魔法科高校の「」~転生したら両儀式だったので、原作知識と直死の魔眼でハッピーエンドを目指す 作:Azuleneψ
転生したら両儀式だったし遠野家にいた。なんでさ
ふと目が覚めた。
誰も彼も眠った頃、夜の冷気で瞼を開ける。
暗い夜。家の中にみんなは...いると思う。
どうも皆さんこんにちわ、いやこんばんわと言うべきか。転生したらしい高校生型月ファン(♂)です。
エルメロイの冒険二巻を読んで『両儀幹也』に尊みを感じUnlimited Red Bull Works をキめて、劇場版『空の境界』の円盤を回しまくって周回しまくってたらいつの間にかこんな所におった。まじで意味が分からなすぎて月姫のあのシーンを再現するところだっ...た...?
月姫......
「予約したのに、一切触れずに死にやがった!この人でなしっ!」
武家屋敷然とした静かな空間に染み入っていく心の叫び。拙い、これは原作崩壊の匂いがする。冷や汗が流れる。人生最大級の警戒をするも、いつまで経っても人が来る気配はない。緊張がきれたのか、喉が渇いた。潤いを求め立ち上がり周りを見渡す。
そこには和室には不似合いな現代的な機械達がいた。えっ、何で?二十世紀末にこんなのないやろ。混乱しながらも、それらのうち一番近くにあった小型デバイスに手を伸ばす。電源の付いていない画面はまるで鏡の様でって...
「この顔...まるで、両儀式じゃ無いか、どうして推しの顔が?」
未だハッキリすることの無かった意識が一瞬にして覚める。虹彩認証でロックが解除された画面にはこうあった。
『2094 6/13 午前2::17
速報 全国魔法科高校親善...
日本魔法協会によると、...』
「何故...劣等生の世界で...
もう寝よう。面倒事は全て未来へ発送しよう」
脳の処理能力を遥かに超えた摩訶不思議な出来事に頭を抱えながらも再び布団へ戻り、二度寝をする事にした。もっとも、寝れる訳が無いのだが。
あっ、水飲むの忘れた。
でも何だかんだ寝れた。疲れとったんやろな、特に頭が。
その夜、幾度とない痛みと苦しみが式を襲う。全ては記憶の矛盾を無くすために。
-翌朝-
余程頭は疲れていたのだろう、目を覚ますと既に太陽は沈みかかっていた。目を擦り辺りを見る。
(昨夜見たものは嘘じゃ無かったのか...)
昨晩見た夢。それはこの世界線での式の半生。最後に見たのは鉄臭い暗室の天井。それ以降の記憶はない。推しに転生出来た事は、嬉しい反面、憂鬱でもあった。
(あと1年で原作スタートか。面倒事には関わりたく無いんだがな〜。無理だろうな〜。すまない、
そんな風に感傷に浸っていると
「お目覚めですか、式さま。ご気分はいかがでしょうか?」
一人布団から上半身だけを起こしていたオレに話しかける声。この声は前世で聞いた様な...あー、月姫の翡翠だ。漫画でもこんなシーンあったなぁ。(現実逃避)もう何でもありだな、この世界。さて、テンプレどうりの返事でもしますか。
「まあまあだ。君は...」
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。本日から式さまのお世話をする事になりました、翡翠と申します。お着替えをご用意致しましたので、お着替えが終わりましたら部屋の外にいますのでお呼び下さい。本館にて秋葉さま、この家の主人がお待ちです」
機械の様に淡々と連絡事項のみ述べていく翡翠。これが志貴にデレるのは考えられないなぁ(月姫未履修者)なんて感想を心の内で述べながらも、用意された服に着替えようとする。浅葱色の単衣の着物か、わかってるじゃ無いか、緋翠。
寝間着に手をかけて思い出した。そういえば性別変わったわ。今女じゃん。昨日からの怒涛の情報群の所為ですっかり忘れてた...
ええいっ!
人として何かを失った気がする。
-閑話休題-
着替えを終えたオレは、部屋の外にいると言っていた翡翠へ声をかける。
「着替えは終えたぞ。行くんだろう、秋葉さまとやらの元に」
「随分とお時間がかかりましたね。はい、本館はあちらです。着いて来て下さい」
その時大きな音を立てて腹の虫が鳴いた。すると顔を真っ赤にしたオレを見て翡翠は少し微笑みこう言った。
「本館に着いたら軽食を用意させますので、少々我慢して下さい」
なにこれ恥ずかしっ!
本館まではそこそこの距離があり、転生したてでこの体に慣れていないオレにとってはとても辛い道のりだった。情けない姿は晒したく無いので割愛するとして、明治時代にタイムスリップしたかの様な洋館へ着いた。明らかに遠野家の屋敷だよなぁ、これ。その後、秋葉さまがいるという部屋まで案内された。
「失礼します、秋葉さま。式さまをお呼びしました」
『入ってちょうだい』
年季を感じるドアの向こうから聞こえた声も、やはり聞き覚えがあった。やっぱりあの秋葉だよなぁ、などと思いつつ部屋の中へ。質素なアンティーク調の部屋の奥、1人掛けのソファの様なものに座っているのと側に控えるのと二つの影が。
「気分はどうですか、式さん。遠野家当主、遠野秋葉と申します。こちらは琥珀です。貴女の身柄を当分我が家で預かる事になりました。何か聞きたいがあるなら、なんでも聞いてください」
そう、秋葉さまと琥珀だった。秋葉の対面にある椅子に座りながら尋ねる。
「なぁ、何故オレはここに居るんだ?」
「2年前の沖縄海戦後、国防軍に保護された方の中に貴女がいたので、なら縁のある家が、という訳です」
(沖縄海戦はやっぱりあったのか。何故オレは沖縄に居たんだ...そうか。桜井穂波を助ける為に...うん?)
「変な事を聞いてもいいか?」
「構いませんが、何ですか」
「オレは昔、沖縄海戦前と比べて変わったか?」
すると秋葉は一瞬たじろぎ、躊躇いながらもこう言った。
「ええ、昔の式はもっと女の子っぽさがありましたし、オレなんて一人称は使ってませんでした。それが何か」
そう言われて確信した。オレは多分、昔から式の中にいた『織』の様なものではないかと。そしてオレは決断した。この世界線をオレの知る世界線よりも平和なものにする為、そして、司波達也ら四葉家を孤立させない為に。
「信じるかどうかは任せる。オレはこれから起こる事の一部を知っている」
翡翠さんや秋葉さまのセリフは漫画の月姫を参考にしました。
式が起きた日付は空の境界と同じ日に、時刻は式の誕生日にしてみた。