原作いなこんの妄想アフター話です。大分前にArcadia様にて投稿しておりますがせっかくなのでこちらにも投稿させて頂きました。

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原作既読推奨です。登場人物の年齢は確かなことは載ってなかったと思うので適当にてけてます。


いなこんアフター

「かみさまぁ~?」

 

「うんっ!かみさまおった!!」

 

 普段から一本頭のネジがはずれた残念な子だと思っている少女からの言葉に、僕は今度はいつもよりぶっ飛んだことを言い出したとため息をついた。

 

「…あほらし」

 

 早々に話に付き合うのをやめ、勉強の続きを始める。

 今年で僕も中学二年生。勉強が難しくなってくる時期であり、成績優秀者で通っている僕としてはこの少女の馬鹿な話に付き合って学力を低下させるわけにはいかないのだ。

 

「あー!信じてへんなー!!うそやないもんっほんとにかみさまおったもん!!」

 

「ほーへー。そらすごいなぁ」

 

「むむぅー!お兄ちゃんのあほー!!なんでしんじてくれへんの!ブログにへんなこと書いてるくせにー!!」

 

「ちょっ!紅里っおまえなんで知って…!?」

 

 ぼ、僕のブログ『暗黒紅蓮幻想協奏曲』の存在は誰にも言ってないはずなのに…!?

 

「おかあさんからきいた」

 

「姉ちゃーーーーーーーーーーん!!」

 

 ここで僕こと伏見燈日と目の前の少女、丹波橋紅里との関係について説明しておこう。

 僕たち二人は年齢的に少し変わった関係にある。

僕が13歳、紅里が8歳。

 これだけ聞けば兄妹だと思われるのだが、苗字が違うことから兄妹ではない。

 だが家族でないかと聞かれればそうでもないと言える。

 

 僕には年の離れた姉がいて、姉の名前が旧姓・伏見いなり。現在の名前が丹波橋いなり。

 その子供が目の前にいる紅里なのだ。

 つまりは僕と紅里の関係は叔父と姪だというわけだ。

 だがお互いに年も離れていないこともあり、叔父と姪ではなく兄妹のような関係になっているのである。

 家も歩いて5分と近くにあるしね。

 

 それにしても姉ちゃんにブログの存在をしられていたとは…。

 

「紅里、そのこと誰にもいっとらんやろなあ?」

 

「へ?うん、たぶん」

 

「よっしゃ!…ええか紅里、このことは絶対誰にも言ったらあかんぞ」

 

「なんで?」

 

「なんでもや!ええな、兄ちゃんとの約束や」

 

 紅里はしばらく考えたあと素直にうんとうなずいた。

所詮は子供、ちょろいもんだ。

 と、思っていたのがいけなかったのか…

 

「じゃあおにいちゃん、あかりといっしょにかみさまにあいにいこうっ!」

 

「はぁ?なんでそんなめんどうくさいことせなあかんねん」

 

「おじいちゃーん!おにいちゃんのブロ「わーーー!何しとんねんあほー!?」」

 

 下にいる父さんの所へ行こうとした紅里をあわててとめる。

 すると紅里はにやりと意地の悪い笑顔を浮かべこっちをみた。

 

「いっしょにあいにいってくれるよね?」

 

「………お前のその顔、姉ちゃんにそっくりやわ」

 

 僕には白旗をあげることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、燈日君。どっかいくん?」

 

 トイレに行った紅里を放って先にリビングに下りると母さんがいた。

 そしてそこにはもう一人…

 

「お邪魔しとるで、燈日」

 

「白兎さん、こんにちは」

 

 姉ちゃんの旦那さんである丹波橋紅司さんの弟である丹波橋白兎さんがいた。

 白兎さんは現在大学生で落ち着いた大人の雰囲気を持っている。

 そんな白兎さんに僕は密かに憧れている。

 

「で、着替えてるけどどっか行くんか?」

 

「あ、はい。紅里とちょっと」

 

「もしかして稲荷神社に?」

 

「あ、知ってるんですか?」

 

「ふふ、紅里ちゃん、ずっとその話をしてたから」

 

 と、母さんが笑みを浮かべて言う。

 白兎さんもその時の光景を思い出したのか笑った。

 

「兄ちゃんやいなりさんからも言われたよ。家でもずっとその話らしいで」

 

「かみさまおったー!ですか?」

 

「そやそや」

 

 その光景が目に浮かびあきれる。

 きっと疲れただろうなぁ姉ちゃんと紅司さん。

 

「でもやっぱり、いなりちゃんの子供なんだなぁって思うな」

 

「どういうこと、母さん?」

 

「いなりちゃんも紅里ちゃんのときぐらいやったかな?

同じことがあったんよ。かみさまおったーって」

 

「へー姉ちゃんが」

 

 これはいい話を聞いた。

 今度あったらブログの恨みと一緒にからかってやらないと。

 しっかし姉ちゃんも紅里も子供だな。

 

「神様なんておるわけないのにな」

 

 苦笑とともに同意が得られると思っていたのに、二人から帰ってきたのは違う反応だった。

 

「そんなことないよ。神様はおる」

 

「はぁ?何いっとんねん母さん。神様なんておるわけないやろ?それとも母さんは神様を見たことでもあるんか?」

 

「見たことはないけど、いるとは思っとるよ」

 

「し、白兎さんは?」

 

「ま、神様はみたことはないなぁ」

 

「ほらっ」

 

「でも、いたらええなとは思ってるよ」

 

 そういってニコニコと笑う母さんに白兎さん。

 

「…二人ともわけわからんわ」

 

 二人の反応に少しショックをうけていると、後ろからトテトテと足音が聞こえた。

 想像通りに紅里が元気な顔でリビングに現れる。

 

「おにいちゃんおまたせっ!いこう!!」

 

「……手、ちゃんと洗ったんか?」

 

「うん!」

 

 やる気とテンションが大分下がってしまったが、ブログをたてにされては今更断るなんてことはできない。

 しぶしぶ紅里の手を引いて出かけることに…。

 母さんの気をつけてねーという言葉を背にリビングから玄関まで移動する。

 靴を履き、よたよたと靴を履く紅里を待っていると白兎さんが声をかけてくれた。

 

「燈日」

 

「何、白兎さん?」

 

「さっき神様はみたことないっていったことやけどな」

 

「うん」

 

「神様かどうかはわからないけど、人に化ける狐にはあったことあるんやで俺」

 

「へ?」

 

「二人とも気つけてな」

 

 ぽかんとする僕を残して白兎さんは再びリビングへと戻っていった。

 そのまま紅里に腕を引かれるまで、僕はそこで立ち止まったままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここ!ここにかみさまいた!!」

 

「ふーん」

 

 いま、僕たちは伊奈里神社の境内に続く鳥居が立ち並ぶ道の途中にいた。

 どうやら紅里がいうには、ここで神様にあったらしい。

 

「ねこおってな、たすけてくれた!」

 

「ねこねぇ…」

 

 たとえば誰かもう一人神様を見たって人がいれば少しは考えるんだけど、見たのがアホの紅里と猫一匹じゃ信じる気がまったく起きない。

 

 そもそも神様なんて馬鹿げた存在は自分の目で見でもしない限り信じることなんてできそうもない。

 

「なぁ紅里」

 

「ん?なにおにいちゃん?」

 

「そもそも神様にあってお前どうする気なんや?」

 

「ねこたすけてくれたおれいいって、ともだちになる!!」

 

 元気に即答してくれた姪。ていうか神様と友達ってどれだけ不敬なんだ?

 あー、早く帰りたい。勉強しないといけないのに…。

と、気を抜いたのがいけなかったのだろう。

 

 ふと、目の前にふらりと一匹の猫が現れた。そしてその猫をみて紅里の目が大きく輝いた。

 

「あっ!あのときのねこ!!」

 

 その大きな声に驚いたのだろう。

 猫はビクッと体を震わせると茂みの中へと逃げる。

 

 まずい。と思ったときには遅かった。

 

「あ、まってー!!」

 

 紅里は逃げた猫を追ってあっという間に茂みの中へと消えてしまった。

 

「え、あ、え、………えええええええええええええ!?」

 

 やばいやばいやばい!

 固まった体を無理やり再起動させて、僕も紅里を追って茂みに入る。

 だが止まっていた時間が長かったのか紅里がすばしっこいからなのか、既に視界から紅里の姿はなかった。

 

「くそっ、あんアホ…!紅里ー!どこやーー!!」

 

 だからといって諦めるわけにもいかず、必死に茂みを掻き分けて紅里を探す。

 あいつはまだ8歳、迷ってしまったらきっと一人では戻ってこれない。

 だから何としても僕が探さないと…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから暫く僕は紅里を探し回った。

 だが、一向に見つかることはなく時はたち、気がついた時には僕はすっかり―――迷子になっていた。

 

「う、うそやろ?僕、今年で14やで?

それやのに迷子って…迷子って…」

 

 orz状態になり僕は震える。

 もともと僕はこの神社が好きなほうではなかった。

 なんとなく誰かに見られていていい気がしない場所であり、気味が悪いところだったからだ。

 そんなわけでこの場所に詳しいわけもなく、そんな場所で茂みに入り、道とはいえない道を走りまわっていたのだ。

 そりゃ迷子にもなるだろう。

 

「く、くそー。紅里ー、おるんかー?」

 

 弱弱しく紅里を呼んでみるも返事が返ってくるわけもなく、木々のざわめきが耳に聞こえるだけだった。

 

 

 そしてこの木々のざわめきってのがいけない。

 こんな人気のない場所で一人でいるとその音がとても不気味に聞こえてくるのだ。

 神様ではなく幽霊なんかが出てきそうで…。

 

「紅里のアホー…。絶対後で拳骨くらわしたる……!」

 

 自分が迷子になってたんじゃ紅里を探すこともできない。時間的にもうすぐ日が暮れはじめるころだろう。

 そうなると本格的にやばくなってる。神社の茂みで遭難なんて冗談じゃない。と―

 

 がさっ!

 

「っ!?」

 

 物音がなり顔を上げる。

 しかし風か何かで音がなったようで視線の先には何もなかった。

 

「なんや気のせいか…驚かすな………や……」

 

 言葉がとまる。

 

 気のせいだと思っていた視線の先。木の間からスゥーっと浮かび上がる影。

 

 それは銀髪の女の人だろう影。

 

 だが、この薄暗い森の中、その姿はもろ幽霊のような存在に見えた。

 

「や「ぎゃああああああああああ!でたーーーーーーーーーーー!!!?」

ちょ、なんだか懐かしいなその反応!?」

 

 何か言っていた気もするがそんなこと頭にはいるわけもなく、僕は一目散に逃げ出した。

 そもそも幽霊がしゃべるわけないし!

 そもそも幽霊なんていないし!!

 

 暫く走りまわった後、疲れた僕は足を止めて息を整える。

 

「な、なんやったんや今の…」

 

 それからまた回りを見て僕はひざをついた。

 

「もう、ここがどこかわからん……!!」

 

 そう、相変わらず迷子は続いている。

 幽霊もどきのせいで今自分がどこにいるか全くわからなくなってしまい、状況は更に悪化してるといえるだろう。

 

 本当にどうしたら―…

 

「おーい、だ「ほんぎゃあああああああああああああああ」

ってまたか!!」

 

 今度はいつの間にか横ににゅるっと現れた幽霊から逃げる。

 ていうか何でいるんだよーーーーーーーー!!?

 

 それからというもの…

 

「まずはな「いやあああああああああああああああ」

だから待ってって!」

 

「そろそろ話を「うぎゃあああああああああああ」

聞けよ!!」

 

 幽霊はしつこく僕を付回し続けた。

 何度も幽霊は僕に話しかけようとしていたが、そのどれもを無視して逃げ回った。

 だって幽霊の声にこたえると自分も幽霊にされるって何処かで聞いたことあるし!!

 

 そしてそれ以降も僕と幽霊の追いかけっこは続き、気がついた時には既に時間は夜になっていた。

 

 長時間走り回ったせいで足は疲労がたまり、たまらず気に寄りかかり座り込む。

 

「いったいここは何やねん!こんな神社二度とこうへんからな…!!」

 

 膝に顔をうめ丸くなる。

 夜の暗闇が心を寂しくさせた。

 

「僕、家かえれんのかな……?」

 

 どんどん心が弱っていくのがわかる。

 でも、それをとめる方法がわからなかった。

 

「父さん、母さん……心配しとるかな?」

 

 こんなに両親の顔がみたいと思ったことは初めてかもしれない。

 父さんの明るい声が、母さんの暖かいご飯が頭をよぎる。

 涙が出そうになるのをぐっとこらえる。泣いているわけにもいかないからだ。

 

「紅里、探さんと…」

 

 きっとあのアホな姪は僕以上に震えていて、泣いているだろう。

 だから早く探さないといけないのだ。

 

 なんとか気合を入れて立ち上がる。

 そして歩きだそうとした時、急に肩に手をおかれた。

 

「おい「ひぎゃああああああ!」待てアホ」

 

「ぎゃんっ!」

 

 逃げようとしたが、おでこに衝撃を受けこける。額に手をあて慌てて身を起こし顔を上げる。

 

 するとそこにいたのは女の幽霊じゃなかった。

 

「落ち着いたか?」

 

 そこにいたのは近くの高校の制服を着た男の人だった。

 どうやら僕は彼にチョップをされたようだ。

 

「え、あの、あなたは?」

 

「……お前の妹に頼まれた。確か紅里、だったか?」

 

「っ!紅里を知ってるんですか!?」

 

「お前と一緒で茂みの中で迷ってるのを俺のよ……彼女が見つけてな。

それでお前のことを聞いたんや」

 

「じゃ、じゃあ紅里は!」

 

「おう、俺の彼女と今おるよ」

 

 その言葉を聞いて僕は地面に座りこんだ。

 安心して力がぬけてしまったのだ。

 

「よ、よかったー」

 

「安心したのはわかったからはよ立て、さっさとこっから出るぞ」

 

「あ、はい!」

 

 そうして僕は男の人につれられて無事、元いた鳥居まで戻ってくることができた。

 

「お前の妹は俺の彼女と一緒に境内におるようや、お前の妹がお参りしたいんだと」

 

 というわけで境内まで男の人と一緒にいくことに。暫く無言で歩く。

 ちらりと男の人の顔を見る、その顔はなぜか誰かに似ているような気がした。

 

「なんや?」

 

「あ、いや!そ、そうだ名前。僕の名前まだ言ってなかったですよね」

 

「燈日」

 

「え?」

 

「伏見燈日やろ?聞いとる」

 

 どうやら紅里から名前を聞いていたみたいだ。

 でもなぜだろう。僕の名前を呼ぶ彼の顔はなんだか不思議な表情をしていた。

 

「あの、あなたの名前は?」

 

「………お前、両親とは仲がええんか?」

 

「え?あ、はいそうですね。悪くはないと思いますよ」

 

「そうか」

 

 名前を聞いたのに違う話をされ戸惑ったけど、それも彼の顔を見て気にならなくなってしまった。

 彼には関係ないはずなのに、僕と両親の話を聞いてとてもやさしい表情をしていたから。

 

 それから少しの間、僕は僕の家族のことを彼に話した。

 両親のこと、アホな姉ちゃんのこと、実は妹ではなく姪である紅里のこと。

 その話を彼はやっぱり暖かい表情で聞いてくれた。

 

 そして―

 

「おにいちゃん!」

 

「紅里!!」

 

 紅里が僕に抱きついてくる。僕は紅里の姿に安心してやさしく抱きしめた。

 本当に無事でよかった。

 

「そっちも無事だったみたいだね」

 

「ああ」

 

 と、彼に声をかけた人物に目をやる。

 その人は長い黒髪を靡かせ、着物をきたきれいな女の人だった。

 きっとこの人が彼の彼女なんだろう。

 

「あ、あの。ありがとうございました!こいつが迷惑かけてしまって!」

 

「いや、紅里のほうは苦労しなかったよ。……むしろ苦労したのは君のほうだ」

 

「え?」

 

「いや、何でもないよ」

 

 最後のほうは小声で聞き取れなかったが、なんだか疲れた顔をしたので紅里が迷惑をかけてしまったのだろう。

 後で説教だな。

 

「ほら、もう帰ったほうがいい。ご両親も心配しているだろうから」

 

「あ、はい。そうですね…って、何をしてるんですか?」

 

 いつの間にか紅里は僕から離れ、彼の傍にいた。

 そしてどういう流れかわからないが、彼が紅里の頬をむにゅーっと引っ張っていた。

 

「いや、懐かしくてつい」

 

「懐かしくて?」

 

「なんでもない、気にするな」

 

「はぁ」

 

 引っ張られた頬が痛いのか頬を抑える紅里を見て、密かに僕も今度やってやろうと心の中で誓う。

 

「あの、何かお礼をさせてくれませんか」

 

「いらん」

 

「即答!?いやでも、本当に助かったのでせめて何か」

 

 僕も紅里もあのままじゃどうなっていたか本当にわからない。

 だから何か恩返しをしたかった。

 

 それ以上にこの人たちとこれっきりというのが何故かとても嫌だった。

 

「お願いします。何でもいいからお礼をさせて下さい!」

 

「…………」

 

「だめ…ですか?」

 

「……稲荷寿司」

 

「え?」

 

「この神社におる神様が好きな食べ物なんや」

 

「は、はぁ」

 

 なんで神様?僕はただお礼がしたいってだけなのに?

 

「それをこの神社にお供えしにきてくれるだけでええ」

 

「…そんなことでええんですか?」

 

「俺らはこの神社縁のもんでな、それだけでも十分や」

 

 彼の隣にいる彼女もやわらかく頷く。

 

「ま、乙女ゲームでも喜ぶと思うけどな」

 

「ばっ!それは卒業したって言っただろう!!」

 

「箪笥の上から二番目」

 

「な、なんでそれを!?さ、さてはコンがしゃべったんだなー!!」

 

 そして始まる痴話げんか。呆然とそれを眺めていると彼が苦笑して謝る。

 

「すまんすまん。でもそれ以外のお礼はいらん。

だからどうしてもっていうならお供えしてくれ」

 

「わ、わかりました。今度母さんに頼んで作ってもらいます」

 

 それしか受け取らないというなら、かなり気になるお礼のしかただが仕方ないだろう。

 なんだか適当にあしらわれたのかと思ったが、勘違いだとすぐにわかった。

 

「そうか、それは最高のお礼や」

 

 本当に嬉しそうに笑ったのだから。

 

「あの、それから最後に名前を―」

 

「紅里ー!燈日ー!!」

 

「あ、おかあさんだー!!」

 

 その声に反応した紅里が声の主に向かって走り出す。僕も顔を向けるとまだ小さいがそれが姉だとわかった。

 

「迎えがきたみたいだし、行ったほうがいいんじゃないか?」

 

「そうしろ。…しかしアイツに呼び捨てにされるとは」

 

「え、でも…名前……」

 

「また会える」

 

「……本当ですか?」

 

「ああ、会いたいと思えばいつだって」

 

 その顔がとても真剣で信じられる顔をしていたから…

 

「ほら、はやくいけって」

 

「……はい。」

 

 僕はもう一度大きく頭を下げて姉の元へ駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

「…いなりに会わなくてよかったのかい?」

 

「ああ、アイツにも言ったけど会おうと思えばいつでも会えるからな」

 

「そうだね」

 

「…なぁ」

 

「ん?何?」

 

「手、つないでいいか?」

 

「…うん、もちろん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰り道、僕と紅里は姉からきついお叱りをしっかりとうけていた。

 紅里なんてシュンと落ち込んで僕の隣をトボトボと歩いている。

 

 と、そこで僕は気になっていたことを紅里に聞いた。

 

「なぁ紅里、神様にはあえたんか?」

 

 紅里はその言葉を聞いて、落ち込んだ顔からキラキラと輝く顔へと変化させ答えた。

 

「うんっ!かみさまいたー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わり。

 




なんとなく投稿。ここまで読んで頂きありがとうございます。

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