妖怪ウォッチバスターズ『FUTURES!』   作:妖怪紳士奴

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5.戦闘、vs.黒鬼!

 黒鬼の放つ金棒スイング(金棒をスイングするだけの技)がジバニャンを襲う。完全な受け身の構えであったのに耐えきれず、来た道を戻るような軌道で吹っ飛ばされる。

 

 

 

「おっと……」

 

 

 

 そこを受け止めたのはキュウビだった。満身創痍であるはずだが、それでも最低限の余力を残してあるのは流石と言う他ない。その技術はジバニャンにはないもので、やはり経験の差があるらしい。

 

 

 

「出オチキャラだけは嫌だから……ねぇっ!」

 

 

 

 傷だらけの状態でありながら、全力でジバニャンを投げ返した。その速度・方向、完璧な流れだ。

 

 

 空振りのパンチを数回繰り返し、大きく息を吸う。息と心拍数を整え、全身に妖力をたぎらせ、黒鬼に手が届きかつ相手の攻撃が自分に届かないギリギリのタイミングを見定め、溜めた力を解放する!

 

 

 

「くらうニャ黒鬼! 必さーつ! 《ひゃくれつ肉球》!! ニャニャニャニャニャニャニャニャーっ!!!」

 

 

 

 ジバニャンは装備の片手用ランチャーを背中の奥突起(おうとっき)に収納し、己の拳で渾身の必殺技を放つ。

 

 

 自然の定着型妖気を自らの妖気と調和させることにより一時的に能力の底上げをする技術、通称『妖気ゲージチャージ』により、一時だけ能力を爆発的に上昇、特有の“必殺技”を使うことができる。妖怪の数ほど様々な得意とする種類があり、ジバニャンの場合は「目にも留まらぬ早さでパンチを放つ」技、名は《ひゃくれつ肉球》だ。走行中のトラックと正面衝突しても数十秒()()()ほどの威力を誇る。まぁその場合のオチはお察し。

 

 

 白い紋様がスゥーッと体から消える。黒鬼は相当なダメージを蓄積しているようで、膝をついて金棒を手から離した。

 

 

 

「もんげー! さすがジバニャン、ちょっと会わないうちにまた強くなってるズラー!」

 

 

 

 コマさんは驚いた様子を見せる。それもそうだ、最後に共闘した【ブシ王最終決戦】から半年は経過している。いつ平和が乱されても対応できるように特訓を欠かさない彼らバスターズは、3日会わざれば別人、いや別妖怪なのだ。

 

 

 だがビッグボスを見くびるなと言わんばかりの爆声をあげ、黒鬼が再び立ち上がろうとする。

 

 

 

「フンッ潔いほうがまだ美しいだろう? 《紅蓮地獄》!」

 

 

 

 そこに現れたキュウビの必殺技《紅蓮地獄》によって、再び黒鬼の動きを止める。

 

 

 練り上げた妖気を灼熱の炎に変換して攻撃する、特に妖術を得意とするキュウビのそれはバスターズ内でもトップクラスの威力だ。それを受ければ、たとえ誰であろうともひとたまりもないだろう。

 

 

 が、忘れてはいけない。あれは極化した状態であることを。

 

 

 

グゥゥゥゥゥゥゥゥルヮァァァァァァアアアア!! クゥルァァァァアアアアア!!!

 

 

 

 憤怒の紋様を浮かび上がらせ、また立ち上がる。それと同時に黒鬼の最恐の必殺技《悪夢の金棒》が襲いかかる。こちらに必殺技が使えて、相手に使えぬ道理はなし。

 

 

 金棒を強く振りかざすだけ、それだけが一帯を崩壊させる強大な一撃となるのだ。だからこそ、()()

 

 

 ジバニャン、コマさん、コマじろう、キュウビ、全員が一縷の可能性をかけたカウンターの体制をとる。避けようとも衝撃で隙が生まれ、まともに受ければ大怪我では済まない。決まるかもわからないカウンターに結末が託されようとしかけていたその時。

 

 

 

「《ど根性ストレート肉球》ーッ!」

 

 

 

 イケメンボイスと同時に放たれたその一撃の拳は、傷付くことすら滅多にない頑丈な鬼の金棒を砕き、4人の心に反撃の狼煙(のろし)を上げた。

 

 

 

「世界はトモダチ! オレが……! ゼンブ守るぜ! ガッツ!」

 

 

 

 真っ赤なマントに渦巻き模様のベルトをつけた、青い猫妖怪“フユニャン”の必殺技は、ギリギリながらも黒鬼の必殺技を見事に相殺しきった。もう少し遅れていれば、勢いがついた金棒を止めることはできなかった。紙一重。

 

 

 前振りもなく現れた新たな戦力を加え、黒鬼討伐を再開する。

 

 

 たとえ現実世界に影響の与えない鬼時間であっても、文化のうごめくこの街(アオバハラ)には未だひとつも傷は付かせていない。それはバスターズたる者の矜恃(プライド)

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