「ウィルオーウィスプ……ウィスパーに似てる雰囲気があるニャン」
「それはそれは、さぞかしイケメンなんでウィッスかね?」
「それはニャい」
「んッだとこのジバヤロォー!!」
ジバニャンとウィスパー、2人はいつもの調子で言い合いを始める。それも客人、しかも閻魔大王一族の前で、だ。
エンマ大王はその様子を日常のように楽しみ、ゲンシャはこの先が心配であるような表情で苦笑している。
中身のない喧嘩が始まって数分後、バスターズハウス内は赤い光とサイレンの音に満たされる。慣れた感じでジバニャンは階段で地下1階“さすらい闘技場”へ下り、ウィスパーは1から4階までを貫通する下り用ポールの穴を浮き伝って4階、“指令室”へ向かった。
このサイレンは“バスターズSOS”、大きな事態が起きた際にバスターズハウスに鳴り響く緊急コードである。もちろん、これが鳴った結果は緊急事態以外の何者でもない。「最悪の緊急コード」とも呼ばれる。
地下の“ひみつのクローゼット”から専用装備(橙色の特注スーツ“Bジバスーツ”とランドセル型“鬼玉”保管かばん、チューブでそれと繋がった片手武器“
1階“エントランス”から上がってきたバイト受付嬢“ふぶきちゃん”は円卓型の機械に文字をタイピングする。
黄の帯で締めた、薄水色と白で雪をイメージした着物と氷点下レベルの氷のかんざし、赤い縁のメガネが特徴の彼女は、ブリー隊長とホノボーノさんと同じ、特攻野郎Bチームの元メンバーであり、相応の実力を持つ。容姿の可愛さから、一般妖怪から同じバスターズにまで、老若男女問わず全体人気が高い。
「どうだ、姫。発信源は」
「ええ、もう調べたわ。人間界のアオバハラからよ」
アオバハラ。人口密度の高い、オタクの聖地だ。有名なアニメ『宇宙美少女セラピアーズ』のグッズショップや、ジバニャンもお気に入りの大人気アイドル『ニャーKB48』のライブ会場、その他レトロ・オカルトグッズなどがある横丁、メイドカフェ、探偵事務所などが混在する地域だ。
「よし、お前ら行ってこい! だが何があるかわからん、気を引き締めておくんだぞ!」
「了解ニャー!」
人が多いので、鬼時間に巻き込まれる人間も少なくはない。だが、本来のアオバハラの鬼時間で現れる“ビッグボス”(その鬼時間の中枢となる強力な妖怪。撃破すれば鬼時間が終了する。)は緊急で要請が必要になるほどの強さではないはずなのだ。
ゲンシャはこれまた心配していたが、現状に対し笑う余裕のあるエンマ大王、そして何より先程までとは全く違うジバニャンの自信ありげな目つきがその感情をかき消した。
「お2人は待っててくださウィス、談話室のテレビからこっちの映像を繋げれるので見てるでウィッス! ワタクシたち赤猫団の実力を!」
ウィスパーは自信満々な意気込みを残し、ジバニャンの待つビークルの運転席へ乗る。
とは言ったが、あくまでもドライバー。
戦うのはジバニャンであって、ウィスパーではないのだ。
エンマ大王とゲンシャには、「お前も戦えばいいのニャ」と幻聴が聞こえた気がして、なんだか複雑な気分になる。いや、ジバニャンは恐らく実際にそう言っただろう。
ビークルの電力モーター音が、少しずつバスターズハウスから遠ざかっていく。本件に纏わる不可思議の初陣、開始だ。
軽いアンケート。良ければ評価や率直な感想もお願いします
-
面白い(原作プレイ経験あり)
-
普通(あり)
-
面白くない(あり)
-
面白い(原作プレイ経験なし)
-
普通(なし)
-
面白くない(なし)