少年はそこで英雄と出会う。 作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!
『ここで空閑隊員が
「さっきも言ったが、ベテラン相手に付け焼き刃は効果がないどころか、むしろ慣れない隙を突かれるぞ」
「いや、遊真は弾トリガーに関してはそこそこ使い慣れてる。その隙はないよ。」
「
遊真は薫に向けて少しばらした
『こ、これは......!?』
「さっきのくまの
そして、遊真はグラスホッパーを足元に出して一気に広げたシールドごと薫を切ろうと迫ろうとする。しかし......
『し、視覚支援!』
松原は優秀なオペレーターであり、その並列処理能力は高い。この西岸と東岸で二分化された状況でも冷静に状況を判断できる。
その視覚支援で薫は向かってくる遊真をしっかりと捉えきることが出来る状況になったことで、それを知らない遊真が大幅に不利になるかに見えたが......
「テレポーター」
「......ッ!」
遊真はテレポーターで一気に後ろに回り込み薫を背中から狙うが、薫は背中からスコーピオンを出して防御する。
「......!」
「凄いな、一瞬ヒヤッとしたよ」
「流石に強いね......これじゃダメか」
(千佳、栞ちゃん......頼みがある)
『これはテレポーター!?』
「あ~!さっき日浦の時に感じた違和感はこれか!あの
「捨て身の作戦ですね」
『しかし捨て身の攻撃も瀬田隊員には通じず......!空閑隊員万事休すか?』
薫は一気に振り向き、その回転を加えて遊真を切り裂こうとしたが、遊真はグラスホッパーを使って一気に上に脱出した。そして、グラスホッパーを下に向けて突撃の準備をした。
だが...
「あの時と...同じだね」
そう、この構図は遊真が初めて薫と戦った時と酷似している。このままでは当然結果も同じことになるだろう。
しかし今はテレポーターを持っている。それに......
『今だ!千佳!!』
『うん!!』
仲間がいる。
千佳の砲撃で爆風が起こり、河川敷が土煙に包まれる。
(なるほど......視界を切って私に的を絞らせない作戦か)
『これは......瀬田隊員の視界が封じられた!今度は松原隊員の視覚支援も間に合わない!!意図してこの状況を作り、尚且つ手札の多い空閑隊員が有利か?』
「いや、瀬田はああ見えて考えて動くタイプの風間さんみたいな攻撃手だ。でも、本当に大事な時は本能で動く。だからイレギュラーな事態にも対応できる。」
薫の右側の方に土煙を抜けてくるものがある。
(右......でもこれは......フェイク!)
そう、突き出てきたものはさっき千佳の砲撃で砕けた石のようだった。これで薫は右の可能性を捨てた。だが、まだグラスホッパーかテレポーターの二択、さらに上下前後、左の何処に出てくるかもわからない、いわゆる詰んでいる状況である。普通なら......の話ではあるが。
遊真はテレポーターで薫の左に出た。そして、ブレードが背中に隠れるくらいまで振りかぶっていた右手を振り抜こうとするが......
「残念だが......また私の勝ちだ」
薫は自身の
「いや......俺たちの勝ちだよ」
『シールド!!』
薫のスコーピオンは千佳の遠隔シールドに阻まれた。だが......
(
正面からの攻撃であれば薫は何とでもなる。しかし、遊真もそのくらいは織り込み済みである。
(なっ!?スコーピオンを......持っていない!?)
『サンキュー、栞ちゃん。さすがだな』
次の瞬間、薫の胸をスコーピオンが貫いていた。
遊真はそもそもずっと、薫の裏を取ることを目指していた。遊真は有悟、そして八幡に戦術を習っていた。その中で意識を逸らすコツも当然習っている。それは自分自身で意識から外させることだ。最初に囮に使った石には裏にスコーピオンが刺さっており、宇佐美に頼んでどの角度で弾けば最後にスコーピオンが薫の方に向くか計算してグラスホッパーで弾いていたのだ。
『トリオン供給器官破損』
「やられたよ......でも、ただで落ちる気はないよ」
「......うぉ!」
『
『ここで瀬田隊員が
「マジか!」
「隙を作りしっかりそこを突いて瀬田隊員の守りを崩しましたね。でも最後の詰めを誤ったかもしれません。」
『確かに、片手片足を失いトリオンも底をつきかけている空閑隊員も瀬田隊員に川に落とされこのままエリアオーバーか?勝敗の行方は雨取隊員と、各チームの隊長に託された!!』
さて......遊真たちはなかなかにきつい状況だな。こっから巻き返すためには弦巻を上手く那須に当てるしかないが
「...... 終わりだな。このまま1人ずつ倒されてナス隊の勝ちだ。人数が減るほどまぐれは起きにくくなる。ここまでくれば戦闘力の差はそうそう覆らない。」
「え!やばいじゃん有咲!!!」
「見てわかるだろ......」
事実かなりきつい状況だからな。三雲は残された手札を最大限使わないときついぞ。
「ヒュースならどう戦った?」
「......タマコマがほかの部隊に比べて優れている点は砲撃で遠距離から戦場の地形条件を変えられる点......今回の一戦であればさっきのユーマとカオル戦いだ。俺なら西岸のナス隊二人が片付いた時点で、上流で堤防を破壊して川の水を抜き水位を下げる。そして部隊の合流を優先する。タマコマは白い髪のやつ以外にメインをはれる動きじゃない。白い髪のやつを中心にしてあくまで部隊で戦う。スズナリ、ツルマキの合流を許したとしても本来の形に戻すことを考えるべきだった。」
「すっごい!ちゃんと考えてる!!」
「お前も考えてくれ香澄......」
まあ、市ヶ谷は...ドンマイというしかないな。しかし、三雲も......
「おっと、どうやら修もその手を使うようだぞ」
「なに......!?」
同じところにたどり着いたみたいだな。
千佳の砲撃で堤防が壊されて、川の水が溢れ出す。
これで地面は身動きがとりづらくなり、射線の通る家の上に上がるほかない。
「増水した川の水を住宅地に引き込んだ......!?」
「水攻めか。敵の機動力を封じられれば良し、那須たちが水を避けて建物の上に上がれば射線が通ってそれはそれで良し。それに弦巻はグラスホッパー入れてるから那須相手に優位に立てる。三雲はとことんここで弦巻に那須を倒させたいみたいだな。」
那須は建物の上に上がって一気に回り込むが...弦巻がグラスホッパーで食らいつく。
『ここで弦巻隊長仕掛けた!』
「このまま待ってても那須隊の一人勝ちだからな。」
(ここだ!)
那須は
(ここで二人を食い合わせる......!!)
しかし、それ程那須も甘くない。
(茜ちゃんもクマちゃんも頑張った。それに比企谷君にも茜ちゃんと一緒に色々教えてもらった。負けるわけにはいかない......!)
「
那須は
そして合成弾を撃つ時間を稼ぐ。
(今まで...僕たちは鋼に頼り切っていた。それに甘えていた......でも、それじゃダメだ!!!)
「人型ネイバーに比べれば那須さんも弦巻さんも可愛いもんだ!!
来馬は那須の
「(これで決める......!!)
那須は勝負を決める
「いくわよ......!!」
弦巻も一気に加速する。
(ここが勝負どころだ......!!)
修も那須に向けて
那須の
「当たれ......!!」
そして来馬の
「......ッ!!」
弦巻が那須の腕と足を切り裂く。しかし弦巻本人もモロに
「スラスターON!!」
(間に合った......!那須先輩たちのこのダメージなら反撃は無い!!)
修が追撃に入るが......
「待ってたわ!!」
「素直な動きね。三雲君」
それは完全に読まれており、弦巻の
「がっ......!!(もう一点......)」
そしてそれとほぼ同時に弦巻も
「ごめんなさい......花音、美咲、はぐみ、薫」
『トリオン漏出過多、戦闘体活動限界、
『那須隊長が来馬隊長を倒して那須隊に一点!来馬隊長が弦巻隊長を倒して鈴鳴第一に一点!弦巻隊長が三雲隊長に先に致命傷を与えて那須隊長に競り勝ち弦巻隊に一点が加わります!!』
那須はボロボロのトリオン体で千佳を探す。
(あと一人......あと......)
しかしその前に川を渡り切ったボロボロの遊真が立ちふさがる。那須と遊真は戦おうとするが......
「残念......せっかく来てくれたのに......もう......トリオンがないみたい......」
「俺も......もう無理か......」
那須と遊真のトリオン体にひびが入り
「......悔しいわ」
「でも勝ったぞ......オサム」
『戦闘体活動限界、
そのままトリオン漏出過多で
『那須隊長、空閑隊員共に