妖怪ウォッチバスターズ『FUTURES!』   作:妖怪紳士奴

15 / 32
14.天野景太捜索大作戦

 レッドJを撃破した後、解散した。ジバニャン、コマさん、ウィスパーは消えたケータの捜索。ふぶきちゃんはブリー隊長らのところへ戻り、オロチは大守(おおもり)山の山頂へ、ゲンシャは宮殿で伝承を調べ直しに行った。

 

 

 ふぶきちゃんが来たのは、ゲンシャが連絡したからだったらしい。いつの間に連絡手段を得ていたのか、しかしそれに救われた。もし来なかった場合を考えれば、感謝しなければいけない。

 

 

 

「とにかくワタクシたちはケータくんを(さが)さなくては! もし妖怪ウォッチを使える状況であればトモダチ妖怪を召喚するはず……それを考えれば、非常にまずいかもしれません!」

 

 

「ウィスパーが頭を使ってるニャ……!?」

 

 

「明日は雪が積もるズラよ……!」

 

 

 

 ギャーギャーと(わめ)く茹で卵の頭を開け、中から妖怪Pad(パッド)を取り出す。ウィスパーの生態は謎だらけ。

 

 

 妖怪Padとは、簡潔に言えば妖怪版タブレットである。情報検索は勿論、電話も可能だ。

 

 

 

「もしもし妖魔界のポリスメン」

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

『ユーはジバニャン? 珍しい、どうしたダニ?』

 

 

「久しぶりニャ、“USA(ウサ)ピョン”」

 

 

 

 USAピョン、それは一人の仲間の名だ。ブリー隊長直々にバスターズへの誘いを受け、共に多くのビッグボスと戦った。

 

 

 精鋭を集めたドリームチーム、バスターズ特殊部隊GETTO(G「ガッツのある限り!」、E「エンマ大王様のために」、T「とことん」、T「戦い続ける」、O「男たち!!」)――またの名を“月兎組(げっとぐみ)”――が役目を終えた後、「妖魔界を守る存在がバスターズ以外にも必要だ」と言う考えが生まれ、その(もと)、新たなる私営組織“Futures(フューチャーズ)GETTO(ゲット)”を創り出す一人となった。

 

 

 この組織は、名を引き継ぎ、月兎組と呼ばれる。バスターズほど実力が必要というわけではなく、ここから新たなバスターズチームができることもあるので、数多い妖怪が月兎組に入隊する。組織されてから長い時間が経ったわけではないが、既にバスターズの倍の全体数を誇る。

 

 

 12種の階級があり、USAピョンは最高階級である“師走(しわす)”だ。察しの通り、階級名は和風月名から取られている。

 

 

 

「ちょっと手伝ってほしいことがあるのニャ。ケータが、攫われたかもしれニャい!」

 

 

「どっどういうことダニ!?」

 

 

 

 ジバニャンは、事の顛末(てんまつ)を全て話した。

 

 

 

「ウィルオーウィスプ……実は、ついさっきエンマ大王様からもその存在が伝えられたダニ、まさかこんなことが…………了解、ミーたちも協力するダニ!!」

 

 

「ありがとニャ、オレっちたちも動くニャン!」

 

 

 

 捜索範囲は拡大し、電車移動のさくらぎ、こひなた、福の宮を通ってケマモト、ナギサキ。月兎組から弥生(やよい)長月(ながつき)の7階級の妖怪らが全体を練り歩き調査する。更に隣県にまで足を運び、二大首都のトイキョー都・ダイサカ府にも手を伸ばした。北のホンカイ道から南のオケナワ県まで、全国各地。

 

 

 USAピョンのトモダチの人間である“未空(みそら)イナホ”にも協力を要請した。「イナウサ不思議探偵社最大の事件キター!!」と元気になっていたが、情報が来てないことを考えると、あまり進展がないらしい。

 

 

 そんな中、たった一つだけ情報が来た。

 

 

 改造を受け機械化した、ある未来のジバニャン、“ロボニャン”だ。高性能AIの行動・思考補助によって捜査を着実に進める、月兎組の優秀な人材――改め猫材。階級は長月で、今回は全体を纏め上げる役割を持つ。

 

 

 

「白い妖怪ウォッチが……その妖怪ウォッチだけが、見つかった。解析の結果、ケータのもので間違いはないだろう…………」

 

 

 

 妖怪ウォッチ、それは人間と妖怪を繋ぐ腕時計。エルダ、エルダ零/神、零式、初期型、初期型懐中時計タイプ、Uプロト、U、ドリーム、オーガ…………大昔の遺物であったり、一人の少年が作り上げた絆の象徴であったり、常に進化し続ける物であったり、心に呼応して生まれた特殊型であったり、様々なものがある。

 

 

 初期型、それは初めての量産型妖怪ウォッチであった。と言っても大量に作れるものではないが、ある程度の性能を保ってかつ複数個作れることは、革命的なことだった。

 

 

 その中のオリジナルが紛失し、なぜか190年間ガチャに封印されていたウィスパーがそれを所持していて、たまたまそれを引いたケータがそれを保持することとなった。不可解ではあるが、まるで運命が仕向けたようだ。

 

 

 その初期型のオリジナルが、発見された。つまりケータは今、妖怪ウォッチを持っていない。

 

 

 いつであったろうか。ある妖怪のせいで、妖怪ウォッチの概念が消滅したことがあった。その副作用として、ケータから妖怪たちと過ごした記憶が、妖怪たちからケータと過ごした記憶が、一時的に忘れ去られていた。人間と妖怪を繋ぐ、絆の力さえなくなっていたからだ。

 

 

 もし、その時のような何らかの副作用があれば。

 

 

 ケータは今となっては、妖怪から見て人間代表のような、重要な存在だ。妖怪と交流のある人間がどれほど集まろうと、ケータの代わりには成りえない。

 

 

 

「ケータきゅん……」

 

 

「ケータ……」

 

 

「……大丈夫ズラ! ケータさよくもんげーことに巻き込まれけど、全部はねのけてきたズラ! 今回もなんとかなるズラよ! いっぱい助けて、いっぱい助けられたんズラ、今またオラたちがケータのことを助けるんズラ!!」

 

 

「コマさん……! そう、そうニャ! オレっちたちが何もしなければケータは変な奴に奪われたままニャ!」

 

 

「ええ、そうでウィス! 今こそワタクシたちバスターズの出番ではあーりやせんか! ケータくんを助けて、ウィルオーウィスプを討伐する! それで全部解決でウィッスゥ!」

 

 

 

 彼らは、諦めはしない。

 

 

 バスターズは、何度でも立ち上がるのだ。

 

 

 これまでそうして、強くなってきたのだから。




 バスターズ特殊部隊GETTOの意味を表した「ガッツが(略)」のやつは、公式設定です。妖怪ウォッチバスターズ月兎組アップデートで追加されたストーリー内で語られるので、気になった人は見てみるのも良いかもしれません。


 持っていない方/壊れて見れない方もご安心を。YouTubeで月兎組ストーリーと検索すれば動画が色々出ますが、それを説明しているシーンが写っているかもしれません。まあ実際写ってる動画はあるんで、これを機会に色々見てみるのも……?

軽いアンケート。良ければ評価や率直な感想もお願いします

  • 面白い(原作プレイ経験あり)
  • 普通(あり)
  • 面白くない(あり)
  • 面白い(原作プレイ経験なし)
  • 普通(なし)
  • 面白くない(なし)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。