イナズマイレブンGORTA 雷門ルート   作:nrnr

7 / 12
 
 何か主人公が妙にまともになってしまったので初投稿です。
 


パート7 新監督着任

 

 いよいよ無印主人公と出会うRTA、はーじまーるよー。

 

 

 

 今回は勝敗指示を無視して栄都学園に勝ったところから。

 久遠監督がクビになった件がさらっと携帯に連絡されていますが、ホモくんがそれで暗くなったりという様子はありません。というわけでいつも通りに起きて登校するとします。

 

 場合によっては朝食中か朝食後に瞳子から監督のことや試合のことについて言われたりもしますが、そのイベントが起こるのは大体が勝敗指示を破ったことについて何かしらの負い目を感じているような言動をした時です。

 今回のホモくんのように勝敗指示?何それ美味しいの?みたいな様子を見せておけばイベントの発生は余程のことがない限り有り得ないのでご安心を。もしそれでも起きたら多分過去に何かしら地雷が埋まってます。

 

 

 ホーリーロードの開催が近いこともあり、今日からは朝練があるので早めの登校です。監督がクビになったとしてもサッカー部の練習はあるため、まずは部室に向かって着替えるとしましょう。

 ……針の筵! 久遠監督がクビになった理由の大半はホモくんの勝敗指示を無視した得点にあるため、直接罵ってくることこそ無いものの睨まれたり微妙な顔をされたり散々です。気にしませんが。

 

 このように、栄都学園との練習試合で勝敗指示を無視し、あまつさえシュートを決めてしまった場合、雷門イレブンから恨まれることになります。久遠監督がクビになる原因どころか、あれだけボロクソにこき下ろしたりすれば嫌われるのは当たり前だよなぁ?

 普通なら得点しただけでは倉間以外はそこまで反感を抱くことはないですが、あれだけ煽ったこともあって一年を除いてほぼ全員に嫌われている状態です。出来るだけ同じ空間にいる時間が短くなるようにしましょう(無茶ぶり)。というわけで着替えたらさっさとグラウンドに行きます。

 

 今日の練習ですが……監督はいねぇ!それどころか何故かキャプテンもいねぇ!ということで三国が取り仕切ることになります。

 練習内容は相変わらず攻撃と守備に別れての紅白戦。そして、監督がいないこともあってか、昨日の試合でパスの精度が不安視されたのか、あるいは勝敗指示に逆らったことについて思うところがあるのか、天馬と信助とホモくんの一年トリオは三人でパス回しの練習です。こんな地味な……もといRTA的には経験値効率が悪くなるせいで的確すぎる嫌がらせをしてくるとか、やめたくなりますよ~部活~。

 

 とはいえ、ここでより効率の良い練習をするためにサボったりしたら更に雷門イレブンの好感度が下がりますし、何より天馬と信助の好感度までまとめて下がるのはまず味です。今日のところは大人しく指示に従っておきましょう。

 それに、ここである程度天馬のパスの上達の手助けをしておけば、練習や試合でパスミスをしにくくなります。この後少しすればパス精度も上がってきますが、経験値を少しでも多く稼ぐためには早いに越したことはないです。

 

 ……それにしても、二・三年の調子がとんでもなく悪い……悪くない? 普段ならまず起きないようなミスを連発しています。久遠監督がいなくなったこと、更に神童が休んだこともあり、メンタルがガッタガタの状態なんですね。

 当然、こんな状態だと経験値はまともにもらえなくなります。が、これを改善するには神童並かそれ以上の好感度がある元からの部員でもないと不可能なため、そのまま放置しておきましょう。無駄な会話をしてもロスになるだけです。

 

 そして、練習に身が入っていないのは天馬と信助も同じ。特に天馬は勝敗指示に明確に逆らったこと、前日に監督をクビになった直後の久遠と話していたこともあり、かなり思い悩んでいます。

 

「キャプテン、どうしたのかな」

「うん……」

 

 流石にこの二人まで経験値を稼げないのは今後に差し障るため、ちょっと喝を入れておきましょう。

 

 別にまっちゃんが気にすることなんてないと思うんですがそれは。

 まっちゃんがキャプテンにパスしようがしなかろうが、ホモくんがシュートを決めた時点で勝敗指示に逆らうのは確定してたわけだし、気に病む必要なんて皆無ゾ。ほら、大体ホモくんのせい。

 

「それは……でも、キャプテンがシュートを決めたのは俺がパスしたからで……」

 

 じゃあ勝敗指示に従った方が良かった?

 

「そんなこと! そんなこと、ないけど……」

 

 ならそれが答えなんだよなぁ。

 それに、終わったことについてうだうだ悩む暇があったら、まずは少しでも選手として使い物になる努力をしろってそれ一! そんなんじゃ試合で勝てねぇぞお前!

 

「……うん、そうだね。ありがとう、素羽」

 

 ここまで言っておけば、完全回復は無理でも練習には集中してくれるようになります。上級生と違って神童や久遠とそこまで親しいわけではないのも幸いした感じですね。

 後は休憩時間になるまで大人しくパス練習を続けましょう。上級生が色々話しているのはスルーして大丈夫です。

 

 

 ようやく休憩時間になりました。水分補給をしつつ、一年生であるホモくん達はボールを用意するといった雑用もすることになります。

 

「サッカー部はどうなっちゃうんでしょうね」

「久遠監督は、こんながんじがらめの状況でも俺達の自由を認めてくれていたよな」

 

 先輩方は相変わらずどんよりムードでうだうだ言っていますが、今のホモくんでは口を開けば開くほど好感度が下がる状態なので、会話には混ざらず距離を置きましょう。飴おいちい。

 ちなみに、会話を聞いているとわかる通り、南沢だけは現状サッカーにそこまで思い入れがない、内申のためにサッカーをしているだけの状態です。厳密には本人がサッカーが好きなことを自覚していないだけなのですが、こんなフィフスセクターに管理された状況でそれを自覚できるはずもなく。南沢の好感度を上げたいのであれば、いかにそれを自覚させるかが鍵になってきます。今回? やるわけないじゃないですかーやだー。

 

 さて、それはそれとして、そろそろあの人が来るはずなんですが……。

 

「結局、誰が来ても同じってことかよ」

「──そんなことはないぞ!」

 

 おや、聞き覚えの無い声が上の方から聞こえてきましたね。反射的に声が聞こえた方向を向くと、逆光でうまく判別できないですが大人の男性らしきシルエットが見えます。

 茶色のツンツン髪とオレンジ色のバンダナが特徴的な誰かさんは、そのままグラウンドに降りてきます。おや、音無顧問が妙に嬉しそうな顔をしていますね。さては知り合いか何か?(すっとぼけ)

 

「お久しぶりです!」

 

 感動の再会と言わんばかりの音無顧問と男の人ですが、どうやら他のメンバーは彼が誰かを知らない様子。

 はえー、この人、一体何堂守なんでしょうね。誰か一人くらいは顔知っててもおかしくないと思うんですけど。

 

「これで全員か?」

「いえ、キャプテンが休みです」

 

 キャプテンだけが休みという中々に情けない状況ですが、男の人は特に気分を害した様子はありません。

 で、結局この人どちら様?

 

「今日から雷門中サッカー部の監督になった、円堂守だ!」

 

 アイエエエエ! 円堂守!? 円堂守ナンデ!?

 

 というわけで、なんとびっくり、前作主人公にして伝説のイナズマジャパンのGKが新たに雷門イレブンの監督となりました。これには剣城もびっくり……もとい、どうやら事情を把握していなかった様子。フィフスセクターガバガバかよ。

 本来であれば海外のプロリーグで活躍しているはずの彼ですが、少し前に故障を起こして一時的に帰国しており、そこで久遠前監督に今回の監督就任を打診された感じらしいです。わざわざ海外から……(余計なお世話)。

 勿論ホモくん達はそんなこと知る由もありません。そもそも何でこれだけの有名人の顔をサッカー部が誰一人として知らないなんて事態になるの?

 

 そして気になる雷門イレブンの反応ですが、パッと見喜んでいるのは天馬と信助くらいですね。二・三年は驚きが先行しているというか、それはそれとしてフィフスセクターの管理下だしという認識なのか、といった様子です。剣城は少し剣呑な様子。

 ここで天馬や信助と喜んでおくと、二人に加えて音無顧問やマネージャー、円堂監督の好感度が上がるのですが……ちょっとこの後やりたいことがあるため、今はあまりリアクションしないでおきます。(心配しなくても我らが円堂守はその程度で好感度を下げるような男じゃ)ないです。

 

 さて、何はともあれ円堂守の監督就任です。早速彼から練習についての指示が出されます。

 

「放課後の予定を伝える。練習場所は河川敷のグラウンドだ」

 

 えっ、それは……(困惑)。

 

 河川敷のグラウンドというのは、無印で学校のグラウンドが使えていなかった頃によく使っていたあそこです。天馬がよく練習している場所でもあります。そのせいで今作はレベリングの機会が限られるんですよね、何せ経験値目当てに河川敷に行くと天馬の好感度がすごい勢いで上昇していくので……もう許せるぞオイ!

 どうやら河川敷で練習することで学校のグラウンドでは見えないものが見えてくるかもしれない、勝つためにもやるとのことですが……前者は兎も角、後者は今の雷門イレブンに対しては悪手です。何せフィフスセクターのせいで勝ちたくても勝てない状況ですからね。

 

「何なんだあの人……」

 

 ご覧の通り、しょっぱなから反感を抱いてしまいました。二・三年は全員乗り気でない様子です。聞いた直後は興奮していた天馬と信助も段々と暗い表情になってきました。

 

「あの……先輩たち、行かないんですか?」

「一抜けた」

 

 真っ先にその場を立ち去ったのは当然南沢です。彼からしてみればフィフスセクターに逆らって内申を落としかねない監督の言うことを聞くなんて言語道断だからね、しょうがないね。そしてそれにつられるように雷門イレブンは次々とその場を去っていき、最終的に選手で残ったのはホモくんを含めた一年トリオだけになりました。悲しいなぁ。

 

「どうする、天馬、素羽?」

「……行こうよ信助、素羽!」

 

 まずいですよ! このままだとホモくんも流れで行くことになりかねません。

 というわけでここでちゃんと意思表示をしておきましょう。と言っても行かないと断言すると好感度が結構下がってしまうため……。

 

 どうしようかなー(行き当たりばったり)。

 

「え、ええ?」

 

 放課後の気分次第? 行けたら行く的な。

 練習内容次第では、おう、考えてやるよ(参加するとは言ってない)。

 

 では、この返事を返したらすぐにグラウンドを去りましょう。ここで会話を続けると一緒に行こうアピールを食らいまくってロスになります。

 後は着替えですが、すぐに部室に向かうと先に離脱していた上級生とかち合ってまた面倒なことになりかねません。天馬と信助はしばらくグラウンドに残って練習するため、上級生が部室から出ていったらすぐに着替えるようにしましょう。

 

 

 あとは授業開始まではいつも通り自習して、放課後までのルーティーンは変わりません。

 ということで、暇を持て余すみ な さ ま の た め に ぃ

 

 どうして今日の放課後の練習に向かわないのかを解説しておきます。

 

 そうです、考えておくとは言いましたがホモくんは今日の河川敷の練習には参加しません。というのも、今日の練習内容は経験値効率の面で見ると非常にまず味なのです。

 練習内容は初心者の天馬とそこまで実力があるわけでもない信助に合わせたもの、つまりは初歩中の初歩。ドリブル練習であったり、ヘディングの精度を上げる練習であったり、パス練習であったり、とにかく経験値が貯まりません。いわば、ここまでで操作に慣れることができなかったプレイヤーへの救済措置のようなものなのです。

 この練習をすることで天馬のパスミスが少なくなる等のメリットもあるのですが、そんなものはホモくんが参加しなくてもどうにかなります。それなら、二人の育成は円堂監督に丸投げして、ホモくんは狩屋と練習しておいた方がずっと効率が良いのです。

 

 ……当然ながら天馬達の好感度は若干下がりますが、それくらいは誤差だよ誤差。何なら倉間と南沢の好感度はちょっと上がるくらいなので、それでトントンだと思うくらいでちょうどいい、はっきりわかんだね。

 

 

 放課後になりました。では、ユニフォームに着替えたりはせず、このままお日さま園に直帰するとしましょう。

 あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー……。

 

「へぇ、てっきりお前はあいつらと一緒に河川敷に行くと思ってたんだがな」

 

 ……なんで南沢がいるんですかねぇ? 剣城に続いての好感度ガバはヤメロォ!(建前) ヤメロォ!(本音)

 いやまあどうせ偶然かち合っただけなんですけど、好感度の調整は少しガバると後々まで尾を引くから怖いんですよね。南沢なら積極的に好感度を稼ぎに行かない限りはほぼ確実に好感度イベントが進行しないし、まあ……問題あらへんか……とりあえず無難な返事を返しておきましょう。

 

 だって行くのが天馬と信助だけってことは、練習のレベルもお察しになりますしおすし。何で行く必要なんかあるんですか。

 初心者に合わせてTDN基礎練するくらいだったら、帰って経験者と練習してた方がためになるのは当たり前だよなぁ?

 

「何だ、案外まともな考えもできるんじゃないか」

 

 失礼な、ホモくんはいつだってまともだろ! いい加減にしろ!

 とはいえここで話し込んでいたらロスになるだけなので、肩をすくめるだけにしてさっさと退散しましょう。暇な時間は少しでも経験値稼ぎに回しておかないと後で泣きを見る羽目になりかねません。

 

 

 ただいま~。帰ったらすぐに部屋に行き、間違っても瞳子に見つからないようにします。狩屋ならいくらでも誤魔化せますが、大人組となるとそうもいきません。貴重な練習時間を説教で取られるのはまず味です。

 動きやすい服に着替えて……お、丁度いいタイミングで狩屋が帰ってきました。おかえり~。

 

「た、ただいま……お前、部活は?」

 

 なんのこったよ(すっとぼけ)。そんなことよりほら、とりあえず練習で。

 

「お前さぁ……」

 

 何か言いたげですが、練習には付き合ってくれるようです。やったぜ。

 では、狩屋が着替えるのを待ってコートに向かいましょう。その後はいつもと同じく必殺技を交えてのボールの奪い合いです。倍速倍速ゥ!

 

 ……で、何でまだ少し夕方に差し掛かったくらいなのに既に等速に戻ってるんですか?

 

「ほ~~~う~~~り~~~~~」

 

 ……ファッ!?

 

「晴矢さん、どうしてここに?」

 

 ッギャーーーーー! 南雲じゃねえか! とんでもねえ屑運引いたぞオイ!

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!

 

「どうしても何も、この馬鹿が部活サボってこんな所にいるからだろ。ったく、久々に顔出したらこれかよ」

 

 南雲は無印でエイリア学園や韓国代表・ファイアードラゴンに所属していたキャラクターです。お日さま園出身だったこともあり、今でも時々顔を出しています。これについては最初に名簿を見た時に話した通りですね。

 でもどうしてよりによって今日に限って来るんですか! 確かにサボってるとこうして大人組に見つかるパターンもありますが、滅多にサボることなんてないのにピンポイントで今日!? 試走の時は一回も来なかったくせに! この人でなし!

 

「とにかく、ほら、今からでもいいから行けって」

 

 やだやだマサキと練習したいでござる! こっちの方が効率良いでござる!

 

「いい加減にしろ! はあ……悪いな狩屋、ちょっとこいつ借りるぜ。涼野も来てるし、折角ならあいつと練習したらどうだ?」

「あ、はい……」

「おい宝里、大人しくしてろ。雷門中までは連れてってやるから」

 

 今日は河川敷なんだよなぁ……。

 

「何でそこまで把握してんのにサボってんだよ……ほら、行くぞ」

 

 さらっと狩屋にも見捨てられてしまいました。この薄情者!

 流石に首根っこをひっつかまれて猫の運搬のような扱いをされてしまっては抵抗できません、大人しくドナドナされるとしましょう。気分はまさしく出荷される子やぎ。ヒヒン。

 

(少年運搬中……)

 

 はい、河川敷に来てしまいました。一応、中断されるまでの経験値でも河川敷に行っていた場合よりは多かったのでロスではないです。再走は嫌だ……再走は嫌だ……。

 

 今日の河川敷では、天馬と信助が練習していた所を浜野・倉間・速水・天城・車田・三国がなんだかんだで気になってのぞきに来て、剣城は恐らく円堂の監視を兼ねて様子見、そして上の橋からそれを神童と霧野が眺める、といった感じのことが起きています。

 そしてのぞきに来ていた面々の存在に気付いていた円堂監督によって全員のキック力を見ることになり、そこでまた剣城とひと悶着、といった感じなんですが……果たしてどこまで進んでいるのやら。

 

デスソード!」

 

 お、ちょうど剣城が必殺シュートを打ったところですね。ゴール前の円堂監督に直撃するルートですが、円堂監督はそれを寸前に顔だけを横にずらすことで回避するという、ある意味止めるよりも難しい芸当をこなしてみせました。

 

「あいつが例のお前の知り合いだっていうシードか?」

 

 そうですね(即答)。

 

「なるほどな……」

 

 とか言っている間に苦々しい表情の剣城が階段を上がってこちらに近づいてきました。このペースだと普通に鉢合わせしますね。

 そのまますれ違うのもなんなので挨拶くらいはしておきましょう。オルヴォワール*1

 

「は…………?」

 

 何か奇ッ怪なものを見る目で見られたような気もしますが気のせいです。

 そのまま階段を下り……下り……なんで南沢いるのぉ?(白目)

 

「お、宝里も来たか! それに南雲も、久しぶりだな!」

「話は聞いてたが、本当に雷門の監督になったんだな」

「ああ、ちょうど今日からなんだ。南雲はどうしてここに?」

「コイツが部活サボって帰ってきてたのをたまたま見つけたんだよ。こうでもしないと動かねぇからな。ほら、宝里」

 

 (それは良いから、いい加減首を)離して欲しいなって……。

 

「……ま、ここまで来れば逃げねぇか」

 

 はい……(不服)。

 

 ようやく解放されました。普通なら窒息しかねない暴挙ですが、ホモくんは超次元サッカー選手なのでこの程度では少し苦しくなる程度なんだと思われます。お前ら人間じゃねえ!(物理)

 後から、それも最後に来ただけあって天馬や信助の空気が微妙な感じになっていますが、ここで何かしら弁解しておく必要はありません。むしろ好感度イベントを避けるためにもこれくらいの距離感を保っていきたいところ。

 

 南雲は何故かそのまま河川敷の端の方で待機しています。待機しているということは練習が終わり次第一緒に帰ることになるため、声をかける必要はありません。

 

「円堂監督、あの人は?」

「南雲晴矢。俺達がイナズマジャパンだった時に韓国代表の一人だったんだ」

「韓国の!? 素羽、そんな人と知り合いだったんだ!」

 

 そんなことより、練習しなくていいんですか?

 

「そうだな。宝里、まずはキック力を測るからシュートを打ってみてくれ」

 

 おかのした。

 

 特にコーナーを狙ったりする必要はないため、正面に向けて全力でボールを蹴りましょう。ヌッ!

 はい、GKがいるわけでもないのでよっぽど操作が下手でなければ入ります。本当に雀の涙みたいなものですが経験値も貰えるため、確実に入れておきましょう。

 

「よし、いいぞ! 試合でも見たけど、やっぱりいいシュートだな!」

 

 お、DFにしてはそこそこの評価です。栄都学園との練習試合でシュートを決めていた分少し評価が高めになっています。

 ちなみに、ここでの円堂のセリフはキックのステの数値次第で少し変わります。どんなシュートを打っても褒めてくれはするんですが、その表現がちょっとずつ違うんですよね。FWの場合はこの時点での推奨能力値に達しているかを確認するのにも使えるかもしれません。

 

 さて、これで能力の確認もできたことだし、練習の続きを……。

 

「今日の練習は終わりだ!」

 

 ええ……。

 来たばかりだと言うのに終わりになってしまいました。遅れてきたホモくんが悪いとか言ってはいけない(戒め)。

 

「シュートを一本だけ?」

 

 どうやら先輩方もホモくんと同じだった様子。いくら何でも時間が勿体ない……勿体なくない?

 そもそも、学校のグラウンドでは見えないモノって何だったんです?

 

「みんな、勝つための特訓に来たんだろ? だったら見えたじゃないか。本気で勝利を目指したいと思ってる、仲間の顔さ」

 

 アッハイ。

 流石は円堂教の教祖の有難いお言葉、みんな何かしら思うところがあるような顔をしています。……が、倉間と南沢だけはどこか冷めた様子。むしろ南沢は何で来たんだ。

 

「……ふん、とんだ無駄足だ。お前も、わざわざ連れてこられた結果がこれで災難だったな」

 

 おっ、そうだな。まあホモくんは南雲=サン達には頭上がらないからね、しょうがないね。

 

 では、練習も終わりということなのでさっさと帰りましょう。ここでモタモタしていると天馬達に話しかけられてロスになります。ましてや今日は南雲がいますからね、彼について色々聞かれたりしたらロスがとんでもないことになりかねません。

 私服のまま来たので荷物等はありません、そのまま南雲の方に真っ直ぐ向かいます。話しかけられそうな気配を察知したら飴を舐めてキャンセルだ。

 

「他のやつらと話さなくていいのか?」

 

 えっ、そんなん必要ないでしょ。どうせ明日も会うんですし。

 

「明日は練習行く気あるんだな……」

 

 後は雑談しつつお日さま園に帰りましょう。今からだと帰っても狩屋との練習はできないですね。

 帰宅したら即座に夕飯となるため、今日のサボりのお説教を聞き流しつつご飯を詰め込みます。南雲と涼野といった普段お日さま園にいないメンバーは大抵の場合一泊していくため、好感度を上げたいのであれば夕食以降の暇なタイミングで話しかけるといいです。今回はRTAなので極力回避していきます。

 

 さて、後は宿題をして風呂に入ったら就寝です。おやすみなさい。

 

 

 

 おはようございます。今日の朝食は昨日と同じく南雲と涼野がいるため、会話を長引かせて朝練に遅刻するなんてことが無いようにしましょう(1敗)。

 あまり早く行きすぎると去年の決勝の動画を見ている天馬達との会話イベントに巻き込まれるため、ほどほどの時間を狙って出発します。

 

 挨拶をしながら部室に入って、お、ちょうど先輩方が来た直後みたいですね。壁にはホーリーロードのポスターも張られ、いよいよ大会が近づいている気配がします。

 ……なんですが、神童と、何故か倉間もいません。後は当然ながら剣城も。まあそこらへんを気にするのは天馬の仕事、ホモくんは他の部員と距離を取りつつ着替えていればOKです。

 

 朝練ですが、紅白戦の前にまずはウォーミングアップから始めます。パス回しやドリブル等をこなす形になるため、好感度を上げたいキャラがいる場合はそのキャラに相手を頼むようにしましょう。

 何も言わなかった場合は部員の中でも好感度が高い方のキャラからランダムで選ばれるのですが……またしても南沢です。ホモくん南沢に気に入られるような何かをした覚えないんですけど。強いて言うのであれば、冷めてる分好感度の上昇量も減少量も少ないと思えば残当……?

 

 そしてしばらく練習していると、お、神童がユニフォームに着替えてやってきました。

 

「キャプテン!」

 

 天馬が喜んで駆け寄りますが……う~ん、表情が暗いですね。しかも無言のまま背を向けてしまいます。

 この時点の神童は勝敗指示に逆らった結果久遠監督がクビになった件をずるずると引きずっているため、まともにコミュニケーションを取ることはまず不可能です。霧野レベルの好感度があっても厳しいと言えばおわかりいただけるでしょうか。

 追いかけたところでメリットはないので、朝練に集中しておきましょう。(経験値が)イッパイイッパイホシイイイイ!!!!

 

 朝練が終わった後の動きはいつもと変わりません。ただし今日は昼休みにやるべきことがあるため、倍速は一旦中断します。

 今日の昼休みですが、今朝の神童の様子を受けて三国と霧野が屋上で話し合いを設けています。そしてそこで神童が退部する旨を伝え、天馬と信助が駆けつけるも決意は翻らず、そのまま円堂監督に退部届を提出……という流れになるのですが、そろそろ好感度調整の必要が出てくるため、少しだけ神童と話さなければなりません。

 いずれ上級生達が改心して真剣にサッカーを始めた際、どうしても今のホモくんの好感度がネックになってきます。天馬の好感度があればそこそこカバーは出来るのですが、神童についてもある程度確保しておいた方が安定感が増す感じですね。とはいえ好感を抱いてもらうほどの必要はなく、彼にサッカーが好きなことやサッカーにちゃんと向き合っていることをアピールするくらいで十分です。

 

 というわけで、神童・霧野・三国に続いて天馬と信助が屋上に上がっていったのを確認し次第少し下の階段にステンバーイします。

 そして階段の中央を陣取って横を通れないようにし、確実に立ち止まって話ができる場を作っておきましょう。後は神童が戻ってくるのを待つだけです。お、荒々しい音を立てて屋上の扉を閉めた神童がやってきました。

 

 

 では、いよいよ神童とサシでご対面というところで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

 

「──逃げるんだぁ?」

 

 耳に飛び込んできた声に、反射的に階段を下りていた足を止める。

 この、最近になって聞くようになった挑発するような声は。見下ろした先、自分の行く手を塞ぐかのように立って嘲笑にも似た表情を浮かべている姿は。

 

「…………宝里」

 

 自分と同じく栄都学園でフィフスセクターの勝敗指示に逆らった後輩の姿に、ぐっと拳を握り込む。

 久遠監督がいなくなり、心が波立ったままの今の自分にとって、彼はどうしたって不愉快な感情を抱かずにはいられない人物だ。あの事情を理解した上で突き放すような物言いも、フィフスセクターに逆らって久遠監督を追いやる原因を作ったことにも、その何もかもに苛立って仕方がない。

 

 ……分かっている。こんなのは八つ当たりだ。

 宝里のやり方は常軌を逸しているが、同時に正しさを孕んでもいる。だからこそ苦しい、だからこそ松風とは違った形で自分を灼いてくる。けれどそれを飲み込めるほど感情の整理ができるかと言えば、答えは当然否だった。

 

「何の用だ。用がないなら……」

「そうやって、自分が起こした行動の責任から逃げるんだ」

「──何だと?」

 

 だから少しでも早く離れようとして──しかし、その言葉に再び動きが止まってしまう。

 

 ……逃げる? 自分が?

 違う、俺は久遠監督が雷門を去る原因を作った責任を取るために。確かに円堂監督が、あの楽しそうにサッカーをする人がフィフスセクターに歪められるのを見たくない気持ちはあっても、久遠監督を言い訳にしているなんてこと、あるはずが。

 

「何も違わないじゃん。引責辞任って言えば聞こえはいいけどさ、要は自分がやったことの後始末もせずに放り出すってことなんだから」

「……それをお前が言うのか。フィフスセクターに逆らってシュートを打ったお前が!」

 

 気が付けば、自分は宝里の胸倉を掴んで怒鳴っていた。

 

 そうだ。フィフスセクターに逆らってシュートを決めたのは宝里も自分も同じ。それなのに、久遠監督を追いやったのに、どうしてこいつは平然としていられる?

 何が本気だ、自由だ。それを貫いた結果がこれだ。これ以上の被害を出さないためにも、自分が下した判断は最善のもの、間違っているはずがない。

 

 その、はずなのに。

 

「ボクだから言うんだよ。これがボクの責任の取り方だ。自分のやったことだ、そのケリは自分の手でつけないといけない」

「それがただの我儘だっていうんだ!」

「オマエが退部して何が変わるっていうのさ。何も変わらない、それどころか戦力が低下するだけじゃん。久遠監督がいなくなったことだって全部無駄になるだけだよ」

「お前が久遠監督を語るな!」

「じゃあオマエが語ればいいよ。オマエがいなくなることで雷門イレブンに生じるメリットって何? 久遠監督が辞めたのは無駄だって?」

 

 唇を噛みしめる。そんなこと、言われなくてもわかっていた。

 そうだ、全部無駄だったんだ。あの一回の練習試合で、自分は久遠監督の立場を、大人しく従っていればある程度は保証されていた雷門中サッカー部の未来を台無しにしてしまった。今更それをなかったことになんてできない。自分が退部したところで、多少見る目が緩くなるかもしれないという程度の効果しかないだろう。

 ──ああ、吐き気がする。自分の甘い考えにも、逃げようとしている思考にも、それをやめられない弱さにも。

 

 でも、それならどうすれば良かった?

 

 久遠監督は、あのシュートを打ったときに感じたものを忘れるなと言った。……忘れずにいて、それでどうなる。そんなもの、ただ苦しいだけだ。

 その心に従って好き勝手にできるほど、キャプテンという地位は甘くない。あの時感じたものに、自分を責め立てたものに従ったとして、その結果また誰かを傷つけることになるくらいなら、やっぱり自分は──。

 

「…………ああ、もう、まだるっこい!」

 

 しかしその思考は、宝里の苛立たしげな声によって遮られた。

 いつの間にかすぐ目の前に立っていた彼が、びしりと自分に指を突きつける。その瞳にあるのは軽蔑、だけではなくて──この、どこか暗い色は一体?

 

 けれど一瞬垣間見えたそれは、続いた言葉によって吹き飛ばされる。

 

「なら、ボクを恨めよ、神童拓人」

「──え?」

「全部、全部ボクのせいだ。ボクがシュートを打った時点で、久遠監督の退任は決まってた。オマエのシュートなんて、多分原因の1パーセントにも満たないよ」

 

 今までの自由そのものな言動からは予想もつかない言葉。まるで悪魔の囁きのようなそれに、階段であるにも関わらず思わず半歩後ずさる。

 

「な、何を言って……」

「だから、いっそ残りの1パーセントもボクに押し付けちゃえばいい。そうすればオマエは堂々とサッカーができる。久遠監督と何があったとかは全然知らないけど、あの人の意思を継ぐなり何なりした方がよっぽど恩返しになるんじゃない?」

 

 ……それは、どこまでも魅力的な誘いだった。

 

 確かに、そうすればきっと自分の心は楽になる。円堂監督に思うところがあったとしても、少なくとも今自分を責め立てるモノからは逃れることができる。管理された世界に複雑な思いを抱えつつも、今まで通りにサッカーを続けることができるだろう。

 ────でも。

 

「……それこそ逃げだろう」

 

 それだけはしてはいけない。それはきっと、久遠監督が最後にかけてくれた言葉を、今までにやったことのある本気のサッカーを裏切ることになる。

 例え逃げることに変わりはないのなら、せめてあの心を裏切ることだけはしたくない。それが、今の自分にできる精一杯だった。

 

 宝里を押し退け、階段を下りる。向かう先は勿論部室だ。円堂監督に退部届を出さなければならない。

 あの後輩は、もう追ってくることも声を投げ掛けることもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ~あ。ボクのせいでサッカーやめるとか、そればっかりは流石にカンベンなんだけどなぁ」

 

 残された彼の呟きは、誰にも聞かれることのないまま、廊下の空気に溶けて消えた。

 

*1
フランス語で「さようなら」の意。時刻に関係なく使われる。




 
・ホモくん

 天馬のことをそこそこ認めてはいるが、だからといって効率の悪い練習に付き合うような仲良しこよしをするつもりはない。
 施設に関係する大人の言うことはそれなりに聞く。流石に面倒を見てもらっている以上は迷惑をかけられないし、それくらいの分別はあるのだ。

 神童に関しては、叱咤激励ではダメだったので一時的に責任から目を逸らさせてでもサッカーを続けさせる方向にシフトしたものの、効果はいまひとつだった模様。しょんぼり。


・神童

 またしても煽られる神童さん。


・南沢

 おや? みなみさわの ようすが……!


・剣城

 サボってたはずの知人が首根っこひっつかまれたネコチャンな登場をしたら流石に二度見もする。
 

・南雲

 元マスターランクの三人の中では一番の常識人だと思われる人。頭のチューリップも健在。
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。