少年はそこで英雄と出会う。 作:やってやる!やぁ~ってやるぜ!
三雲修は戸惑っていた。
ユーマが一方的にやられているのもそうだが、
「なんで比企谷さんは攻撃しないんだ?」
ハチマンが防戦しかしないことにである。
「あと、空閑にしてはおとなしすぎるぞ......」
『反撃しない理由がある』
「理由...?」
『ああ、1つは相手の位置取りがうまいということだ。接近する時はどちらか1人が死角に入りながら接近している。さらに狭いところでは不利と考えたユーマが広いところでまとめて倒そうとしたところで狙撃手がいた。これもかなりうまい』
「そんな、......空閑が本当に手も足も出ないなんて...でもそれじゃ比企谷さんはなんで......?」
『2つ目としては オサムの立場を考えているのだろう。オサムがせっかくB級に上がったのに自分を匿っていたせいでそれが無になるかもしれない。そう思って平和的に交渉しようと試みたが、相手は聞く耳を持たなかった。オサムの立場を悪くしたくはないが、かといっておとなしく殺されるわけにはいかない。今ふたりは「いかに穏便に相手を無力化するか」を考えているだろう。』
「『穏便に』...そんなやり方で勝てるのか?」
『私は難しいと思うが決めるのは2人自身だ。』
「てこずらせるなネイバー」
ユーマはかなりピンチに陥っていた。
少しずつヨースケの槍で削られ狙撃手に右腕を持っていかれた。
まさに満身創痍と言ってもいいだろう。
そしてユーマはこの隊相手に相性も悪い。
ユーマのブラックトリガーにブレードは搭載されていない。
つまりヨースケの槍やシュージの刀をよけることしかできないのだ。
『遊真、一旦合流する』
ハチマンも穏便に終わらせる手はないので、一旦合流することにした。
「悪いか今から少し動くな。“糾弾”」
ハチマンは
すると弓のようなものが現れ、八幡は矢の形となったトリオンをつがい、構えた。
『気を付けて!何か来る!』
ユキナは予備動作を見抜き、後ろにとんだ。
「“八分割”」
矢は、8つに分かれて放たれた。
そして曲がり敵全員の目の前にたたきつけられた。
三輪隊も湊隊もうかつに動けない。
その隙にハチマンはユーマと合流した。
「ひどいやられようだな、遊真」
「兄さんも珍しくかすったみたいだな。」
しびれを切らしたのかシュージがポケットから弾を取り出して、銃トリガーに取り付けた。
「大人しく死ね、ネイバー」
ヨースケも切りかかり、シュージは弾を打った。
二人はヨースケの槍をかわし、シュージの弾をユーマはシールドで受けようとしたが弾はすり抜け直撃するところだった。
しかし、ハチマンがブレードを差し込んだおかげで当たらずに済んだ。すると、ブレードから重りが生えてきた。
「っち、つくづくいまいましいやつめ」
「うおっ...なんだこれ」
『ふむ、トリオンを重石に変えて相手を拘束するトリガーだ 直接的な破壊力が無い代わりにシールドと干渉しない仕組みのようだ。』
『遊真、レプリカ。俺が一ヶ所にブラックトリガーを使って相手を集めるから、それ解析して拘束しろ。』
『わかった。』
『承知した。』
『ネイバーは一ヶ所に集まっているわ、全員でまとめて砲撃する。』
ハチマンは、
「これで終わりだネイバー!!」
「
ハチマンは自身のブラックトリガー、
すると遊真と同じように髪と目がアルビノの配色となったがこれは
「“ベクトル変換”」
ハチマンは
するとハチマンたちに向かっていたトリオンの弾はすべてあらぬ方向に曲げられてしまった。
「デフォルトは反射だから。こっち曲げるに変えるのめんどくせえんだよ。だからあんまり打ってくんな。とりあえず“集まれ”」
ハチマンは、大気のベクトルを変え、強風を起こして、相手を上げた。
「は!? こんなのありかよ!?」
5人に留まらず狙撃手である3人も集められ
『解析完了、 印は“
「OK+“
ユーマがコピーした重石の弾により、無力化された。
サイド八幡
久しぶりに
すると駅のホームの奥の方から、迅さんがやってきた。
「言ったろ、秀次、湊、こいつらに手を出したら損するって」
なんか迅さんは1回こいつらに忠告して行ったみたいだな。だがこれで
「じゃあ話し合いしましょうか」
交渉ができるな。
「おーなんだ秀次、湊、派手にやられてるじゃんか。」
「わざわざ俺たちを、バカにしに来たのか」
「違うよ、お前らがやられるのも無理はない。何しろこいつらのトリガーは、ブラックトリガーだからな」
「本当!?」
「なっ!?」
「マジで!?」
「こいつらにお前らを殺す気がなかったとはいえ、善戦した方だと思うぞ」
まあそうだな、 俺もあのノーマルトリガーとは言え傷を付けられたのは久しぶりだからな。
最後につけられたのがあのアフトクラトルの爺さんだからな。
まさか、俺がいた頃から
「だからまあこいつらに手を出しても得はない、帰って城戸さんに伝えておいてくれ」
すると湊と三輪は、こちらを親の仇を見るような目で睨み
「ふざけるなネイバーはすべて敵だ!!」
「ネイバーは全て駆除するわ!!」
と言いながら
『“”!』
と叫び基地の方に向かって光となって飛んで行った。
「あれは“
なるほど、負けても逃げられる仕組みか。
すると残りの面々もトリオン体を解除した。そして青髪が、両手を挙げて口を開いた。
「私たちはあなたに負けました。殺すなりなんなり好きにしてください。」
「いやいいよ、お前らじゃ俺のこと殺せないと思うし、別に殺さなくてもいいやつを殺すほど俺も人間やめてないしな。さらにいえば俺元々こっちの人間だし、ネイバーにさらわれてんだよ。」
「マジで!? つーかよく見ればお前、最近転校してきた比企谷じゃねーか!」
「えっ、この人羽丘なの!?」
「おう、てかお前らはネイバーへの恨みはないのか?」
「俺らはあんまねえよ。だって俺ネイバーの被害受けてねーし」
「あ、でも燐子と奈良坂君と古寺君は家壊されているから少しあるかも」
「あと、三輪さんと湊さんはそれぞれ、お姉さんとお父さんをネイバーに殺されているので一生恨み続けるかもしれません。」
なるほどな。まあわかってたことだが、ボーターの中にも意識のばらつきはあるな。
「つか、同じクラスなんだからよ、これからラーメン行かね?」
「米屋さん、さっきので殺し合いしてた相手とラーメンですか?」
「おう、奈良坂もよんでいこうぜ!」
いやこいつコミュ力高!良いの?奈良坂はネイバーに恨みがあるとか言ってたけど、
「いや俺も連れて行かれた最初の方はネイバーのこと結構恨んでたしそいつらの気持ちもわかるんだが、ネイバーと食事なんていいのか?」
「お前はネイバーじゃないんだろ、ならいいじゃん」
そういうことなら...いい......のか?すると遊真が
「兄さん、チカと、オサム待つから、先帰ってて」
「おう」
遊真に友達出来てお兄ちゃん嬉しい
それから結局マジで飯に行った。 意外と奈良坂と話がはずんだのがビックリしたな
「っと電話か?......迅さん?」
ワールドトリガーを100倍楽しむ講座
「今日は兄さんのトリガーの解説と強さの秘訣について、教えるぞ」
「まさかお前も比企谷さんもブラックトリガーだったなんてな」
「ああ、そうだよ。じゃあまず兄さんのブラックトリガー“
これはすべての物質の力の入る向きや速度、大きさを指定することができるっていうめちゃくちゃ強いトリガーなんだけどな、 連続で15分までしか使えないんだ。」
「短いな。」
「ああそれでもその時間内で絶対的な強さを誇る、やばいトリガーだぞ」
「なるほど、じゃあ比企谷さんの強さの秘訣ってなんなんだ?」
「ああ 兄さんは 8つの時にあっちの世界にさらわれたんだ。それから親父と俺とであって、 さまざまな国を巡る中で、 兄さんが 親父と俺に恩返しをしたいってなってな。それでせめてものってことで戦力になれるように強くなりたいって親父にいったんだ。
それからは凄かったぞ、ずっと朝昼晩修業してな、 5年後には親父とどっこいどっこいの強さになってた。」
「なるほどつまり比企谷さんの強さは努力の上で手に入れた強さということだな」
「そうだなオサムも頑張ればあれくらい強くなれるかもしれないぞ」
「うぐ、が、頑張ります」
「あと
「遊真、今日はここまでだ。」
「うわぁ!?いつのまに!?」
「分かったよ、兄さん」
『次回、玉狛支部①、にトリガー