特攻野郎Bチーム。それはいつしか、伝説と呼ばれたバスターズチームの名だ。それ以前も以後も、誰も彼もが“伝説”と認めうるチームは存在しない。
ブリー隊長、ふぶきちゃん、ホノボーノさん、そしてでんじん親方。ひとりひとりがその役割内のプロであり、4人揃えば文殊の知恵程度を簡単に超越するだろう。
そんな彼らは引退後、様々に暮らしていた。
彼らを再び引き寄せることになったのは、落ちこぼれ弱小バスターズチーム『赤猫団』受付のバイトとなったふぶきちゃんだった。
ふぶきちゃんが、まだ弱かったジバニャンらを心配し、鍛えられるように協会へ人生を送ったのだ。以降、隊長兼司令官をブリー隊長が
「クソッ……情報を求めに
「駄目ね、親方の妖波でレーダー探知しても全く反応がないわ。ホノボーノさんは?」
「なかなか苦しいボーノー……どの書類にも役立てそうなものは…………
……どこ行ったんボーノ? でんじん親方…………」
3人はバスターズ協会地下2階舞台下部屋にいる。理由は勿論、消えたでんじん親方を捜索するためだ。それも、ウィルオーウィスプを探すために必要である。彼の開発力があれば、未確認であれ妖怪ひとりの情報を得るなんて容易い。奴が妖怪であれば、確実に。
この部屋は、危険性のある妖怪の情報を絞り出すための部屋だ。この2階上の舞台では、数多くのバスターズが集まり、時に事件解決のためにまとまり、情報の共有を行う。そのため、確実かつ最大限の情報が必要であり、次いで迅速に対応できるように、比較的安全な地下にある。人間界であれば地下だと電波どうこうで難しいだろうが、ここは妖魔界。電波ではなく、
妖波、ある天才妖怪が見つけ出した、魂から発せられる特殊な
しかしそれを持ってしても、でんじん親方はなぜか見つからない。
「考えたくないが、やはりそういうことだと、そういうことだと言うのか…………ッ!」
「そ、それだけは、ありえないボーノ……」
「だけどそうとしか思えないわ……」
「だが憶測では埒が明かない…………仕方ないな……“あそこ”に行くぞ」
ここよりさらに地下、協会最深部屋には、紅白で対となった巨大像がある。名はそれぞれ、“
この像は特殊な力を持っていると信じられ――いや、実際に特殊な力がある。それも、0を1にできる巨大な力だ。
0を1にする。言葉にすれば単純だが、1を100にするよりも桁違いに難しい。有をただ増やすのではなく、無を有にする。
その神に求めるは、
同時に、引き抜いた存在に対する、罰を。
彼らは最悪の場合を、ウィルオーウィスプに
※ ※ ※
「なぜだ……なぜ……私にはこいつを倒すことができないと……そういうことだと言うのか…………!?」
2対の龍を従える妖怪はそびえ立つ巨大な敵の前に膝をつく。妖気が底を尽きかけ、龍は力なく大地に伏せている。
傷だらけのオロチへ向けて、低く出の早い《カミソリ足払い》が飛ぶ。
「喰らうニャ! 《アカネコ
Bスーツ付属の小型ビームランチャーから放たれた橙色のジグザグの軌道を描くビームがレッドJの巨体めがけて多段ヒットするが、頑強な筋肉がそれを跳ね飛ばす。それでも、オロチに対する
「熱熱熱熱うぃぃぃぃぃぃいっす!!?」
ウィスパーを襲うのは、直下の地を割って炎が連続的に噴出する《獄炎ストーカー》。高速的で回避の難しい技はレッドJの
「オロチさん大丈夫ズラ!?」
隙を見てオロチを《回復の術》で回復させる。完全に傷を癒せ、尽きかけの妖気を回復させるほど有能な技ではないが、それでも幾分マシにはなる。
「くっ……すまない、コマさん。もう、大丈夫、だ」
「駄目ズラ! 今の身体じゃまともに戦えないズラよ!?」
相当消耗したとしても彼らを、レッドJは待ってくれることはない。
レッドJの必殺技《地獄の怨念玉》がこちらに向けられる。必中の紫玉は一撃で大型車を廃車に変え、高耐久のタンク妖怪すらも瀕死にする。
全員が死を自覚するような、覚悟するような間もない。ただ確実な敗北だけが彼らを襲う――――――
と、思われた瞬間。
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