しかし2巻では、池がまるで6月に中間テストがあったかのような台詞を言っています。
今作品では6月に中間テストがあったとして進めています
久しぶりのせいもあってクソ長いです。
王に詐欺
6月下旬の平日の放課後。場所は特別棟
俺が今、息を潜めていた。
石崎と残りの2人(名前忘れた)が須藤のことを煽りまくった後、石崎が一度須藤を殴った。
そこから現在、須藤から石崎たち3人に一方的な暴力が行われていた。
そう原作第二巻のメイン。須藤事件だ。いえーい。ガッポガッポ稼ぐぞ〜。
最初は超小型カメラを仕掛けようと思っていた。だが、今は念の為に離れた場所にその超小型カメラを仕掛けているものの、クソ暑い中我慢して俺自身が直接現場に赴いている。
理由はまた後で説明しよう。
須藤は石崎達を(スッキリしたのか?)殴り終え、この場から去っていく。一応、終わったみたいだな。2、3分後に石崎達も去っていく。
奴らはまさかここに誰かいるとは思わなかったのだろう
「成功したな」
「ああ。とりあえず龍園さんに報告だ」
とか言っていた。馬鹿な奴らめ。
「はあ…」
俺は一息ついた。俺が直接来ることでとあるメリットが生まれるとはいえ、バレた時のリスクは高かったからな。
「だが……」
上手くいった。肝心の交渉はこれからとはいえ、とりあえず上手くはいった。
やっばい。楽しみすぎる。一体どれほどのポイントが手に入るんだ?数十万?いや、数百万?
考えるのは数日後に行うであろう龍園との交渉のことだった。
朝、登校すると教室が少しざわついていた。
俺は席に着き既に来ていた隣の友人に話しかける。
「おはよ、姫野。」
「おはよう。なんでニヤついてるの?」
「ん?ニヤついてたか?切り替えたつもりだったんだが」
「気持ち悪いくらいニヤついてたわよ。何考えてたの?」
「クックック。なんでもねえよ」
「何その笑い方?」
姫野がめっちゃ白けた目で見てくる。やめてあげて。常にこの笑い方してる龍園が可哀想じゃん。
そのまま数分姫野と雑談していると、HRの時間になり、星乃宮先生が教室に入ってきた。
「皆、おはよう〜。あと、ごめんね〜。少しトラブルがあって、1年生全体のクラスポイントによるポイント支給が遅れているの。ただ、今回の中間テストの報酬はきちんと支給されているはずよ〜。」
「トラブルって何ですかー。学校側の不備ならなんか詫び石、あ、間違えた。詫びポイントとかないんですかー」
Bクラスの誰かがそう聞く。だが…
「ごめんね〜。学校側の判断で、そういうのは無理なの」
「ちぇー」
ということらしい。まあ、悪いのは生徒側だしな。
「あ。忘れてたけど今月のクラスポイントを発表するよー」
A1004
B773
C492
D89
まあ、Bクラス以外は原作とほぼ変わんないかな。まあ、多少は変わったっぽいけど。それより今は須藤事件についての方が大事だな。
というか、須藤事件について説明するのは今日じゃないんだな。説明されてないせいで、今はまだ何も知らない生徒でなければならない。
ということで、整合性を取るためにも今日は特にCクラスやDクラスに接触することなく1日を終える。……つもりだったんだが、昼休みに平田が訪ねてきた。
中間テストの時の契約で、50万プライベートポイントに足りなかった分の約20万プライベートポイントと、実際に須藤の点数を上げる為に使った10万プライベートポイントを渡された。後者は後1ヶ月の猶予があったんだが、ポイントは揃っていたらしく、その分も一緒に返してくれた。
翌朝のホームルーム。
「今日は皆に報告があるの。学校でちょっとしたトラブルが起きたの。先週の放課後、特別棟でDクラスとCクラスが暴力事件を起こしたらしいわ。ポイントはもうすぐ支給されるから皆は大人しくしているように。それとその事件の目撃者がいたら名乗り出るようにね」
いつもより少しだけだが、真剣な表情の星乃宮先生から伝えられた正史イベント。
今回は事件を目撃していても、簡単に嘘を付くことができる。正確には嘘をついている、と、黒幕側は言い張ることができる。本当に欲しいのはその事件に善悪がはっきりする明確な証拠だろう。当然だが、そんな証拠を持っている都合のいい人間など存在しない。
そう、俺を除いて(ニチャア)
「きんも」
「グフッ!」
隣の友人からの容赦ない言葉に俺のメンタルに大ダメージが入った。
ホームルームが終わって、姫野に頼み事をしようとする。
「姫野。一之瀬がこの事件に首を突っ込む気かもしれない。でさ、姫野に頼みがあるんだけど」
「……何」
あれ?なんか姫野が不機嫌な気がする。俺、なんかしたっけ?いや、俺が全く関係ない可能性の方が高いか。とりあえず、スルーで。
「一之瀬と一緒にいて、一之瀬がなんかする時にプライベートポイントを使うのだけは止めて欲しい。まあ、つまり一之瀬の監視と監督を頼みたい」
「あんたは?」
「ん?」
俺は?どう言う意味だ?
「あんたはその間一緒にいるの?」
「ああ、そういうこと。いや、俺は別で動くことがある。だから姫野に頼もうとしたんだけど」
「いや、やりたくない」
「えっ」
マジか。思ったより機嫌が悪いみたいだぞ。誰のせいか知らんけどふざけんなよ。こっちに二次被害起きたじゃねえか。
「神崎にでも頼めばいいでしょ。」
「んー。まあ、そうか?」
「そうでしょ。なんであんたがいる訳でもないのに一之瀬と一緒に居ないといけないの」
「あれ?もしかして一之瀬のこと嫌いなん?」
まあ、姫野が一之瀬のこと嫌いかはともかく、苦手ってのは解釈一致するか。
「……別にそういうわけじゃない。ただ、服部が一之瀬の為に私を使おうとしたことが気に入らなかっただけ」
「………」
どういうことだってばよ。一之瀬の為に?
むしろBクラス全体のプライベートポイントを減らしたくないっていう、俺の為なんだが。
まあ、もちろん俺の為なら動いてくれるって訳じゃないんだが。無理に頼んで関係を壊したくないし、今回は姫野が提案してくれたみたいに神崎を頼るか。
須藤事件が表面化した放課後。
龍園と交渉するのは、今日の深夜だ。それまでに全ての準備を万全にせねば。
俺は数日前に買った、まだ使ってもない真新しい録音レコーダーがポケットにあるのを確認して、職員室を訪れる。
「すみません。星乃宮先生いらっしゃいますかー?」
「服部君?何か用かな?もしかして……恋の相談とか?」
あ?何言ってんだ、こいつ。
「それならあんたみたいな三十路のババアの所には来ねえよ」
「は?」
普段からは考えられないような低いドスの効いた声を出す星乃宮先生。
ひいぃ。やべえ。やっちまった。ブチ切れてやがる。クソッ最悪だ。今日は龍園の対策以外に無駄なリソースは割きたくなかったのに。
「ねえ?どういう意味かな?服部君から見たら先生は30歳過ぎたおばさんに見えるってこと?」
「じょ、冗談っすよ」
表面上は冷静に返したが、心の中では結構ビビってた。
「そっか〜。よかった。てっきり服部君の目が節穴になっちゃったのかと思った〜」
一気に雰囲気が元に戻った。良かった良かった。
だが、ここで止まっとけばいいものを、学習しない愚か者がいた。というか、さっきビビったくせになぜまた調子に乗るのか。
「そうっすよね〜。先生はギリギリ肩書きだけは20代ですもんね〜。もう30代の足音がやってきていても、30代じゃない!おばさんじゃない!って虚勢を張れる体裁だけは整ってますもんね?」
「服部君。ちょっと進路相談室で、密室で2人っきりでお話しよっか」
生徒に何する気なんだこの先生は。しかも、さっきよりも数段声が怖いんだけど。多分龍園よりも怖いよ。
「そろそろ本題に入りたいんですけど」
秘技・話題逸らしで逃げることにした。
「私からしたらこれが本題といってもいいんだけど」
しかし回り込まれてしまった!
「結構大事な話なんすよ。しかもクラスを左右するくらい重要な。先生の提案通り進路相談室に行きましょう」
連続・話題逸らし!+誇張表現!
「そんなに大事な話なの?はぁ…なら、なんでその前に冗談なんかいって茶化したの…」
うるせい。あんたが先にアホなこと言ってくるからだろ。
そう思ったが、何も言わないことにした。
龍園side
須藤との暴力事件が学年全体に伝えられたその日の夜12時。
俺はクソうぜえメールのせいで、こんな蒸し暑い中、寮の裏手に呼び出されていた。
『差出人:真実を知る者
今回の事件のことでとある取引がしたい。今夜12時に1人で寮の裏手に来い』
内容が内容だけに、そして差出人の名前から来ざるえなかった訳だ。
クソッ。あいつら…まさか誰か第三者に見られたのか?ヘマしやがって。これはアルベルトを使ってお仕置きが必要だな。
相手をバカにする意味も含めてあえて12時を2、3分過ぎた時間に行く。既に相手は到着して、俺を待っていた。
相手の格好をよく見ると、暗いせいでわかりづらいが、服は制服で身長は172、3cmほどの標準体型?いや、少しだけガッチリした生徒に見える。鍛えてるのか?
「よく来たな、龍園。早速だが、この動画を見てもらおうか」
「なんで俺がそんなことしなくちゃならねえ」
「どうせ何か言ったら、『見ないとは言ってない』とか言うつもりだろ」
「クックック。よく分かってんじゃねえか」
挑発も通じず、か。しかも、俺の返しまで予測できていやがった。俺は少しだけこいつに対して警戒を上げることにした。
「そういえば、まだ名乗ってなかったな。1年Bクラスの服部だ」
「てめえの名前なんざ興味ねえよ」
そう言いながらも俺はこの服部という男について知っている情報を脳の片隅から引っ張り出していた。
服部。確か…Bクラスの参謀……だったか?
俺たちCクラスがBクラスに対して仲間割れを起こすように仕掛けた時も対応したのは一之瀬と…確か神崎とかいう雑魚だけだった。
その時点で服部という人間は口だけの雑魚だと判断していた。
だが、もし本当に……いや、そうだと断定するのはまだ早いか。
クク。せいぜい俺を楽しませてくれよ。
流された動画には石崎達と須藤のやり取りがしっかり記録されたものだった。
チッ。やっぱりか。どうせ、黙っといてやるから、口止め料を寄越せってとこだろ?
「龍園、この動画のことを黙っていて欲しければ、この契約を結べ」
ほら見ろ。とは言っても、どうせ10万、20万ポイントくらいだろう。それくらいなら大した痛手にはならねえ。まあ、目撃者がいた、という事実にはイラつくがな。
『2015年 7月3日
1.龍園翔はこの契約の締結後、24時間以内に服部晴秋に300万プライベートポイントを譲渡する
2.服部晴秋は今回のD、Cクラス間のいざこざの一部始終が収められた動画を削除し、その動画を他人に一切公開しない
3.服部晴秋はCクラス側を擁護する証人として審議の場に立つ
4.服部晴秋はCクラスを勝訴にさせる
5.内容2と内容3と内容4が満たされなかった場合、服部晴秋は龍園翔に350万ポイントを譲渡する
6.Cクラス側が訴えを取り下げる、罪を認める、Cクラス側が嘘を付いていると分かる証拠を他人に提出する、などのCクラスの勝訴が出来ない状況をCクラス側が作った場合、内容5は適用されない』
は?
なんだこの契約は
クク、おもしれぇ!
普通、証拠を手に入れて黙認せずにこちら側に味方する、とか考えるか?頭ぶっ飛んでやがる。
さっきはそうだと判断し切れなかったが、今ならそうだと断言できる。
こいつは間違いなくBクラスの参謀だ。
……となると、だ。もしかしたら、こいつがあの場にいたのも偶然じゃねえかもしれねえな。
Cクラスに裏切り者がいる可能性も視野に入れておく必要があるな。
「おい。黙ってないで契約を結ぶのか結ばないのか決めろ」
「俺のこと舐めてんのか、てめえ。たかだか裁判に勝つ為にこんな大金を払うつもりはねえ」
「なら、逆に金額が納得のものだったら契約を結ぶのか?」
「…契約3と4のことも詳しく話せ」
「………ああ。まだ説明してなかったな。とりあえずこれを見てくれ」
そういってこいつが見せてきた動画はさっきの動画のちょうど須藤が殴り始める所からだった。なるほどな。
「さっきの動画を編集したものだ。これでCクラス側は一方的に殴られた、と主張してやる」
俺が今回の事件を起こさせたのは、監視カメラがない所で学校側がどれだけ介入してくるのかを知るためだ。
つまり、こうやって偽の証拠を作ると本来の目的を果たせないことになる。
だが、こいつを使って喧嘩両成敗にならず、Dクラスに一方的にダメージを与えられるのなら、それはそれで悪くない。
編集が見破られるかどうかが多少心配だが、編集といっても一部切り取っただけ。始まりも不自然な形にはなってない。おそらく大丈夫だろう。
だが……
「なるほどな。それでも俺がお前に払う金額には納得してねえぞ」
そう。値段の方が問題だ。なんでこんな額をふっかけてきやがった?この裁判に300万の価値なんかない筈だ。
いくら、あの動画を提出しても石崎たちが退学まで行くとは思えねえ。
それくらいこいつも分かっているはず。…………となるとこいつの目的は恐らくだが、ドア・インザ・フェイスあたりか? 最初に無理な要求をして断られた後、ハードルを下げた次の要求を通しやすくするっていう心理テクニック。
俺はこいつに対して更に警戒を上げることにした。
「まず、停学によるクラスポイントの削減は事件の規模や行動の悪質さ、停学日数や人数によって決まるってのは知ってるか?」
「ああ」
そこらへんは坂上からも確認が取れてある。ただ、それ以上のことは教えてくれなかったがな。
「なら、一つの事件による停学によって減らされるクラスポイントの最高値は分かるか?」
「あ?何が言いてえ」
そんなこと具体的なことをこの学校が教えてくれるわけない。そんな分かりきったことを聞いて何がしたいのか。
「分からないんなら素直にそう言えよ」
「あぁ?てめえ殺されたいのか?」
「怖えよ。冗談だ。それとさっき言った停学による減らされるクラスポイントの最大は80〜90クラスポイントだ」
「くだらねえ嘘をつくんじゃねえよ」
「嘘じゃねえよ」
服部はニヤッと自信を持った笑みを浮かべる。とても演技には見えないが………
「あと、裁判で勝訴できたら敗訴になったクラスから勝訴になったクラスに50以上のクラスポイントが譲渡される」
「おい。まだ続けるつもりか?」
さすがにイライラしてきた。まさか俺が知らない情報かつそれっぽい話だからって俺が納得すると思ってんのかよ
「………やっぱり情報ソースを言わないとダメか?」
「当たり前だろ。他にそれを裏付けるものもセットで必要だな」
「はぁ〜。マジかー。あんまり人に、というよりお前に教えたくないんだよな〜」
「早くしろ」
「じゃあ、まず『ウミガメのスープ』って知ってる?」
「知らねえな。というかそんなことどうでもいい。さっさとてめえの情報源について教えろ」
「先にこっちの話をした方が分かりやすいんだよ。『ウミガメのスープ』ってのは出題者が出す謎のシチュエーションに対して回答者は「はい」か「いいえ」で答えられる質問をし、謎のシチュエーションの意味を答える、って感じだ。
俺はこれを学校に対して行った」
「……そういうことか」
「そう。俺は学校側に対し、「はい」か「いいえ」で答えられる質問をし、その質問に嘘偽りなく答えてもらう権利を10万ポイントで買ったんだ」
クック。やはりこいつはおもしろいことを考えやがる。
「クックック。Bクラスにいるのが惜しいな。なぜお前はCクラスにいねえ」
「そんなもん俺が知るかよ。てか、話戻すぞ。俺はその権利を使いさっき言った通りの情報を得た。停学の際に減らされるクラスポイントの上限が80〜90クラスポイントであること、勝訴を勝ち取ればそのクラスに敗訴になったクラスからクラスポイントが50以上譲渡されることを知った。」
「お前は肝心なことを忘れてやがる。確かにお前が言った方法ならそれだけの情報を入手出来るかもな。だが、それを証明する方法がねえ。」
「分かりきったこと聞くんじゃねえよ。その時の会話は録音済みだ」
そう言って服部は俺に録音レコーダーを渡す。俺は再生ボタンを押した。
『「では、今から質問を始めます」
「はいは〜い」
「じゃあ、まず一つ目は……さっき教えてくれた停学によって減らされるクラスポイントは停学理由となる事件の規模、行動の悪質さ、停学日数と人数によって決まるって言いましたよね。その停学によって減らされるクラスポイントの上限は70cl以上90cl以下の範囲にありますか?」
「はい」
「ありがとうございます。………停学によって減らされるクラスポイントの上限は70cl以上80cl未満の範囲にありますか?」
「いいえ」
「ありがとうございます」
「ねえー。もしかしてそうやって絞り込んでいく気ー?」
「少し黙っててもらっていいか?」
「ええー。別に雑談くらいいいじゃん。」
「………次の質問です。クラス間の揉め事で裁判が起こった時、勝訴した側は敗訴した側からクラスポイントを譲渡される、ということはありますか?」
「はい。やるねー、服部君。先生との雑談をスルーすることもその可能性に気づくことも。特に私との雑談を避けるなんて現役男子高校生なら考えられないよ?」
「これで最後の質問です。その勝訴した時に敗訴した側から譲渡されるクラスポイントは50cl以上ですか?」
「はい。本当スルー性能高いねー」
「まあ、これくらいでいいか。じゃあ星乃宮先生、ありがとうございました」
「ばいばーい」』
なんだこの教師は。うるせえ女だな。
「これでいいだろ?なら次だ。俺がDクラス側に付けば石崎たちは停学になり少なくともクラスポイントが-80cl以上される。更にCクラスは敗訴となりクラスポイントが最低でも50clがDクラスに譲渡される。合計130clの損失だ。」
服部の説明はまだ続く。
「逆にCクラス側に付けば石崎は完全無罪。クラスポイントは減らない。そしてDクラスに対して勝訴となり、最低でも50cl以上増える。相対的に見て、俺がCクラスに付くことに180cl分以上の価値がある。180cl×100×40=72万pr
これの4ヶ月分が288万pr。4ヶ月ってのはお前らCクラスが払う気になれるギリギリのラインのつもりだ」
クク。まさかドア・インザ・フェイスを使うんじゃなくて、ガチで300万を狙いにくるとはな。おもしれえ。Bクラス、坂柳を喰らう前の前菜……いや、もしかしたらこいつがこの学校のメインディッシュなのかもしれない。
「180clは最低基準なことと、この事件でCクラスが敗訴になれば、龍園の独裁政権に多少のヒビが入ることとかの理由で少しポイントを足して300万プライベートポイント。契約を結ぶ気になったか?」
やっと終わったぜ。ここからは俺のターンだ。
「クク。お前は少し勘違いしてやがる。俺たちが払うポイントは50cl相当のプライベートポイントだけだ。もし、お前がDクラス側に付くなら、俺たちは訴えを取り下げればいいのさ」
「はあ?何言ってんだ。それならDクラス側から訴え返させる。学校を巻き込んで悪質な嘘をつかれた、その嘘のせいでクラス内で肩身の狭い思いをして、精神に酷いダメージを受けたーってな」
「………」
チッ。そう簡単にはいかねえか。
「なら次だ。石崎たちと停学によるクラスポイントの削減が上限に達するとは限らねえ」
「うーん。それはまあ証拠はないんだけどさ。あんなクソみたいな嘘だぞ。もし、俺がDクラス側に立ったとしても今回はたまたま運が良かっただけで何度も同じ行為を繰り返されたらたまったもんじゃない。ぶっちゃけ見せしめとして退学もあり得るレベル。それでもほんとに石崎たちの停学が上限いかないと思う?」
「…………」
クク。確かにな。だが、まだ終わりじゃねえ。
「ならこっちが訴えを取り下げ、Dクラスに訴え返された時。石崎たちは停学でクラスポイントが80も減らされると思うか?反省したっていう形は取れてるぞ」
「…………」
ついに服部が黙る。さあ、どうでる?
「………俺はそうは思わない。反省したんならしっかり刑罰を受けてこそ償いになる、と思う。むしろ退学にこそならないが最大限クラスポイントは引かれると思う。どっちにしろ机上の空論でしかない以上、これ以上は水掛け論にしかならないだろ」
確かに机上の空論だ。それに俺と服部、どちらの意見も十分あり得る話で、どちらに転ぶかなんて裁く人間次第だろうな。
「クク。俺にはただの言い逃れにしか聞こえねえがな。だがな、大事なのは停学でどれだけポイントが減らされるか、だけじゃねえ。お前は俺と組まなかった時、Dクラスと組む前提で話しているが、Dクラスと組んで一体どれだけのポイントが手に入るんだ?
なあ?あいつらと組んで300万も手に入るのか?
そんなわけないよなあ。Dクラスと組んだところで100万も手に入らねえだろ。ここは少しでも妥協しておれと組むべきじゃないのか?
クク。俺と組むなら100万までなら払ってやってもいいぜ」
「論点すり替えんなよ。俺と組むことはお前にとって300万の価値があるんだ」
なるほどな。だが、それならこっちも同じように返すだけだ。
「クク。論点すり替えてんのはそっちだろ。てめえにとって俺と組むことが100万の価値があるんだよ」
互いが互いの視点から見てのこの取引の価値を喋る。そしてどっちも譲らねえ。これこそ水掛け論にしかならねえな。少しアクションを起こすか。
「仕方ねえ。残念だが、お前が100万で手を打たねえ以上この取引は終わりだな。じゃあな」
さあ、どうする?もう、100万で手を打つしかなくなったぞ。まあ、150万くらいならこっちも妥協してやってもいいがな。クク。ドア・インザ・フェイス返しだ。
「はあ。仕方ないな」
クックック。やっと手を組む気になったか。俺の勝ちだ………
「櫛田まだ起きてるかな?」
は?
俺が振り返ると、服部はDクラスの櫛田に対して電話を掛けようとしていた。いや、どうせハッタリだろ?
だが……俺の予想に反し、服部は躊躇なくコールボタンを押した。
「おい、服部!」
「なんだ?もしかして300万で取引する気になったのか?」
「そんなわけねえだろ。ただ、お前は質問する権利で40万くらい使ったよな?元が取れるのか気になってな」
そう。こいつは俺との取引を有利にする為に多大なポイントを使ってまで情報を手に入れた。少なくとも40万以上は稼がないと損することになる。
「ああ。それなら大丈夫。毎月支払ってもらうから。一気に大金が手に入る訳じゃないけど、卒業までを考えたら最終的に300万超えるし、問題無いだろ」
チッ!この野郎、毎月少しずつ払わせるってやり方に気づいてやがったのか。
それにこいつ……ガチの目だ。ガチでもうDクラスと組むつもりで切り替えてやがる。
正直まずい。今回の裁判で負けてクラス内で反発が起こるのもうざいし、これでDクラスがつけ上がるのも気に食わねえ。ただ、こいつにも大量のポイントを払いたくねえ。
チッ。仕方ねえ。
幸い、櫛田はもう寝たのかまだコールには出ねえ。だが、時間の問題だ。何度もかければ起きるだろうし、もし起きなかったら直接部屋に行くかもしれねえ。
「服部。非常に気に食わねえが条件を変えてやる。をそれでお前が飲めるなら契約を結んでやるよ。」
「条件を変える?」
「ああ、150万…いや200万で組んでやる」
「200万?」
「ああ。さっきのお前の計算。お前が組むことによって俺たちが手に入れる利益の4ヶ月ぶんだっただろ?それを3ヶ月分にして、端数を揃えた分だ」
「端数揃えるんだったら……いや、いいや。それで組むことにする。じゃあ、契約書書き換えるからそれにサインして」
「ああ」
だが、運が良いのか悪いのか。服部が新たな契約書を書いたタイミングで櫛田が電話に出た。
「おい…」
「分かってる。なんとか誤魔化せば良いんだろ」
俺が契約書にサインしている間、服部が櫛田と電話をしていた。
「もしもし」
「あー、いや。別に何か用があったって訳じゃないんだ。ただ声がちょっと聞きたくなっただけ」
「いや、うん。もう声が聞けたし満足かな。じゃあな」
本当にそれで良いのか?なんか誤解が生まれそうな言い訳だったぞ。
「どうした?」
「…なんでもねえよ。それより、書き終わったぞ。
「オッケー。じゃあ、コンビニでコピーしてくる」
こうして、俺は服部との取引を終えた。
服部side
龍園に言い負かされそうになったり、300万での交渉は失敗したものの、200万という大金で俺は龍園と取引できた。
ハハ…200万…ハハハ……
ハハハハ、
俺は自然と今日の星乃宮先生との進路相談室でのやり取りを思い出していた。
「で?服部君。クラスを左右するほどの重大な話って何かな?」
「そこまでの話じゃないですよ」
「じゃあ、クラスが有利になるかもしれない相談、とか?例えば今回の須藤君と石崎君たちの事件のこととか」
この人鋭すぎるだろ。
「そ、そんな感じっすね。じゃあ、まず答えられる範囲で聞きたいんですけど。停学ってどれくらいクラスポイントが減らされますか?」
「それは停学の理由となった事件の規模や悪質さ、停学人数や日数で決まるかな」
「なるほど。ありがとうございます。具体的な数字ってのは……」
「ごめんね。それは無理かな」
「オッケーです。じゃあ、次は、今回みたい裁判が起こった時、勝訴したら、敗訴した側からクラスポイントが譲渡される、みたいなことありますか?」
「うーん。それも答えられないかな〜」
思ったより厳しいな。無料の質問はやめて次のステップに移るか。
「先生。なら、俺がする質問に『はい』か『いいえ』で嘘偽りなく答えてもらう権利、って何ポイントで買えますか?」
「!…やっぱり君はおもしろいことを考えるね。今までこの学校でそんなこと考える人いなかったよ」
絶対嘘だろ。
「お世辞はいいです。何ポイントで買えるんですか?」
「お世辞じゃなんだけどな〜。そうだなー。前例がないのよねー。何ポイントがいい?」
そう俺に聞いてくる。えっ。マジで考えた人いなかったの?歴代最高の生徒会長と名高い学のアニキ辺りは使ってたかと思ってた。あー、でもあれか。優秀すぎるとそんなもの使う必要がないのか。
そう結論付け、星乃宮先生の質問に答えることにした。
「そうですね…。一回の質問につき10万ポイント辺りでどうでしょうか?」
テストの1点分や携帯のSIMロック解除が10万くらいなので妥当じゃないだろうか。
「うん。10万ポイントでいいよ。何が聞きたいの?」
そんな簡単に決めていいのか。でも、10万ポイントで1つの質問ってことにできるなら、この部分は嘘つかなくてもいいかもな。
「別に、その権利を買うつもりはないです」
「えっ?じゃあ、なんで聞いたの?」
「一定のポイントでその権利が買えるってことが分かれば良かっただけですから」
悪いな、星乃宮先生。本当は質問の権利に何ポイントかかるか聞いて額を聞いて尻込んだ、ってことにするつもりだったんだけど。まさか、前例がないなんてな。
「すみませんね。あの、次のやつはよっぽど高額じゃなければ買うんで」
「うん?何かな?」
「5分間、星乃宮先生の発言内容を決める権利を俺にください」
「!?」
空気が凍りついた。なんでだ?
「服部君…まさか……私にとんでもなく卑猥なことを言わせるつもり?!」
「そんな訳ねえだろ」
ついタメで返してしまったが、俺は悪くないだろう。
「ち、違うの………?」
「違うわ。で?何ポイントで買えるんですか?」
「うーん。これまた前例がないんだよねー」
「マジかよ高育生。もっと色んなこと試せよ」
「あはは〜。ほんと耳が痛いよ」
ああ、この人ここ出身だもんな。
「ポイントの方は30万ポイント辺りでどうでしょうか?」
「うーーん。………まあ、いいかなぁ。よし、30万ポイントでいいよ!」
それを聞いて先生の気が変わる前にスマホを操作し、すぐに30万ポイントを送る。
「30万ポイント支払いましたよ」
「ん。オッケー。支払い確認したよー。」
「とりあえず、普通に喋って構いませんよ。俺が注文するのは3つだけ。
『俺が人差し指を立てたら「はい」と言う』
『俺が人差し指と中指を立てたら「いいえ」と言う』
『俺が質問する権利を買ったと仮定して会話を成り立たせる』
これだけです」
3つ目は少し曖昧だが、星乃宮先生がちょっと贔屓してくれると願おう。
確認が終わったところで、録音レコーダーを取り出し、録音を開始させる。
「では、今から質問を始めます」
ハハハ。やったぜ。ざまぁみろ、龍園。
それにしても龍園のやつマジ怖かったな。最初は強い口調で喋ってたけど、途中から素で喋ってたもん。
そういえば、コンビニに行く途中で櫛田から電話がかかってきたな。疲れたのと、あの電話の言い訳をするのがめんどくさかったので無視させてもらったけど。
弁解は明日するし、問題ねえだろ。
櫛田side
ほわああああああああああああああああ
私は深夜に服部君からの電話で起こされ、話をする前は少し憂鬱になっていた。
でも服部君からの電話が終わった後、かつてないくらい取り乱していた。
確かに言ったよね?
『私の声が聞きたかった』って。言ったよね?!
えへへ。やばい。顔がにやける。
「夢…じゃないよね?」
私は自分の頬をつねる、という古典的なことをやって夢じゃないことを確かめていた。
「……痛い。夢じゃないんだ……」
嬉しいのは嬉しい。嬉しすぎる。でも……どうしよう?
厳密には告白された訳ではない。声が聞きたかった、と言われただけ。う〜ん。もしかして…服部君、恋愛慣れしてる?
告白した訳じゃないから脈なしでもダメージが少ないし、相手に自分を意識させることもできる。元々相手が好意を持ってくれてたなら告白される、まであるかもしれない。
どうしよう。とりあえず………………ハッ!
待って!待って!!
私は服部君のこと好きでもなんでもないんだってば!
私はこの学校で八方美人を貫く。
そのために彼氏はいたらダメだ!
と、とりあえず電話を掛けよう。別に私が話したい訳じゃない。脈なしじゃないですよ〜、って相手をキープするためだ。うん。そうだ。あんなこと言われたせいでつられて私の方も服部君の声が聞きたくなったとかはありえない。
「よ、よし!」
震える手を沈めようとしながら、服部君に電話をかける。が……2コールほどで通話を拒否された。
は?は??!
ちょっとどういうこと?!
なんで電話したら拒否されんの?
寝たのなら、通話拒否じゃなくて何十コールもした後に「今、お掛けになったーー」ってなるはず。
まさか、私が電話をしてワザと通話拒否をして反応を楽しんでる?弄ばれた?
どこかで私のことを嘲笑ってる、とか?
バーカ!バーカ!もう、服部君のことなんかもう知らない!
もし電話かけてきても絶対無視してやるんだから!
もう、寝よっーと。
その後ベットの近くに置いたスマホを寝落ちするまでずっと見ていたけど、スマホは震えることも音を鳴らすこともなかった。
翌朝、私の枕が湿っているような気がしたけどきっと気のせいだろう。
皆さんは姫野のツンデレに気がつけたでしょうか!
もしかしたら気づかなかった人もいるかもしれませんが、よく見たら、けっこう可愛かできてると思います。
Dクラスは中間テストで中間層が頑張ったので、原作よりもらえるポイントが少しだけ高いです。
Bクラスはどれくらい伸ばして良いのか分からなかったので控えめに原作より伸び率をアップしておきました
発言内容を決める権利について
多分、本来なら30万で済まないと思います。ですがガチで前例がなく、星乃宮先生が「こんなこと他の人は思いつかんやろ」って思い、少し甘めの値段設定を許しました。
オリ主は櫛田に電話している時、ガチでDクラスと手を結ぶ気でいました。
理由は(1年生編の)無人島試験の辺りで話そうと思います。
オリ主が直接現場に赴いたのは編集した動画のスタートをおかしくしない為です。
明らかに人が撮ったんじゃなくて元々設置された場所から動画が撮られてるのに動画が須藤が殴り始めた所から始まるとおかしいですからね。
むあ、その動画を使うのかは分かりませんが。
少なくとも龍園は納得しなかったと思います。
櫛田とは疎遠にならないので安心してください。
<お知らせ>
今から半年近く更新を止めます。理由は私生活の方にあります
逆に言えば、半年したら絶対に戻ってきます。
あと、コメントって返信した方がやっぱり嬉しいんですかね?
返信くらいはする余裕があるので、これからは積極的にコメント返そうと思います。
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