ジョウト出身の虫ポケ使いがガラルの伝説に挑む話

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初めまして、モブタと申します。元々読み専でしたが、我慢できず深夜テンションで短編を一つ書いてみました。暇つぶし程度の間隔で読んでいただければと思います。

それではどうぞ。




ガラルの地にて蝶が舞う

――――それは一目惚れだった。

 

 ジョウト地方の自然公園。そこで私は彼女と出会った。

 この自然公園は、普段は公園近くの町であるコガネシティの住民たちが、自分のポケモンと一緒に散歩に来る憩いの場となっているのだが、火、木、土曜日のみ虫ポケモンを捕まえその上手さを競う虫取り大会が行われていた。当時の私はその虫取り大会に参加していたのだ。

 

 ストライクやカイロス等、強力な虫ポケモンをゲットしてやろうと意気込んで参加した私は、しかしなかなか目当てのポケモンと出会えず、焦りながらも自然公園の奥へ奥へと進んでいった。

 

 そこでそのポケモンと出会ったのだ。

 こちらのことなど一切気にせず優雅に葉っぱを蝕んでいたそのポケモンの名前はもちろん私も知っていた。青々とした色彩のそのポケモンは、恐らく悪い意味で有名だろう。進化後ならともかくとして進化前のその貧弱なポケモンでは虫取り大会での優勝など夢のまた夢だろう。

本来ならば(・・・)

 

 

『今回の大会、一番の優勝者は――――〇〇を捕まえたピクニックガールのカオリさん!!』

 

 そう、そのポケモンを捕まえた私がまさかの優勝を果たしてしまったのだ。それもカイロスなどの珍しい虫ポケモンを捕まえた他のトレーたちを抑えての堂々の一位である。

 

 それからの私は、ポケモンチャンピオンを目指してそのポケモンと一緒に日々を送ることになる。

 共に鍛え、共に遊び、共に食べ、共に戦い、そして共に寝る。

 そんな日々を送っていた私は、いつの間にか虫ポケモンを専門としたガラルでも名の知れたトレーナーに成長することとなる。

――――そして今日、私は伝説に挑戦する。

 

『待っていたよカオリ』

 

 無敵のチャンピオンダンテ。

 妹弟子(・・・)として彼に何度も指導を受けていた私は、彼には気さくな兄貴分という印象を持っていた。おそらく彼のファンも彼に対する印象は大して変わらないだろう。

 しかし、チャンピオンとして私の前に立つ彼は、まさに威風堂々。各地方も含めてまさにトップと呼ぶに相応しい貫録を漂わせていた。

 

 緊張で自分の体が震えるのを感じる。

 だがそこで気づいた。

 コンペボール。自身の相棒が入っているそのボールが、自身を元気づけるようにぶるりと震えたことに。

 

 そんな彼女の様子を見て、私は思わず自分の口元に笑みが浮かんでいるのを自覚する。

 そうだ。彼女がこんなにやる気なのに、自分が弱気になってどうするんだと。――――そして私とダンテとの戦いは始まった。

 

 私のマルヤクデがダンデのギルガルドを焼き尽くしたかと思えば、ダンデのドラパルトが私のデンチュラを吹き飛ばす。

 倒し倒されを繰り返す、まさに一進一退の攻防。

 そして私はダンデの手持ちを残り一体までに追い詰めることに成功する。しかし、その残り一体のポケモンが問題だった。

 

 そのポケモンの名前は「リザードン」ダンデのエースにして無敵の象徴。その純粋な強さもさることながら私の虫ポケモンたちとは最悪の相性。今までの戦いで消耗しているとはいえ、厳しい相手だ。

 

 

「(だけど私にはこの子がいる。この子がいる限り私は負けない)」

 

 そして私は最後のポケモンが入ったボールを投げつける。あの虫取り大会からずっと苦楽を共にしてきた相棒の入ったボールを。

 

「頼んだわよ。いきなさい、

 

 

 

 

 

――――”バタフリー”!!

 

 その言葉とともにボールから出てきたのはちょうちょポケモン「バタフリー」。

 そう、虫取り大会で捕まえたキャタピーが進化したこの子こそが私の相棒。

 

 そして私は自身のダイマックスバンドを掲げる。かつて修行の日々を送った鎧島で師より受け継いだ力を使うために。

 

「バタフリー、キョダイマックス!!」

 

 その言葉とともに私のバタフリーがビルと同じくらい巨大化し、しかしその容貌は、淡い輝きを漂わせる、どこか神秘的な姿へと大きく変貌する

 

【ダイマックス】

 それはダイマックスバンドと特殊なスタジアムという環境下でのみ発動するガラル地方特有の現象。ポケモンを巨大化させ、一部の能力を上昇させるその現象は、しかし特定のポケモンの特別な個体のみ、そのポケモン特有のダイマックスの姿が確認されている。

 それこそがキョダイマックス。そして私のバタフリーもそのキョダイマックスの姿が確認されていたポケモンの一体だった。

 

 元々ジョウト地方出身の私のバタフリーはキョダイマックスができない個体だったが、鎧島で私に修行をつけてくれたマスタード師匠の協力でこのキョダイマックスの力を手に入れたのだ。

 

 キョダイマックスしたバタフリーの姿を横目に、私はダンテへと向き直る。

 そして宣言した。

 

 

「さあ、これがラストバトルよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ――――その後の話を語ろう。

 

 カオリとバタフリーはダンテとリザードン相手にあと一歩のところまで追いつめることに成功した。しかし、結局タイプ相性の差を覆すことができず敗北することとなる。

 だが、無敵のチャンピオンであるダンテを相手にあと一歩のところまで迫った彼女の実力は確かなものであり、彼女の相棒であるバタフリーにちなんで、彼女はこう呼ばれることとなる。

 ガラル屈指の虫ポケモンの使い手――――”ガラルの蝶”と。

 

 

 

 

 

 

 

カオリ

主人公。虫ポケモンが好きなピクニックガール。モデルはポケモンHGSSに登場する虫取り大会をキャタピーで優勝したというあの少女。(というかそのもの)

かつてジョウト地方の虫取り大会をキャタピーで優勝した経験を持つ猛者。それがきっかけで虫ポケモンの魅力にはまり虫タイプのエキスパートとしてその名を轟かすこととなる。

ちなみに相棒のバタフリーはそのころからの相棒で、虫ポケモンの強さを世界に広めるためポケモンチャンピオンを目指すこととなる。

実はマスタード門下の一員。ダンテとの面識ももちろんあり、妹弟子として可愛がられていた。

 

バタフリー

カオリの相棒。ジョウトの虫取り大会からカオリとともに多くの戦いを繰り広げてきた。

鎧島でキョダイマックススープを飲んでおり、キョダイマックスが可能な個体となっている。

ちなみに6V。カオリがこのキャタピーに惹かれたのはそれを無意識に感じ取ったから。

 




いかがでしたでしょうか。キョダイマックスで一番好きなバタフリーを登場させたくて書いてみました。

お気に召していただければ幸いです。

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