少年はそこで英雄と出会う。 作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!
俺たちはオンエアがされたということでまた会議室に呼び出されていた。なんだって行かなきゃいけねーんだよ...こちとら、まだシン・ヱヴァは見切ったがプ〇キュアとかGO!プリン〇スプリキュア!で止まってんだぞ?シン・ヱヴァは親父も一緒に見てたくせに......あ、伏字忘れた。まあとりあえず......
『ボーダーは君たちの入隊を待っている!!以上だ!』
「う~む。八幡のコレやっぱりかっこいいな!よしっ!結婚式の時に流してやろう!!そうと決まればダビングダビング......」
「おいクソ親父。こんなことのために俺ら呼んだのか?鑑賞会って...俺もプリキ〇アの鑑賞があるんだけど?」
何か狂ったように何度もあのシーンだけを流し続ける
「.........お、面白かったね。すっごく......」
オイこら。彩にまで気を使わせてんじゃねーよ。
「ねぇ、比企谷広報部長ってちょっと怖いイメージがあったんだけど......」
「それは八幡くんがいなかったからよ。気が立ってたんですって」
思わぬところで親父の評判を悪くしていた模様。
「でもマヤさんとハチマンさんの活躍がしっかりと放送されてましたね!」
「うんうん♪そうだ!麻弥ちゃんと八幡くんの活躍を見てみんなはどう思ったかネットで見よーっと!」
ネットでの評判はどうなっているのだろうか......?グダグダ進行か?そう言えばドルオタってめっちゃ神経質らしいよね。めちゃイケでも岡〇さんが紗〇奈さんにセクハラした!って突っかかってる男子中学生がいたっけなぁ...尚、彼は岡〇さんより少し先に結婚したようです。
......え?何、みんな俺が叩かれるんじゃないかって心配してくれてんの?大丈夫、大丈夫。俺は何にもやましいことなんて......一つ、いや二つ......五つぐらいしかないって!!
.....やべぇ殺される
「別に何も思ってないですよ」
「うん!そうだな!!何も思われてないよな!な!」
俺は思わず彩に詰め寄り肩を抱いて揺さぶる。
「は、八幡くん近い......(ち、近いよぉ...//)」
「わ、悪い...痛てぇ!」
彩からパッと手を離すと足元から鋭い痛みが走った。
「ち、千聖......」
「あら?ごめんなさい。気づかなかったわ」
いつもなら憎まれ口の一つでも叩きたいところだが...いかん。数日前のアレがフラッシュバックする...俺は思わず唇を凝視してしまった。柔らかそうだなぁ......て!?何考えてんだ!?
「足はもう大丈夫なのか?」
俺は胸中の動揺を隠すため話を振るが...
「ええ、おかげ様で。軽い捻挫みたいだったから一日安静にしてたらすぐ直ったわ」
「そうか......」
話題が、ねー!!いつもなら沈黙も苦じゃないが今はどうしてもあの感触が思い出されてしまう。なので俺は千聖から視線をそらして彩に結果を聞く。
「で?どうだったんだ彩?」
「あ!『麻弥ってフヘヘって言ってるイメージが強かったけどすごく頼りになるんだな』だって!!」
「あ!コッチもです!『そういえば無人島の番組ではガチになってたのかフヘヘって言わなかったな。クールな表情も可愛かった!』って!!
「ふふーん!ようやくみんな麻弥ちゃんの魅力に気付いたかー」
俺についてはもう何も書かれていないことを願う。つーか見なければいいんだ!!
「そ、そんな自分のことばっかり......八幡さんについてはどんなことが書かれているんですか?」
麻弥......聞かないでほしかったなー。知りたくなかったなー。
「見つけた!『比企谷隊長ってサバイバル慣れしてんのかな?すっごい冷静で行動力もすごくなかった!?』だって!ハチくん褒められてるよ!!」
「こっちもそうね。『比企谷隊長の過去に何があったのか...私、気になります!!』ですって」
「こっちもこっちも!!『日菜ちゃんとかイヴちゃんのこと抱きしめてたのは許せんけど......いい顔してたな......幸せならOKです!』だって!!」
ふむ。途中古典部やらなんやらを見つけたが、悪い評価ではなさそうだ。
良かった~~!俺、今生きてる!!
「『彩ちゃんたちの告知で思わず笑っちゃったwでも比企谷隊長の勧誘文句決まってたよね~!』......こ、これは見なかったことにしようかな!でも八幡くん決まってたって!!」
アレ決まってたのか......やるな、親父。
「つ、次は千聖ちゃん!『千聖ちゃんはさりげなく大変なミッションを躱している感じがして面白かった』だって!」
「千聖ちゃん、そんな感じだったけー?」
あいつ女優だっただけあって時間管理とか色々要領がいいんだよな......これが電車を使うと途端狂うんだよね......あと狙撃手だしな。上手くやるのは得意なんだろうな。
「そんなつもりなかったのだけど......」
「でも、やっぱり1番感想が多かったのは麻弥ちゃんと八幡くんについてだねっ!」
「当然の結果だと思います!マヤさんやハチマンさんがいなかったら私たちはミッションクリアどころか怪我や遭難をしてたかもしれないんですから!」
「ええ、そうね!」
やめろ恥ずかしい!麻弥もさっきから呻き声を上げてるぞ!もうすぐ西住殿~って言いそうなぐらいだ!
「マヤさんとハチマンさんのおかげでうまくいきました!本当にありがとうございます!感謝のハグです♪」
するとイヴは俺に抱き着いてきた......いや、ちょっと待て!!やわらかいのが!女子特有の柔らかいアレが当たってるから!俺の後に抱きつかれた麻弥も目を回している。
「そう言えば、頭脳派バラエティのゲスト出演のオファーが麻弥ちゃんと八幡くんにたくさん来てるって言ってたわ」
「すごい!麻弥ちゃん、八幡くん、やったね!」
「いや、全然よくないんだけど.....おい親父?」
俺が“聞いてないぞ”と睨みつけてやると親父はわざとらしくゴホンと咳払いをして、から言ってきた。
「八幡。昨日城戸さんに掛け合ってお前は広報部隊ということになった。以後は俺の預かりとなるのでそのつもりで」
「それって小町も知ってんのか?」
「知ってるも何もそうするつもりだとお前の収録日に言っておいたはずだが?」
......その日は千聖とのキスで頭がいっぱいだったんだよ!!小町がやたらと上機嫌だったのはこのせいか...
「じ、ジブンにゲストオファー...夢みたいです!」
「マヤさんとハチマンさんなら絶対大丈夫ですよ」
あ、俺行くのは確定なんですね。分かります。
「そうね!自信をもってやればきっと活躍できると思うわ」
「麻弥ちゃんが沢山テレビに出ればボーダーの知名度も上がるねー」
「ボーダーの知名度が......」
麻弥は何かと感動するように、かみしめるように日菜のその言葉を復唱した。
「ジブン嬉しいです......オペレートやドラム以外でも、みなさんの役に立てることが出来て、ふ、フヘヘ......」
「あ~!麻弥ちゃんの『フヘヘ』!久しぶりに聞いた気がするー!」
「す、すいませんっ!注意されてたのに、つい......」
「えー、気にしなくていいのに!カッコイイ麻弥ちゃんもいつもの可愛い麻弥ちゃんもどっちもいいと思うな!」
「そうね、なんだか思わず安心してしまったもの」
まあ、自分の自然体が一番なんだよ。
「それに麻弥のそれは可愛いしな」
「......!あ、ありがとうございます」
フヘヘ...とはにかみながら礼をする彼女は輝いて見えた。
会議室を出た彩たちは打ち上げに行こうとしていた。
「大成功だったね!!打ち上げ行こうよ!!ねぇ、どこにする?」
そんな彼女らを尻目に、俺はできうる限り最速の早歩きで帰る準備をしていた。
そもそもの話、打ち上げというものに俺はイマイチ釈然としていない。誰も彼もが何か事あるごとに打ち上げをしているが、そんな頻繫に打ち上げていいのはフロリダか種子島くらいだ。 地上にある以上、打ち上げれば落ちるのは自然の摂理であり、したがって打ち上げに行こうものならきっとその気分も落ちてくるはずなのだ。
昔ギリシャのイカロスは蝋でかためた鳥の羽で、勇気1つを友にして、遥か高みを目指した。だがその結果多くの人が知るようにあえなく落ちて命を失った。
しかるに高みを目指せば死あるのみ。己の限界を知らず空を飛ぼうとするのは勇気にあらず蛮勇というべきである。それは勇者ではなく愚者だ。真の勇者は空気を読んで、あるいは空気を恐れて打ち上げに参加したりはしない。
以上のことから結論を導き出そう。勇気ある賢者は孤独を恐れず強制参加のノリの時こそ絶対に行かない。 行かない行かないったら行かない。絶対に行かないんだからね!ドラマCD「やはり俺のs...危ない危ない。
だが俺はプリキ〇ア鑑賞という大事な用事があるのだ。彼女たちも男と一緒にいるのが見られたら経歴に傷が付く可能性がある。なので俺は打ち上げには行かない。それが最適解だ。
そう考え、俺はスッとこの場から離れようとしたのだが...
「待ちなさい八幡くん」
「ぐぇ」
千聖が服を引っ張って止めてきた。つーか首締まってるって!ぐぇって変な声出ちゃったじゃん!俺はせき込みながら答える。
「ゴホッゴホッ...な、何の用だよ!つーか服引っ張んな!!」
「彩ちゃん。ちょっと私たちいったん抜けるわね」
「あ、うん」
俺は千聖に引っ張られるままに会議室の横の人通りが少ない通路に来た。
「どこに行くつもりだったの?」
「い、家です...」
千聖が笑顔(恐)で聞いてきたのでどもってしまった。すると千聖はため息をついた。
「あなたね。打ち上げはいかないの?」
「いやだってプ」
「言い訳しない。」
「......お前らに迷惑がかかる。」
誤魔化そうとしたが一瞬で見抜かれてしまった。そして本当のことを言うとまた千聖がため息をついた。
「そんなの私たちは気にしないわよ。気にしてたら...流石にあんなことしないわ。」
その言葉で三日前の出来事がフラッシュバックする。俺が赤面していると千聖が壁に押し倒してきて上目遣いで言った。
「お、おい!何して...」
「今日なんで全然目を合わせてくれなかったの」
へ?
「私、ハチくんが目をそらすから嫌われたかと思ったじゃない!」
千聖が涙目でいう。
......ここまで不安にさせてたのか。
俺は千聖の髪をなでた。
「悪い、この前の...その、キス//..が恥ずかしくてな。顔を合わせられんかった。」
「......♪」
千聖は気持ちよさそうな顔で俺に撫でられている。許された...ってことでいいのか?
「でも傷ついたものは傷ついたわ」
「さいですか......」
じゃあどうしろっていうんですかねー?
「だからその......もう一回」
千聖が頬を赤らめながら近づいてくる。俺は後ろに下がろうとしたが後ろは壁だ。下がれない。俺たちの唇がもう一度重なる......!
「何してんだ親父?」
「......てへ」
その一瞬前で角から顔を出して除く馬鹿を見つけた。てへじゃねーよ......
「ひ、比企谷広報部長!?」
「いや、千聖ちゃんも昔みたいに八一さんかおじさんでいいよ。それより......お楽しみでしたね」
「......//」
千聖の顔がゆでだこのように赤く染まる。こいつ...
「おい親父。セクハラで訴えられるぞ?」
「え!?今時これくらいで訴えられんの!?俺は母さんとの行為の時にじーさんとばーさんに隣の部屋で聞き耳たてられてたぞ?ちなみにその時出来たのがお前だ」
えー......そんな話聞きたくなかった.........
「い、行きましょ八幡くん。彩ちゃんたちも待ってるわ」
「お、おい!?」
俺は千聖に引きずられながらその場所を後にした。
八幡がいなくなった後、八一は会議室に戻り懐からデュポン製のライターを取り出し、煙草に火をつけた。そしてそれを咥え、煙を吸い込み吐き出した。
「千聖ちゃんは大胆になったな。薫ちゃんは......このままだとまずいか?まぁ俺は......」
“あいつらの関係が壊れないことを祈るだけだな”その言葉は飲み込んだ。それはその可能性があることを認めたくなかったのか、はたまた