何でも出来る便利な個性:数学で送るハーレムライフ 〜シリアス添え〜   作:きかじひ

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入学試験(その2)

“アキレスと亀”

 

 

昔、足がとても速いアキレスがいた。

そのアキレスが、100m先にいる亀に追いつけるかどうかを議論した時に生じた矛盾のことだ。数学の有名なパラドックスの1つだ。

 

例えば、アキレスは亀の10倍のスピードで走れるとしよう。

(そんな亀がいたら見てみたいがな、速すぎるわ)

 

アキレスが100m進む間に、亀は10m進む。

アキレスが10m進む間に、亀は1m進む。

 

これを繰り返せば、アキレスは亀に絶対に追いつけない。

実際には、そうじゃないんだけどな。

 

 

というパラドックスを応用して、オレに影響を及ぼす現象をオレに到達させないことに成功した。ただし、オレが現象を把握していないと発動しても意味がない。

 

今回は、偶然にも予測が当たり、ショートの氷だったので、事前に防ぐことが出来たのだ。通常なら、現象を見てからの発動になるからな。

 

この個性を発動したおかげで、なんとか足を凍らされずに済んだようだ。周囲を見渡すが、何が起こってるか把握できてない受験生が多い。数人は駆け出したようだが。

 

よし。とりあえず、乗り物の確保だな。

“単位ベクトル”

 

周囲を確認しながら走る。

 

多種多様な乗り物。

ただし、無事に返すこと……か。

 

それにしても、インゲニウム、ショート……

もう1人くらいは、個性大戦の有名人がいると考えていた方がいいな。

 

そんなことを考えながら、周囲の確認を続ける。

 

すると、

『カエシテホシクバ、タオシテカラダ』

『カエシテホシクバ、タオシテカラダ』

『カエシテホシクバ、タオシテカラダ』

と、電子音声が複数聞こえる。

 

おっと、赤目のロボットが3体お出ましか。

 

“流鏑馬”というテーマからすれば、乗車は必須。

ただ、個性の関係から乗ってなくてもよい。

けど、マイクロチップの挿入は必須。

そして、マイクロチップと乗り物、その両方の無事が求められている。

 

ロボットが向かってくる。

オレは、個性を解除し立ち止まる。

 

……目的はなんだ?

ここは名を知らないものはいない、超一流校。

雄英高校。

意味のないことは、絶対にない。

 

ロボットは《敵》……これは間違いない。

リンゴは、要救助者。人質と考えてもいいな。

 

とすれば、

マイクロチップは、守るべきもの。例えるなら、ヒーローではないもの。リンゴと同じで、要救助者か。すでに救助を終えた後に、新たな現場に急行したということか。

そして、乗り物は……マイクロチップを預けるもの。つまり、ヒーロー……なのか?

 

要救助者を預けた後、個性の都合上、協力してもしなくてもということか……?

 

ならば、マイクロチップを挿入する前ではあるが、人質を助ける必要がありそうだな。

 

そう考え、ロボットに近付くと、ロボットが逆走を始めた。




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