魔法科高校の「」~転生したら両儀式だったので、原作知識と直死の魔眼でハッピーエンドを目指す 作:Azuleneψ
その後は一方的な話が続いた。劣等生の話、空の境界の話、月姫の話。知る限りを全て話し終えたあと、悲痛な面持ちで話を聞いていた秋葉が戸惑いながら話かけてきた。
「どうして、その様な事を私達に話すのです。それだけ情報があれば他家を出し抜くこともできる筈です。どうして...それだけ優位な位置に居るのに哀しそうな顔をするのですか...」
「それは... 怖いから、だと思う。ただでさえ知り得る世界でハッピーエンドを目指す事すら難しいのに...イレギュラーが多すぎるんだ。何をどうしたら良いのか、分かってはいた事だけど...一人で出来るかなって...」
重い空気が支配するこの閉塞を破ったのは、軽食を用意する為に部屋の外に出ていた琥珀だった。
「式さま、軽食をご用意...どうしたんですか?」
先程とは一転して暗い雰囲気を察しキョトンとしている琥珀へ秋葉が要約して説明した。すると琥珀は、簡単な事じゃないですかと語りはじめた。
「要するに式さまは、自分は凡人だから天才たちには敵わないし何も出来ないと言いたい訳ですね。甘いですよ。ゲームと同じです。同じ期間しか準備出来ないなら仕方ないにしろ、式さまは一年のアドバンテージを持っていらっしゃる。これが示す意味は分かりますね、式さま」
なんと一見おちゃらけキャラの琥珀に諭されてしまった。原作を多少知っているものとして、中々くるものがないわけでは無い。ふぅ、と一息つき琥珀を見据え一言。
「ありがとう琥珀。お陰で目が覚めたよ」
「いえ、感謝には及びませんよ式さま」
「琥珀、オレ堅苦しいのは嫌いなんだ。だからオレの事は呼び捨てでいいよ」
「式さんがそうおっしゃるならそうさせて頂きます。それと軽食です。お口に合うかは分かりませんが、どうぞ召し上がって下さい」
「ありがとう琥珀。じゃあ頂くよ」
確か琥珀は料理が型月作品で一二を争うぐらい上手だったな。争ってるのは本来ならオレだから、実質一番か?楽しみだ。出て来たのは二切れのオーソドックスなサンドイッチと高級そうなカップに入れられた紅茶。それらを無言で食す。本家の式なら舌が肥えているからこれらの美味しさを的確に表す事が出来るのだろう。だが生憎、オレには分からなかった。感想としてあるのはただめちゃくちゃ美味しかったというだけである。
軽食を食べ終わったあとは夜が深けるまで、秋葉と共にこれから起こるであろう悲劇への対策を練った。そこで決まった事は後日から行うこととし、その日はお開きとなった。ただ一つ言える事、それは
対司波達也の魔法を開発する事。
原作知識をフル動員し辿り着いた一つの結論。それは、達也に『再生』を使わせないというものであった。式は『死』を知覚出来る『直死の魔眼』を有している。それを使い、達也のフラッシュキャストで再生出来ないように、『直死の魔眼』でエイドスと魔法式を断ち切る。これらの工程は『直死の魔眼』持ちのオレなら可能だろう。しかし問題は、自らの得物である刀の攻撃範囲外に達也がいる場合だ。となるとやはりCADが必要になってくる。さてどうしたものか。
こんな事を話したら秋葉がこんな事を言った。
「CADを弄るのが好きな人は知っておるから、話をつけておきましょうか」と。
もちろん今のオレにとっては渡に船だ。断る訳もなかった。しかし、そいつは想像以上の人間だった。
そう、彼女の名は『青崎橙子』
なんであんたもここに居るの?
CAD調整士に橙子を選んだのは、冠位魔術師であれだけ高度な人形が作れるなら出来てもおかしくない!と思ったからです。