「ケータくん! どこですかケータくん!!」
「ニャんでケータがいないのニャ!?」
「二手に分かれて探すでウィス!」
「了解ニャ! ゲンシャさんはここで待っててほしいニャン!」
さくらニュータウン全体が捜索範囲、暇していたコマさん&コマじろうにも手伝ってもらいながら町中を奔走する。
少しずつ範囲を拡げていく。おおもり山、団々坂、さくら中央シティ、おつかい横丁、そよ風ヒルズ、くまなく見てもケータは見つからない。
いや、それだけじゃない。
「人はいるのに妖怪はいないズラ……」
「あ、みんなごめんズラ。
「大丈夫ズラ、行ってらっしゃいズラコマじ――けーじぇーさん」
コマじろうは妖魔界のニュー妖魔シティ――赤猫団バスターズハウスのある街にクラブハウス『クラブ
コマじろうはバスターズとKJを兼用しているので忙しいが、それに見合う実力がある、最強のエンターテイナーなのである。
「さすがKJ、忙しいんでウィッスねえー」
「そうズラ、コマじろうはオラの誇りズラよ!」
さくら中央シティ桜中央駅前の金の卵(目印に適したモニュメント。縦2メートルを越える金色の卵)付近で集合したその時だ。でんじん親方特製の“鬼時間タイマー”が反応した。腹に響く音と共に3,2,1,とカウントが始まり、勾玉型の四色模様が開き、赤黒い背景に『鬼』の字が刻まれた柄に変化する。このタイマーの針が一周するまでが、ビッグボス撃破のタイムリミットであり、その時間はビッグボスや鬼時間の規模によって様々だ。それに伴って速度の変わる時針が一周を超えれば逃げられてしまう。
「もんげー!! 鬼時間ズラー!?」
「ニャんですとぉー!?」
「ふろしきに念の為、汎用Bスーツを2着入れてて助かったズラ……ジバニャンも使うズラよ」
「あのぅーワタクシの分は」
「ないズラ」
「もんげーでうぃす……」
今回はいつも以上に赤く、煤焼けたような空気。灰が虚空を舞っていて、今にも
「せっかくならモグモグバーガーでソフトクリーム食べたかったズラ……」
「何だ、ハンバーガーを食べに来たのではないのか」
「あ、あなたは“オロチ”でうぃす!?」
コマさんのぼやきに反応したのは、エリート妖怪のオロチだ。キュウビと並ぶA級バスターズチーム『
そんなオロチは、元は人間だった。
ある村の人間だった子供の頃のオロチは、妖怪とは一切関わりのない人生を送っていた。田舎とかではなく、本当に“村”である。だがその村を襲ったのは、筋骨隆々の赤い妖怪…………一体のビッグボスだ。その一体により村は完全に壊滅。唯一生き残ったオロチは、希望の崩壊、魂の覚醒により、生きて自分の肉体を持ちながら妖怪化したイレギュラーな存在だ。
覚醒した魂から発生したオーラで形創られる青白い龍のマフラーと、便利な機械などのない過酷な生活の賜物で、戦闘力は全妖怪の中でもトップクラス。それは先代閻魔大王と親しい仲を許される程。
「どちらにせよ、“奴”は私の相手だ」
「奴……とは…………?」
深い地響きが鳴る。細かい砂埃が舞い散る。ダイナマイトの爆破音が響く。
「あ……ああ……あいつは……!?」
「ああ……奴だ……ッ! 早急にケリを付けてくれる、《やまたのおろち》!!」
2
それはどこからか出したダイナマイトを4人に向けて投げた。龍が跳ね返そうとするが、着弾する前に大爆発を起こす。
「ニャニャニャニャー!?」
「もんげー!! あれは“レッドJ”ズラかー!?」
「ムムッ! 見えますよ! あの気分を害すほゲホッゲホッど密度の濃い紫の妖気……! 一体なゲブホッなぜ!? また“極”状態です!」
「まさか……私の
金切り声で、気性の荒い猫のような声を上げる極・レッドJ。レッドJの戦い方は先の黒鬼とは全く違う。黒鬼は鈍く重い攻撃だが、レッドJのは素早く深く、低く軽く、時には爆撃など、型の読めない動き方をする厄介な相手だ。その手の運動選手のように
「ジバニャン……ウィスパー……これってまさか鬼時間?」
「ニャニャっ!? ゲンシャさん来てはいけニャい!!」
「いや、大丈夫だ。あの人は本来は私たちより強い。なぜあの人がいるのかは知らないがそれよりもレッドJ…………貴様は私が必ず殺すッ!」
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