何でも出来る便利な個性:数学で送るハーレムライフ 〜シリアス添え〜 作:きかじひ
ダイナマイトの足が空を切った。
オレが発動した“行列”の効果によるものだ。
“行列”の最大の効果は、まとまりの組み替えを行った後は、まとまり同士はお互いに干渉できなくなるのだ。
風香はそのままロボットへと向かう。
「テメェの個性か?随分と立派な個性じゃねえか」
「お褒めいただき光栄です」
「全速力でテメェを倒す。気絶させりゃ、個性も解けんだろ。“爆速ターボ”」
「“アキレスと亀”(と“フィボナッチ数列”)」
ギリギリ発動が間に合う。ダイナマイトの爆速ターボからの足技はオレには届かない。
「⁉︎」
ダイナマイトの足技に合わせ、正拳突きを繰り出す。
“1、1、2、3……”
「なんだァ⁉︎ そのパンチは‼︎ やる気あんのかァ⁉︎」
分かってるさ、当たるわけない。
だけど、それで良いのさ。
“5、8、13、21、34……”
どちらも当たらない攻撃を何度か繰り返した時、ダイナマイトが我慢の限界を迎えた。
「ちまちまと面倒なヤツだなァ、おい‼︎ 気合い入れて、歯ァ、食いしばれよ……」
何かするつもりか。
掌から爆風を放ち、猛スピードで飛んでくる。
あれは、かの有名な……
「「“榴弾砲着弾”(か)」」
ダイナマイトに合わせ、個性を解放する。
「“フィボナッチ数列 55”」
左の正拳突きを繰り出す。
正拳突きに弾かれた空気弾が、ダイナマイトへと飛ぶ。
「クソナードの真似事かァ‼︎‼︎」
オレの空気弾を簡単に吹き飛ばし、榴弾砲着弾が炸裂した。
辺り一面が爆炎に包まれる。
爆風を受け、オレは吹き飛ばされた。
……相性悪かったな。空気は熱に弱いしな。
吹き飛ばされ意識を手放しながら、
「そこまで。試験終了だ‼︎‼︎」
「よく頑張ったね。全部見ていたよ」
というインゲニウムとウラビティの声を聞いた。
ーーーーーー
「うん?ここはどこだ?」
目を覚ましたオレの視覚は、見知らぬ天井を。
嗅覚は良い花の香りを。
聴覚は誰かの優しげな寝息を。
そして、触覚は何か柔らかな感触を、捉えていたのだった。
(うお⁉︎ これはまさか……)
柔らかな物体は、オレの二の腕付近で動いている。
どうやら彼女の呼吸に合わせて動いているようだ。
(せ、青春だ‼︎ この世界に転生して来て、初めての青春っぽいイベントだ‼︎)
オレは普通の30歳だった。だから、それなりに青春というものも経験した。だが、もっと高みを求めれば良かったと、後悔していた。
そして、今、青春が目の前に転がっている。
だが、オレは自分の身体を指先1つ動かすことが出来なかった。
(ダイナマイトと戦ったダメージか?ちくしょぉぉぉぉぉぉ‼︎)
結局、オレは風香が目覚めるまで、身動き1つ出来ずにベッドの上で過ごしたのだった。
次回、教師サイドで総括。
感想がガンガン来たら、制限版もあるかも(ダイマ)
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