何でも出来る便利な個性:数学で送るハーレムライフ 〜シリアス添え〜   作:きかじひ

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ボチボチ終わりにしたい入学試験編。


入学試験(その6)

「あぁん?」

 

ダイナマイト。

正式なヒーローネームはもう少し長い。

が、短く呼ぶ人の方が圧倒的に多い。

 

 

そんなことはどうでもいい。

インゲニウム、ショート、あと1人くらいは、と想定していたが……これは、最悪の想定に近いな。

 

「どうして、ダイナマイトが⁉︎」

「インゲニウム、ショートと来れば、もう1人くらいヒーローがいてもおかしくはないさ」

と話していると、

 

「“閃光弾”」

ダイナマイトの掌が光る。

 

「どうした?戦場で≪敵≫は待ってくれないぜ」

 

しまった。プロヒーローの登場とあって、風香との会話に気を取られた。

 

「リンゴが2人で9個だってな。壊したの入れりゃ10個だ。少しは楽しませてくれよ‼︎」

 

ダイナマイトが掌から放つ爆破を利用して、接近してくる。

 

「オラオラオラ‼︎」

 

オレと風香が後退する。

 

その時、

『タスケテ』『タスケテ』『タスケテ』

『タスケテ』『タスケテ』『タスケテ』

『タスケテ』『タスケテ』『タスケテ』

と9体のロボットから、音声が鳴る。

 

どういうことだ。ロボットは≪敵≫じゃないのか?

 

「ヒーロー様よォ。助けを求める声が聞こえねえのか?逃げ続けて良いのかよ?」

ダイナマイトの猛攻は続く。足技を中心に襲いかかってくる。

 

「くっ」

「速いな (“アキレスと亀”を発動するタイミングが……)」

おそらく手加減はされている。ダイナマイトは、直接攻撃としては個性を使ってこない。にも関わらず、防戦一方だ。

流石に、学生時代に個性大戦を経験してないってことか。

 

 

ダイナマイトの猛攻を避けつつ、風香に話しかける。

「風香。オレを信じてくれるか」

「ここまで来て1人で逃げ出さないわよ」

「ありがとう、その言葉で十分だ。これから個性を発動する」

「何をするの?」

「簡単に言えば、状況を細分化することが出来る。ロボットは任せた、ダイナマイトは任せてくれ」

「分かったわ」

「行くぞ、“行列”発動」

 

 

 

“行列”

 

言うまでもなく、有名店に並ぶ時の行列ではない。

数学の行列だ。

 

連立1次方程式ってのは聞いたことあるだろ?

行列ってのは、その数字と文字を分けて考えて、数字の方だけを四角形の形に配置して考えることで、方程式の答えを簡単に求めようって考えだ。

厳密には、そこから始まる壮大な物語なんだけどな。

 

そして、四角形に配置した際には、横のまとまりに見ていた数字を、縦のまとまりとして見ることがある。

 

現在の状況で言えば、『ロボットとダイナマイト』と『オレと風香』というまとまりを、『ロボットと風香』と『オレとダイナマイト』というまとまりとして見たってことだな。

 

 

 

さて。

どうなるかというとーー

 

「行かせるかよォ‼︎」

ダイナマイトが風香に迫る。

その爆風で加速した足技が、風香のローラーブレードを狙う。

 

「“風……」

「そのまま進め‼︎風香」

「⁉︎ 分かったわ‼︎」

 

「何をゴチャゴチャと、言ってやが……る⁉︎」

間違いなくダイナマイトの足技はローラーブレードを捉えていた。

 

しかし、その一撃は何も破壊することなく、空振りしたのだった。




いよいよラストスパートです!
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