、

 

『俺はせめて自分の周りをすべて守る、そのために......』

 

その兄の言葉

 

『強くなったんだ』

 

 

自分はそれを聞いて何を思った?どうしたいと思った?そんな問いが千佳の中を駆け巡る。

 

『わたしも...』

 

夏目のアイビスが視界に入り、千佳は駆け出した。

 

『自分で戦えるようになりたいです』

 

そして、アイビスをつかみラービットに向けて構え、

 

『トリガー臨時接続』

(今度こそ)

 

放った

 

(友達は、私が助ける!!)

 

すると、とんでもない威力の弾が放出されラービットの左上半身が吹き飛ばされる。

その偉業を成した本人はぺたん、と座り込んだ。

 

「こらチカ子!アタシも吹っ飛ばす気か!」

「ご、ごめん」

 

すると、わずかにラービットが動き、腕を液状化させブレードを作ろうとする。

だが、すかさず修が目を切り裂き、事なきを得た。

 

『忍田本部長、現在新型数体と戦闘中!木虎が敵に捕獲されました!敵はまだ増える可能性があります!狙いはC級隊員です!』

 

そして、修は状況を説明する。

 

『状況はほぼ把握した。東部と南部にも色違いの新型が出現している。あと少しだけしのいでくれ、木虎の報告を受けてボーダー最強の部隊がすでにそちらへ向かっている』

「ボーダー最強の部隊!?」

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

玉狛支部のエンブレムをつけたオープンカーが道を走る。

そこに乗っているのは遊真たちの師匠である小南桐絵、木崎レイジ、烏丸京介の三人、

 

「あーもー!なんで私たちがこんなに遅れなきゃなんないの!?」

「お前を学校まで拾いに行ったからだな」

「なっ!?」

「まあそうすね」

「 今回の作戦は?」

「いつもと同じだ。小南が暴れて俺たちがフォローする」

「了解」

「OK!! 新型なんかズタボロにしてやるわ!トリガー起動(オン)!!」

 

ボーダー最強の部隊、 玉狛第一(木崎隊)である。

 

 

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