イナズマイレブンGORTA 雷門ルート   作:nrnr

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 手術から無事帰還したので初投稿です。
 みんな、体に何かおかしな所があったら「まあこれくらいなら放置しといても何とかなるやろワハハ」とか思わないようにな! 見事に粉瘤が元のn倍にまで肥大化して座るのにも支障が出るようになった作者との約束だぞ!
 


パート3 サッカー部崩壊

 

 崩壊寸前のサッカー部の危機をガン無視するRTA、はーじまーるよー。

 

 

 今回はなんとか黒の騎士団を追い返した所から。塩まいとけ塩!

 そして剣城と同じクラスであることも判明しました。クラスでつるむようなキャラではないのが不幸中の幸いだと思っておきましょう。

 

 まさかまさかの剣城から話しかけられるアクシデントが発生しましたが、掲示板にクラスを確認しに行く手間が省け、かつ現時点での好感度も何となく推察できる会話だったので実質プラスです。

 というか、会話キャンセルのためにわざと飴を食べたというのに意にも介さず会話を続けるなんて……お前もしかして、ホモくんの事結構詳しいのか?

 

 それにしても、剣城からの好感度がなかなか読めませんね。背景を知らないので何とも言えませんが、低すぎることは無く、かといってそこまで高いわけでもなく、くらいでしょうか。

 序盤から高いにしろ低いにしろ特徴的なレベルの好感度だと動きづらくなるので、序盤なら今くらいが一番有難いですね。まあ仮に低かったとしても今後雷門イレブンとして活動していく中で必要なレベルまでは上昇するので問題ないです。

 

 では、そろそろ教室に向かいましょう。途中でゴミ箱を見かけたら先程の飴のゴミ×2を捨てることを忘れずに。

 席は剣城とそれなりに離れているので安心ですね。あとは適当にクラスメイトを無視して飴を舐め続け、入学式の時間になったら講堂に向かいましょう。

 

 

 入学式はとりあえず話を聞き流していれば終わります。途中でなんか天馬のいるあたりが騒がしくなりますが、特に何か起きるわけではないのでスルーで大丈夫です。

 

 今作の雷門中ですが、理事長の金山はバリバリにフィフスセクターの手下なため、敵以外の何物でもありません。生徒に直接害を加えることは基本ありませんが、監督の方にちょっかいをかけてくる他、うっかりそれなりに会話の回数を重ねるとサッカー部を内部から瓦解させるために主人公に内申というニンジンをぶら下げて来る始末。じゃけん徹底的に無視しましょうね~。

 なら校長はというと、こちらはまさかまさかの冬海です。そうです、あの無印一作目で雷門イレブンのバスに細工をしたりしたアイツです。どの面下げて雷門に戻ってきてんだと思わなくもないですが、今の雷門はフィフスセクターの影響を強く受けているので仕方ないね。こちらも同じく完全無視で行きましょう。

 

 ……ようやく入学式が終わりました。古今東西、お偉いさんの話が無駄に長いのはなんとかならないんでしょうか。

 入学式が終わったらまた教室に戻り、今後の学校生活についての説明を受けます。授業の時間割とか、部活動なんかについてですね。サッカー部については雷門の看板ということもありかなり枠を取っていますが……今朝のアレがあった以上は効果はお察し。実際、クラスのあちこちから悩む声が聞こえてきます。

 ま、気にすることはありません。どうせ最後には入部するのは天馬と信助と剣城とホモくんだけになりますので。もし朝のあれそれを見たクラスメイトに声をかけられそうになったら、飴を食べるなりして会話する意思がありませんアピールをすればOKです。

 

 説明が終われば放課後です。では帰りましょう。

 

 あっ、おい待てぃ(江戸っ子)。サッカー部に入るならサッカー棟に行かなきゃならないだろ、と初見兄貴は思うかもしれませんが、ここでサッカー棟へ行っても天馬・信助・葵の好感度がほんの少し稼げるだけで、タァイム的にはかなりのロスになってしまいます。

 というのも、今の雷門サッカー部は今朝の剣城襲来を受け、サッカー続ける派とやめる派で二分されている状態なのです。しかもやめる派の方が多数派だったりします。その口論がまさに今サッカー棟で行われていて……あとはお分かりですね。

 

 その口論を目の前で聞かされ、挙句内申のためにサッカー部にいただのなんだのと負け犬の遠吠えをし、止めに入った天馬をぞんざいに扱う始末。百害あって一利なしと言っても過言ではありません。

 このイベントを見なくても明日行われる入部テストへの参加は可能ですし、となれば当然RTA的には関わらないのが一番。じゃけん帰りましょうね~……。

 

「おい」

 

 ドウシテ……。

 

 またしても剣城に呼び止められてしまいました。もしかしてコイツ……ガバ製造機か?

 ま、まあ決めつけるにはまだ早いです。とりあえず話を聞くだけ聞きましょう。もしかしたら短縮できるかもしれないからね。

 

「お前もサッカー部に入部するということでいいんだな?」

 

 おっ、そうだな。(モブの会話盗み聞きした限りでは)入部テストあるらしいし、それ次第ではあるけどね。

 

「その必要はない。フィフスセクターからの指示だ、俺とお前は今日をもって雷門イレブンの一員になる。着いてこい」

 

 や~だ!(駄々)

 

「…………なに?」

 

 お前と一緒に行くとか、もう確実にフィフスセクターの手先だと思われるじゃないですかーやだー。

 ホモくんは自由に動きたいんであって、雷門イレブンの人達に無駄に敵対心持たれるのは勘弁な! どうせ入部するんだから(入部テスト経由でも問題)ないです。

 

「お前は……とにかく、これは命令だ。大人しく着いてこい」

 

 ( ゚ω゚ )お断りします。

 

 当然ですが、そんなことを言ったところで剣城は聞く耳持ちません。無理矢理にでも引きずられていくだけです。今のホモくんのステでは筋力差がお察しなので抵抗もあまりできません、しょうがないね。

 というわけで。

 

 おっ(窓の鍵)開いてんじゃ~ん!

 

「は?」

 

 剣城が困惑からか硬直している今がチャンスです。そのまま窓枠に足をかけて飛び降ります。ここ二階だから良い子も悪い子もやめようね!

 

「ばっ……おい!」

 

 アイアンマン!(ガン無視)

 

 今のステだと無事着地するには厳しい……というか確実に怪我の一つや二つは負うため、飛び降りると同時に【キャンディレイン】を使います。そして出来上がった飴玉のクッションに着地するって寸法よ。

 よし、何の怪我もありませんね。ではさっさとずらかりましょう。ついでに窓からこちらを見下ろしている剣城に満面の笑みで腕を振って…………走れー!

 

 (少年爆走中……)

 

 さて、では剣城も振り切ったことだし帰る……前に。

 スポーツ用品店に寄っておきましょう。前作を見てくださった兄貴ならお馴染みのものを買いに行きます。

 

 初見兄貴のために説明しますと、スポーツ用品店では装備品の類を購入することができます。シューズとかグローブとかですね。

 ですが今回の目的はそれではありません。というかこんな最序盤から買えるもののステータスなんてお察しですし、それに金をかけるとなると金稼ぎのできないRTAにおける貴重な資産ががが。ましてやホモくんは孤児院出身、自由に使えるお金は非常に限られているため、常に残金を気にしておかなければなりません。ま、ある程度勝ち進めば「サッカーのため」って言い訳すれば好感度次第で瞳子とかがお金出してくれるようになる可能性もあるんですけど。

 

 というわけで今回の目的はこちら、重りです! 2kgのものを四つずつ、両腕両足分の計8kgを購入しておきます。

 今後は無印でのリトルギガントがやっていたように、この重りを装備した状態で練習や試合をこなしていくことになります。当然、重りなんてつけていれば一部ステにデバフが入って動きが鈍くなり、何ならGPの減りも早くなったりしますが、その分獲得経験値が大幅に増えるため、RTAでは欠かせないと言っても過言ではないアイテムです。

 ……なお、これを手首に装着すると自動的に重りを固定・覆うためのリストバンドが装備されるため、重りの装備中はミサンガが装備できなくなります。あしからず。

 

 ちなみに、今回は超天才型なこともあって2kgの重りにしましたが、通常であれば、あるいはドリブルが主体のプレイをするのであれば1kgから始めることをお勧めします。でないと操作のミスが起きやすくなっちゃうからね。

 

 

 では、今度こそただいまー! お日さま園に到着です。

 荷物を部屋に置き、放課後にサッカーやろうぜ!と約束してあった狩屋を探しましょう。今回のように知人にサッカープレイヤーがいない場合は河川敷での自主練をオヌヌメします。ただし高確率で天馬と遭遇するため好感度はお察し。

 

 狩屋は大体部屋にいるか既にグラウンドにいるか、それかまだ帰宅していないかなんですが……玄関の方に狩屋がいますね。どうやら今日はホモくんの方が先に帰宅していたようです。

 

 やっほーマサキ、サッカーやろうぜ!

 

「うわっ! ……荷物置いてからな。っていうか、雷門中サッカー部は良かったのかよ」

 

 良いだろお前入学式の日だぞ(意味不明)。

 

「はいはい。ちょっと待ってろ、荷物置いてくるから」

 

 では、ホモくんは先にボールを持ってグラウンドに向かいましょう。到着し次第、狩屋が来る前に先程購入した重りを両手両足に装備しておきます。

 お日さま園には、設立の経緯もあってか立派なグラウンドがあります。お日さま園関係者の経歴を引いたのであれば、余程好感度を稼ぎたいキャラがいたりでもしない限りはここで練習するのがおススメです。狩屋と不仲な場合でも、他のキャラクターに邪魔されずに、もとい余計な好感度イベントを発生させずに自主練ができるメリットもあるしね。

 

「お待たせ。それじゃ、いつも通りの練習でいいわけ?」

 

 お、来ましたね。では早速練習に移っていきましょう。

 

 

 狩屋との練習ですが、一対一ということもあり、あまり大掛かりなことはできません。ドリブルとブロック、シュートなどを一通り練習する感じですね。とはいえ一人で練習するのに比べれば圧倒的に経験値の効率が良いですし、何より後日雷門に加入する狩屋のレベル上げもできるため、最初から好感度がそこそこあるのであればほぼ必須のイベントとも言えます。

 また、ランダムで吉良ヒロト(もとい基山ヒロト)や緑川リュウジ、南雲晴矢、涼野風介、砂木沼治がお日さま園に来ていた場合は一緒に練習をすることもできるため、見かけたら積極的に話しかけていきましょう。それ以外のメンバーの場合は会話や(運が良ければ)秘伝書の受け取りのみとなっております、残念。

 

 練習に関しては……もう見てもらった方が早いですね。このように、ボールを取り合いつつ、タイミングがあれば必殺技を使っていく感じになります。重りのせいでただでさえゴミカスの敏捷が鈍っている点については、今までの試走で鍛えた操作テクニックでカバーしていきます。

 お互いDFなので練習風景はパッとしませんが、それでも狩屋の【ハンターズネット】とホモくんの【キャンディレイン】はシュートブロックが可能なこともあってそれなりに使う機会に恵まれます。また、現時点でのホモくんが耐久特化のDFなのに対し、狩屋は敏捷・器用高めのバランスタイプのDFなため、そういったスタイルの選手の動きに慣れておくのにも使えます。具体的に言うとこう、初動を見て狩屋が次にどう動くのかを予測して攻撃を躱す感じで。

 

 ……実のところ、狩屋と練習をするという一点のみに限れば推奨ポジションはFW一択なんですよね。初期から習得しているシュート技を打って、それを狩屋が【ハンターズネット】で防いで、というのを繰り返せばえぐい勢いでレベルと必殺技の熟練度が上がっていくので。

 ただ、新生雷門においてはFWは中盤から出番が少なくなるというか、剣城とホモくんに経験値が集中したり倉間がほぼ毎回ベンチ行きになったりするので、RTAにおいては出来れば避けたいところ。あと、狩屋は第二部以降は試合出場不可のシーンが度々あるから集中的に育成しても……という。そもそもピンポイントでお日さま園出身かつ狩屋の好感度がそこそこというのを引き当てるのにどれだけリセマラすればいいのやら。というわけであまりお勧めはしません。

 

 内容の説明はこんなところですかね。

 練習量ですが、同伴者がいる場合はGPの減り具合によってストップをかけられたりするため、それを指針にして切り上げるようにします。同伴者の好感度等によって若干数値の変動はありますが、1/4まで減れば確実にストップが入ります。

 また、お日さま園出身の場合は夕飯の時間になれば強制的に切り上げさせられるため、それも踏まえたチャートを作成しておきましょう。ペース配分を間違えると、せっかくもっと経験値をもらえたはずだったのに……みたいなロスが発生してしまいます。

 

「宝里くん、狩屋くん、そろそろ片付けてくれるかしら。もうすぐ夕飯の時間よ」

 

 はーい。

 

 ほらね、瞳子が呼びに来ました。大人しくボールを片付けて着替えた後、夕飯を食べに行きましょう。

 ついでに重りのおかげでレベルが上がっているため、またポインヨを割り振っておきます。半分を耐久に、残りは他のステータスに均等に。残念ながら狩屋はレベルアップならずでした。

 

 あ、さっきの黒の騎士団戦での経験値もあってか、早速新しい必殺技を習得しています。早い早い……。

 さてさて、有用なものだといいんですが、果たして結果は! ジャカジャン!

 

【ポッピングバブル】

 

 よっしゃ勝ったな風呂入ってくる。

 

 ……冗談ですよ、冗談。

 これは前作、あ~無印の方ってことです、あれから収録されていたオリジナル技ですね。風属性のドリブル技なので属性一致、威力もそこそこあります。やったぜ。

 演出としては、相手の周囲に無数の巨大なシャボン玉を発生させてその場から動けなくし、それらを指パッチンを合図に次々と破裂させることで衝撃波で相手にダメージを与えるというものです。見かけによらず殺意が高い!

 

 難点として移動距離はほぼ0というものがありますが、今作からは同系統の必殺技がほぼ確実に習得できるシステムが導入されているため、実はそれを含めると当たりも当たり、大当たりだったりします。

 同系統の必殺技というのは、つまり【ゴッドハンド】→【マジン・ザ・ハンド】、【ゴッドノウズ】→【ゴッドブレイク】、【ザ・ウォール】→【ザ・マウンテン】、【ザ・ミスト】→【ディープミスト】といった上位互換の技のことです。前作でも若干確率が上がる補正はありましたが、今作はこれが改善されたことによってお祈りポイントがかなり少なくなりました。

 ……ま、当然ながらこのシステムの恩恵を受けられるのは自力習得の場合のみ。イベント習得や秘伝書での習得の場合は恩恵を受けられないです。チカタナイネ。

 

 【ポッピングバブル】の上位互換技には移動距離が長いかつ威力が高いものがあるため、それを習得できれば一気にボール運びが楽になります。今後は積極的に使っていくようにしましょう。

 

 

 さて、新必殺技を習得したところで、いい加減夕飯を食べに行きます。腹減ったなぁ。

 夕飯は朝食とほぼ同じ感じです。モブのことは徹底的に無視していきます。そして狩屋と瞳子にだけは、話しかけられたら対応するようにしましょう。

 

「それで? 結局雷門中はどうだったんだよ」

 

 んにゃぴ……やっぱフィフスセクターの手が入ってたね。よりによって今日から。

 しかも来たシードがよりによって知り合いだったもんだから(運が悪すぎて)こわい……。

 

「はあ? それってかなりまずいんじゃ……」

 

 ヘーキヘーキ、大丈夫だって安心しろよ~。少なくとも今のところは手出しされる様子ないしね。

 それに面白い新入生もいてamazing……!(絶賛)

 

「……面白いヤツ?」

 

 そうだよ。松風天馬っていうんだけど、初心者のクセに圧倒的な実力のシード相手に啖呵切ったり、ドリブルで翻弄したり、すっげえ面白かったゾ~。

 

「へえ…………」

 

 こうして天馬についてポジティブめに言及しておけば、ワンチャン狩屋→天馬の初期好感度が上がったり……どうだろう……まあやらないよりはマシです多分。

 そういえば、狩屋とか瞳子ってホモくんの事情どれくらい把握してるんですかね。フィフスセクターにいたこととか知ってるんでしょうか。ま、どっちでも問題ない感じの言葉を選んでればいっか!

 

 では、タァイムもあるので適当なところで会話を切り上げましょう。

 風呂入って、今日は初日なこともあって宿題等はないので荷物の準備だけしたらすぐに寝ます。おやすみ!

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 元々、フィフスセクターのやり口は嫌いだった。

 

 実力差がありすぎるチーム同士がやりあって、当然のごとく大差をつけて勝敗が決して、それは確かに誰のメリットにもならないだろう。でも、それで勝敗を管理するなんて思考にいくのがまず理解できない。強いヤツが勝って弱いヤツが負ける、そんなのは当然のことだ。

 平等な勝利? 自分の実力でもない、与えられただけのものに何の価値があるのやら。そんなもの、あらかじめテスト用紙に書く内容を一人一人決められて、そのあらかじめ決められた点数が自分の評価になるようなものだ。何の益にもならない。

 大体、フィフスセクターのやり方に逆らったら追い出したり廃部にしたり、それって平等な勝利とやらとは正反対だと思うんだけれど。そこらへんに所詮建前でしかないというか、自己満足丸出しな感じが出ていて、うん、正直言って反吐が出るってヤツだった。

 

 そして、何よりも。

 

(ツマンナイんだよなぁ、そーゆーの)

 

 敷かれたレールを歩くことほどつまらないことはない。

 サッカーっていうのは、自分の実力を全力で出して、相手と本気でぶつかり合って、そこにちょっとした不確定要素が入ったりすることで勝敗の予測がつかなくなったりして、だからこそワクワクするのだ。だからこそ、ボクはサッカーが大好きなんだ。

 だっていうのに、フィフスセクターが提唱する平等なサッカーとやらはその全てを無にするものだ。それを認めようなんてのが土台無理な話であって。知れば知るほど、ボクはフィフスセクターのやり方に反感を覚えるようになっていった。

 

 

 それでもかつてフィフスセクターに……というかあのゴッドエデンとかいう島にいたのは、その方がまだマシだったからだ。というか、そうでなければあそこに留まる理由なんてない。

 そしてその留まる理由というのは、ある出会いを境にあっけなく消えてなくなった。

 

 剣城京介。ゴッドエデンの外から来たシード。

 ゴッドエデンで他に敵なしとなっていたボクと白竜にも並ぶ実力のサッカー選手。

 

 他の鈍くさい連中と違って、アイツはすごくサッカーの実力が高かった。まさしくエースストライカーと言っても過言ではなかったと思う。

 そして、本人は隠しているようだったけれど、サッカーがすっごく好きなのも高ポイント。同じく実力が高い白竜はその点でちょっとマイナスポイントだったから──まあ多分アイツも何だかんだでサッカー好きなんだろうけど、そこらへんわざわざ刺激して自覚させる手間がメンドーだったし──すぐにボクの興味は剣城に向かっていった。

 

 練習終わりにちょっかいを出して、少しずつ、少しずつ島の外の話を聞いた。

 流石に自分の個人情報に関わることなんかは口を割らなかったけど、元々そこらへんにはあんまり興味がないので構わない。そして話せば話すほど、今のボクにお誂え向きの世界が外にあるらしいということがわかった。

 

 フィフスセクターによって完全に勝敗が管理されるようになった中学サッカー界には、どうやらまだまだ不穏分子が数多く存在するらしい。

 そして、そういった学校のサッカー部を潰したり、監視をしたりするために、剣城のようなシードが派遣されているのだと。

 

 聞いた瞬間、まさにこれだと思った。

 

 不穏分子、つまりフィフスセクターに反抗しようとしているってことだ。当然、そこにシードを向かわせることで反乱の芽を潰しているんだろうけれど……もしも、そのシードが負けることがあったら?

 シードがいるから、潰されるかもしれないから反乱を諦めているのなら、そのシードさえ脅威でなくなればどうなるか。抑圧されていたものが解放された時、そこに待っているのが何なのか、それは歴史が何度も証明している。

 

 ──革命だ。そしてその第一歩を見せつけてやることができるだけの実力が自分にあることを、ボクはこれ以上ないほどに自負していた。

 

 このゴッドエデンには、日本中で最も優れているサッカー選手が集められている。並のシードなんか目じゃない。そしてそのゴッドエデンで白竜と並んで最強と称されているボクであれば、剣城レベルでさえなければ勝つのはそう難しくないはずだ。

 そしてボクがシードを倒せば、それを見た他のヤツらもまた、シードは決して倒せない存在じゃないんだと悟るだろう。そうなれば、反逆の機運は一気に高まる。当然だ、本当にサッカーが好きなら、フィフスセクターのやり方を本心から良いものだなんて思わないはずだから。

 

 そうなれば、ボクは晴れて自由で楽しいサッカーができる。ボクが大好きなサッカーを、ようやく取り戻せる。ついでにスカした顔してる連中の負け犬の遠吠えを聞けたらそれはそれで面白そう。

 ……そして、()()()()に、あの人が本当に見たいはずの景色を見せてあげることだって。

 

 

 そうと決まれば話は早い。ボクは人目をかいくぐり、何か任務が下ったらしい剣城が島を出るのに便乗してゴッドエデンを立ち去った。ちょうどボクはもうすぐ中学校に上がる歳だったから、このタイミングで剣城が来たのは人生におけるベストラッキーだったのかもしれない。

 追手がかかる心配もしたけれど、今まではなんだかんだでそれなりに指示に従っていたから、まさかボクがこんなことをしでかすなんて思ってもみなかったのか、その気配も特になかった。あるいは、普段の退屈な練習のサボりだと思ってそこまで頭が回らなかったのか。

 

 そして本土の土を踏んだついでにかつて暮らしていたお日さま園に顔を出し、サッカーに詳しい瞳子さんに、フィフスセクターに反感を抱いているであろう学校を聞いた。勿論、反逆とかそういうのは伏せて、あくまでボクが楽しくサッカーできそうな所という名目で。

 実力がそれなりにある学校であればあるほどフィフスセクターの管理サッカーに反感を抱いているだろうし、そうであればシードが派遣されている、あるいはこれから派遣される可能性が高い。まずはそういう学校に入学し、サッカー部に入部しなければ。

 

「……そう。それなら、やっぱり雷門中が一番かしら。あそこには久遠監督もいるから、フィフスセクターの影響はそこまで強くないはずよ」

「雷門中っていうと、あの伝説のイナズマジャパンの選手がたっくさんいたトコだよね?」

「ええ。宝里くんの実力なら……二年前の実力から推測するしかないけれど、私の予想通りなら、一軍に上がるのもそう難しくないと思うわ」

「ん、それならだいじょびだいじょび~。こう見えても、アイツ曰くの地獄みたいな特訓ってヤツを毎日こなしてたわけだしね」

「────なんですって?」

 

 ……うっかり口を滑らせたせいで瞳子さんにゴッドエデンのことを話すことになったり、追手から匿うって理由でもう一度お日さま園に戻ることになったのは予想外だったけど。ま、どうせ行き当たりばったりで出てきたから住む場所とか特に考えてなかったし、渡りに船だったのでお言葉に甘えることにした。

 ボクが出ていった頃にはいなかった狩屋マサキってヤツもいたし、練習相手、それもそこそこ実力があって、かつ戦意喪失しない選手なんて大歓迎。そうして来るべき日に向けて練習を重ねて、さあいよいよ中学デビューだ革命の始まりだ、と意気込んだ……んだけれど。

 

 

「…………あ、ミスったかも」

 

 雷門の選手が剣城一人にボッコボコにされるのを見て、思わずそうこぼしてしまう。

 

 まさか、よりにもよって、剣城が雷門に来るなんて。

 想定外だったなぁ、と思わず飴をかみ砕きそうになる。まずは入部して、フィフスセクターにちょっかいをかけられ次第プチッと軽く潰して革命の第一歩にしてやろうと思っていたのに、その第一歩で躓くことになろうとは。

 剣城相手じゃ互角にしかならない。勝てたとしても、士気の上がり具合はイマイチになっちゃうだろう。それに、離れていた期間で相手がどれだけ実力を高めたのかも今の状態じゃわかりづらい。

 

 ……そして何よりも。予想以上に、サッカー部員のやる気が低い。

 

 ぼそぼそ呟いていたのが聞こえてきたけど、何だ内申のためって、馬鹿じゃないのか。まっさかボクがゴッドエデンにいた二年の間にそこまで腐ったスポーツになっていただなんて、これは流石に見通せなかった。もちろん皮肉。

 これじゃあ、いくらシードを倒したところでお話にならない。なにせ、そもそもサッカーが好きなヤツが少ない以上、より良くしようなんて意思が生まれるはずもない。

 

(あっちゃあ、これは外れだったかぁ……せっかくここを勧めてくれた瞳子さんには悪いけど、別の学校でリトライするしか……)

 

 グラウンドでの一連の出来事を見て、ボクの心はもうすっかり雷門から離れようとしていた。

 剣城がボクに気付かない内にこの場を去って、入学式をサボって、瞳子さんにお願いしようかな、なんて考えて──。

 

「──待てよ。サッカーは……サッカーはくだらなくなんかない。サッカーはくだらなくなんかないし、必要だ!」

 

 ────その場に吹いたそよ風に、思わず目を奪われた。

 

 

 

 

 

 結局。

 

 雷門中サッカー部は廃部になることはなかった。もちろん剣城の監視はつくだろうけれど、少なくとも今すぐにどうこうされるってことはないだろう。

 そして、あの時ボコボコにされていたのが二軍で、一軍の方にはピンキリではあれどサッカーが好きな人間がいることもわかった。この分なら、しばらくは様子を見てもいいかもしれないと思うくらいには。

 剣城の相手が面倒なこともあってサッカー部を覗かないまま帰宅することにはなったけれど、どうせ今頃剣城のことで荒れてるだろうし、それでやる気がない連中がいなくなるならボクとしてはむしろラッキーなので問題なし。

 

 それになにより。

 

「松風天馬。松風天馬かぁ……」

 

 実力はまだ低い。ドリブルだけは目を見張るものがあるが、それだけで戦っていけるほどサッカーは甘くない。

 けれど、その意思の強さは間違いなくトップクラスだ。ボク的に、百点満点の百二十点をあげちゃいたいくらいには。

 

 ボクはサッカーが大好きだ。強い相手と、本気で戦えるサッカーが。その点で言うのであれば、まだまだ松風天馬はボクの理想に遠く及ばない。

 けれど、実力はあってもやる気のないサッカーと、弱くても何度でも食らいついてくる相手とのサッカーだったら、後者の方がダンゼン好きなのも本当のコト。それに、弱いヤツは本人次第でこれからまだまだ強くなることができる。

 

 彼はまだそよ風のようなもの。世界を動かせるほどの力はない。けれど、彼が成長したその時は────。

 

「…………くっふふふ。たーのしくなりそう!」

 

 飴を口の中で転がし、心のままにくるくると踊る。

 ここ数年で一番の魂の昂ぶりに、久しぶりに本心からの笑みが浮かんだ気がした。

 




 
・ホモくん

 ふーん、おもしれー天馬。

 他人に対する評価がシビア、かつ面白いことが好き+飽き性気味という最悪のコンボ。色々と考えていると思ったら変なところで抜けていたりする、思いつき突進型の人間。
 ……一応善良な部類の人間ではある。多分。

 ところでゴッドエデンを出た手段ってもしかして:密航。


・瞳子

 善良な大人なので明らかにやべー組織に目を付けられていそうなホモくんを保護した。
 実際、お日さま園はバックに吉良財閥がついてるのでかなりの安全圏。


・フィフスセクター

 何故かホモくんに追手を放っていない。
 何でだろうね。
 
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