何でも出来る便利な個性:数学で送るハーレムライフ 〜シリアス添え〜   作:きかじひ

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ヒロイン?と青春するのはいつのことに、、、


入学試験(その5)

「なんで⁉︎」

 

リンゴを斬られたロボットが火を噴いている。

彼女に端正な顔が歪む。

 

「どうしてなの?ちゃんとリンゴだけを斬ったはずなのに……」

 

そう、彼女はリンゴだけを斬っていた。

到着したオレは個性を解除し、スケートボードを脇に抱える。

 

「見てたぞ。おそらくリンゴを破壊すると、ロボットが半壊するように作られていたんだ」

「そ、そんな説明なかったじゃない…」

「確かに。だが、質問をするチャンスはあった。深く考えなかったオレたち受験生の落ち度だ」

「じゃあ、リンゴを傷付けないようにすれば良いわけね」

「そうなるな。試してみるか」

 

 

オレたち2人は横に並び、ロボットたちの方を向く。

「ねえ、何が出来るの?」

「オレの個性は“数学”。やろうと思ったことは、なんでも出来る。あんたは?」

「また、あんた呼ばわり……私は、水流風香。個性は“流体”よ。よろしくね」

「オレは氷城風樹だ。よろしくな」

「あのロボットたち、止められる?」

「うーん。ある程度広さもあるし、30秒程度なら」

「十分よ」

「なら、任せときな。合図するからよ。“円のベクトル方程式”、“循環小数” 発動」

 

 

 

“循環小数”

 

突然だが、1÷7の答えを知ってるか?

そう、0.142857142857…の小数点以下の部分が繰り返すんだ。

つまり、循環小数というのは、ある桁から繰り返しになる小数のことなんだ。

 

この話の繰り返しという部分から、「範囲内にいる対象の数」÷「範囲を決めるまでの時間(秒)」×10 =「拘束(繰り返し)時間(秒)」という効果を生み出した。

ちなみに、単位計算バグってるとか、小数にならないじゃん、とかのツッコミは野暮だ。出来たんだから使ってるんだ。

 

 

閑話休題。

 

今回は、ロボットは9体。

ちなみに、範囲を決めるまでの時間とは、対象の周囲を1周するまでの時間だ。

スケートボードに乗り、“円のベクトル方程式”を制御しながら1周する、きっかり3秒。

 

「今だ、風香‼︎止まっている時間は30秒だ‼︎」

「馴れ馴れしい。風香さんでしょうが‼︎」

 

 

ローラーブレードを履いた風香が空を走る。

マジで、走っている。“流体”で固めてるのか?

 

「受け取ってよ?」

 

ロボットの頭上にあるリンゴを傷付けないようにそっと手に取る。

手に取る瞬間、まるでリンゴが取られたがっているかのように、ロボットから自然と離れる。

 

「あら、簡単に取れたわ」

と言うと、オレに渡し、次のロボットへ。

 

そうして、オレたちは9個のリンゴを獲得した。

 

「ありがとう」

「こちらこそ」

「さて、リンゴの分配はどうしようかしら」

「うーん。これからもロボットに遭遇するだろうし、とりあえず持って歩けば良いんじゃないか?」

 

 

 

「モブ共、試験会場で仲良しゴッコとは……」

ババババババ

 

連続した爆発音と共に、不意に声がかけられる。

「テメエら、プロ舐めてんのか?あぁん?」




“円のベクトル方程式”ってのは、円を描く移動をすること。
良い名前のアイデアあったら、教えて下さい!

ちなみに、“単位ベクトル”は真っ直ぐ進む移動をすること。
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