少年はそこで英雄と出会う。   作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!

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比企谷八幡⑨

「さあ、始まりました!!特例A級昇格試験!!!実況は私、B級二十一位海老名隊、オペレーターの武富桜子が務めさせていただきます!!!!え~、そして、解説にはボーダー初のスナイパーである東さん、それと木崎さんをお招きしております!!!」

「よろしくお願いします。」

「よろしく頼む」

「ええ~今回は変則ルールで比企谷隊(玉狛第三)の隊長で唯一の戦闘員である比企谷隊長が、三チーム合同から7ptを取れば勝ち、制限時間は一時間...でしたよね!お二人はどのように影響すると思われますか?」

「ええ、隊長の比企谷については最近ボーダーに入隊にして来たのでよく分からないんですが、オペレーターの比企谷はかなりの腕ですよ。」

「比企谷の戦闘センスはずば抜けてる。小南相手に10/0で勝つほどだ」

「何と!!これは期待がかかる比企谷隊長!!!尚、今回のマップ選択権は比企谷隊にあります。一体どんなステージを選んでいるのでしょうか!?そして、発表されたステージは......昼、工業地帯Aです!それでは転送が開始されます。今しばらくお待ちください!!」

 

そして、昇格試験の幕が上がった。

 

 

———————————————————————

 

 

 

八幡が転送されたのは中心部の近くだった。

 

『お兄ちゃんの近くに転送された人はいないよ!みんなまず合流するみたい!!』

「了解」

 

すると八幡はバックワームを入れていないのか、そのままの状態で行動する。当然向こうからも位置は丸見えである。

その結果、八幡は中心部まで行ったものの。ここで終わらせるといわんばかりの集中砲火が八幡を襲う、更に風間隊、そして、太刀川隊が距離を詰めてこようとする。

 

“変化炸裂弾”(トマホーク)

 

固定シールドで身を守っていた八幡は自身の副作用を駆使して全員の位置に正確に打ち抜いた。

 

『戦闘体活動限界、緊急脱出(ベイルアウト)

 

すると二人が緊急脱出(ベイルアウト)するのが見えた。

 

『今のは太刀川隊の唯我さんと、冬島隊の冬島さんだよ~』

 

今の攻撃で落ちたのは見つかると無防備な工作員(トラッパー)である冬島隊隊長、冬島慎次、それと太刀川隊のお荷物こと唯我尊である。

そして、他は今の追撃を警戒して近づけない。

八幡は作戦を開始した。

 

 

 

 

 

『なんとー!!ここで比企谷隊長の“変化炸裂弾(トマホーク)”により唯我先輩と冬島隊長が緊急脱出(ベイルアウト)!!やはりここは狙い通りの展開、ということでしょうか!?』

「ええ、狙ってた感じは大きいですね。ですが、一発も撃っていない風間隊の面々もあそこまで正確に打っているので、何か仕掛けがありそうですね。後、あそこまで正確に弾道を引けるのも凄いですね。玉狛支部の人なら知ってるんじゃないですかね?」

『おお!ではレイジさんはご存知でしょうか!!?』

「ええまあ、ですが今言うのはフェアじゃないので...ノーコメントでお願いします。」

『そうですか...だが、比企谷隊長!とんでもない技術、そして火力だーー!!』

 

 

 

 

 

 

「いいぞ~はちまん!!このちょうしでたちかわたちもやっつけるのだ!!

「ちょっとゆうま!!八幡ってこんなトリオン量多かったの!?」

 

遊真たちは玉狛支部にそなえつけてあるテレビで遊真たちは八幡の昇格試験を観戦していた。

 

「ああそうだよ、兄さんは敵国から悪魔、トリオンモンスター、味方からは魔術師(マジシャン)って呼ばれてたよ」

魔術師(マジシャン)...ってどういうことだ?空閑?」

「ああ、それは...」

 

すると遊真はテレビに視線を戻した。

 

「見てればわかる。」

 

 

 

 

 

「お久しぶりですね、風間さん」

「なるほど、こっちに来たか」

 

八幡は作戦通り風間隊に接触していた。

 

『おい当真、隙が出来たらいつでも打ち抜け、俺たちは太刀川隊の到着まで時間を稼ぐ。』

『珍しく弱気だねぇ、太刀川隊の手を借りるなんて』

『それほどの相手ということだ。いくぞ!』

『『『了解』』』

 

そして、風間隊は、まず歌川が切りかかり、その陰から菊地原と風間が出る。八幡は弧月で迎え撃ち、歌川のスコーピオンを受け、そのまま蹴り上げた。そして、菊地原も弧月で押し込み吹き飛ばして、風間とつば競り合いの状況となった。

 八幡の右手が常に空いていることから、風間も意識を割かざるを得ない。

だが均衡しているこの状況、そして射線は通るので当真の援護がある分、風間隊有利かに思われた。しかし、

 

“通常弾”(アステロイド)

「なっ!?」

 

八幡は弧月をしまい、風間隊目掛けて特大の通常弾を打った。

その速度は遅いものの高いトリオン量から、高威力であり、浮かされて躱すことのできなかった歌川は咄嗟にシールドを張るも緊急脱出寸前まで追い込まれてしまう。

だが、菊地原と風間は躱し残りの通常弾(アステロイド)は先程まで八幡のいた中心部と当真のちょうど中間ほどを通過した。

だが、その時風間は八幡の行動に違和感を感じる。

 

(何故、奴は弧月を鞘に戻してから使った......?切り替えなければならん理由でも......!)

『警戒しろ当真!!』

「は......?...なっ!?」

 

すると当真を弾丸が貫いた。その予想外すぎる出来事に一瞬硬直した歌川を八幡は弧月を抜刀し、切り裂いた。

 

「これで...後三点だな」

『お兄ちゃん!後、約九十五秒で太刀川さんたちが到着する!!後、今三十分だよ!!』

 

何故、あの通常弾(アステロイド)は当真の元まで届いたのか、そのトリックを説明しよう。八幡は予め最初にいた中心部に通常弾(アステロイド)を仕掛けており、今のは打った通常弾(アステロイド)に用意しておいた通常弾(アステロイド)を当て、その瞬間に合成し徹甲弾(ギムレット)として貫通力を上げて...という変態的なテクニックでやってのけたのだ。

そして、八幡は周りにグラスホッパーを展開した。

 

「了解、ならこの人たちを九十秒で倒せばいいんだな」

 

 

 

 

「なるほど、今みたいな技を使うから八幡は魔術師(マジシャン)って呼ばれているのね!!」

 

正解でしょ!!というように胸を張りドヤ顔を決める小南、だが遊真は予想に反してこう言った。

 

「違うよ、今のは魔法じゃない。確かに高度なテクニックのいる技だけど例えば少しグレードは落ちるけどいくら俺が色んな攻撃をしても魔術師(マジシャン)、何て呼ばれないでしょ、だから違う。」

 

全員の視線が遊真に集まる。

 

「どういうことよ!!」

「......兄さんの技はかけられてるほうからしたらまさに魔法(マジック)だった。ちゃんと見てなよ、こなみ先輩」

 

遊真は小南にそして全員に見るように促す。

 

「じゃなきゃ絶対に見逃しちゃうからね」

 

 

 

「......!」

「あまり出すぎるな、菊地原」

 

八幡の言葉に菊地原が切りかかろうとするがそれを風間が制する。

すると八幡はグラスホッパーを踏んで回りだした。

そのゆったりとした、しかし、攻撃手である風間たちでは届かない間合いを回っているので、手が出せない、隙の無い動きが止まり八幡は弧月をしまったまま小刻みなステップをして風間たちに近づく。

 

そして、玉狛支部では遊真が言う。

 

「そろそろ来るよ...」

 

そして風間の目の前で手を叩く。

 

「...ッ!!??」

 

それはものすごい音が鳴る。そして手をものすごいスピードで広げた。

 

 

魔法(マジック)......」

 

 

「......は?」

 

次の瞬間には風間が何かしらの攻撃を受けて浮いていた。

 

枝刃(ブランチブレード)

 

そして、風間に気を取られて菊地原の動きが止まる。八幡はその隙を逃さずそこに大規模侵攻で見せた風迅もどき(体の外で壁、地面につたわせたスコーピオンを枝刃(ブランチブレード))を入れる。

 

「...風間さん、すいません。」

『トリオン供給器官破損、戦闘体活動限界(ベイルアウト)、緊急脱出』

「......ぐッ!!」

 

それは菊地原の胸を貫き、風間は急所こそ何とかガードしたものの緊急脱出(ベイルアウト)寸前であった。

 

『お兄ちゃん!あと5秒だよ!!』

「そんだけありゃ、十分だ」

 

 

 

 

 

『今のはなんだー!!??一瞬にして風間さんが吹き飛んだぞ!!??解説のお二人、どうでしょうか?』

「......レイジ、なんかわかるか?」

「......分かりませんが、このタネはおそらくあの猫だましにあるはずです。ですが、あれも破裂音のするように改造された炸裂弾(メテオラ)をたたき合わせた特殊な猫だまし...だと思いますが、風間がその程度でやられるとは思えない。ですが自分が何を食らったのか分からない。その怖さは相当だと思います。」

『なんと......!解説のお二人でも分からないとは......!!まだまだ底が見えないぞぉ!!!!比企谷八幡!!!!!!』

 

 

「......ゆうま、あれどうなってんの?」

(ここまで真剣な小南先輩、初めて見たぞ......!)

「タネはあの猫だましにある」

「風間さんがただの猫だましに......!?」

 

自分が敗北した相手、そしていつか超えたい相手、自らの強さ、自信、すべて超えた所に位置する八幡の技術を彼女は食い入るように見つめていた。

 

「兄さんに聞いたんだけどさ、例えばこのてれび?とか、えいがかん?ってとこのしあたー?とかは横長の長方形だろ?その訳はさ、人間の目は......ある程度以上の角度で横に広がった画面を見るとそれ以外のものが気にならなくなるかららしいんだよ。つまり、横長の画面になればその画面の中の世界に没入してみるようになるってことらしい。」

「おいゆうま!それがこのまじっくとなんのかんけいがあるのだ!?」

 

陽太郎が難しい話に耐えられなくなり、思わず聞く。

 

「兄さんは猫だましのあと手を広げた。しかも高速でなにかありそうに見せかけて、一瞬だけ横長のシールドを出して......な。普通の人なら見えなかったんだろうけど A級レベルの身体能力を持つ風間先輩と菊地原先輩、そんでトリオン体で強化された視覚ともなれば見えた...そしてそれ以外の者が意識から消えた......そんで見えないほど早い ヒザが下から突き上がった。それがあごに入って吹き飛んだ......それが今の魔法(マジック)の正体だ。」

「そんなことをあの一瞬で......!」

「その魔法(マジック)を確実にするために横に回り続け意識を横に横に向けておいて......な。おそらく風間先輩は自分がなぜ浮いたのか、どんな技を食らったのかわからんはずだ。」

 

 

 

 

 

八幡はとどめを刺そうと細心の注意を払い、それでいて最高速度で風間に詰め寄り、切った。

 

『トリオン供給器官破損、戦闘体活動限界、緊急脱出(ベイルアウト)

「悪あがきだ......!!」

「ッ!!」

 

八幡の副作用(サイドエフェクト)にかかっても反応できない速度で風間は八幡の足と地面をスコーピオンで止めた。

 

『お兄ちゃん!!太刀川さんが来る!!!』

「旋空弧月」

 

ちょうど到着した太刀川の旋空弧月を八幡は足を切り、何とか避ける。失った足はすぐ、スコーピオンで代用した。

 

「おらっっ!!!」

 

そして、太刀川は弧月で斬りかかり、八幡はスコーピオンで受け、迎撃しようとするが、そこに出水の変化弾(バイパー)が来て、また太刀川が切りかかる...という構図が続き八幡は防戦一方だった。

 

「オラオラどうした?ここまでかルーキー!!」

『太刀川さん、次で決めます!!』

「......」

 

八幡は騒がしい太刀川とは対照的に淡々とさばく。が、そこに

 

「これで終わりだ“変化炸裂弾”(トマホーク)!!」

 

出水の変化炸裂弾(トマホーク)が降る。八幡は躱すが爆風に煽られ少し体制が崩れる。そこに太刀川が好機とばかりに突撃する。

 

「でかしたいずm...なっ!?」

 

しかし、それすらも八幡の誘いだった。八幡は太刀川にグラスホッパーを踏ませ上空に打ち上げる。そしてそこに追撃しようとするが、

 

全防御(フルガード)!!」

 

出水の遠隔シールド、更に太刀川のシールドも付き、(太刀川は旋空弧月の準備をしながら...ではあるが)これは八幡でも簡単には破れない。削りきるか、守り勝つか、その持久戦になる......!!!

 

 

 

 

 

 

 

かに見えたが。

 

変化弾(バイパー)

「へっ......?」

『戦闘体活動限界、緊急脱出(ベイルアウト)

 

八幡は手薄だった出水を狙い、

 

『おぉっと!!ここで比企谷隊長が7pt取得!!!名残惜しいがここで試合終了だぁ!!!!!!』

「マジかよ......」

 

勝利した。

 

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