イナズマイレブンGORTA 雷門ルート   作:nrnr

11 / 12
 
 寝不足で誤字が怖いので初投稿です。
 


パート11 暗躍の剣城

 

 ホーリーロード地区予選初戦、天河原中との試合を3-0という点差で勝利した雷門イレブン。

 しかしそんな輝かしく幸先の良い戦績に反し、翌日部室に集まった部員のほとんどの表情は浮かない──あるいは、沈痛とすら言っていいものだった。

 

 フィフスセクターの勝敗指示に逆らった。それも、栄都学園の時のような練習試合ではない、ホーリーロードという大舞台で。

 最早言い逃れは不可能だ。フィフスセクターへの叛意を抱いていると思われているのは確実だろう。そうなれば……。

 

「廃部!?」

「まだ決まったわけじゃない。ただ、今まで勝敗指示に逆らった学校の多くがそうなっているのは事実なんだ」

「そんなことも知らずにあんなことして、俺達のサッカーまで奪われるのは迷惑なんだよ」

 

 フィフスセクターについてある程度は聞いていた天馬と信助でも、それほどの影響があることまでは知らなかった。あるいは、知らなかったからこそ、あれほどまでに自由なサッカーが出来たと言うべきか。

 自分達が間違ったことをしたとは思わない。けれど、自分達のせいで廃部になってしまう可能性があるとまで言われて何も思わずにいられるはずもない。初めて聞いたその過酷な現実に、二人は真っ青になった。

 

 どうすればいいのか。どうするのが正しいのか。

 自分達のサッカーを貫くことがどれだけ過酷なことなのか……そして、フィフスセクターの支配を振り切ってまで本気で動いた神童と三国の意思がどれほどのものなのか。二人の胸に、フィフスセクターへの怒りと、自分達の不甲斐なさへの苦い気持ちと、これからへの不安が膨らんでいく。

 

 

 ────しかし。

 

「それなら問題ないよ~」

 

 そんな部室の暗い空気を引き裂くような──あるいはあえて霧散させるかのようなのんびりとした声が、扉の開く音と共に耳に届いた。

 この状況でそんな言葉を口にするような人間なんて、無論、一人しかありえない。

 

「……素羽!」

「やっほやっほ、思ってたより暗いから思わず口出ししちゃった」

 

 周囲の空気などものともせず、カラコロと飴を舐めつついつも通りのにんまりとした笑みを浮かべた素羽が部室に足を踏み入れる。瞬間、フィフスセクターに従うつもりだったメンバーからの視線が鋭く突き刺さるが、それをものともしないのもまたいつも通りのことだ。

 しかし、今回ばかりは彼らが素羽を責め立てることはなかった。もっとも、それは勝敗指示に逆らったことに対して思うところがないというわけではなく、その発言の意図を知るためだったが。

 

「……どういうことだ? 問題ないはずがないと思うが」

「そうだド、いくら何でも公式試合で勝敗指示に逆らってそのままなんて……」

「──だって、そんなの今更じゃん?」

 

 南沢と天城の至極当然な問いは、あっさりと切って捨てられる。そのあっけらかんとした様子に、最も落ち込んでいたといっても過言ではない速水すらもが顔を上げた。

 素羽はといえば、そんな彼らのことを顧みることすらない。にっこりと笑みを浮かべた彼は、天馬達を──反逆を決めたメンバーだけを見ながら言葉を紡いでいく。

 

「まず一つ。雷門をどうこうしたいなら、そもそも円堂監督を就任させたこと自体がおかしいよね」

「それは……確かに、そうだが」

「だって、()()円堂守だよぉ? 大人しくフィフスセクターの指示に従うわけないじゃん。それでも監督であることにオッケーを出したんなら、円堂監督が雷門の監督でないと困るナニカがあるってことだよね。そこまで手の込んだことして、すぐ廃部にすると思う?」

「いや、まとめて潰すとか……」

「ないない。だったら他の反乱する可能性がある学校に送り込んだ方がよっぽど楽に潰せるよ。実力が伴ってない学校がやる気出したところで、シードをぶつけられたら勝てるわけないし。その間に別口で雷門を潰した方がずーっと効率良いよねぇ」

 

 かろうじて絞り出した浜野の反論もあっさり封じられる。

 言われてみれば、確かにおかしな話だ。フィフスセクターともあろう組織が円堂守の人柄を理解していないはずもない。そして、神童と三国が立ち直ったのに天馬だけでなく円堂の影響も大きいことを鑑みれば、予定していなかったのであればあまりにも悪手でしかない選択だった。そんなヘマを、これだけサッカー界を支配できる組織が今更するだろうか?

 

 気が付けば、場の空気はすっかり素羽に呑まれはじめていた。

 そんな雷門イレブンを尻目に、素羽は更に、見せつけるように指折り数えて口を開く。

 

「次に二つ目。世間一般はフィフスセクターの勝敗管理を知らない」

「……それがなんだって言うんだよ」

「えぇ~、これ言ってもわかんない? つまり、他の弱小校とか中堅校ならともかく、雷門中サッカー部を廃部にするなんて、そもそも世の中が許さないんだよ」

「え? えっと……それってどういうこと?」

「────まさか。だが、そうだとしたら、確かに」 

 

 流石と言うべきか、それともフィフスセクターに従うつもりだったからこそと言うべきか。真っ先に素羽の言いたいことに気付いたのは南沢だった。次いで神童が、霧野が、ハッとしたように見つめ合う。

 

「元々、今の世の中──サッカー至上主義は、この雷門中サッカー部から始まったわけ。いわば伝説、聖地って言ってもいいワケなんだよ。それに、だんだん弱くなってきてたとかならまだしも、去年は準優勝までしてるまだまだチョー名門チーム」

「……そんな雷門イレブンを急に潰せば、世の中からの反論は確実に……多く出る。そうなれば、いくらフィフスセクターでも今まで通りの影響力を持つのは難しい」

「黒の騎士団みたいにメンバーを総入れ替えするにしても、ホーリーロードが始まった今、急にそんなことが起きれば疑問に思われる……そういうことか」

「そ。まして、それに便乗してどっかのフィフスセクターに反感を抱く学校から勝敗管理について暴露されるようなことがあれば──ねぇ?」

 

 ごくり、と誰かが唾を飲みこむ音が部室に響く。

 

 もし。もし、そんなことが起きたとしたら。

 世間は間違いなくフィフスセクターを許さないだろう。元々はサッカー至上主義が生み出した歪みだとはいえ、彼らが未来ある中学生を奴隷のように扱っていたことに変わりはない。

 

 確かにフィフスセクターの権力は絶大だ。だが絶対ではない。

 そんな状況で多くの民衆を──もしかしたら、海外すら巻き込んで──敵に回してしまえば。しかもその敵に回る者の中には、伝説のゴールキーパー・円堂守さえいるのだ。

 影響力が落ちる程度で済めば御の字だ。彼らにとって最悪の場合、フィフスセクターという組織の存続自体が危うくなる可能性だってある。そして、中学生ですら考え付くそのリスクに、フィフスセクターが気付かないわけもなかった。

 

 そして追い打ちをかけるように、素羽は再び指を折り──。

 

「で、みっつめ。……は、うん、やめとこ」

「なに?」

「いやぁ、これはぶっちゃけボクらには関係ないっていうか。それこそ、下手に口出ししたらアブナイ内容かもだし」

 

 そこで、ようやく素羽の独壇場と化していた空気が戻りだした。

 あるいは自分の考えに沈み込み。あるいは戸惑うようにお互いの顔を見つめ合い。だんだんと素羽を見つめる者は少なくなり、やがて元通りとはいかずとも、どこか沈んだ空気になる。

 

 それでも。

 

 一度芽吹いた物はそう簡単に消えはしない。頭では理解していても、どれだけ納得しようとしても、自分の心までは誤魔化せない。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()──素羽がもたらした言葉は、そんな想いの種を埋め込むには十分なものだった。

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホモくんの好感度と引き換えに雷門の経験値を獲得していくRTA、はーじまーるよー。

 

 

 

 今回は無事に地区予選初戦を突破したところから。先日は何か言いたげだった狩屋が今日は何も言わないあたりに例のフラグが立った気配がしますが、そこらへんはまた後で説明するとしてさっさと登校です。

 よりによって公式試合で勝敗指示に逆らったことで雷門イレブンが安定のお通夜モードと化していますが、そこはホモくんの方である程度カバーが効きます。こんな風にね。この手段は元フィフスセクターでなくても使えるため、もし今後走る予定があるのであれば、後述のメリットデメリットを踏まえ、チャートに応じて採用するかどうかを決めて、どうぞ。

 

 当然ですが、これだけの長文を口にしたことで通常に比べてタァイム的にそれなりのロスが発生します。しかし、ここで雷門イレブンの士気をある程度保っておけば、お釣りが来るくらいのメリットがあるのです。

 

 まず、本来であれば今日から万能坂中の試合までの間、反逆する意思のないメンバーが練習に参加しない、あるいは独自に練習をすることで取得経験値が減るところを、大なり小なり思う所はあれどしっかり練習に参加してくれるようになり、経験値が多めに取得できるようになるのです。後々サッカーバトル等で寄り道をせずに済む可能性が上がるため、第一部中の安定性はかなり上がると言っても過言ではありません。

 また、明日の放課後の部活中に剣城が襲来、かーらーの更に険悪な空気になる上に天馬と神童のメンタルにダメージが入るイベントがあるのですが、そのイベントの大幅カットにも繋がります。ただしここでカットできる会話量は元フィフスセクターであるかどうかによって大幅に変わるため、その点にはご注意を。

 

 そしてデメリットですが……この時点での好感度次第ではありますが、先程のようにフィフスセクターの影響が出る可能性が低いことを言ってしまうと、南沢が残留する可能性が大幅に高まります。

 

 今までは濁していましたが、はい、そうです。今日の放課後には、ほんへをご存じの視聴者兄貴ならお馴染み、南沢の退部イベントがあるのです。

 南沢は現時点ではサッカーへの愛着がそこまでない、もとい自覚していないため、フィフスセクターへの反逆が本格的に始まるこのタイミングでさっさと雷門に見切りをつけてしまいます。OPでメインキャラみたいな顔しておいてこの体たらく、仮にも雷門イレブンの一員として恥ずかしくないの?

 とまあ、そういう理由もあって今まで南沢への反応が微妙だったりしたんですね(メガトンミナミ)。

 

 南沢が残留した場合、今後剣城が正式加入した後に倉間と南沢のどちらを編成するかで悩む羽目になったりして経験値的にまず味になりやすいです。二人とも第二部以降は主力メンバーではなくなりますが、第一部中だけでも経験値の分散は痛いですね……これは痛い……。

 しかも残留することで好感度イベントが発生しやすくなり、そちらでもタァイムへの影響が出やすくなる始末。ぶっちゃけRTAにおいての南沢は疫病神みたいなもんです。

 

 ……なんですが、今までの練習中の相手が南沢だったりすることからも察せる通り、何でか知りませんが現時点で既に南沢の好感度がそこそこ高い様子。うっかり先程の会話無しに残留されるとしばらく後に南沢の改心イベントが発生してロスの方が多くなってしまうため、ここで確実に残留√になるようにしておいた方が今後のためです。

 ただし、『南沢とそこそこ会話をする仲で、しかし練習相手にはならない』という中途半端な好感度の場合はこの会話は絶対に避けてください。残留はしないくせに好感度だけ上がった結果、退部後の南沢との好感度イベントが高確率で発生するようになってしまいます。残留√と退部√、それぞれの好感度イベントを比べると退部√の方が圧倒的にロスになってしまうため、退部√の南沢好感度イベントが発生したらそれを踏まえたチャートを組んでいない限りどう足掻いても再走案件です(8敗)。

 

 ……まあ、実はもうひとつ特殊√があったりもするんですが、それは『結構な頻度で練習相手には選ばれていたけど退部した』とかいう好感度的にとんでもなく狭き門なため、ぶっちゃけ狙わない限り発生することはまずないです。

 その場合でも退部√に比べればロスは少ないため、やっぱ退部√でそこそこ好感度のある南沢はどう足掻いても疫病神なんすねぇ……。

 

 

 では、解説も終わったところで朝練です。先程の会話の効果もあり、若干乗り気でない部分がありつつも全員で練習となります。

 円堂監督はいません……というか、理事長達に呼び出されています。今頃勝敗指示に逆らった責任を取らされてクビ宣告をされていることでしょう。が、そちらは後でフィフスセクター、もとい聖帝から撤回命令が出されるので大丈夫だ、問題ない。普通に神童の指示するメニューをこなしておきます。

 

 二人一組の時の相手は安定の南沢です。毎回の如くとなればもうこれは残留√確定ですね。頼むから好感度イベントの発生だけはやめてくれよ……(懇願)。南沢の好感度イベント、本編で語られない内心を語る目的があるからかとにかく会話が多くてロスがね……。

 あとは特筆すべき点はなさそうですね。倉間も険しい表情ながらも練習には真面目に取り組んでいます。……いや、地味に天馬とホモくんには頑なにパスを回さない嫌がらせをしていますが、ま、多少はね? 天馬には試合でゴロゴロ経験値が入っているため、気にするようなことでもありません。

 そして剣城は安定の不在。厳密にはクビ宣告された円堂監督を煽りに行っていることでしょう。いたところで空気が余計悪くなるだけなのでむしろここではフヨウラ!

 

 練習が終わったらいつも通り教室で予習です。お、今日は知力にボーナスがもらえました。

 後から教室に入ってきた剣城の表情がとんでもなく険しいですが、これはクビになったはずの円堂監督に全く堪えた様子がないせいなのでスルーします。触るな危険。

 

 

 授業はいつも通りに倍速、放課後です。

 (今日の練習では特にイベントが起きたりとかは)ないです。強いて言うのであれば、まだクビ宣告の撤回がされていないため、円堂監督が不在なことくらいですかね。朝練と同じく、神童の指示の下で練習します。当然ストレッチのお相手は南沢。

 

 練習内容はいつもと変わらないですが、ここまでで取得経験値が少ないメンバーに多めにボールを回すようにすることを忘れずに。塵も積もればなんとやら、少しでもガバの要因は消しておかなければなりません。

 後は……そうですね、例のフラグの対応ですね。今後三国に回せる経験値が更に減ることがほぼ確になったため、三国にも経験値が回るようにしておきます。当然そうなればホモくんが貰える経験値は少なくなりますが、重り効果もあってカバーできる範疇なので問題ありません。後は【神のタクト】を使うなりしてドリブルやパスで稼いでいくのもアリです。

 

 

 オワオワリ!

 

 ではいつも通り帰って狩屋と特訓を……しません。というわけで、その旨を狩屋にメールで伝えておきましょう。そうすれば狩屋は一人で特訓していてくれます。

 目指すはスポーツ用品店です。今日の練習での獲得経験値を見る限り、そろそろ重りの効果が下がりつつあります。というわけで新調しにいきましょう。

 

 お日さま園はお小遣い制、孤児院なこともあって多くはありません。そのため、RTAでは重りを新調するだけでもカツカツの状況になることの方が多いです。回復アイテム等の購入は基本不可能だと思っておきましょう。どうしても必要なら確定ドロップの場所で入手します。

 で、そんなカツカツのお小遣いを何とかするためにも、重りを新調する度に古い重りを売り払う必要があります。装備品から今まで装備していた2kg×4の重りを外し、ショップで売り払いましょう。おう親父、この臭い重りを高く買い取ってくれ。

 その後は3kgの重りを四つ購入し、先程までの重りと同じように装備します。また少し動きが鈍くなりますが、次の試合ではそこまで動き回ることはない(予定)のでヘーキヘーキ。

 

 

 ちなみに、ほんへではここら辺で言及されていましたが、この時期に放課後に稲妻総合病院へ行くとほぼ確実に剣城と剣城の兄・優一に会うことができます。そして剣城の好感度がどうあれ、優一の方は剣城と同じ雷門イレブンということで好意的に接し、自分達の境遇について話してくれる……つまりここで剣城の事情を把握することが可能になるんですね。

 が、RTA的にはこのタイミングで行ったとしてもロスにしかならないのでスルーです。FWやGKだったりして剣城の好感度イベントを早めに発生させたいのであれば行くのもアリですが、今チャートではどう足掻いてもクビだクビだクビだ!

 

 というのも、稲妻総合病院では、ランダムかつそれなりの確率で千宮路大悟が子供達と一緒にサッカーをしているというイベントが発生するのです。最近はあまり話題に挙げませんでしたが、そう、フィフスセクターの真のトップにしてホモくんの養父のことですね。

 せっかくあっちからの接触がないことでロスが発生せずに済んでいるのに、わざわざ余計な寄り道をした結果千宮路大悟と遭遇からのイベント発生なんてことになったらもう終わりだぁ……!(再走)(1敗)

 ということで、第一部中は絶対に、何があっても稲妻総合病院には近寄りません。元フィフスセクターな場合は優一や雨宮といった入院組の好感度を病院で上げるのはあきらメロン。そもそもの話、RTAで病院に通うなんて第二部で確実に雨宮に加入して欲しい時くらいです。

 

 

 では、帰ったら夕飯を食べつつ狩屋の様子を確認し──特に不審な様子はない模様──宿題や風呂を済ませたら就寝です。おやすみなさい。

 

 

 

 おはようございまーす。まずは狩屋をダイブで叩き起こしましょう。

 

「い゛ッ!?」

 

 朝だぞ、おうあくしろよ。

 

「お前なぁ……ああもう、少しは心配したこっちが馬鹿だった!」

 

 ……心配? あっ、勝敗指示云々かぁ。そういえば天河原中の試合前に何か聞かれてましたね。それについては大丈夫だ、問題ない。

 狩屋が着替えた制服はいつも通りのもの、ということはあのフラグは成立しつつもイベントが起こるのはまだ先といったところでしょうか。成立してない可能性? ……逆にこの状況であるとでも?

 

 朝食を食べて……もう面倒なのでここから放課後までは倍速にしてしまいましょう。

 朝練に剣城を除いて全員来るのも、南沢が相方なのも、円堂監督が不在なのも昨日と全く同じです。予習での知力ボーナスは無しでした。せやろな。

 

 

 さて放課後の練習ですが……おっ、円堂監督いんじゃ~ん?

 昼間の内に理事長の方にクビを撤回しろという電話がフィフスセクターからかかってきており、今日の放課後からは円堂監督が無事に監督として復帰します。と言っても特にやることは変わらないんですが。

 円堂監督がクビになりかけたことは天馬達は知らないことですし、ホモくんも知りません。なので言及するだけ時間の無駄です。普通に練習を始めましょう。

 

 そして、しばらくストレッチなり何なりをしていると……来たわね。剣城が何故か坂をスライディングするという謎の登場方法でグラウンドに現れました。

 一気に緊迫感に溢れる雷門イレブンを尻目に、剣城は真っ直ぐ円堂監督の元に向かっていきます。そのいつもより険しい表情もあってちょっと不穏すぎんよ~、ということでそれとなくホモくんも二人の元へ向かいましょう。

 

「……次の試合、俺を出せ」

 

 久方ぶりに練習に顔を出した剣城はというと、練習に参加するでもなく、ただそれだけを口にします。

 昨日の放課後に聖帝に出会った……というか、フィフスセクター本部に呼び出されて兄の手術費のことで脅しも同然の会話をされたこともあり、今の剣城は雷門を潰すのに必死な状態です。そのため、今までのように相手チーム任せにするのではなく、自分の手で雷門を敗北させようとするんですね。

 

 剣城はシード、まず間違いなく雷門の邪魔をするのは分かり切った事です。それを受けての円堂監督の判断はというと……。

 

「お前を試合に?」

「そうだ」

「……いいだろう。お前には出てもらう」

 

 こマ? この空気の中笑顔で言うようなことじゃないんよ……。

 

 この通り、普通に了承します。まあこれについては円堂だからしょうがないね。彼は既に剣城が本当はサッカーが好きなことを見抜いていますし、彼がいたとしてもどうにかなると判断しているので剣城を試合に出さないということはありません。というか、流石にシード本人の申し出となるといくら円堂監督でも却下するのは厳しいです。

 

「あんたがどういうつもりか知らないが、俺は好きにやらせてもらう」

「構わん」

 

 ただ、ここで剣城の出場を許せるのは円堂監督くらいです。いくら前日のホモくんのフォローがあるとはいえ、他のメンバーからしてみたら雷門を潰されかねない状況となれば反論せずにはいられません。

 ですが、ここでその関係で口論を起こされるとタァイムがね……ということで、ここで再びホモくんの出番です。今にも去っていきそうな剣城の腕をひっつかみ、一時的に足止めをします。雷門イレブン内で揉める前にこっちの会話でカタをつけようって寸法よ。

 

 フィフスセクターの指示、なんだった?

 

「お前なら聞くまでもなく分かっているだろう」

 

 もう一度聞くゾ。次の万能坂中との試合についてフィフスセクターから受けた指示、なんだった? 雷門を潰せとか廃部にしろとか明言した?

 

「……0-1で雷門の負け。指示通りに、だ。」

 

 つまりそこまでは言われてないでしょ? ……じゃあお前がやろうとしてるの越権行為じゃねえかオラァ!(豹変) 顔見ればやろうとしてることくらい分かるんだよォ!

 

「……なんだと?」

 

 お前が余計なことすると(ホモくんの)予定が狂うだろ? 予定が狂うだろォ!?

 何を考えてるんだか知らないけど、シードならシードらしく指示を全うすることだけを考えて、どうぞ。

 わかる? 大人しく勝敗指示のことだけ考えろ。勝敗指示のことだけ考えろって言ってんの。ね? 余計なことまで考えんなって言ってんだよォ!!

 

「お、前……」

「も、素羽……? どうしちゃったの……?」

 

 当然ですが、こんな風に明らかにフィフスセクターと因縁があるかのような会話をすれば雷門イレブンからの好感度がもれなく下がります。が、先程の演説()で上がった分もあるのでこれでトントンくらいです。仮に少し下がったとしても、雷門が潰されない、廃部にされないと言質を取ることでこの後の雷門のゴタゴタを全カットできると考えたら結果的には短縮でしかないってワケよ。

 また、こうして剣城に釘を刺しておくことで、試合中に早まった行動を取る可能性を0にすることができます。ほんへ通りオウンゴールくらいはやりますが、何らかの事情で脅迫を受けてメンタルが通常以上にやられていたりすると故障はさせないまでも結構な怪我はさせるくらいの立ち回りを平然としまくってくれたりするんですよね。そんなことされたら貰える経験値も貰えなくなるので、ここでしっかりと冷静な思考を取り戻してもらいましょう。

 

「……チッ。言われなくてもわかっている。お前こそ、今度こそ勝敗指示に従うんだな」

 

 ……ナオキです。

 

 従うつもりなんてないのでお茶濁しをしておきます。剣城は先程の会話で少し冷静になってくれたため、睨みつけたりはしつつも特に追加で言ってきたりはせず、そのまま去っていきました。

 そして残されるのは微妙な空気の雷門イレブン一同……全く困ったもんじゃ……。

 

 

 ほんへ通りであれば、言うだけ言った剣城はそのまま去っていき、雷門イレブンは今度こそ潰されるんだと怯え、そこから南沢の退部、そして倉間が一連の責任を天馬にぶん投げるというとんでもなく険悪な流れになります。

 しかし、先程の剣城との会話でフィフスセクターから雷門潰しも廃部も指示は出ていないと言質を取ったため、微妙な空気になるのは避けられずともほんへよりはかなりマシな空気です。…………ただし、その代わりにホモくんへの疑惑の視線がグサグサと。やべぇよ……やべぇよ……。

 

「宝里、お前は…………」

 

 特に明確に疑ってくるのは霧野です。原作でも後々加入する狩屋のことをシードではないかと疑ったりしたせいか──いやあれは100%狩屋が悪いんですが──こういう会話を聞かれてしまえばシードではないかと思われるのは避けられません。

 試合での連携のためにも弁明をしておきたいところですが、これはRTA、ホモくんの過去は確認していないし確認していたとしてもそれを証明するだけの証拠もないのでは時間の無駄でしかありません。それを踏まえてやるべきことは……もうお分かりですね。

 

 じゃあボク、面倒臭いし帰るから(棒読み)。

 

「え、も、素羽!?」

 

 天馬が慌てたように呼び止めますが無視だ無視! こんな針の筵状態で練習になるわけがないんだよなぁ。それならホモくんが離脱した上で微妙な空気を出しつつも練習をしてくれてた方が経験値的にうま味です。

 こ↑こ↓で弁明をしないことによって好感度が下がるのは全員ですが、そのほとんどは昨日の朝の分で±ゼロ。唯一霧野だけは減少値が結構大きいので少し痛いですが、これは後で誤解が解ければちょうどその分だけ上昇してくれるので無問題です。

 

 先に帰った剣城と鉢合わせないようにだけ注意してグラウンドを去りつつ、さりげなく雷門イレブンの様子を確認します。こうして剣城と会話をした場合、南沢が退部するのはこのタイミングなので十分に会話が聞こえる範囲なんですが……今回はそういった会話は聞こえてきません。

 

「素羽、どうしちゃったんだろう……」

「うん……なんか、ちょっと怖かったよね」

「…………まさか、あいつは」

 

 ヨシ!(現場猫) この時点で言い出さないのであれば南沢は残留√で確定ですね。後は下手に構わないようにすれば好感度イベントの回避も可能でしょう。

 今はホモくんへの疑心で色々と会話をしていますが、しばらくすれば円堂監督が場を収めて練習再開となります。心置きなく帰りましょう。

 

 

 ただいま~、からの荷物を置いて……おや、狩屋の鞄があるということは帰ってきているにも関わらず姿が見当たりませんね。

 これは先程から何度か言っているフラグによるものです。狩屋はちょっとやることがあって留守にしているんですね。そのため今日から数日間は狩屋を練習に誘うことができません。瞳子が迎えに来るまで大人しく一人で自主練することにしましょう。経験値効率がし、しんでる……。

 

 夕飯の時間になれば狩屋に会えますが……ヌッ。雷門やサッカーの話題を上げませんね。

 運が良ければこの時点で例のフラグに関する情報を聞き出せるんですが、今回はダメだった模様。まあタァイムにはそこまで影響しないので気にしなくても大丈夫です。今の時点で突っ込んで聞いたところでロスにしかなりません、普通に会話をするだけに留めましょう。後は就寝までいつも通りの流れです。

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 




  
・ホモくん

 (やる気のない連中のことなんて眼中に)ないです。

 剣城の様子がアレなことを見抜いて釘を刺しに行った。なんなら何となくフィフスセクターから色々と言われたんじゃないかと察して少しキレてたかもしれない。
 試合の邪魔程度ならどうとでもなるが、盤外戦術とか過度なラフプレーとかをされたりしたら流石に困るので。剣城の事情を知らないのでそこらへんの信用はない。
 本当は雷門イレブンに不信感を抱かれるのは避けたかったが、最悪の事態を避けるためだからね、しょうがないね。

 ちなみに、言わなかった三つ目は「反乱分子の煽り出しに雷門の快進撃を使うつもりの可能性」。流石にこれは言ったらシード側の人間だと勘違いされかねなくてヤベェなと判断した。結局その後無駄になったが。


・天馬

 ホモくんの演説()の効果もあり、倉間との確執が少しマシになった。
 そのお陰で本来河川敷で落ち込んでいた時間を河川敷でのドリブル練習にあてており、地味に経験値が増えている。


・剣城(暗躍させてもらえなかったすがた)

 ホモくんが敵か味方かが本気でわからなくてこまっち。
 ホモくんはあくまで()内のセリフは口にしていないため、「ホモくんの予定が狂う」だけではなく「聖帝の予定が狂う」とも解釈できてしまうので更にこまっち。 


・霧野

 原作で狩屋に疑いを向ける男。こんな会話をした以上、ホモくんに疑いの目を向けないはずもなく……。


・南沢

 ホモくんの言ったことも一理ある……というか普通に納得したため、静観の姿勢。
 勝敗指示には従うが、退部するほどではないという判断を下した。

 Q.特殊√って?
 A.出 戻 り


・狩屋のフラグ

 お察し。
 強いていうのであれば、そういう行動を取るなら色々と処理しないといけないことがあるから、昨日今日での■■は無理だよね、ということで今回はあまり出番なし。
 
 ところで、心配してたのって本当に勝敗指示を無視したことに関して?
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。