ようこそ転生者が無双する教室へ   作:ハァート

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戦の前の準備

期末テストが終わって数日が経ちました!

どうも櫛田桔梗です!

 

テストが終わって平穏をしみじみ感じていると、なにやら服部君に呼び出された。最近よくラインはしてたけど、会うのは久しぶりだ。

 

目的の部屋までついたのでインターホンを鳴らす。一応、合鍵はあるけど流石に急に入るような失礼な真似はしない。

 

「おっす〜櫛田。入って入って〜」

「おじゃましまーす♪」

 

ドアの前で挨拶を交わし、部屋の中に入れてもらう。

一体何の話だろう。デートの約束かな?それとも告白?とうとう私に惚れちゃった?最近のラインでずっと私に惚れるようにアピールしてきたからね。どれが来てもおかしくないかな。

 

「そうだ、櫛田。()()()()()()()のために用意したちょっとお高いお茶があるんだけどさ。飲む?」

 

………は!?えっ、ちょ、ちょっと!?学園一の美少女??!私のこと!?

 

は?は?は?いや、いくらなんでもそれは褒めすぎじゃない?

いや、ね。うん。そりゃ私も自分がかわいいとこは自覚してるよ。でもさ、流石に1番かわいいと思ってはない。同じクラスでも長谷部さんや堀北。違うクラスなら、一之瀬さんとか坂柳さんとか。悔しいけど自分より顔がいい人は存在する。

 

「おーい?ちょっと?なんで無視するん?一応言うけどさ、学園一の美少女って、その………櫛田のことだからな?」

 

〜〜〜〜〜〜!!

 

やっぱり私のことなんだ……

ああ〜、ヤバい。今絶対、変な顔してる。恥ずかしい。

 

はぁ………幸せ。服部君めちゃくちゃ私のこと好きじゃん。学園一の美少女。褒めすぎだよ、バカ。

 

「あのー、櫛田?櫛田さん?なんか言って?」

 

ああ、そうだ答えなきゃ。お茶、私のために用意してくれたんだよね?あーダメだ。考えただけで恥ずかしくなってくる。

 

「じゃあ、よろしくお願いします……」

「オ、オッケー…」

 

というか、服部君も言うの照れてたんだ。顔真っ赤じゃん。かわいい♡

 

後、今日呼び出された内容が分かった。告白に間違いないよね!

 

 

 

 

彼からお茶を貰うまでの間、私は服部君のベッドの中に潜って堪能していた。

はぁ〜〜ぁ…………そこら中から服部君の匂いがする!

もうこれは服部に抱きしめられていると言ってもいいよね!

………どうしよう。服部君に抱きしめられてる所想像したらクラクラしてきた……

 

「お茶どうぞ。‥‥なんでベッドに潜ってんの?」

「ありがとう!ん?入ったらダメだった?」

 

いいよね?だってこれから一緒に寝るかもしれないんだよ?なら、私のベッドと言っても過言じゃないよね!

 

「いや、別にいいんだけどさ………なんか俺のベッドの匂い嗅いでない?

 

?なんか言ったみたいだけど、声が小さくて聞こえなかった。多分、告白前だから緊張してるんだろう

 

 

高級なお茶ってのはやはりお金が掛かる分美味しいみたいで、すぐに全部飲んでしまった。

だから、今は服部君の枕にうつ伏せで深呼吸してる。すぅ……はぁ……………

 

彼はいまだに自分のお茶を少しずつ飲んでいた。分かるよ。それ飲み終わったら告白するんでしょ?断られるのが怖くて、告白するのを少しでも先送りしたくて少しずつ飲んでるんでしょ?でも安心して。私は全てを受け入れる気でいるから

 

やっとお茶を飲み干したみたいで、私の方を向く。私も一旦、服部君のベッドから起き上がって服部君の方を見る。

 

「櫛田。そろそろ、今日お前を呼び出した訳を話してもいいか?」

「うん。もちろんだよ!」

 

さあ!来い!

 

「じゃあ、Aクラスの葛城派の連絡先を全部送ってくれ」

 

は?

 

 

 

 

 

 

<><><><><><><><>

 

最近櫛田からよくラインが来る。おそらく俺を懐柔して秘密を握って立場の逆転を狙ってるんだと思う。

 

だから、わざと櫛田のことを分かりやすく褒めて反応を伺ってみたんだけど、まさかの華麗なスルー。スルーされすぎて、逆に俺が恥ずかしくなってきたわ。

 

でも、スルーしてる間、すごいニヤニヤしていた。おそらく俺の懐柔が成功したと思ったんだろうな。悪いが、俺はそんなに甘くないぞ。

 

後、これはどうでもいいことだけど、お茶がかなり熱い。チビチビ飲まないと熱すぎて飲めない。とはいえやっと飲み終えたので、本題に入ろうか。

 

櫛田ならAクラスが派閥争いしてることも、その派閥の構成員も全部把握してるだろうし、連絡先も当たり前のように持ってるだろう。確認はしてないけど。

 

<><><><><><><><>

 

は?

 

Aクラスが何だって??

あれ、おかしいな?告白じゃない……?

 

いや、待て。多分恥ずかしくて、なかなか本題には入れないだけだよね?ここは落ち着いて彼の要望に応えるんだ。

 

「葛城君の派閥の連絡先だよね?ちょっと待ってね。すぐ送るから」

 

葛城君派の子たちは、葛城君に戸塚君、町田君に西川さん、他には………

 

数分で葛城君派の連絡先、計17人分を服部君に送る。

 

「流石だな、櫛田。おそらく知ってるだろうとは思ってたけど、本当に葛城派の構成と連絡先を把握してるとは。やっぱり櫛田はとんでもないくらい優秀だな」

「フン。私が優秀なんて当たり前でしょ」

 

だよね?だよね?優秀だよね、私。もっと褒めてくれてもいいよ?

 

「それにめちゃくちゃかわいいし、裏表激しいけど、表も裏もどっちも魅力的だし」

 

だぁ〜〜〜〜〜〜!もう!やめろ!急にそんな風に褒めるな!

 

そこまで言ったなら、もう早く『好き』って言ってよ………!

 

 

 

 

 

 

<><><><><><><><><

 

んー。なんかよく分かんねえな。照れてる気がするけどただ承認欲が満たされてるだけの可能性もあるし………

 

「マジだるいんだけど。ただ褒めとけばいいとか思ってるでしょ」

「思ってねえよ。全部本心だ」

 

褒めよう、とは思ってるけど内容は全部本当に思っていることだ。

 

「だるいってマジで。マジでダルイ。……………寝る」

 

うーん。余り褒めすぎると逆効果ってことか……?照れ隠しの可能性もあるか。

まあ、一旦櫛田は放置しとくか。

 

俺はベッドから目を離し、葛城派(葛城と戸塚を除く)15人にフリーアドレスでメールを送る。

 

 

 

『宛先:優秀なAクラスの貴方へ

 

おめでとうございます。貴方は私から優秀な人間として選ばれました。

この事は他言無用でお願いしますね。次の夏休み、無人島でポイントに関する何かが行われます。今回貴方にメールしたのはその内容について、です。

結論から申しますと、5万prで試験の情報を買いませんか?

 

私の聞いたところによるとAクラスで派閥争いをしているとか。しかも派閥内でナンバー2の地位は貴方ではなく戸塚という男にあるだとか。本当の実力だけ見れば貴方以外にナンバー2など務まらないというのに。

ここは私から情報を買い、試験で活躍して葛城さんへ貢献し葛城派を盛り上げ、さらに名実ともにナンバー2の地位と名誉を手に入れるべき。そうでしょう?

 

本来なら葛城さんを慕うだけの男などではなく、貴方のような優秀な方が彼の隣で支えるべき。少なくとも私はそう考えております。

 

そもそも、優れた人間は常に情報のアンテナを張っているもの。あなたもその例に漏れないでしょう?

情報の重要さを分かってないはずがありません。

 

勿論、情報に間違いがあればポイントは返金します。

また、情報に不満があれば返金を要求することも可能です。ただ、返金を要求された場合は次から情報を渡すつもりはありません。

 

 

他言無用でお願いします。この事がバレると貴方と私双方がダメージを負いかねませんので。まあ、貴方はAクラス。この取引を結ぶかどうかの判断くらい1人で出来るでしょうから心配してませんけどね。

 

では、良いお返事を期待しております』

 

 

 

 

 

 

まあ、内容はこんなもんでいいか。疲れた。

それよりさっきからすごい櫛田と目が合う。

メールの内容考える時に偶にベッドの方向くと櫛田がこっちを見てて……!

最初の方は目が合ったらすぐに顔を背けてくせに、だんだん目が合ったらニコッて笑いかけてきたり、しまいには手を振ってきたりしてきた。

 

はぁ……たまんねぇ……!ヤバいんだよ!そんなことされたらマジで惚れそうになる。櫛田は悪女だ。クソッ騙されるなよ俺!

 

 

それから適当に談話した後、櫛田を帰らせた。そしたらなぜか櫛田が帰る時に怒ってた。告白がどうとか。なんか言ってる意味があまり分からんかった。俺のせいじゃないよな?

 

<><><><><>

 

1日以内に全員から返信が来た。全員俺と取引を結ぶそうだ。ハッ。ちょろいな笑

5万円送ってもらい、情報を伝える。

 

 

『送金ありがとうございます。

渡せる試験の情報は

・無人島サバイバルを行います。自足自給の生活をさせれられるので食べられる果物やきのこの種類、採取方法などを調べてください。

 

承知していると思いますが、このやり取りを話さず、試験の情報そのものだけを誰かに教えることも禁止です。

 

もしあなたがそのようなことをすれば、以後試験の情報をリークすることはないと思ってください。』

 

 

ハハ、()()()()()()これでいい。一応、70万ポイントも手に入れたしな。じゃあ、次の行動に移るか。

 

 

 

<><><><><><><><>

 

 

 

終業式。俺は今図書館に来ている。目的は本じゃない。終業式のため人は少ない。予定通りだな。今日ここにとある人物を一之瀬経由で呼び出している

一之瀬は来てない。(というより俺が来なくていい、って言った)

 

「こんにちは。服部晴秋君、でよろしいですね?」

 

鈴をころがすような声とはこの事なのだろうか?ふむ。ASMRとかやってほしいものである。

 

「ああ。俺が服部だ。よろしくな、坂柳」

「ええ、よろしくお願いします。初対面のはずですが、一体どのようなご用件でしょうか?」

 

そう、俺が会っているのはなんと表ラスボス(裏ボスは綾小路)の坂柳有栖ちゅわん。生粋のロリ、という紹介が適切だろう。

後ろには神室、橋本、鬼頭を連れている。鬼頭の睨みが強烈すぎてちょっとこわい。

 

「用件、ね。端的に言うと、葛城派潰してあげようか、て相談かな?」

「へぇ……。それは面白い相談ですね。ふふ、話くらいは聞いてみましょうか」

 

そう言って、俺の向かいの席に座る坂柳。従者たちは立ったままだ。可哀想に。座らせてあげればいいのに。

 

「まぁ、話っていうほどのものじゃないけど。坂柳もさ、来週のバカンスでポイントの増減が発生するイベントがある、くらいのことは予想してるだろ?でも坂柳はその足のせいでイベントに行けない。そこで、そっちの駒を数人貸してくれたら、葛城派を潰してあげるよ、ってだけ」

「ふむ。簡単に頷ける話ではありませんね。あなたが葛城派が倒せる保証はありませんし、何より私は私がいない間にAクラスが負けることを望んでいません」

 

『私が居ない間に負けることを望んでない』?!ハッ。茶番かよ。まあ、意図は分かるけど。録音対策だろうな。実際録音してる訳だから、最適解だしな。

 

「はっ。よく言うぜ。葛城派を蹴落とたくて仕方ないくせによ〜」

「………鬼頭君。彼のボディチェックをお願いします」

 

そう言われて鬼頭が無言で近づいてくる。仕方ない。最終手段を使うか。あまり使いたくなかったんだがな。

鬼頭がポケットに手を突っ込んだ瞬間、俺は鬼頭にしか聞こえないボリュームで話しかける。

 

「な?10万やるから黙ってくれない?」

 

鬼頭は無言でポケットから()()()の端末を叩きつける。静かな図書館にバン!という音が響き渡る。どうやら買収に失敗したみたいだ。まぁ、あんまり期待してなかったけど。 

というか、スマホ叩きつける力強すぎ!冗談が通じないのかこいつぅ!?

 

「やめろ!?おま、正気か?!スマホ壊れたらどうすんだよ!?」

「ふふ。ふざけていますね。鬼頭君、他にボイスレコーダーなどないか念入りに調べてください」

 

数十秒かけ、俺が端末以外に何も仕掛けてないことを確認する。尚、この間に坂柳は机の裏や周辺の椅子にボイスレコーダーが取り付けられてないことを確認していた。警戒心高すぎ。

後、この間に俺はスマホがちゃんと動くことを確認していた。

 

「フン。十分気がすんだか?で、取引の方はどうすんだ?」

「先程も言った通り、あなたが葛城派を潰せるほどの実力があるのか分からない以上、安易に手を結べません」

「ふぅん。じゃあ、実力を示せばいいわけだ?」

「ええ。実力を示すつもりならチェスでもしますか?」

 

チェス()()、ってなんだよ笑

実力が示せそうなものの中から適当に選びました、みたいな言い方すんじゃねえ笑

 

「悪いが、坂柳。俺はお前の土俵でやるつもりはない。というよりチェスは出来ねえ」

「ならばこの取引は無しということにしますか?」

 

坂柳は探るような目で問いかける。俺がこの取引にどれくらい重きを置いているか、他に策はあるのか、ここで見極めようとしている。

 

「将棋なら出来るが、それでいいならどうだ?」

「あら、私にあなたの土俵で戦えと?」

「別にチェス以外の頭脳戦が出来ない、ってなら諦めるけど」

「ふふ、安い挑発ですね。ですが、いいでしょう。ここはあなたに乗ってあげます。あなたの得意なゲームで屈辱的なまでに敗北を味わわせてあげましょう」

 

安い挑発とか言いながらめっちゃキレてんじゃねえか。後ろの3人が少し震えてんぞ。

 

「ハッ。負けても泣くなよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約2時間後

負けた。結果から言うと、負けた。めちゃくちゃ悔しい。後、一歩の所で俺の攻めが遅かった。あそこで手を変えてれば勝ったのか?いや、でも……。

 

てかなんなの、あれ。中盤終盤の隙のない攻撃。一手ミスれば即自陣が突破されて、自陣が崩壊、詰み。天才怖すぎんだろ。

 

 

「ふぅ。なかなかの接戦。後少し私の攻めが遅ければ私が負けていたかもしれませんね。いい勝負でした」

 

坂柳がなんか言ってるけど俺は負けたショックで聞こえなかった。接戦に持ち込むまでは良かったのに、最後の最後でやられた。

 

ハッ。何を感慨深っていたのでしょう。

………あれれ?服部君。私を泣かすんじゃなかったんですか?悔しいですか?自分が勝つと思っていた勝負で負けた気持ちはどんな気持ちですか?ねぇ?聞いてますか?教えて下さい。どんな気持ちですかぁ?」

「うるせぇ!!接戦だったろ!あそこでミスってなかったら俺が勝ってた!」

「何を言ってるんですか?負けは負けですよ?言い訳なんて見苦しいですね」

「ぐぬぬ……」

 

負けは負け。その通りすぎてぐうの音も出ない。いや、悔しいのでぐうの音くらいは出してやる!

 

「ぐぅ」

「………なんでしょう。まさか、負けて悔しいからぐうの音くらい出す、とか思ったわけないですよね?」

 

怖っ。考えてること読まれたんだけど。

 

「さて、どうしましょうか。もう一局くらいしますか?」

「そうだな。次は俺が勝t………」

「お姫様」

 

あ?なんだ橋本。俺らの邪魔すんのか?

 

「そんな睨むなよ、お2人さん。なぁ、服部。お前自分がお姫様を呼び出した理由を忘れてるんじゃないか?」

「「あ」」

「アホでしょ。あんたら」

「ゴッホン!じゃあ、気を取り直して。坂柳。俺は合格か?」

「ええ。そうですね。あなたなら葛城君程度なら潰せるでしょう。私には負けましたが」

 

うるせえ!………ここはスルーだ。言い返したら負けだ。もう負けただろ、とか言うツッコミは受け付けないぞ。

 

「お前が貸してくれるのはどの兵だ?」

「神室さんと橋本君ですね。その2人がいれば十分でしょう?」

「まあ、そうだな。なら契約内容はこんな感じでいいか?」

 

 

『1.夏休みに行われる無人島での試験で神室真澄、橋本正義の2名は服部晴秋の命令の下で動く

2.服部晴秋は無人島での試験で葛城派を失墜、もしくはそれに近しいレベルの衰退をさせる

3.2が成立した場合、坂柳有栖は服部晴秋に報酬として50万ポイント支払う』

 

「ふざけているのですか。契約を口外しないことと、失墜や衰退の定義が書かれていませんし、葛城派を潰せなかった時のペナルティも書かれていません」

「ハハ。悪い、悪い」

 

まあ、当然気付くか。坂柳なんだし。だか、坂柳の攻撃はここで終わらなかった。

 

「そして、私は契約3の内容を受け入れるつもりはありません」

「は?どういう意味だ、坂柳。俺にタダ働きしろと?」

「タダではありませんよ。契約2が成功する、というのはつまりAクラスが試験に負けるということ。それだけで他のクラスにとってはプラスでしょう?それに契約1を使えば葛城派を貶める以外にもあなたの利益のために2人を動かせます。十分でしょう?」

「はっ。じゃあやっぱ契約はやめるか?」

「構いませんよ。何もあなたを使わずとも葛城派を失墜させることは出来ます。例えば、龍園君、とか」

「チッ……」

「さぁ?どうしますか?」

 

 

 

話し合いの結果、この契約に立ち会った5名が卒業まで口外しないこと(文字で誰かに伝えることも禁止)

失墜や衰退の定義に関しては

・無人島試験終了後に葛城派の人数が7人以下(葛城含まず)になること

・無人島試験が終了した時に葛城が無人島試験の結果についてAクラスの30人以上に批判されること

の2つの内どちらか1つでも満たせばいいことになった。

報酬やペナルティはどちらも30万ポイントになった。完璧とは言わないがかなり上手くいったと言えるだろう。まあそもそも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕暮れ。坂柳と神室が寮の自宅に向かって歩いていた。勿論、神室が全ての荷物を持っている。

 

 

「で?どうだったの」

「そうですね。将棋はチェスの合間やチェスの理解を深める為にするくらいでしたが、これからはもっとやってみても良いかもしれません」

「違うわよ!将棋から一旦離れろ!あんたいつも言ってるじゃない。天才がどうの、って。服部は天才だった?」

「さぁ。流石にあの対局だけでは判断は付きません。まぁ、言いかえれば一回の対局では見限れないくらいには凡人ではありません」

「ふぅん。じゃあ、あんたが求めてる本当の天才の可能性があるってこと?」

「いえ、それはないと思います。逆に言えば、一回の対局のみで示せるほどの大きな才能は持っていない、と言うことですから。ただ……」

「ただ?」

「対局中、彼が私が思い描いた最善手を越える手を打つことが数回ありました」

「は?」

 

神室はこの数ヶ月、坂柳の側にいた。故に、彼女の頭の良さは十分理解している。しかも神室は坂柳がこの手のボードゲームで負けた所を見たところはない。神室には坂柳が言ったようなことが起こることなんて今まで想像したことがなかった。

 

「その数回は、いずれも彼が10分以上時間をかけて打った手です。当たり前ですが、私もその間考え続けていますよ」

 

それを聞き、神室は更に現実感がなくなった。

 

「ですが。それならば、自ずと弱点も見えてきます。要するに服部君から判断時間を奪えばいいわけです。長考すれば良策が出る、ということは逆に長考しないと、つまり時間がないと良策を編み出せないということですから。どちらにしろ、私が服部君に負けることなんてありませんので、安心してください」

 

坂柳の言っていることは正しかった。服部晴秋は長考すればするほど、良策を出す人間であり、咄嗟の判断能力はあまり高くない。

 

だが、坂柳有栖は知らない。服部晴秋が転生者であることを。彼がポイント争奪戦において何ヶ月、場合によっては一年以上の長考の末、策を出していることを。

この事実に彼女が足元を掬われるのか。それとも持ち前の頭脳で乗り越えるのか。

まだ誰にも分からない。

 

<><><><><><><><>

 

紆余曲折あったものの坂柳との契約をなんとか完了させた。

これで、夏休みの特別試験までの準備は整った。

 

そう。()()()()()()()()。無人島試験だけでなく船上試験の準備も整った。

今日結んだ契約は無人島試験にしか影響しない。

 

無人島試験で契約違反にならない程度に坂柳のAクラスに対する裏切りを仄めかす。

 

そして、船上試験。Aクラスの優待者だけ、話し合いを始める前に当てる。勿論、ワザとだ。Aクラスの坂柳派の優待者だけでもいいかもな。そこで坂柳が葛城派を堕とすために俺に優待者を教えた、と触れ回る。無人島試験には一切触れずに。

こっちは櫛田がいるんだ、噂という領域においては無敵。楽勝だ。

ハハハハハハッ!!!!

 

<><><><><>

 

坂柳と服部。

一方は才能を、一方は原作知識を。

持っているものが違っても両者はあの僅かな時間で、

一方は相手の弱点を見抜き、一方は相手を蹴落とす準備を完了させた。

 

持っているものやあの場で得たものは違えど、どちらも間違いなく強者である




※2巻の佐倉は完全カットです。佐倉ファンごめんなさい。綾小路が原作と1日ずれて特別棟の偽監視カメラをやる。そもそも佐倉が審議に出てない。などありますが、結局佐倉はどっかのタイミングでストーカーに文句を言いって、綾小路がたまたま気付いて助けた。そう思って下さい。描写は一切しません。

ところででこの世界では佐倉はどうなるんでしょうか。満場一致特別試験で退学するのか。生き残るのか。そもそも満場一致特別試験までいきのこれるのか?
自分の中では展開は決めています。皆さん予想してみて下さい。

後、前回で神崎君が頑張って成長しようとする爽やかなシーンを書いたのに誰も反応しないの悲しい。もしかして皆あんまり神崎君に興味ない?

じゃあちょっと言っとくけどなぁ!!こっちの世界の神崎君はホント大活躍するからな!!見とけよ!!!

服部君のラブコメルート

  • ①ハーレム(皆と付き合ってる)
  • ②ハーレム(誰とも付き合ってない)
  • ③誰か1人を選ぶ
  • ④ ①のR-18
  • ⑤ ②のR-18
  • ⑥ ③のR-18
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