異世界ライフは魔女と共に~魔女の嫁として送る、久遠のTS百合生活~   作:オサカナ

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40話 新たな友人

「うわっ……」

「これで……十回目!」

 

 つばぜり合いになったところに足払いを仕掛け、体勢を崩したところを一撃。これで十度目のダメージだ。

 なんとか一発も喰らわずに勝つことができた……

 

「参りました~」

「ありがとうね。付き合ってくれて」

 

 素人が相手かつ時間としてそんなに長くはなかったけれど、普段と勝手が違う状態だったから結構疲れたぞ。

 こちらとしても、いい練習にはなったけどね。

 

「わかってはいましたけど……先輩強いですね~」

「いや……割と危ない場面もあったよ。運が悪かったら負けてたかも」

「そうですか、だったらよかったんですけどね。まあ勝ち負けは置いといて……俺も凄く楽しかったです」

「はいは~い、二人ともいい勝負だったよ!」

 

 僕たちが息を整えながら話していると、セシルさんが二本のスポーツドリンクを持ってきてくれた。

 下の自販機で買ってきてくれたのだろう。

 

「あっ、先生! ありがとうございます!」

「アキラ君は私たちを手伝ってくれてるんだからこれくらいは。レンちゃんにも新しいの買ってきてあげたから」

「嬉しいですね。いただきます」

 

 そんな何気ないやり取りもこうしていると、僕たち三人の距離が縮まったような感じで少し嬉しいかも。

 それにこんな美少女が手で汗をぬぐい、ドリンクを飲んでいる姿はなんかいい意味でのギャップを感じて悪くない。

 

「そういえば先生、ちゃんと撮ってくれましたか?」

「ああ、バッチリだよ」

「ん? 何かで今の撮ってたんですか」

「はい、俺の携帯で撮影してもらってたんです」

 

 セシルさんが出した、アキラ君のスマートフォン。それを使って僕たちの模擬戦の様子を撮影してくれていたらしい。

 喉を潤し、呼吸も整った後、早速三人でその映像を見てみることにした。

 

「うん、よく撮れてる!」

「こうやって動いているところを見ると、我ながら完璧な変身ですね。本当に今日は夢が叶った気分です」

 

 再生される動画には僕たちの戦いの様子が事細かに映し出されていた。

 確かに見事に撮れている。携帯でここまでの高性能なカメラが付いてるなんて便利になったものだ。

 

「先輩もさっきは夢中でよくわからなかったですけど、動きに無駄が全然無いですね」

「僕もまだまだだよ。現にギリギリのところもあったし」

「またまた謙遜を~そういえば先生はどれくらい強いんですか?」

「ん~私は強いよ~」

「僕がやったらほとんど負けちゃうぐらいには」

「そんなにですか……予想以上です」

 

 そりゃ見た目ではわからんよな。でも……よくよく考えれば僕が勝つ場合は大体セシルさん側のミスだから、アキラ君にも案外ワンチャンあるかもしれないな。

 

「とりあえず、二人ともお疲れ様! これからどうする? ラーメンでも食べに行く?」

「あっ、おごってくれるんですか?」

「当然だよ!」

「もちろん行きます!」

 

 確かに運動したら小腹が減った。まだそこまで遅くない時間だし、アキラ君とはもっとたくさん話したいしね。

 

「俺ももっと、先輩にはいろいろ聞きたいことありますよ」

「いいよ、ゆっくり食べながら話そうよ」

「ん、アキラ君、なんかメッセージきてるけど」

「え? ちょっと見せてください……」

 

 返された携帯を受け取って、メッセージのやり取りをしている。相手はご両親かな?

 

「すいません……親が至急、家に戻って来いって」

「あらら~タイミングが悪いね」

「これじゃ無理には誘えないですね……」

 

 間が悪いな~でもこれはどうしようもないな。

 まだこっちにいるわけだし、次会った時にでも話せばいいかな。

 

「またの機会にお願いします……ああ、この変身のやつは……」

「私たちが帰る日まで箱と一緒に貸しといてあげるよ。まだ変身の魔力は十分に残ってるから、一人でいるときにでもそれで遊んでいいよ。肉体強化の方はもう切れてると思うから普通に帰ってね」

「ありがとうございます。それじゃこれで……」

「あっ、あとさっきの映像、後で頂戴」

「は~い!」

 

 そうして木刀とバッジを返し、アキラ君は登ってきた裏の階段からそそくさと帰っていった。

 そういえば……素顔見てないな。さすがにあのまま帰りはしないだろうから裏で変身解くんだろうけど、今からその為だけに追いかけるのもな。

 

 まあ今度会う時に言葉を交わせばわかるか。むこうはこっちの顔知ってるんだし。

 

「残念でしたね。せっかくいい友達になったと思ったのに」

「しょうがないね、連絡先は知ってるから大丈夫だよ。二人でラーメン食べに行こ」

「そうですね、僕もその頭になっちゃってます。この辺に昔よく通ってたところあるんで、そこ行きましょうか」

「いいね、連れてって!」

 

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