他の話にもこれから付けていきます
テスト返却日の翌日の放課後。特に用事もないので、家でオンライン将棋とか筋トレをしていた頃。俺の部屋に櫛田が来た。言っとくけど、俺は誘ってない。つまり…女の子が向こうの方から俺の部屋に来た…!
「一体何の用だよ?」
いや、待て。早まるな俺。テスト前日に会った時はヒロイン化が上手くいってなかったじゃないか。だが。だが!もしもということも………
「金返せ。後、昨日のことを聞きに来た。どこからどこまでがアンタの計算通りだったの?」
はい、ありませんでしたー。うん。いやね、うん。分かってたよ、うん。
「なんだ。そんなことか…」
「何でそんな残念そうにしてるのよ?」
素で不思議そうに首を傾げる櫛田。可愛い。あざとい。
「……別に。気のせいだろ。ポイントの方は今返してお前がポイント持ってることバレたらどうすんだよ?お前のキャラ的に須藤救出でポイント残しとくのはキャラ的に不自然なんじゃないの?」
「それは大丈夫。他クラスの友達から借りたってことにするから」
流石、人気者ですな。
「便利な言い訳だな。ていうか、実際どれくらい須藤救出にポイント出したんだ?」
「4万ポイントくらいかな」
「おー。そこら辺はしっかりしてんだな」
こいつは8万prは確実に持っている筈だ。だが、全額送れば平田にだけだが、櫛田が不自然にポイントを持っていることがバレる。それを上手く避けたらしい。
「当たり前でしょ」
確かに。櫛田は何だかんだ優秀だしな。そこら辺は言われるまでもないか。
俺は櫛田に4万pr送る。
「送っておいたぞ」
「ありがと。で、もう一個の用件に移りたいんだけど、アンタの中ではどこからどこまで計算通りだったのよ?」
「どこから、か…」
俺は頭を切り替え、中間テスト、言い換えるなら1巻の出来事を振り返ってみる。
「まず、俺の策が始まったのは櫛田が過去問を手に入れるとこからだ」
「えっ、そこから?でも私、過去問を手に入れたのはアンタからの指示じゃないよ?」
そういえばそうだった。カッコつけて、最初から最後まで全部計算通り、みたいなことするんじゃなかった。
「…まぁ、それはあれだ。ほらアレ。お前が過去問を手に入れてなかったら、俺から前日に渡していた。過去問の価値にはテストの告知の時に既に気付いていたからな」
「凄すぎない?」
フッ。上手くカッコつけることには成功したみたいだ。というか、将棋部の人たちに過去問貰わなくてもこいつから貰えば良かったな。たかが数万ポイントとはいえ損したな。
あと綾小路が過去問に気づいたことは伝える気ないのか?櫛田から見てまだ綾小路はノーマークってこと?
「それで、次の手はテスト前日にDクラスが過去問入手したことと成績上位者がポイントを手に入るようにさせたことだな。この一手には2つの意味があるんだが、分かるか?」
「えーっと…。1つ目は契約の時にアンタが得られるポイントを増やすためでしょ?
………2つ目は……何だろ、うーん。分かんないや。何なの?」
「2つ目は中間層の成績を上げることだ。赤点候補者は過去問を前日に手に入れれば必死に勉強するだろ?でも中間層は?
既にある程度はテストに余裕があったのに過去問なんて手に入れたらちょっと過去問見直すだけで確実に赤点取らないだけの点を取れるだろ。
でも点数が9割以上に報酬が与えられることになったら中間層も必死に勉強するだろ?
そしたら、改めて赤点候補者は赤点の可能性が高くなる」
「あー。確かに。じゃあ、2つ目は誰かが赤点を取る確率を上げるためってこと?」
「そういうことだ」
まあ、須藤が退学になることは既に知ってたんだけどな。
余談だが、こっちの世界のDクラスの英語の平均点は80.7。赤点ラインこそ変わらないが、平均は伸びていた。まあ、どうでもいいことだけどね。貸すポイントが10万増えたって返って来さえすれば俺のポイントは変わらないし。
「そして最後はお前も知っての通り赤点を取り消す方法を教える代わりに大量のprをゲット、だ」
「私にDクラスのポイント総量を調べさせたのもそのためよね?」
「そうだな。というか、それが一番はじめだな。櫛田が過去問手に入れる前に調べ始めさせたんだし」
「そういえばそうだね。じゃあ、結局アンタは私とスパイ契約を結んだ時からあの状況を想定してたってことでいいの?」
「その認識で問題ないぞ」
「ヤバすぎでしょ」
原作知識があったからここまで上手く立ち回れただけだ。まあ、こんなことを櫛田に言える筈もないが。
「そういえば、50万pr払うことができたのは櫛田のおかげだってのはDの奴らに遠回しに伝えたのか?」
「うん。アンタが一昨日言ってたむしろ感謝されるってそういうことでしょ?
私が『須藤君が助かったのって成績いい人たちがpr貰えるようになったおかげだよね〜』
って言ったら、あいつら簡単に騙されて
『じゃあ、先生に成績が良い人達がポイント貰えるように頼んだ桔梗ちゃんのおかげじゃん』
『確かに』『ナイス櫛田ちゃん』
とか言ってさ〜。笑っちゃうよね。全部こっちの思い通りなのに」
やめたれ。入学1ヶ月で1000cl溶かすような不良品だぞ。ヤンキーなCクラスよりよっぽどアタオカなやつらだ。
「そういえばさ。もし須藤君が赤点取らなかったら、今回アンタが考えてたことは全部無意味だったの?」
「もし今回赤点者がいなかったら、期末テストで3バカを赤点にさせてたつもりだ」
「どうやって?」
「期末は恐らくだが過去問に価値はない。つまり純粋な学力で赤点を乗り切らなければならないといけないんだ。だが、そこで過去問を3バカだけに渡す。櫛田が『確実に3人が退学しないように3人にだけ過去問を渡して他の人にはワザと渡してないの。だから他の人には言っちゃダメだよ?』とか言って口止めさせてな。試験週間よりずっと前に渡せばアイツら勉強サボるだろ?もし、過去問を使っても意味なし。まあ、過去問があると思って油断してるのが、他の奴らにバレないようにする必要があるわけだけど。それについては櫛田が3人と勉強会と称して意味ない過去問を暗記させとけば良い。アイツらがうっかり口を滑らせなければ、櫛田が勉強を見てるから余裕がある、って風に勝手に勘違いしてくれるだろ。…まあ終わった話してもしょうがないか」
即興で考えたけど、そんなことしたら櫛田の株が落ちまくるな。使えねえ作戦だわ。
「そうだね。でも、やっぱりアンタ凄いわ。簡単に誰かを退学に追い込む策を思い付くんだもん」
凄くねえぞ。お前の信頼が地に落ちるような作戦だ。
「褒め言葉として受け取っとく。でもまあ、実際成功するか分かんないし。所詮妄想の域を出ねえよ」
「この感じなら、簡単に堀北も退学にできそうだね」
かわいい声して怖いこと聞いてきやがる。
「それなんだけどさ。ホントにやる気なの。堀北を退学させたい理由って何なの?」
「それ言わないとダメ?」
こてんと首を傾げる。かわいい。クソッ。そうじゃなくて。
「…大事なところはボカしていいから、簡単に教えてくれ」
既に知ってるけどな。知ってたらおかしいことはちゃんと聞いて整合性を取るようにする。
「あんま言いたくないんだけど。…まあ、いいよ。特別に教えてあげる。特別だよ?」
そんなに『特別』を強調するな。ドキドキするだろ。こいつたまに闇の時もそういうムーブかましてくるんだよな。ワザとだと分かっていても胸が高鳴ってしまう。
「アイツは私の同中で私の過去を知ってる。だから誰かに喋られる前に退学にしたい」
「あー。そういうこと。でもさ、堀北だろ?ホントに櫛田の過去を知ってんの?アイツ絶対他人に無関心で知らないってこともあり得るんじゃないの?」
俺がわざわざ既に知っている堀北を退学にさせたい理由を聞いた訳。こうやって説得するためだ。
「確かに。アイツが私の過去を知ってる保証はない」
お?割と簡単に行けそう?
「なら…」
「でもアイツが過去を知らない保証もない」
チッ。そう簡単じゃねえか。
「いや、絶対知らないと思うよ。俺が断言する」
とりま、ここでなんとか説得して、堀北退学を諦めさせたい。堀北退学とか面倒くさすぎるんだよ。何が面倒って綾小路がバックにいるのがマジでだるい。もし、綾小路がいなければ堀北退学は余裕なんだが。
「何を根拠に?」
「………」
根拠は原作に書いてありました、なんて言える訳がない。
チクショウッ。反論が出てこねえ。
「だよね?確かに私もアイツは私の過去を知らない可能性の方が高いと思う。でも1%でもアイツが知ってる可能性がある限り、アイツを退学させないと私の平穏な学校生活は戻ってこない」
さいですか。これは説得無理そうだな。これなら綾小路に邪魔されないようにあっちを説得する方が楽だな。
「…分かった。一応だが、アイツを退学にさせる策は1つ思いついてる」
「ホント?!」
そう言って櫛田が俺にガバって抱きついてきた。パイが!俺の胸のあたりにパイが当たってる!
すごい。やばい。超ヤバい。…ダメだ。語彙が飛んでいく。
「ありがとう〜。ふふっ。これで私の平穏が戻ってくるんだ。アハハ。サイコーの気分」
櫛田が抱きしめる力を強めてくる。生きてるか、俺の理性。耐えろ。耐えてくれ。
「あっごめん」
我に返ったのか櫛田が俺を解放した。いや、解放せんでも良かったのに。いや、それだと俺の理性が死んでだかもな。
「…何露骨に残念がってんのよ」
「いや、暖かかったな〜。と思いまして」
柔らかかったとか言ったら確実に引かれる。それだけは避けねば。あったかいってのはほらアレ。体温の話だから。セーフ。
「ふう〜ん。なら、もう一回抱きしめてあげよっか?」
「えっ!?」
は?えっ?どういうつもりだ?もう我に返った後だよな??
まさか、素で俺のことを………
「どう?暖かい?」
なんて考えている暇はなかった。さっき咄嗟に柔らかいじゃなくて暖かいと言ったがそれは嘘ってわけじゃない。気持ちのいい温もりを全力で俺は堪能する。ついでにパイが当たってる辺りには神経を全集中させる。
「ねぇ、どうなのよ?」
少し心配そうに上目遣いで聞いてくる。やめて。なんかあげたくなる。でもなんだろ?なんかちょっと素っぽいんだよな。ナチュラルあざとい所もあるってこと?それって最強じゃね?
「う、うん。あったかい」
やばい。それしか言葉が出てこないけど超ヤバい。見てるか、池、山内。お前たちの櫛田は俺が貰った。悔しかったら山内は明日までに退学しといてください。
「そっか。えへへ。」
てかホントどうしたんだろう、こいつ。こんなキャラじゃないよね。いや、原作でも船の時に綾小路に抱きついたことはあったけど、あれは龍園との密会がバレないようにするためだろ?今はなんでこんななんだ?
数十秒くらいしたところで、流石に恥ずかしくなってきたので解放してもらった。
「えっと…何の話だったけ?」
「堀北を退学させる方法について」
こいつ、なんでそんなに何事もなかったかのように対応できるんだ?やはりビッチか?
「ああ〜。そうだったそうだった。肝心の退学方法は……自主退学させることだな」
我ながら最低の策を思いついたと思う。だが、堀北を潰せば櫛田を通してDクラス全体が手に入る可能性がある。
櫛田の好感度稼ぎ以外に堀北退学には価値がある。
ん?まず好感度稼ぐ目的で気軽に人を退学させるなって?
「どうやって?あいつが自分から退学なんてすると思えないんだけど」
「まあ、いきなり全部話してもしょうがない。とりあえず、堀北退学に必要な条件が2つある。」
「何それ?」
「堀北にだけ櫛田がDクラスにとっての敵である、と認識させることと、実際にDクラスが櫛田のせいで負けることだ。」
「2つ目はともかく、1つ目は難しそうな条件だね。堀北にだけってのが」
2つ目を難しくないとか言うつもりか?Dクラスには養殖天才の綾小路様がいらっしゃるんだぞ。
「それに関してはまず実際にDクラスが負けたところで堀北と2人っきりになって堀北を退学させるって宣言すればいいと思う。Dクラスを追い込むタイミングは俺が指示するから安心しろ」
「なるほどね。上手く退学に出来るんだよね?」
上目遣いで聞いてくる。あざとかわいい。内容は酷いけど。
てかこいつ、やっぱナチュラルあざとい成分もあるよな?
「そこは任せとけ。ただ、退学させるまでの期間だけど、半年近く掛かると思う」
堀北を退学させるために俺はあの特別試験を利用するつもりだ。あの特別試験があるのは大体半年後くらいのはず。それまでに大量のポイントを集めとかないとな。
「そんなに掛かるの?」
「人1人退学させようってんだぞ。しかもコミュ力がゴミなだけで他のスペックは高い生徒を。それくらいの期間は必要に決まってんだろ。まあでも、逆に言えば半年以上かかることはないと思ってていいぞ」
「そ、出来るだけ早くしてね」
それって特別試験の日程早めろってことやぞ。無茶言うな。まあ、知らないからしょうがないんだけども。
櫛田side
あれからアイツの部屋で少し談笑した後、私は自分の部屋に戻って布団にくるまっていた。まさか私がこんなことやるなんて思ってもみなかった。
「なんであんな恥ずかしいことしちゃったんだろ……」
そう呟いて私はさっきアイツを抱きしめたことを思い出していた。
あの時の私はテンションがおかしかった。ついにあの憎き堀北を退学に出来ると知って、ついテンションが上がってしまったのだ。
「何が『もう一回抱きしめてあげよっか?』『暖かい?』よ」
自分のさっきの言動を思い出して恥ずかしくなる。十数分前の自分を殴りたい。
てか、アイツも断れよ。いや…私からのハグなんて断れる筈もないか。
アイツは頭が良くて凄い冷静に見えるけど、実はむっつりだ。出来るだけ意識しないようにしているんだろうけど、たまにチラッと見てくる。まあ、池君や山内君みたいに遠慮せずにガン見してくる訳じゃないのでまだ許せるけど。
あいつらはマジでキモい。女子の気持ちを考えたことはないんだろうか?よくあれで彼女が欲しいとかいえたものだ。
まあ、あんな奴らはどうでもいい。
今は服部君の方……。ていうか服部君、結構ガッチリしてたな。スポーツできないインテリかと思ってた。部屋見た時に、ダンベルとかサンドバッグとか見えたし結構鍛えてるんだろうな。
今度頼んだら腹筋とか触らせてくれるかな?
後、なんか凄い良い匂いもした。石鹸みたいな香り。香水でも付けてるんだろうか。ポイントもあるだろうし、結構良質な生活してるんだろうな。カーペットとか、ベッドとかなんか高そうなやつだったもん。そういえば、部屋全体もなんかいい香りがしたな。今度理由付けて遊びに行こ。
ぶっちゃけ、一回目に抱きしめた後、ハイテンションは半分くらい収まってた。2回目に抱きしめたのはもう一回あのガッチリした身体を触って、あの匂いを堪能したかったってのもちょっとある。
…………………いや、これじゃ私が変態みたいじゃん!!
違う!違う!
私は別に筋肉フェチでも匂いフェチでもない!
私が2回目に抱きしめたのも全部ハイテンションのせいだ。そうだ、そういうことにしよう。
「はあ……」
なんか疲れた。これは恋なんだろうか。いや、それはない。断じてそれはない。絶対にそれはない。天地がひっくり返ってもそれはない。
というか、そもそも私はこの学校の3年間では誰とも付き合う気はない。誰かと付き合えばそれだけで周りの男子からの人気が落ちるから。
「でも……」
この先、この学校を卒業して大学生になって、大人になってもそれを貫くのか?
いや、それもないな。独身なんて人生の負け組に落ちるつもりはない。
その時の相手は誰がいいんだろうか。
その場で見つけるってのも私なら可能だろうが、せっかくなら人生で会った中で1番良い男がいい。
そう考えて真っ先に思い付くのはやっぱり服部君だ。
私の弱点に気づきスパイ契約を結んだことや、契約を結ぶ際に私の過去を具体的に知らなかったのにあそこまで事を運んだ手腕。
今回の中間テストで50万ポイントを稼いだ件もそうだが、あの頭のキレは私の今までの人生で知る中で服部君以外いないだろう。
…変人の高円寺君は分からないけど。でも、あいつはそもそも前提として変人すぎるから無しだ。私の手に負えない。
やっぱり服部君が1番いいかな。1番大事な、私の裏の顔を知っても否定しないっのも好ポイントだ。
なら今の内に堕としとくのもありかも♪
そうだ。今回私が服部君に抱きついたのも全部、服部君を堕とすための作戦だ。うん、さすが私♪
…………………………………言い訳とかじゃないから。
久しぶりの更新なのに振り返り回ですみません。
櫛田は原作で綾小路にも抱きついてますが、その時と反応が違うのは、単純な好感度の違い(裏の顔を知られ仮敵認定で、根暗扱いの綾小路。一応味方で、頭のキレ(ズル)という点で評価されてる服部)
と、あと匂い。
あとは主人公補正ですかね。(???綾小路も主人公だよね???)
櫛田が言ってた(考えてた)独身は負け組というのは決して作者の意見じゃないのでそこのところはご了承下さい。
あと、初めて他人視点を書いてみましたがどうでしょうか?
高評価と感想をくれーーー!!!!
p.sアンケート取ります(3と4のやつは主人公は退学しません)
堀北の未来
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主人公の策略によって退学!
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ハーレムの一員に
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逆に綾小路にやられて櫛田退学
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逆に綾小路にやられてB組の誰かが退学
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櫛田と堀北の和解エンド