少年はそこで英雄と出会う。 作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!
うん、なにこれ?無事に氷川「日菜」...心読まないでもらっていいですか?
日菜たちと食材を集めて拠点に戻ってきたのだが......
「おかえりなさい......無事に済んだようでよかったわ」
千聖に生気がない。もう元気がないとかそういうんじゃなくて生気がない。
「おい、大丈夫か?」
「ええ、心配させてごめんなさい。でも何があったかは聞かないでもらえると助かるわ」
お、おぅ...なかなかにハードなことがあったようだ。
「それよりみんなは大丈夫だったかしら。帰るとき迷わなかった?」
「それが、マヤさんとハチマンさんのおかげで全然迷わないで帰ってこれたんです!」
「うん!麻弥ちゃんとハチくん大活躍だったんだよ!」
「別に...俺はそこそこ経験があったし、すごいってんなら麻弥のほうだろ。サバイバル経験ないのに」
「麻弥?どういうことかしら八幡君?」
え?今言ったろうが。
「......?
サバイバル経験無いのにスゲーって話なんだけど」
「そ、そんな大したことをしたわけでは......」
麻弥が照れて髪をいじいじする。やめろよ、俺もつられてアホ毛いじいじしちゃうだろ?いや、俺とこいつじゃ絵面に違いがありすぎるか。具体的に言えば花〇さんと高〇さんのあのネタ画像ぐらい違う。すると千聖が訂正してきた。
「違うのよ、なんで名前呼びかってことよ」
「なんで...ってそう呼べって言われたから」
そこに食いつくんですか?千聖サン
「だいたいお前と薫だって名前で呼んでんだろうが」
「それはそうなんだけど......(この鈍感!)」
急に千聖が不機嫌になったが...何がどうしたと言うのだろうか。いや、これは逃げてるだけなのかもしれないな。いつか向き合う、その日まで......
「ご馳走様!果物とってもおいしかったね!麻弥ちゃん、日菜ちゃん、イヴちゃん、八幡くん、本当にありがとう!」
「別にそこまでのことでもないが...何故に名前呼び?」
俺は別にそんな約束してないんだけど......
「えっだめ!?麻弥ちゃんたちも名前呼びだから私もいいかなって思ったんだけど...」
「いや、だめってわけじゃないが......」
「じゃあ決まりね!私のことは彩って呼んでね!」
何というコミュニケーション能力だろうか。これを味わったのは戸山以来である。いや、俺に考えさせる間すらない分、戸山よりも上手かもしれない。丸山彩...恐ろしい子!と某黒い婦人風に言ってもしょうがないので受け入れるしかないのだが......千聖のプレッシャーがきつい。かけられすぎて物理的に押しつぶされるまである...っていうかマジでつぶれそう!!
「あの~千聖さん?何で寄りかかってるんですか?」
「別に......攻略するなら能動的に動かなきゃいけないって思いだしただけよ」
いや何の話!?俺の腕にやわらかい圧が......圧が来てるぅ!!!ていうかお前!丸や......彩には注意しておいてするんかいな!?まずいな......あまりの動揺に関西弁が出てくる。こういう時は深呼吸だ。ヒッ、ヒッ、フー...ヒッ、ヒッ、フー...ラマーズ法やないかい。誰か、誰か流れを切って!!!
「コホン!みなさん、第1ミッションクリアおめでとうございます!それでは続いて次のミッションを発表します。」
あんた...今までちょっと頼りないな、とか大丈夫かこいつ?とか思ってたりしてたけど今は輝いて見えるよ!
「次の内容は......“この島にある幻の花畑を探せ!”です!」
花畑......ね。だがこの島はそこそこ広い。やみくもに探しても見つからないだろう......つまり何かヒントがあるはずだ。
「ですがやみくもに探しても見つからないので第1ミッションをクリアしたご褒美にヒントを一つだけ差し上げます。方角はこの小屋から見て南です」
「南...」
「まずは自分たちで方角を把握しなくちゃいけないわね」
南か...誰も方位磁石系を持ってこなかったのは痛いな。
「あたしはあっちが南だと思うな!勘だけど!早く行こう!」
「短い付き合いだが日菜のその勘の的中率は知ってるつもりだ。だがその上でそれは却下だな」
「なんで?」
「単純にここで運任せにしたら時間もロスするし、遭難の危険もあるからだな。こういう時は全てやれるだけの策を講じてから運に頼れ...まあ要するにせめてやれる努力はやるって話だ」
テキトーに行動して成功してもそれは運で何にも生まないし、失敗したら結局時間と体力の無駄だからな。
「とりあえず一度外に出てみましょうか。何か手掛かりになるものがあるかもしれませんし。」
俺たちは麻弥の提案通り外に出ることにした。
「えっと、確か日が昇ってくる方が東だったっけ?あ、でも時間もわからないし、太陽も真上にあるし登ってきた方角なんてわからないか......」
「マヤさん!ハチマンさん!何かいいアイディアはありませんか?」
「一応収録前に腕時計で方角を確認する方法を調べてみたんですけど......」
その肝心の腕時計がないんじゃ...な。腕時計が持ち物に入る想定はしていなかったようだ。
「うーん......木に南!とか西!とか書いてあれば簡単なんだけどなー」
そう日菜が言うが...なるほど、これは...有りか無しかはスタッフの人に聞いてみないとわからんが確実だな。後は...風にでも聞いてみるか?いい風使いになれそうだ。
「木に南...書いてある......あぁ!!」
俺が下らんことを考えている間に麻弥が何か思いついたようだ。
「みなさん!木の根に生えてある苔を調べてください!それがどの方向に生えているのかを特に!!」
なるほど......苔は日の当たらない場所に生えやすいからな。生えてるほうが北、その反対側が南ってことか。俺も協力して一つの方角を割り出す。
「南はあっちです!!」
麻弥はすごいな。サバイバル経験もないのにその発想力には頭が下がる。だが...
「ちょっと待て」
「へ?」
彩が意表を突かれたらしくアイドルがしちゃいけないような顔をする。こいつならキャラ的に問題ないか。
「いや、一つの基準、指標だけだと狂う可能性があるからな。もう一つ...いや二つ、確認したい」
「え、でもジブンはもう案がありませんよ」
「それはもう考えてある。イヴ、木刀貸してくれ」
「はい!いいですよ!」
素直にくれるイヴちゃん、マジいい子!芸能界の闇に染まってない証拠だね!(背後から無言の圧)それにしても木刀を持つとどうしても“ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーうるせぇんだよ。発情期ですか?コノヤロー”とか言いたくなるよな。マジであのアニメ最高。こっち帰ってきて完結してて泣いた。終わる終わる詐欺だと言ってくれよォ!!!
まあ、茶番はここまでにして...俺は薄く十徳ナイフ型トリガーのブレードを木刀に纏わせ辺りを見渡した。あの木とあの木とあの木...あれは日当たりの良いところに立っているがちょっと育ちすぎてほかの木の邪魔になってんな。それに上部はだいぶ虫に食われてたり、貫かれたりしている...ちょうどいいな。俺はスタッフさんに呼び掛けた。
「あの、此処の木とか切ったりして大丈夫ですか?」
「ええ、森を丸裸にするとか生態系に問題あること以外なら大丈夫ですよ」
ふぅ、そのことは聞いていたが何かしらの手違いだったりしたら困るので一応確認しといて良かった。
「あ、そこ危ないから離れたほうがいいぞ」
「は、ハチマンさん!木刀で木は切れませんよ!?」
ふむ...確かに普通はそう考えるよな......だがな、俺はこういう時に波風立たせずに言い逃れできる方法を最近知ったんだよ。
「そのためのブシドーだ」
「ブシドー...やはり奥が深いです!」
「それ武士道関係ないんじゃ...」
彩が何か言ってるがいいんだよ。武士道じゃなくてブシドーだから。まあ、さくっと終わらせますか。俺は木刀で木を二回切りつけ進撃の巨人でうなじをそぐ感じに切った。これが一番効率良いんだな。あと二本も同じように切りつけその切り込みの反対側から切り込みの上部を蹴る。今回は木材を集めるのが目的じゃないから木に多少キズが付いてもいい。ほかの木には当たらない配置だしな。そして若干ボコっとなってる切り口を切りそろえ、ついでに切った部分を1m間隔ぐらいで切って並べればっと。こんなもんかいね。
終わったので千聖たちの方を見るとあっけにとられたような表情をしている。おいおい、彩とかはともかく千聖がそんな表情しちゃだめでしょうが。
「おい、木の年輪見てみろ」
俺の言葉に固まっていた一同がようやく動き出す。
それぞれが年輪をのぞき込むとしばらくして気づいたようだ。
「あれ?間隔が場所によって間隔が違うね。こっちが一番広くてその反対側が一番狭い」
「ああ、日を多く浴びると早く成長するだろ?すると一年に太くなる速度も当然早いわけだから、一番間隔が広い方向が南ってわけだ。まあ、これを日に当たらない場所にある木でやってもダメなんだけどな」
三本の木の示す方向は麻弥の指した方向と同じだった。
「どこでこんなこと知ったの?」
と千聖が聞くが...えーそれ聞くー?
「ザ!鉄〇!DASH!!だ」
「思いっきり他局じゃない!!??」
良いじゃん別に、めちゃイケとかいいともとかが終わっちまってる中であれがあるだけでなんと時代に取り残された気分から解放されたことか...出てくるアイドルはTOKIO以外わからんけど...城〇さん、もう農家の人に見えてきた。
「あれ?二つって言っていましたけど、もう一つは何ですか?」
と、麻弥が聞いてくる。いい質問ですね!こういうのを待っていました。
「まぁ、これは方角ってより花畑そのものを探すやり方なんだが...蜂の巣がこの島の現時点で西としている方向に多いのが島一周した時に分かったんだよ。で、蜂たちは西(仮)と南(仮)を行き来しているだろ。西に行ってるのが巣に帰ってるんだとしたら......?」
すると彩が気づいたようでポンッと手を叩いた。なんだよそれ、可愛いじゃねーか。
「あ!そのお花畑で蜜を採ってる!?」
「正解だ彩。だから多分南はそっちで合ってると思う。ちょっと時間喰ってごめんな。」
いや、こればっかりは申し訳ない。確認するだけして結果は変わらないという。
「いえ!ジブン自身そこまで確証もなかったですし...それに木を切ってた比企谷さんがその......かっこよかったですし......//」
不意打ちは卑怯だぞ...//麻弥みたいに可愛い女子に褒められて悪い気はしないけど.....」
「か、可愛い!?」
麻弥の顔が真っ赤になる。あれ......?ま、まさか!?
「その......声に、出てた...か?」
「はい、その...不意打ちは卑怯だぞのところから」
最初からじゃねーか!!オイまじかよ!イルガー戦の時レプリカ相手に黒歴史作って以来ずっと気を付けてきたのに!無人島という特殊な環境の中で緊張がゆるんだか!?
俺たち二人は真っ赤になりながら無言だった...すると日菜が服の袖を引っ張ってきた。
「あたしは......?」
「は?」
「だからあたしは可愛いかどうか聞いてるの!」
は、はぁ?いや確かに日菜は笑顔とか可愛いし魅力的な奴だと思うが......それを口にするのとは訳が...
「ふ~ん。笑顔が可愛いくて魅力的か。ありがとね!」
え?は!?何!?マジで心読まれた!?どうなってんだよこの不思議ちゃんがァ(某箱学の二番の人風)するとイヴも近づいてきた。
「私は!?私はどうですか!」
「お前は木刀振ってるとことか可愛いと思うぞ」
「あ、あれはかっこいいって言ってください!」
うーん。可愛い。癒しだわ~......すると順番待ちのようにイヴの後ろに彩がその後ろに千聖も並んでいる。
「お前ら何してんの?」
「え?私たちもかわいいって言ってくれるんじゃないの!?」
「するかアホ!!」
そんな羞恥プレイ誰がするか!!
「私可愛いって言ってもらえるまでここから動かないからね!」
なんだよこいつ......めんどくさ」
「酷い!めんどくさって!酷い!」
そう言って彩は座り込んでしまった。いや可愛いぐらい言ってやれよって言ってるそこのアナタ?学校でとなりの女子に言ってみな。ドン引きされるどころかその前に話しかけることすらままならないから俺(作者)は!まあ作者のことはどうでもいい。こいつも動きそうにないし...あああ!もう知んねーぞ!俺の中の闇(言いたいだけ)のポエム魂が火を噴くぜ!!
「......失敗しても、一生懸命な姿とか、アイドルでいることに一途な姿とかその...可愛いと...思う..よ」
あぁぁぁ!!もう恥っずい!!!もう二度とやりたくない!!!!
「ほら、早く立て行くぞ」
「え、でも......」
「いいのよ彩ちゃん...行きましょう」
さて...行くか......
「千聖ちゃーん!まだ~?」
「今行くから待っててね?」
千聖は靴を整えるフリをしてその場にとどまっていた。
(なんで...私だけ......駄目ね。私はプロなんだから。でもちょっと乙女の気分に浸るぐらいしたかったな......)
「ハチくん......」
最愛の人の名前をささやいても返事はない。
「千聖ちゃーん?」
「ご、ごめんなさい。今行くわ」
千聖は腕を顔の前にかざしてから八幡たちのもとに駆けよっていった。
その袖と彼女がいた所の地面はわずかに湿っていた。