ようやく、待ちわびた“情報”が現れる。だがそれは思ったよりも大きく、
「ロボニャンの録画データを確認させてもらったわ。あれは……あまり心地よいものではなかったけど、ヒントは掴めた。
録画内で最後に言った言葉、なんだか違和感があったの。奴の、『我がウィスパーよ』って言葉に。
自分の姓で呼ぶのは違和感あるでしょ? 予測だけど、ボク達の前に現れるウィルオーウィスプ・ウィスパーは
そこに、ふぶきちゃんが言葉を重ねる。
「勘でしかなくても、やれることはやるのよ。
それと、あれからミツマタノヅチの動きを調べたら面白いことがわかったわ。全体が少しずつ、“ムゲン地獄”入口――団々坂西方向に移動してたのよ。何かあるかもしれないわねー」
「とにかく…………もうエンマ大王から“獄中特殊権限”を借りてるから、ムゲン地獄に行きましょう。それも侵入不可の、第9階層へ! いろいろ調べたこともあるけど、それは『彼』と合流してからにしようか」
そう言いながら首にかけたペンダントには、白い小さな装飾がひとつ付いていた。形は鬼玉だが、そこから感じるのは妖気とかとはなんだか違う感じがある不思議な物体だ。
「…………あのぅ……申し訳ございませんが、
この状況での行動拒否。ウィスパーの遠慮とやらは、バスターズとしては褒められたものではない。だが、今はバスターズとしてではなく、個人として、何かに思考を張り巡らせている。
ここにいるメンバーは皆、それを察せられない程度の関係ではない。特に、ウィスパーが真面目に頭を働かせている間は馬鹿じゃなくなることを、ジバニャンはよく知っている。これでも彼は
「じゃあオレっちが行ってくるニャー」
「オラも行くズラ」
「じゃあ行ってく……ニャニャ!? コマじろういつからいたニャ!」
「ゲンシャさまと一緒に来たズラ。
あの時離れてなかったら、結果は変わってたかもしれないズラ…………オラは、オラが兄ちゃんの仇を取らなければいけないんズラよ!」
コマじろうはしっかり者であり、いつもコマさんを支える立場にある。だがそれを成せるのは、コマさんの溢れんばかりの優しさがあって、支え
「じゃあ、行こうか」
※ ※ ※
罪を犯した者や災いを閉じ込める空間、ムゲン地獄。降り進むに比例して凶暴強力なのが蔓延している。下には第8階層まであるとされているが実際は更に奥が存在し、以下の正式名称はないが便宜上9の番号を振られている。本当の底は誰も知らない、真の意味で無間無限なのだ。
第7階層の、第8に下る梯子。それを無視して突き当りの透明の壁に手を当てると、赤い波紋がうねる。
「どうするんだっけ」と少し困惑しながら、例のペンダントをかざす。すると、激しめに弾ける音とともに透明の壁が消えた。そのまま落下するゲンシャを追って、ふたりは着地点の見えない亜空に身を投げ込んだ。
※ ※ ※
想像よりもすぐ、地面に足を着ける。重力が狂っており、落下の衝撃なんてものはなかった。
「もんげー……もの凄い圧ズラ…………」
「冷や汗が止まらニャい……」
凶悪で強大な物者がいる場所に入ったからか、逃れられないプレッシャーが呼吸器に溶け込んでいる。ゲンシャも効くところがあるらしく、良い表情はしていなかった。
下への重力に囚われないことの副産物か、90度回転している畳の面にも立つことができた。どの方向にも畳はあり、勿論ここ以下にも多く点在している。この空間全てを総括して第9階層であり、どこを見ても壁底無しの無限空間。吸い込まれそうだと言う感想を述べた頃には、既に一手遅れとなっているだろう。
「…………あった、あの檻ね」
色々な場所に点々と牢獄が建てられ、中でも一際強い漆黒を孕むものが目前にある。
中には容姿の乱れた、いつかの男がいた。
「ニャニャニャ、お前は!」
「キミの力を借りたいわ、“
ゲンシャはその妖怪がいる檻の
“輪廻”。
だが現在はそれも丸く収まり、全員が罪を受け入れて自らここへ
極妖怪らの武力は並外れており、ひとりひとりが今の赤猫団と戦っても勝敗がわからない程に強い。心に巣食う深い闇が、妖力を底上げているのだ。言うまでもなく、輪廻自身はその極妖怪よりも強力で、まさに次元が違うレベルだ。だからまず彼に声をかけた。まともに戦えるのはブリー隊長のような、バスターズ内でも上澄みの者だけだろう。
「おや。まさかこの私に話を? 面白い、お聞かせ願いましょう――と言いたいところですが……厄介な客が来てしまったようですね」
「「「!!!」」」
3人が後ろに振り向く。そこに浮いていたのは、青い人魂。
「ま、まさか……」
「ウィルオーウィスプ……!!」
「御機嫌
「フフ、私は以前言ったでしょう。『運命に二度目はない』と!」
首に架せられた鎖を難なく破壊し、いざ立ち向かう。
人魂は姿を変えながら、牙を剥いて
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