中間テストまで後1週間。学校全体が勉強ムードになってきた。スパイ契約やカメラの購入が終わり、今まで何をしていたかっていうと特に何もしてない。
強いて言うならずっと姫野と勉強していたくらいだな。姫野は原作でOAAで学力が60越えていてそこそこ高い数値だったけど、原作知識を持つ俺をサポートしてもらうってなったらそのレベルじゃ良い策は出ないかもなあと思って、一緒に勉強していた。
まあ、必ずしも学力と知力、思考力がイコールな訳じゃ無いけど思考力の高さには知識の幅が直結するからな。それに俺の仲間があんま凄くないってのはシンプルに嫌だし。来年でOAAが出た時に、学力80は出せるくらいの実力は付けてもらうつもりだ。と言っても、俺が教えられる科目は数学、理科くらいだが。他の科目も点は低くないけど、全部暗記のおかげだからな。教えるのには向いてない。
おっと。今は姫野との勉強会の話は置いとかないとな。時刻はHRが終わった直後。まだ星乃宮先生以外教室を出てない。事前に伝えていた姫野と神崎と教室の扉の前に立たせ、誰かが教室から出ることと他クラスのやつが入ってくるのを防がせる。俺は壇上に立ち皆に向かって話しかけた。
「皆、聞いてくれ。今回中間テストの必勝法を手に入れた。それを今から皆に配ろうと思う。教室を出る前に一度席についてくれ」
それを聞き、皆は俺の言う必勝法は何だ、とかそもそも必勝法なんであったのか、とかザワザワしながらも席に着いてくれた。
「俺が今から渡すのは中間テストの過去問だ。毎年同じ問題が多く出るらしい」
「マジで!?」
「すげえ!」
「流石、参謀!」
めっちゃはしゃぐやん。
「ゴ、ゴホン。…とにかくそれを使って今回の中間は乗り切れ。具体的には90点以上を量産してくれ。」
こんな漫画みたいな咳払いとか初めてしたぞ。
テスト前日の昼休み。俺は櫛田を屋上へ呼び出していた。
「で?ずっと接触してこなかったのに今さら何の用?」
スパイ契約直後、俺は「今まで通りに過ごせ」という命令を送っていた。そして、超小型カメラ購入後のこいつとのやり取りは一度だけ。
少し前に向こうから携帯で過去問を手に入れた、という情報をもらっただけだ。
まあ、知ってたんだけど。それに対して俺は「そうか。Dクラスにばら撒くなら前日にしろ」と返しただけ。
ついでに、今まで接触しなかったのは特に用がなかったのと、原作乖離を出来るだけ無くす為だ。
てか、たった1ヶ月ちょい連絡しなかっただけだろ。今さらとか言う?
「何怒ってんだ?もしかして放置プレイは初めてだったか?」
「そもそもプレイなんかしたことないっての!」
「ハッ、嘘つけ。過去がバレたと思った瞬間胸触らせて誘惑してくるビッチじゃねえか」
「うっさい!あれはもう忘れろ!」
「いーや、忘れられないね、あの感触は。Dか?それともE?」
まあ、Dカップって知ってるんだけどな。グへへ。
「教えるわけないでしょ、この変態!」
変態?やめてくれよ。Mに目覚めそうになるじゃんか。
「まあ、落ち着けって。なんか今日怒りっぽくね?なんかストレス溜まることでもあったか?俺の胸で嫌なこと吐き出すか?ぎゅーーっと抱きしめてやるよ」
さあ、来い。って感じで手を広げる。
「行かないわよ」
「クッ」
「クッ、じゃないわよ。このケダモノ。煩悩丸見えよ」
「ケダモノとはなんだケダモノとは。可愛い女の子を抱きしめたいって思うのは普通のことなんだぞ」
「知るか、そんなこと。マジきもい。それより何の用で呼んだのよ?」
「ただお前に会いたかっただけだ、って言ったらどうする?」
「帰る」
即答しやがったぞこいつ。
「冗談だ、冗談。ちゃんとした用はある。まず聞きたいのはDクラスは今どれくらいのprを持ってんのかってことだな。」
「私を入れて大体30万くらいかな。と言ってもみんな毎日ある程度消費してるし、もう少し少ないかもだけど」
「そうか。まあ初仕事としては上出来だ。よくやった」
そう言って俺は櫛田の頭を撫でる。こいつの髪サラサラしてんな。しかもなんかいい匂いする。女子ってみんなこうなの?それともこいつが美少女(性格抜き)だから?
「気安く触んな」
バシッと俺の手が払われる。なんかアレだな。あんましヒロイン化は上手くいかねえな。
「クッ」
「クッじゃないわよ。2回目なんだけど」
「悪い悪い。まあ、冗談抜きにナイス仕事だ。流石って所か」
「ふん。まあ、私なら当然よ」
なんかいい気になってんなこいつ。かわいいからいいけど。
「用事ってこれだけ?」
「まさか。もう一つある。今日、茶柱先生に————————
————————」
翌日。今日はテスト当日だ。みんな少しソワソワしてるな。他の奴らは後はテストで全力を出し切るだけ。だが、俺はここでもう一つ仕事をする。って言っても先生に一個頼み事するだけなんだけどな。
「星乃宮先生。中間テスト、良い点取れた生徒にはご褒美をあげてみませんか?」
「ん?どういうことかな?」
「言葉通りの意味ですよ。初めての水泳の授業の話なんですが、先生が俺たちに50m泳がせて一番速かった生徒に5000prを支給する、なんてことがあったんですよ。そのことから察するに、教師と生徒の間でprでのやり取りは可能なんですよね?」
「なるほどね〜。おもしろいこと考えるね、服部君。その話、具体的には?」
さて、そこまでは考えてなかったな。過去問あるし、今回は順位より点数の方がいいな。総合は念の為に順位にしとこう。
「そうですね。各教科につき9割以上取れた生徒は1万pr、満点は3万pr。総合点の方は順位ごとで。5位が1万pr、4位が2万pr、3位が3万pr、2位は5万prで1位は10万prでどうでしょうか?」
悩み顔をする星乃宮先生。ダメか?
「うーん。各教科ごとについてはそれでもいいけど…総合の方は報酬が高すぎるよ。欲張りすぎ。5位が1万pr、4位が2万pr、3位が3万pr、2位が4万pr、1位が5万pr。これならいいよ」
「じゃあ、それでお願いします」
テストが始まったけど、まあ特に難しくもないな。過去問があるってことを差し引いても簡単。そんなことを思いながらテストに答案を書いていく。まあ、俺からしたらこの中間テストで大事なイベントはテストそのものじゃないしな。
テスト返却日。朝のHRで星乃宮先生が教室に入ってくる。
「星乃宮先生!テスト返却はいつでしょうか?」
一之瀬がそう聞く。
「安心して。一之瀬さん。今からテスト返却よ」
星乃宮先生が黒板に大きな貼り紙を貼る。
「皆今回はよく頑張ったわ。赤点者は無し。平均は9割越えだったし、点数が9割以上は勿論、満点の生徒も沢山。服部君のおかげでprをいくらかもらえる子がいっぱいいるよ〜」
それを聞き皆が歓声を上げる。そこまで騒ぐことじゃねえだろ。過去問あったんだし。俺は自分の結果を見つける。全教科満点だ。まあ、今回は過去問あったし満点なんて大して凄くないか。過去問マジ偉大。
よし、自分の点も確認したし、Dクラスのところに行くか。と、その前に姫野に頼み事があるんだった。
「姫野。俺今から教室出るからさ。一之瀬が教室出ないよう見張っててよ。もし、出そうになったら止めてくれ。あ、もし俺がいないことに気づからたらトイレって言っといてくれ」
「えっ、ちょっと何する気なのよ?」
「プライベートポイント稼ぎ」
そう言ってさっさと教室を出てDクラスに向かう。
Dクラスの教室につき、俺は勢いよく扉を開ける。Dクラスのほとんどが俺をみてくる。
「なんだ、お前は。今はHR中だぞ。」
「そうでしたか。それは失礼しました。そんなことよりこのクラスは退学者何人出ましたか?」
「1人だ」
「適当に聞いてみたらマジで退学者いんのかよw」
ここで既に退学者がいることを知ってたらおかしいからな。まるでカマをかけたかのように言う。
「てめえ…!!」
須藤だ。なんだかんだ初めて会った気がする。
「あー。もしかして須藤がその退学者ですか?」
「そうだ」
「ついでに赤点逃れるために何点足りなかったんですか?」
「1点だ」
「そうですか。それにしても運動以外はマジで何もできないんだな」
「何だと?!てめえ!」
「落ち着いて、須藤君。それで君は誰で何の用かな?」
平田。こいつも初見だな。実はまだ他クラスの奴とは全然接触していない。
「おっと、悪い。まだ名乗ってなかったな。俺は服部晴秋。Bクラスの参謀だ。よろしくな、平田」
「よろしくね、服部君。それで何の用なのかな?」
「須藤の退学を取り消しに出来る方法があるんだけど教えて欲しい?って聞きに来た」
「マジかよ?!教えてくれ!」
「よかったな須藤!」
「これからもよろしくな須藤!」
3バカ共が大はしゃぎしてる。おいおい。頭の中お花畑か? 喜ぶのはまだ早いだろう。
「何言ってんだ?お前ら。もしかして対価もなく教えてもらえると思ってんのか?」
「何だよ!対価って!」
「そんなもんprしかねえだろ」
「持ってる訳ねえだろ、俺たち0clだぞ!」
だからなんだ。限界まで搾取させてもらうぞ。
「そこまで大金寄越せって訳じゃねえよ。そうだな、平田。このクラスで50万プライベートポイント集めて俺に差し出せば須藤の退学を取り消す方法を教えてやるぜ」
………50万は十分大金だな。
「皆!須藤君を助ける為にポイントを貸してくれないかな?」
そういって、平田は慌ててみんなからprを集め出ようとする。
「私出すよ。まだ須藤君とはまだ一緒にいたいもん。」
真っ先に天使な櫛田が声をあげる。キャラ的にはそうするしかない。まあ、あいつには後で返すつもりだけどな。その後も櫛田と平田のおかげで十数人からポイントが集まる。だが…
「すまない。俺は須藤を助けるためにポイントを出せない」
幸村だ。この時期じゃ、周りのこと見下しまくってるだろうし退学なんて逆にラッキーって感じなんだろうな。
「何だと?てめえ!クラスメイトが困ってんのになんでそんなことが言えるんだ!」
「当たり前だろ。お前がこの先クラスに貢献するとは思えない。」
幸村の話を聞き、ポイントを出そうとしてやめるやつがチラホラ出てくる。
「平田君、ごめんね。私も須藤君がこのクラスの為になるとは思えなくて」
「私もー。ごめんね、平田君。」
「ッ!お前ら…!」
俺が何もしなくても須藤は綾小路に助けられる。つまり俺は須藤の生存よりプライベートポイントが手に入るかどうかを考えなければならない。ここは助け舟をだすか。
「そうだ、Dクラス。先の見えてないお前らに良いこと教えてやるよ。この学校は実力で生徒を測る。勿論実力ってのは学力だけじゃねえ。身体能力もだ。具体的に言ったら2学期には体育祭があるらしい。そいつを助けて損はないぞ」
「待て。何で敵にそんな重要な情報を与えるんだ」
嫌か? 俺が須藤に助け舟を出すのが嫌か?幸村?
「俺はプライベートポイントを稼ぎたいだけだからな。須藤が退学するかどうかなんかどうでもいい。俺はprを稼げる。お前たちは須藤を助けられる。winーwinだろ?」
それを聞き、不満げだが納得そうにする幸村。まあ、嘘は付いてないからな。納得するのも当然だ。そして………
「私たちも出すわ、平田君。綾小路君も出してくれるみたいよ」
おいおい堀北(笑)。隣の綾小路はえっ、みたいな顔してるぞ。いいのかホントに(笑)。本人には悪いが、こっちとしてはあの綾小路が振り回されてるのを見るのはマジで面白いな(笑)。
「ありがとう。堀北さん、綾小路君」
数分後。
「ごめん、服部君。クラスから集められるだけprを集めてみたんだけど、どうしても20万pr以上足りなくて」
そうだろうな。Dクラスの大体のprは櫛田を通して把握してある。こいつらが持つprは30万程度。ならなぜ俺はその額を圧倒的に超えるprを要求したのか。それは…
「そうだ!茶柱先生。成績上位者に貰えるprっていつ支給されますか?」
「そうだ、それだよ!櫛田さん!」
平田が光明が差したとばかりに勢いづく。しかし…
「成績上位者に対するプライベートポイント支給は次の1日だ」
「そんな…」
「へぇ。お前らもそんなことしてたんだ」
あえて俺はとぼける。他クラスの俺が知っておくのはおかしいからな。だが実は、これも俺が仕込んだものだ。
事態はテスト前日。
「用事はこれだけ?」
「まさか。もう一つある。今日茶柱先生に頼んで成績上位者にpr支給をするように頼め。ちゃんと皆の前で言えよ」
「どういうこと?」
「体育の水泳の時間で1番取ったやつにプライベートポイントが支給されなかったか?」
「…されたけど。それが何なの?」
「分からないか? 先生に頼めばテストでも同じことできるだろ」
「!そういうこと!でもそれだと赤点候補たちに恨まれるかもだから私的にはやりたくないんだけど」
「安心しろ。実際に赤点取らなかったら何も言ってこないだろうし、赤点取ったら俺からしたらむしろその方が都合がいい」
「アンタが都合良くても私は良くないのよ」
「それも安心しろ。お前が恨まれない、いやむしろ感謝されるように立ち回ってやる」
「どういうこと?」
「俺に任せとけってことだ」
「…信じていいんだよね」
「ああ。俺はお前のボスだぞ。部下が不利になるようにはしねえよ」
「部下になったつもりはないんだけど」
つれないな。ボスとか社長って呼んでくれてもいいのに。
「照れるなよ。後、具体的な報酬は各教科ごとに90点以上は1万、満点は3万。総合点は順位で決める。5位が1万pr、4位が2万pr、3位が3万pr、2位は5万prで1位は10万prだ。各教科の方は問題ないと思うが、総合点の方は適用されるか微妙だからもし断られたら報酬のポイントを下げて頼め」
「分かった」
なんてことがあった訳だ。
「平田。ならこうしてやる。今あるポイントは全部俺に渡せ。そして、次のポイントが振り込まれた日の内に俺に今から渡すポイントと合計で50万prになるように俺にポイントを渡せ。」
「分かった。」
「じゃあ、正式に契約な。茶柱先生、契約の立ち会い人になってくれますか?」
「いいだろう」
「『平田は今からあるだけのprを俺に払う。そして7月1日までに今から振り込む額を含めて合計50万pr俺に払う。そして俺は平田に須藤が退学しないための方法を教える。もし俺が平田に須藤が退学しないための方法を教えたにもかかわらず、約束の日までに合計50万pr支払わなかったらペナルティとして平田は自主退学する』これでいいか?」
「問題ないよ」
「ちょっと待ってよ!平田君が退学するってどういうこと?」
「言葉通りの意味だ。もしお前らが須藤を助けた後に『須藤を助けれたんだし、俺との契約無視しちゃお〜』とか考え出さないようにするためだよ」
「そんなことする訳ないじゃん!」
「なら契約破った時のペナルティ付けても問題ないだろ」
平田の取り巻きのモブ共が黙る。まあ、黙るしかないよな。完璧な正論だし。
「じゃあ、プライベートポイントを振り込んでくれ。俺のIDこれな」
そういって学生証を見せる。十数秒後に30万近い額が俺に送金される。
「なら、須藤を助ける方法を教える。その方法ってのは須藤の点数を買うんだよ。prで」
「点数を…買う?」
「そうだ。この学校にあるものでprで買えないものはない。そうですよね、茶柱先生」
「そうだな。ついでテストの点は1点につき10万プライベートポイントだ」
「…そんな……」
Dクラスの皆が絶望した様な表情をする。俺が今こいつらから残りわずかなのprを取ったばっかだからな。
「フフッ」
つい、笑い声が漏れてしまった。Dクラスのの何人かが俺を睨む。安心しろって。ちゃんとポイント渡すから。須藤に退学されると困るのは俺も同じだからな。
「あー。10万かー。そういえばさっき10万以上のポイントが手に入ったんだよなー」
すっげえ棒読みになってしまった。
必死な形相で平田が俺を見つめてくる。
「頼む、服部君。僕たちにprを貸してくれ」
平田は頭を下げて俺に頼む。なんか気分がいいな。ダビダンスでも踊りたくなるぜ。ハハッ。
「いいぜ、平田。そうだな…こっちの方は返すの2ヶ月以内でいいぜ」
「ありがとう…服部君!」
「じゃあ、また新しく契約な」
2つ目の契約も終わり、平田は須藤の点を買って無事須藤は退学せずに済んだ。
「じゃあな、Dクラスの不良品共。ちゃんとポイント払えよ」
そう言って俺はDクラスを後にした。
テスト返却日の放課後。
「ねえ、服部君。テストも無事終わったし、皆で打ち上げ行くんだけど、服部君もどう?」
一之瀬の取り巻きたちに誘われた。
「いや、いい。俺は遠慮しとく。」
「そんなこと言わないでさ。今回のテストで皆が良い点取れたの服部君のおかげだよ?」
「そうか。でもこれから姫野と用事があるんだ、悪いな。また今度誘ってくれ」
隣にいた姫野が驚く。
「えっ?!もしかして2人ってそういう関係?」
「違う」
なんでそれだけのことで恋愛に繋ぎたがるんだよ。このピンク脳が。
「そっか。なら、姫野さんも無理なんだね。じゃあ、2人ともまた今度誘うよ」
「おう」
そういってその女子生徒がどっかに行く。
「ねえ、ちょっとさっきのどういう意味よ?」
「俺が誘いを断った後に、矛先がお前に行くのを未然に防いだんだよ」
「じゃ、じゃあ私のためってこと?」
「おう。言ったろ、面倒なイベントは避けさせてやるって」
「……アンタはさ、私のことが関係なくても行かなかったの?」
「んー。そうだな〜。…行ってたかも」
「私のためだけに断ったってこと?」
「…そうなるかもね」
「バッカじゃないの」
「お前は今日いい仕事してくれたしな。お前のおかげで一之瀬の邪魔が入らなかった。その見返りだよ」
あいつが来たら絶対見返り求めずにポイント貸すからな。未然に防げたのは姫野のおかげだ
「いや、私特に何もしなかったわよ。確かに一之瀬はアンタがいなくなったのに気づいたけど、私がトイレだって言ったら、納得してそのまま友達と喋ってたわよ」
「そうか。まあ、それでもお前のおかげなことには変わりない」
「てか、ポイント稼ぎって何したのよ?後どれくらい稼げたの?」
「そうだな。教えてやるからカラオケでも行くか」
「なんでよ。ここじゃ話せない話?」
「いや、そういう訳じゃないけど、俺たち打ち上げ行けないからさ。せめて2人だけで楽しもうぜ」
「は、はあ?それじゃ本末転倒じゃない。」
「いや、それは違うね。姫野はあんまし仲良くない人と多人数で長い時間騒ぐのが苦手ってタイプだろ?なら、別に俺となら大丈夫じゃん。俺たち仲良いんだし」
「いや、別に仲良い訳じゃないし…」
……悲しいこと言うなよ。泣くぞ。
「でもBクラスで1番仲良い奴ってなったら俺だろ?」
「そ、それはそうかもだけど」
「安心しろって、絶対楽しいから。俺が保証する」
俺は姫野の手を引っ張り、無理矢理連れて行こうとする。
「ちょ、ちょっとやめてよ。恥ずかしいから!
分かった、カラオケ行くから!」
カラオケにて
「じゃあ、何歌う?」
「私が歌うの?」
「そりゃね。大声で叫んでみなよ。気持ちいいよ」
「じゃあ、アンタがまず歌ってよ」
ということで、まず俺が一曲歌い、次に姫野が歌うことになった。
「どう?スッキリした?」
「まあ、ちょっとだけね」
そう言いながらも結構満足そうだし、なんならウキウキしながら俺より先に次の曲を入れようとしている。
「かわいすぎんだろ」
「か、かわ…。だ、誰が?!」
その反応すら可愛い。
「勿論、姫野だけど?」
「そ、そんなことないでしょ。ほ、ほら。私なんかより一之瀬の方が全然かわいいでしょ」
「そんなことないと思うけど。姫野は可愛いよ?多分Bクラスで1番可愛いと思う」
「な、何言ってんのよ?!そ、それよりほら。どうやってpr稼いだのか教えてよ」
「…もしかして照れてる?」
「照れてない!」
「そっか。…えっと、ポイントをどうやって稼いだか、だっけ?」
「そ、そうよ!」
話題が逸れて助かったって顔してる。一挙一投足がかわいい。
「あーどこから話すか。そうだな。————————」
俺は姫野に今日の平田と結んだ契約のことを話した。
「そんなことあったんだ。というか相変わらず凄すぎでしょ。50万って」
「別にこれくらい凄くねえって。……そんなことよりもっと歌おうぜ」
「もしかして照れてる?」
露骨に話題を変えて俺が照れていると思ったのか、意趣返しとばかりにニヤニヤしながら姫野が聞いてくる。
「別に照れてねえよ」
そう返したのにニヤニヤしたままの姫野。かわいすぎるな。
そんなこんなで3時間ぐらい歌って俺たちはカラオケを後にした。
「楽しかったろ?」
「…まあ、そうかも。また誘ってよ」
「おう。姫野もまた来たくなったら俺のこと誘っていいぞ。ひとカラってキツいだろうし。」
「アンタってもしかして…暇?」
「…そんなことない」
「絶対暇でしょ。アンタさ、私以外にまともな友達いるの?」
「は?友達とか沢山いますけど?神崎とか一之瀬とか…あとは柴田とか。」
「3人は沢山って言わないでしょ。」
「そういう姫野はどうなんだよ?俺以外に友達いんの?」
「…そこそこいるわよ、そこそこ」
「絶対いないじゃん」
そんなことを言い合いながら、夕暮れの中俺たちは寮に帰った。
この主人公、話す相手で結構口調とか変わるなあ。
ついでに交渉みたいな時は主人公は龍園を意識しています。
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