少年はそこで英雄と出会う。   作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!

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大規模侵攻⑦

 

北部での戦闘が終わり、遊真とヴィザの戦闘も最終局面に達していた。

 

「じいさんはさ、自分より強い奴と戦ったことあんの?」

「どういうわけかわかりませんが、今この戦場にいる比企谷殿を除けば、有利な相手、不利な相手なら覚えがありますが、真に己より強いか弱いかは勝負決してのち判る事でありましょう」

 

それを聞き、遊真は挑戦的に笑う。

 

「なるほど、強い奴の台詞だ」

 

そういうと遊真は最高速度でヴィザから離れた。

周りには遊真とヴィザの戦闘で切り崩された多くの瓦礫があり、一度見失ってしまえば見つけるのが困難になるだろう。

 

「撤退...ということでもなさそうですな。できれば向こうの決着がつくまでおしゃべりをしていたかったが......」

 

一閃、ヴィザの“星の杖”(オルガノン)で周りの瓦礫が切り崩される。

 

「向かってくるならば手は抜きますまい」

 

遊真はその身軽な体躯を生かし、がれきの中をヴィザの攻撃をよけながら、縦横無尽に駆け回る。

 

『今の私のサイズでは複合印や多重印を使うには時間がかかる。最初の蹴りでつけた“鎖”印(チェイン)もはずされた。まともにやりあっては分が悪いぞ』

「わかってる、火力勝負には付き合わない」

 

そう言うと遊真は右手をかざした。

 

“響“印(エコー)

 

遊真は音波の反射により地形を探り、視線を切って移動できる場所を選び、移動を始めた。

そして下から潜り込み攻撃を仕掛けるが......

 

“強”印(ブースト)

「下か」

 

ヴィザには見切られていた。遊真の下からの殴りをヴィザは余裕をもって躱す。そして仕込み杖で突きを放つ。だが遊真もそこまでは読んでいる。 あらかじめ地面に貼り付けていた印から、

 

“射”印(ボルト)

 

弾を撃つ......が

 

「...... ふむ 、“星の杖(オルガノン)“に対して足元の死角から攻めてきたのはあなたで8人目ですな。 追撃もしっかりしている。なかなか悪くない攻撃でした」

 

ヴィザは余裕を持ち、どこか評価するように話す。

 

「この野郎......」

 

 

———————————————————————ー

 

 

 

基地南部、作戦は始まった。

友希那と紗夜がまたモネへ切りかかる。そしてまたマナから突き放した。

 

「芸がない...」

「それが通じないと分からないの...?」

 

何度も何度も同じ手、通用しないのはわかっているはずだが繰り返す。

そしてまたリサが 手に持ったトリオンキューブを発射する。

またマナーがシールドをピンポイントで張り、それを防ごうとするが

 

「!?」

「マナッ!!」

 

直前で弾は曲がりマナの腕と脚を貫いた。

 

『やっぱり、あのシールドは張れる面積に限りがある...数の優位がはっきりと表われるわ。多角的に狙撃しましょう。』

 

そう、マナのトリガー、“鉄壁の盾”(スカサーリ)は その修理の範囲であればブラックトリガーの攻撃でさえ平然と防ぐ しかし 、一度にはれる面積は 円にしておよそ半径50cm、かなり小さい。これをマナはのちのちの努力により手に入れた、戦場を見る能力によって無敵の防御へと昇華させていた。

よって、このトリガーは弧月やスコーピオン、そして狙撃などの点による攻撃ではなく、それこそB級十位諏訪隊隊長である諏訪洸太郎が使用しているような散弾銃などの面での攻撃が攻略のカギとなる。

 

「マナッ!!!」

 

モネは更に追撃されようとしているマナをかばいに走り出すが...

 

「掛かった!“変化弾”(バイパー)!」

 

この作戦は初めからモネを先に倒すことに焦点を当てていた この連携の起点は モネの攻撃にある、ここを崩すことが勝負のカギ、そしてモネは防御がない。

その上ボーダーでも現時点で 4人しかいない、リアルタイムで弾道建設できる射手(シューター)であるリサの鳥籠は弾き切れない。

そしてモネのトリオン体は解除された。

 

「モネッ!!!」

 

マナの意識が一瞬、モネへと逸れる。次の瞬間には、マナの頭を千聖のイーグレットが貫いていた

 

「......っ!!!」

「わたしたちはチームで情報を共有していた、分析する時間もあった。負けるわけにはいかないのよ。」

 

 

 

—————————————————————————————————————————————————————————————————————

 

 

 

 

遊真はまたヴィザ から距離を取らされていた。

絶え間なく続く“星の杖“(オルガノン)による斬撃、それにより、遊真は全くヴィザに近づくことができなくなっていた。

 

「どんどん近づけなくなるな」

『こちらの動きに対応されている。もう一度策を練ろう、この相手は意識の外から攻めなければ勝てない』

 

レプリカの言葉に遊真は反論する。

 

「...... いや多分それでも駄目だ。揺さぶり合いじゃ勝負にならないのはわかった。このままじゃ時間とトリオンを削られるだけだ。親父に鍛えられた六年間、親父が死んでから兄さんに叩き込まれた四年間、その全部を合わせてもこの爺さんの厚みには勝てない。

勝負をかけるなら 技術とか経験とかとは違うとこだろ。」

 

そう言って遊真は作戦を説明する。

 

「仕掛けはシンプルにして、正面から最速最短で叩く。読み合いのポイントを絞って相手を一本道に引き込むんだ」

『勝算はあるのか?』

 

レプリカが聞くと遊真も聞き返す。

 

「ないと思うか?」

『......いや、それを決めるのは私ではない、ユーマ自身だ』

 

遊真は“弾”印(バウンド)でヴィザへ向かい一直線に進む。

 

 

 

突然だが八幡は遊真にあの時どういう助言をしたのだろうか

 

『最善を尽くしても勝てない、逃げられない、そんな相手は......』

 

 

 

遊真は圧倒的な速度で“星の杖“(オルガノン)の斬撃もかいくぐりヴィザの元へ進む。

 

「鋭い」

(......しかし、あまりに真っ正直すぎではありませんかな?)

 

遊真の前には一本の“星の杖”(オルガノン)の斬撃、このまま進めば確実に直撃する。

しかしそのとき突然、空中で遊真の動きが止まった

 

“鎖”印(チェイン)...)

 

先ほど切った岩にマーカーしてあった“鎖”印で自らを引っ張り止めた。そして...

 

“弾”印(バウンド)

 

もう一度加速した...!が 次の瞬間、遊真の足が切れる。

 

『さすがに読んでいた......いや備えていたというべきか。ブレードの軌道を一本だけ視界の外に広げていたのか。しかし即死は避けた、攻撃も届く、こちらの狙い通りの展開だ』

 

そして振りかぶった遊真の拳がヴィザに直撃する......寸前で遊真の視界がずれた。

ヴィザが遊真を切り裂いたのだ

 

「残念ですが、気迫だけでは私の剣は破れない」

 

そして、煙を上げて遊真のトリオン体が破壊される。

 

『良し』

 

 

八幡の言葉、それは......

 

『初見殺しで、かっ飛ばせ』

 

 

遊真は拳を振りかぶる。

 

「(生身で攻撃......?)馬鹿な......」

 

ヴィザはもう一度遊真を切り裂こうとするが、

 

「!!(重石のトリガー......!? まさか、これもわざと斬らせたと......!?)」

 

そして遊真は

 

“強”印(ブースト)

 

ヴィザの体を打ち抜いた。

 

(バカな、生身では決してトリオン体を破壊できないはず。つまりこれは換装前からトリオン体だったということか......!?)

「やれやれ、これだから戦いはやめられない......お見事」

 

そう言い残すとヴィザのトリオン体は壊れた。

 

 

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