深夜2:00時頃
俺は翌日のテスト(もとい、この頃には既に当日の話ではあるが)の為に勉強をしていた。
だが、この時間にもなると睡魔が襲ってくる頃合いだった。
俺は、自身の住んているアパートの前にモンスターが売ってることを思い出し、買いに行くことを決め財布を持って家を出た。
勉強後ということもあり!目が疲れていた俺はメガネをかけずに外に出たのだが、これが後に恐怖のスパイスにあることを今の俺は知る由もなかったのである。
階段を降りている途中、何かが暗闇の中からこちらを伺ってる気がして顔を上げた。ぼやける視界で辛うじて捉えたのは2つ並んだ小さな光だった。その光が猫の目だと理解するのにそう時間は掛からなかった。
しばらく、猫はこちらの様子を伺っていた。しかし、俺がまた動き出すと同時に、猫も去ろうし、階段の照明に照らされた。黒猫である。『黒猫に横切られると不吉』よく聞く話である。そんな話にビビるほど俺も怖がりでもなかった。が、どことなく不安を感じる自分も確かにいたように思う
階段を降りきる頃には猫の姿形は、暗闇の中に溶けたように何処にもなかった。黒猫の消えて行った先に目をやれば、本来の目的である自販機が強く光、自己主張をしていた。
本来の目的を思い出し、自販機の前に立ったときに違和感を覚える。
何か聞こえるのだ。
ジシジ……ジッ…ジジジジ
真夜中と言えど、無音ということはない。何処からともなく聞こえる風の音、虫の鳴き声。様々な音は聞こえる。しかしながら、その音は何処か不気味さを帯びていた。
自販機の音かとも一瞬思った。しかし、音は間違いなく背後から聞こえる。本能的に振り返った。
何もない。
強張った胸を撫で下ろし、安心間が体の緊張をほぐしかけたときだった。
…ジジジ…ジジジジ
先程よりも近くで音がした。
『恐怖というものには鮮度があります。
怯えれば怯えるほどに、感情とは死んでいくものなのです。
真の意味での恐怖とは、静的な状態ではなく変化の動態――
希望から絶望へと切り替わる、その瞬間のことを言う。』
何処かのキャスターのセリフだ。
確かに、そのようだ。得体のしれない何かが近づくというのは恐怖だった。周りは暗いうえに、メガネもない。音の方向顔を向けても、ぼやけて見える暗がりが広がるのみ。そして……
…ジジジ
3回目の音が聞こえた。
2回目よりも更に近くに感じた。恐怖が脳を支配し、より鮮明に聴こえた。
モンスターと小銭も手に俺は部屋に逃げ帰った。
その後は何も起きることはなかった。
しかし、これを描いている今。外には光が指し、雀の鳴き声が聞こえる。恐怖の時間はとうに過ぎたようにさえ感じていたが、本当の恐怖はここからであった。
……………テストどうしよ
今になって思うのは
…………多分死にかけのセミかな?