少年はそこで英雄と出会う。 作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!
『西岸では両隊のエースが相まみえる形!! 熊谷隊員が粘りの戦いを見せてためその隙に川を渡るかと思われた空閑隊員ですが、意外にも瀬田隊員を迎えに行く展開!思いがけず静かな遭遇になりました!』
「どうやら今回は、正面から当たるつもりらしいな」
『一方東岸でも射撃戦が激化!味方を落とされた那須隊長が点を取り返しに行く!』
「対岸の2人のうち、勝った方がこっちに来るかもしれませんからね。じっくり構えてはいられないでしょう。」
『玉狛の三雲隊長と鈴鳴の二人、そして弦巻隊の弦巻隊長、奥沢隊員が那須隊長を中心に間合いを取る!!状況をコントロールしているのは三雲隊長か?背後を取っての攻撃で那須隊長の意識を散らしにかかります!!』
「うちのメガネく......じゃない、メガネ隊員は曲者ですよ。」
『那須隊長としては一隊を倒して、前後の敵いずれかに絞るか、大きく移動してすべての敵を射界に捉えたいところですが、こんな状況でも弦巻隊を狙うんですね。』
「まあ、弦巻隊は狙撃手しか射程持ちがいないのと、玉狛の砲撃を警戒してんだろ。」
那須は修の“釣り”の戦法を警戒して、なかなか踏み込めないでいた。
だが、そのおかげで何とか弦巻隊は生き残っていた。
『隊員の間で鳥籠と呼ばれる変化弾の全方位攻撃!弦巻隊の二人は防ぎきれず削られていく!!』
那須の鳥籠に撃たれ、弦巻のフルガードだけでは防ぎきれない。
「美咲!バックワームを」
「了解!」
しかし、美咲もバックワームを解除して防御の厚みを増やすことで何とか対応する。
「ちょっ、やばいよこころ!!」
だが、防御するだけでは勝つことは出来ない。現に奥沢のイーグレットだけでは那須相手には決定打にならない。だが、弦巻に中遠距離の攻撃手段は無い。
「このまま引き付けるわよ!!美咲!!」
「えっ、でも...」
弦巻は本能で動くように見えて、ちゃんと考えて動くことの出来る人材だ。彼女はオペレーターの松原花音に現状を聞いた。
「花音!今薫はどうなってるの?」
『う、うん!今、遊真君と一騎打ちしてるよ!!まだちょっとかかるかも......』
「そう......美咲は何かいいアイデアがあるかしら?」
弦巻隊の一人一人の能力は本来高い。作戦立案に関してもそれぞれがしっかり考えて立てられる。
「......ごめん。玉狛と鈴鳴と連動して那須先輩狙い...くらいしか思いつかない。」
すると、弦巻の目が輝く。
「連動......それよ!!!」
西岸
西岸では遊真と薫が河川敷で向かい合っていた。そして薫に通信が入る。
『か、薫くん!......』
「さて、こっちも用事が出来た。残念だが手短にいかせてもらう...よ!」
薫は静止していた所から一気に加速し、遊真に縦に切りかかった。それを遊真は何とか右によけてかわすが......
「うおっ、危な」
そこに誘導されていたようで、危うくモールクローの餌食になるところだったが何とか二股に枝分かれさせたブレードでとめた。
遊真もやられるばかりでなく反撃に転じようとして、グラスホッパーを二枚、自らの足元と水辺に出した。薫もその角度を見て水辺のグラスホッパーの方に体を向けた。だが遊真はそのグラスホッパーには乗らず、堤防の壁の方へ飛んだ。当然薫のアクションも一つ遅れる。そして、その隙に右手のスコーピオンで切りかかる......ように見せかけ、本命のモールクローで腕を削る。という作戦だったのだが......
「その手は......もう何度も見たさ」
逆に薫のモールクローが足元の堤防から出て足にかする。
そこに薫が間髪入れず突きを放つが遊真はそれを太刀で受け、その反動で大きく後ろへ飛んだ。
『瀬田隊員の強烈な突き!空閑隊員何とか受けた!!』
「おお......しのぎ切った。今回のくまもそうだったがソロポイント一万以上の攻撃手と正面から斬り合ってワンセットで死なない奴は珍しいぞ。」
『空閑隊員の攻撃も相当鋭いものでしたが』
「そうだな、モールクローにあの体の中でブレードを枝分かれさせて増えたように見せるやつ......」
『
「そうそれ、技の冴えも使いどころもいい感じだが...まだ軽いな。それだけじゃ集中した瀬田には届かない。あいつの刃には今までの強敵との戦いを経験、そんで思いが全部のってるからな。さすがにお前も瀬田の勝ちが見えてんだろ?」
「まあ、流石に分は悪いね。9-1ってとこかな。でもまだ未来は決まってない。俺は遊真が勝つ方にかけるよ。あいつの剣にもちゃんと乗ってる。積み上げてきた重みと思いが」
四年前
遊真は父である空閑有悟がブラックトリガー自らの身代わりになってから睡眠を取ることが出来なくなっていた。
「まいったな、もう五日も寝てないぞ。」
『体がトリオン製になったからだろう。今のユーマの体にはブラックトリガーからトリオンが供給されている。休息を取る必要はない。前向きに考えればほかの人間より活動できる時間が多いということだ。』
「ああ、時間は貴重だぞ?金でも買えないからな。」
「 そりゃそうだけど暇だよ... 早く攻めてこないかな、敵」
そう話す遊真の横顔に八幡とレプリカは少し危うさを感じた。
『ならばユーゴがそうしていたように 暇な夜には戦闘の復習をしよう。知識や経験測は絶対ではないが、素早い判断の助けになる』
「復習?俺一人で?」
『私と、 時間が合う日は八幡と3人で...だ。もっともやるかどうか決めるのはユーマ自身だが』
「いいね......やろう」
遊真は薫の周りに無数のグラスホッパーを出してそこを飛び回る。
「
薫は遊真の意識を誘導し、動きを制限する。
「来る方向とタイミングさえわかっていれば対処はそう難しくないよ」
そしてスコーピオンで迎え撃つ。遊真はまた何とか受けて今度は先ほどより大きく薫との距離をとった。
「こっちはまだかかりそうだね......すまないがそれまで耐えてくれ、こころ、美咲」
東岸
「千佳!もう多分鈴鳴も弦巻隊もバックワームは使わない!!こっちより空閑の援護に行くんだ!!」
「うん」
那須の鳥籠が弦巻隊の二人を襲う。二人のシールドで何とか受けきっているものの少しずつ押されて来ていた。
「こころ!鈴鳴がだいぶ削られて来てる!!そろそろ行かないと作戦が機能しなくなるよ!!」
「ええ、行きましょう!!!」
そして二人は那須の
『弦巻隊飛び出した!!これは...』
「弦巻隊はボーター1動けるチームだからな。全員がグラスホッパーを入れてる。こっからだよ。」
すると、鈴鳴も
「今だ!ここで那須さんにプレッシャーをかけるんだ!!」
「了解っす!!」
一気に進む弦巻隊はシールドを前面に張り進んでいた。
「鳥籠が来たらシールドを繋げて防御するわよ!!来た!!!」
こころが鳥籠への対処をした時に丁度鳥籠が来た。
「あれ......?(さっきより弾が遅い......?)」
しかし、 その速度は通常の
「こころ!危ない!!!」
奥沢は弦巻を突き飛ばす。そして次の瞬間爆発した。
「美咲!!」
『那須隊長の
「あれは引っかかるかもな。
『弾丸の合成には時間がかかり隙が生まれるため乱発はできませんが、その分威力は強力です!!隠し手札がきっちり刺さった!来馬隊長、三雲隊長、弦巻隊長は警戒して距離を取る動き』
『そして、西岸の攻撃手対決も佳境です!!』
遊真は薫の太刀を受けながら昨夜のことを考えていた。
遊真は八幡と二人で玉狛支部の屋上で作戦を考えていた。
「さてどうするかな。次はチーム戦とは言え俺がむらかみ先輩か、かおる先輩を止められなきゃきつそうだ。」
『相手の戦法と特徴は......?』
「グラスホッパーみたいに似たようなのを使い慣れてる武器もあるだろ?」
『相手を崩す手を考えられるだけ考えよう。私たちは考える時間がある。そのうち1つでも相手の虚を付ければそこで殺しきれる。』
(兄さん、レプリカ、ありがとな)
遊真は
「