ありふれた世界に鋼鉄軍団を放り込む?よろしい、ならば戦争だ   作:リン・オルタナティブ

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皆さん!アンケートへのご参加、ありがとうございました!

結果は13票を獲得したイゴールに決定しました!!
ロミオもいい勝負していたんですがねぇ。惜しくもイゴールへ出番を譲りました。

こんな調子でアンケートを度々実施いたしますで、第二回アンケートを行う際は、よろしくおねがいします!


#3 非戦闘用のスーツでも、戦闘に転用したら....脅威だね

 ヤバい、普通にオーバーキル過ぎた。甲菜です。光輝が動かないところを見ると、気絶したのだろうか。

 

「う〜ん、少し強すぎたかな」

〘新型アークリアクターの出力が強すぎましたね〙

「レギオンや43の時はこのくらいでいいんだけどねぇ」

〘ハートブレイカーなどは特に消費しますので、気を付けないといけません〙

 

 私はRexとさっきの戦闘の分析とアークリアクターの出力、そしてそれに当たってトニーが実際運用していた時のスーツの考察を行っていた。

 倒れた光輝には興味などないため、私はさっさとマーク5を片付けちゃいますか。

 

「光輝!」

 

 坂上が駆け寄って光輝を起こしているが、当分起きることはないだろうね。

 などと思いながらマーク5をスーツへ変形させると、私はハジメの方へ近寄る。余程マーク5を見れたのが嬉しかったのか、ハジメは目をキラキラさせていた。

 

「マーク5なんていつの間に作ってたの!?」

「形は出来てたんだけど、如何せんデータが足りなくて、収集してたの」

 

 そんなことを話していると、私へ怒りや憎しみが篭められた視線が刺さる。.....正直言うと、言葉で表現しない人達に発言権はないと思うよRex。

 

〘マスターの言葉に同意します〙

「じゃあ親友、後で図書館で会おう」

 

 そう言うと私はその場を後にする。

 途中雫とすれ違うと、ハジメと同じ旨を伝え、私は一足先に大図書館へ向かった。

 

「どうするRex、二人に真実を話す?」

〘マスターのスキャン結果は、開示した方がよろしいかと〙

「オッケー」

 

 その言葉を最後に、私は目を瞑り精神を内側へと集中させる。瞑想と、己の中で流れる魔力を見ようと思ったからだが、飽きてしまったため精神統一を切り上げる。

 結局Rexと今後のスーツについて話すことにした。

 

「それで、アイアンレギオンについては?」

〘はい。マスターの推しだとフィリア様より伺ったマーク38イゴール、マーク40ショットガン、その他にはマーク17ハートブレイカー、マーク25ストライカー、マーク32ロミオ、マーク41ボーンズ、以上が現状装着・または起動が可能な機体です〙

「カサノヴァは?」

〘現在ロールアウトされていますが〙

「潜入用として一応調整はしておいて」

〘承知しました〙

 

 現状使えるスーツを聞いた私は大図書館の扉が開いたのを確認すると、手を上げて迎え入れる。

 さぁ、計画は始まったばかりだ。気合を篭め直さないとね。

 

 


 

 

「本当に、無事で良かったわ」

「まさか、たかが剣一つにスーツが遅れを取るとでも?」

「それこそまさかよ」

 

 甲菜は開口一番、心配だったのか声をかけてきた雫へ言葉を返す。

 大図書館の一角にあった机にいた甲菜をみつけたハジメは甲菜の対面に座り、遅れてハジメの隣に雫が座ったタイミングで甲菜は藍色のイヤホンを二人に一つずつ流す。

 

「これは......?」

「私がつけているのと同型のイヤホン。つけてもらわないと話が進まないから、一旦つけてみて」

 

 疑問を持つハジメ達へ右耳を指さしながら促す甲菜。

 ハジメと雫は話を聞くためにイヤホンを右耳へつけた。ノイズが少しだけなると、ノイズは収まり、甲菜の声がイヤホンから流れる。

 

「じゃあ自己紹介してもらうよ......Rex」

〘はいマスター〙

 

 イヤホンから甲菜声とは違う無機質な女性の声が流れ、二人は少しだけ驚いたような素振りをする。単純に驚いたのではなく、聞き覚えのある声だったからだ。

 

「もしかして、甲菜が説教を始めようとした時に止めた人?」

〘そのとおりです〙

 

 ハジメの質問に滑らかな回答をした女性へ、雫は昔、甲菜甲菜から紹介されたAIだと思い出し、声をかける。

 

「貴方って、Rex?」

 

 雫の問いかけとハジメのえっという顔から数秒後、その女性からの答えが帰ってきた。

 

〘お久しぶりです、雫様。覚えていてくださり、ありがとうございます〙

「いいわよこれくらい。それに、Rexの声って、甲菜とまた違う声だから、わかりやすかったわ」

〘左様ですか〙

 

 雫とRexが知り合いだったことを初めて知ったハジメは混乱したため、甲菜へ小声で話しかけた。

 

「甲菜、八重樫さんとこの女性って知り合いなの?」

「うん、昔会った時にアイアンマンのことを詳しく興味を持ってくれたから、紹介したの」

「え?じゃあ僕は?」

「勿論覚えてるよ。ただその時はまだRexは完成してなかったの」

 

 ハジメと甲菜がそんな話をしていると、いつの間に雫と会話を終えていたのか、Rexの方からハジメへコンタクトを取ってきた。

 

〘はじめましてハジメ様〙

「え!?は、はじめまして!僕は南雲ハジメです」

〘マスターからハジメ様に関してのお話は詳しく伺っています。私はRex、マスターのサポート兼スーツのオペレーターを行うAIです。以後よろしくおねがいします〙

 

 最初は驚きで言葉が続かなかったハジメだったが、Rexと名乗った女性AIの個性豊かなところ、そしてアニメのことを知っている点で自然と会話が弾んだのだった。

 

「それで、二人を集めた訳なんだけど」

 

 自己紹介を終え、甲菜は二人へ本題の話へと話題を移した。二人は興味津々な様子で甲菜の話に耳を傾けた。

 

「____というのが、二人を呼んだ理由なの」

「よくわかったわ、確かに甲菜が信用をおいてるのは、私か南雲君だものね」

「そうだよね。それにしても甲菜、魔力の循環効率がいいと、なんのメリットがあるの?」

「それに関しては___」

〘私の方からご説明致します〙

 

 ハジメの質問に答えようとした甲菜の言葉を引く継ぐようにRexからの解説が始まる。途中甲菜からの補足が入りながら、解説が終了すると、二人は納得しつつも席の背もたれに身を預ける。

 

「なるほどね。なんとなく理解したわ」

「ハジメには後々分かりやすいように資料見せるね」

「うん。ありがとう甲菜」

 

 その日は解散となり、雫は光輝の様子を見に行くといい離脱し、甲菜はハジメを部屋まで送るためにハジメについてきていた。始めハジメは大丈夫だと言っていたが、甲菜の説得とRexの提案で、ハジメの方が折れたのだった。

 

「そういえば、甲菜」

「ん?いきなりどうしたの親友」

 

 ハジメと甲菜は幼い頃からの知り合いで、時折互いの家に泊まり込むこともしばしば、そのためお互いのプライバシーなど存在するはずもなく____、

 

「甲菜って、恋人とかいたっけ?」

「ブフォ!?」

 

 二人きりになって恥ずかしさがなくなったのか、ハジメがそんなことを聞いてきたため、甲菜は口に含んで飲もうとしていたクロロフィルドリンクを吹き出してしまった。

 

「だ、大丈夫!?」

「も、問題ないよハジメ」

「昔の喋り方に戻ってるよ!?」

 

 昔の喋り方に戻っていることに驚いたハジメに気づいたのか、甲菜は咳を一つして話を戻した。

 

「んで、親友は私に恋人がいるかって言ってたよね?」

「うん」

 

 ハジメの答えを再確認した甲菜は一呼吸置き、目を瞑って2秒ほど沈黙すると、口から言葉を発した。

 

「いるわけないじゃん。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「そっか、いないのか____うん?」

 

 サラッと言われた告白に頷いた後首を傾げたハジメだったが、Rexの無慈悲な録音しましたという宣告を聞いたことで、事実だということが判明したのだった。

 


 

 どうも......。ハジメに私が恋心を抱いていることがバレました。甲菜です。

 私は大きく伸びをすると、そのまま天蓋付きのベッドに飛び込んだ。

 現在の時間帯は夜。ハジメを部屋に送ったあの後食事に出ることなく一人部屋に居続けているのだった。

 

〘そろそろ立ち直ってはどうですか?〙

 

 そう言われても立ち直ることができないのが私甲菜です。

 なんでハジメに好意を抱いてたかって?理由はいたってシンプル。彼が私に優しく接してくれてたからだよ。

 私の親は発明家で世界中を飛び回るため、家を何日も空ける時がある。その時ハジメの家に居候していたのさ。部屋はだって?ハジメと一緒に決まってるじゃないか。

 彼と話している時、心の中が落ち着くのと同時にふとこう思ったことがあった。この人になら、背中を預けられる。そんな気がしたのだ。

 

〘まさしくトニー・スタークとスティーブ・ロジャース、ですね〙

「それを言ったらいつの日か別れるじゃん」

〘そうならないように努力してください〙

「他力本願?」

〘いえ。その時はハジメ様とマスターを全力でサポート致します〙

「その時はよろしくね」

〘本調子に戻ったようで、何よりです〙

 

 体を横にしたまま目を瞑った私だったが、ふと何を思ったのか言葉が無意識に口から漏れた。

 

「ハジメに何をあげたら喜ぶんだろ......」

〘スーツでも送ってみましょうか?〙

「いやいやまさか、この世界で1からつくるって___」

 

 無理だと言おうとした時、私の中で電流が走り、言葉が止まった。形容するならビビッと来た!だろうか。

 

「そうか!1から造ればいいんだ!」

〘いきなり何を言うのですか___〙

「Rex、すぐに設計に取り掛かるよ!すぐに造れなくても、造れる可能性があるじゃないか!」

 

 私は体を起こすとベッドから出て窓際に設置されている机の前にある椅子に腰を下ろすと、すぐに眼鏡型ヘッドディスプレイをかけ、幾つものウィンドウを開く。

 

〘____なるほど、オルクス大迷宮ですか〙

「そういうこと!」

〘ですが100層まで到達しないと__〙

「そこはスーツの見せ所!さぁ、始めるよ!」

 

 私とRexは、再び大規模な大仕事を実行するために、仮想キーボードを打ちひたすら文字を入力し続ける。

 計画名は【Project・HS】またの名を、【ハジメ・雫専用スーツ計画】。ハジメは勿論、雫用にもスーツを造ることが決定した。ただし雫にそれを送れるのは、今からだとまだまだ先のことになりそうだ。

 

「じゃあまず、何をベースにするかだね」

〘はい。現時点では試作品段階で終了したスーツをベースにしたらいいと思われます〙

「うーん、ハジメと雫のスーツに共通して言えることは、まず安全性を確立することだね」

〘えぇ、誰かに悪用されないよう、ハジメ様と雫様のステータスを使った認証システムが必要ですね〙

「あと材質。ヴィブラニウムが使えたらありがたいんだけど。無い物ねだりしても仕方ない」

〘この世界、トータスで最も硬い鉱石と混ぜ合わせれば、途轍もない耐久性を持つスーツが完成すると思われます〙

「なるほど、大図書館に通うって言ってたし、今度ハジメに聞いてみよ」

 

 気づけば深夜に突入し、皆が寝静まっても。私とRexは起き続けていた。クロロフィルドリンクを流し込んで眠気をその圧倒的不味さで吹き飛ばし、作業を継続した。

 あーでもないこーでもない、Rexと私の意見は時々ぶつかり、互いのいいところを取り入れつつ問題を解決していった。そして気がついたときには、既に空は明るくなり始め、日が昇ろうとしていた。

 

「____よし。基本的な設定はこんな感じでいいかな」

〘上出来ですね。デザインや武装に関しては私の方で行っておきます〙

「ありがとRex」

〘これくらいならお安い御用です〙

 

 これで準備は整ったあとは___オルクス大迷宮に挑むだけだ。

 私の心に疲労という二文字はなく、この先挑むことになる迷宮へ、冒険心が掻き立てられるのだった。だがそのあとRexに警告され私は即就寝。1、2時間だけだが、この世界にきて初めての睡眠だった。

 

◆◇◆◇◆

 

 時間は少し___いや、かなり飛びまして、この世界にきて二週間ほどが経過した昨日。相変わらず私は夕食に手を付けることなくクロロフィルドリンクを啜ってた訳だが、夕食後、メルドさんからオルクス大迷宮に行くことを告げられた。そして、今日がそのオルクス大迷宮へ挑む当日なのだ。昨晩は雫の方でも、ハジメの方でも何やらゴタゴタがあったようだが、詮索していない。

 オルクス大迷宮こそが私としては、これ以上ないスーツの見せ場だと思っている。

 

〘張り切っていますね、マスター〙

「当たり前じゃん。どのスーツから使おうかなぁ」

〘.......獲物を見据えた獣のような闘争心ですね〙

 

 Rexの言葉も程々に聞きつつ、私は青色のインジケーターを眺めつつ、戦況を見ていた。

 今現在、私が纏っているスーツはマーク29、ニックネームはフィドラー。マーク25、26同様空気圧ハンマー“ジャッキーハンマー”を搭載し、胸部はマーク17系列の巨大なリパルサーを装備した、軽量化土木工事用でありながら遠近両用の戦闘が可能なスーツだ。非対称って、正義だね。

 

〘次はマスターとハジメ様ですね〙

「プラス雫」

〘左様でした〙

 

 私やハジメ達が出るまもなく、巨大な二足歩行をするネズミ___ラットマンは光輝や他の人達であっさり討伐し終えてしまった。流石はチートステータス。この世界ではバランスブレイカーのようだ。

 

「擬態しているぞ!周りをよーく注意しておけ!」

 

 メルドさんかがそう忠告してきた直後、せり出していた壁が突然褐色に変色し起き上がってきたのだ。

 見た目はカメレオン、だが正体は巨大なゴリラのような体格をした怪物だった。

 

「ロックマウントだ!二本の腕に注意しろ!剛腕だぞ!」

「Rex、残りの敵は?」

〘敵性反応は目の前の一体の他、近くにもう一つ反応があります。恐らく同じ種族かと〙

 

 Rexのスキャンで敵はこの一体だと判明した。もう一体は刺激しなければ問題なさそうだ。

 どうやら光輝達が相手するらしい。しかし鍾乳洞のような造りであるが故に、囲もうにも困難なようだ。一度の攻防のあと、ロックマウントは距離を取り大きく息を吸うと、部屋全体を包む強烈な咆哮を繰り出した。

 光輝達が硬直して動けない間にロックマウントは近くにあった岩を掴み、こちらへ投擲してきた。

 白崎さんらが魔法で迎撃しようと詠唱を開始した瞬間、岩に変化が起こった。

 なんと変色したのだ。岩だと思っていたのは、実はもう一体のロックマウントだったのだ。

 怯えたのか詠唱を止めてしまった白崎さん達に飛びかかってくるもう一体のロックマウントへ対象(ロックオン)マーカーをつけると、私は右手と両足のリパルサーで前線まで飛び、その勢いのまま左腕に装着されたジャッキーハンマーでロックマウントを殴りつける。

 限界まで圧縮された空気は、時に銃弾よりも高い貫通力と威力を見せるもの。ハンマーが命中したロックマウントの頭はまるで水風船のように弾け飛んだ。

 力なく墜落したロックマウントの死骸の前___光輝達の前に着地すると、何者なのかわからないのか光輝やメルドさん達は驚いていたが、ハジメと雫はその正体がわかっていた。なぜなら、甲菜から散々聞かされていたのだ。自然と頭に知識として染み付いていたのだ。

 

「「マーク29(フィドラー)!?」」

 

 二人の驚愕した声に一同が騒然とする中、マーク29、フィドラーを装着した甲菜はそのまま歩み始める。先には__投擲したもう一体のロックマウントが。

 ロックマウントは甲菜に恐怖心を持ったのか回れ右をして全速力で脇目も振らずに逃走を開始した。だが____、

 

「逃がすとでも思ってるのかい?」

 

 そんなちゃちなことで逃がす気がないこの私、白鷺甲菜だ。ジャッキーハンマーを地面に突き刺し固定すると、準備完了。後は胸のリパルサーにエネルギーを貯め.......私はアイアンマンの十八番と言っても過言じゃないあの技を放った。

 

「____ユニビーム」

 

 轟音と共に胸から放たれた高威力のビーム__アイアンマンの必殺技の代名詞たるユニビームは逃げるロックマウントの背中をあっさりと捉え、魔物の心臓部たる魔石ごと貫いた。

 ロックマウントはその巨体を地面へ沈めた。これでこの付近の魔物は討伐しただろう。

 

「ヨシッ!(仕事猫風)間に合ったようでなにより」

〘ロックマウントはある程度知能が回るようですね〙

 

 そう言いつつ私は辺りを見回した。やはりこの辺りの敵は全滅してしまったようだ。もう少しスーツの性能を見てみたかったのが本音だ。

 

「甲菜!」

 

 ハジメが走り寄ってきたのを見ると、相当心配してくれていたようだ。私はフィドラーの左腕に溶接装備されたジャッキーハンマーを振り上げて無事の意を示す。

 その様子に安堵の息を吐きながらも、興奮の余韻はしているようで、装着しているフィドラーを見て少し興奮気味に話しかけてきた。

 そんなハジメを宥めつつ、私の方をさぞ嫌気が差したような、折角の機会を奪われて怒っているのか、憎悪の視線を向けてくるが、今の私にはそんなのお構いなし。

 

「Rex、崩落した場所は?」

〘スキャン結果で二箇所崩落しています〙

 

 ユニビームを撃った反動はどのくらいか確かめる為にRexに崩落した位置をマークさせていたのだが、その2つのうち1つは光源を示すマークがつけられている。

 

「.......あれ、なにかな?キラキラしてる......」

 

 不意に声が聞こえ、白崎さんの指差す方向には、青白く発光する鉱石が壁から露出していた。あれが先程放ったユニビームの反動で崩落した箇所の1つだろう。

 メルドさんの説明によるとあれはグランツ鉱石。宝石の原石のようなものらしい。だがその見た目と希少性から、プロポーズするときに渡す指輪にも使用されるのだという。

 白崎さんを筆頭とした女の子達はその美しさに見惚れていたが、崩した私から見たらただの光る鉱石。感想のかの字もないだろう。

 

〘マスター。貴方はもう少し乙女心を.......〙

「うるさい。私からはよくわからない鉱石にしか見えないよ」

 

 その一言で女子達からは猛烈な怒りの視線が。雫とハジメからは同情の視線を送られた。私はただ感想を述べただけなのに.......。

 そんな最中、私は見逃してしまっていたのだ。

 

「団長!トラップです!!」

 

 その声に反応し私はそっちに視線を合わせる。そこには登り切り、グランツ鉱石に触れようとする檜山(ひやま)大介(だいすけ)の姿があった。

 私はギリッと歯軋りをするとリパルサーを吹かし瞬時に檜山の所まで移動し、右手を伸ばそうとしていた。

 だが時既に遅し、グランツ鉱石に檜山の手が触れた直後鉱石を中心として魔法陣が展開され、部屋全体を覆い尽くした。

 

〘トータス転移時に展開されていた魔法陣と同質のものです〙

「転移魔法!?」

 

 私の叫び声に反応しメルドさんが撤退する指示を出したが、如何せん遅すぎた。

 魔法陣が一層濃く光ったかと思うと、同時に浮遊感にクラスメイトたちは襲われた。尚、私はスーツの重量のおかげで転移による影響は特になかった。

 私達が飛ばされたのは全長100m、幅10m、高さ20m程の巨大な石橋の上だった。縁から下を見てみるが、水が貯まっている様子もなく、真っ暗な穴が口を開いていた。

 

「正しく“奈落”だね」

 

 私がそんなジョークをかましていると、橋の両端に魔法陣が現れる。どうやら二重構造のトラップなのだろう。完全に殺しに来ているらしい。上り階段のある入り口に展開された魔法陣から現れたのは、大量の骸骨型モンスター。そして反対側の魔法陣からは、巨大な魔物が一体現れた。

 10m近くはある大きな巨体に4足歩行をし、兜のような頭部には鬼のような角を有した大型のモンスターだ。

 

「まさか......ベヒモス、なのか」

 

 メルドさんの声を捉えた瞬間、大型モンスター___ベヒモスはロックマウントの比ではない大音量の咆哮を起こしたのを皮切りに、戦闘が始まるのだった。

ライセン大峡谷、どのスーツで攻略する

  • マーク24 マーク17の発展型その1
  • マーク32 マーク17の発展型その2
  • マーク40 高速飛行型
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