ありふれた世界に鋼鉄軍団を放り込む?よろしい、ならば戦争だ 作:リン・オルタナティブ
再開を願われたので、区切りのいいところで投稿しました…(白目
どうも。オルクス大迷宮の奈落前に到着しました。甲菜です。う〜ん、深い!
〘赤外線センサーにてスキャンを行いましたが、深さは測定不能です〙
デスヨネー。そう簡単に測らせてもくれないか。
私は心の中で毒づきながら、マーク43の動作チェックを行っていた。
ミサイルなどの火器系統からスラスター、フラップと言った機能も問題なく作動した。
問題は、奈落に降りてからの作戦だ。
ここまでぶっつけ本番で来たが、流石に降りてからは地獄になることは避けられない。つまり、幾らか作戦を作っておかないと、スーツを着ていたとしても最悪死に繋がる可能性もあるのだ。
「で、どうするのRex」
〘
作戦を練っているRexにちょっかいを出すのも気が引けた為私はその場に腰を下ろし、指で地面をトントンと叩き遊び始める。
娯楽がない今、やることがこれくらいしかなくなってしまったのだが、ふと地球でのある
◆◇◆◇◆
事はトータスへ転移される少し前───3週間前だろうか。親が海外に行くことになったのだ。その時私は駄々を捏ねたのだが、それを見越していたのかなんなのか、親は私をハジメ一家へ置いて行ったのだ。
他の人からしたら腹立たしいったらありゃしない。だけど海外に行く直前に、私は母親とある約束を交わしていた。
「今度甲菜も私も時間が空いたら、
「母さんが毎回何してるかわからないけど行ってる場所?」
「そうよ。甲菜も気に入ると思うわ」
「何かはわからないけど、楽しみにしてる」
◆◇◆◇◆
母親はあれから帰ってこなかったし、私はトータスに転移してしまったからそんな約束も果たせなくなってるけど、原作では地球に帰れたはず。だからこそ、母親との約束は絶対に守らないと。
〘マスター。作戦立案が終了しました〙
私がそんな過去を思い返しながら決意を固めていると、Rexから声をかけられる。作戦構築が終了したらしい。
作戦は、奈落に降下してハジメの手がかりとなる遺留物を捜索。見つけたらそれを頼りに最短ルートで進むというもの。やはり作戦としては即席であるが、現時点でとれる作戦ではこれが最善策のようだ。
「......ちなみにどのくらいかかると思う?」
〘マスターの負担を
─────あっれぇ?これ、間に合わないのかな?
確か原作では1週間ぐらいでハジメが変わっちゃったよね?んで、今Rexが提示した作戦通りに行ったら、ハジメを見つけることができるのは最悪1週間後───うん。バッチリ間に合わないね。
「Rex、現時点で投入できるスーツの限度は?」
〘現状投入できるスーツの限界値は3。ですが奈落の広さが不透明な以上、3機同時に投入したら危険と判断しました──〙
うーん。やっぱりマーク43単騎で行ったほうが楽っぽいね。私が戦力を確認していたところに、Rexの補足が入る。
〘奈落の広さが大きければマスターの訓練にもなるため、3機同時召喚も視野に入れておいてください〙
「アッハイ」
Rexは私の事を虐めるのが好きなのかな。それともなんだ?鬼教官か?Rexの鬼!悪魔!魔王!───あ、Rexは人工知能だった(今更)
そんな冗談もさておき、私は両手両足のリパルサーを使いその場でホバリングを開始する。ディスプレイ内に表示されたインジケーターには、予め優先的に展開できるよう設定した武装がリストアップされていた。
厚さ0.9mのコンクリートを爆破・貫通できるようになったリパルサーは勿論のこと、要塞潜入用ミサイル、対人用小型ミサイル、対アーマー用ミサイル等、兵器としての性能が高い印象をもたせるモノばかり。勿論マーク6では1回しか使えなかった化け物レーザーことお馴染み200ペタワットレーザーも搭載されていた。
〘全火器系統・システム、オンライン。マーク43、いつでも可能です〙
「待機中のスーツ2機は?」
〘マーク22ホットロッド、マーク30ブルースティール、共に良好。いつでも召喚可能です〙
「りょーかい」
結局、両腕部に収納可能な実弾式マシンガンを装備した
「それじゃあ........いくよRex!」
〘はい。奈落に突入、降下次第ディスプレイを暗視モードに切り替えます〙
Rexにそう告げられると、ホバリングから体の姿勢を移し奈落へ降下飛行を開始する。
やがて奈落の底───真のオルクス大迷宮一階層の地面が見えたところで手のリパルサーを前に突き出し逆噴射。同時に背部のフラップを展開し急減速。アイアンマンがアフガンの村で見せた着地をする。
硬い金属音が響いたが、魔物が近寄って来ないところを見ると居ないらしい。するとディスプレイが暗視画面に切り替わる。Rexが自動で切り替えたのか、レーダーに生命反応がないのを見ると誰かが狩ったあとのようだ。
「ハジメは生きてるみたいだね」
〘そのようです〙
「.........少し飛ぶ?」
〘飛行する際は低空飛行を推奨します〙
Rexからの了承を得られたところで低空を維持したまま飛行を開始する。リパルサーの飛行音は隠しきれないため、魔物たちが飛行する私へ視線を向けてくる。
が、相手にする暇も惜しいので、今は
「なんとしても、見つけるよ.....ハジメ────」
ハジメを見つけ出すために甲菜がオルクス大迷宮にある奈落の底へ向かってから、もうすぐ一週間になろうとしていた。なぜそんなに迷ったのかというと予想通り、甲菜は初めて3機同時に運用したからか気絶してしまったのだ。そして、そのままRexの判断で慎重に捜索を行っていた、という訳だ。
さらに理由としてあげられるのは自身のスキルたる
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名前:
性別:女 レベル:8
天職:アイアンマン
筋力:5600×???
体力:6300×???
耐性:16990×???
敏捷:24390×???
魔力:34500×???
魔耐:18940×???
技能
驪シ驩?サ榊屮
言語理解
環境適応
並列思考[+演算]
思考加速
生成・製作[+兵器]
遠隔操作
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スキルの中でも文字化けしたモノに甲菜は相変わらず予想がつけれずにいたが、それは後回し。甲菜は遂に、物語の分岐点となる一週間となる今日、ふと見た夢を思い返し、不思議な気持ちを抱いていた。
◆◇◆◇◆
甲菜は目を開けると、視界いっぱいに夕日に染まった空に覆われた湖が広がっている。そして、自分はその上に立っていた。その証拠に足元の水面には波紋が浮かんでいるのがわかる。
「不思議な場所だろう?」
足元を見ていると、前の方から声をかけられる。甲菜は訝しみながら俯けていた視線を前に戻すと、そこには一人の男性がいた。無精髭を生やした、懐かしい感じのする男性だ。
甲菜の口からふと言葉が漏れた。
「.......トニー.....?」
「おや、僕のことを知っているのかい?」
甲菜の言葉に男性はキョトンと驚いた顔をして、甲菜へと問いかける。
「その....貴方のアイアンレギオンを...」
「あぁ、わかっているよ。フライデーからの情報で君のことは知っているよ。ミス・コウナ」
「フライデーから.....?」
甲菜は彼へ言いかけるが、言葉を遮る形でトニーからそう伝えられる。なんで名前まで知っているのかと甲菜が驚いていると、トニーの隣に先程まではいなかった少女が蜃気楼のようにふと現れた。
「お久しぶりです。甲菜さん」
「フィリアさん....!」
一度だけ知り合ったことのある少女...フィリアの元へと駆け寄り彼女と熱いハグを交わした甲菜は改めて景色を見渡し、ある場所を思い出した。
「ここって、もしかしてソウルストーンの....」
「正確には、ソウルストーンの能力を擬似的に再現した空間です」
フィリアの説明とトニーの存在から、間違いがないことを確かめた甲菜は一種の感動を覚えた。本物のトニー・スタークに、憧れの存在に会えたこともそうだが、再びフィリアに会えた事が何よりも嬉しかったからだ。
「でも、なんでまたいきなり........」
「それに関してはスターク氏から...」
「あ〜...僕から直接説明しなきゃいけないようだね。そうだな────」
その前置きのあと、トニーからあることを告げられた。それは────
「世界軸の湾曲?」
「簡単に言えばそうだ。まぁ、詳しくは...」
「ここからは私が説明しますね」
トニーからフィリアへ説明役が代わり、フィリアは甲菜へ説明してくれた。長かったので割愛するが、要約すると。
・元々存在する世界線に異分子を放り込むことで発生するのが、世界線の湾曲と呼ばれる現象。
・世界軸の湾曲は転生者が原作に介入する以前から
という二点がフィリアの話した重要なことだった。いきなり次元間のトラブルの話をされた甲菜だったが、ある程度のことは推察できた。
これでも彼女は前世でアニメや漫画にどっぷり浸かっていた時期もあったのだ。女の子なのに、という話は野暮である。
「つまり...私のいるありふれ時空は既に原作とかけ離れている可能性があるってこと?」
「そう解釈してもらって構いません」
フィリアからの返答を聞き、甲菜の脳裏にはハジメと雫、あの世界でできた友人たちの姿が思い浮かんだ。そして訪れる、蒼い業火。それは終焉を意味しているのか。はたまた別の意味を表しているのか。
「....進み続けたものにしかわからない、ね」
フィリアは甲菜の口から零れた言葉に心当たりがあった。というよりも、その世界を救いたいと向かった転生者が結構いたため、フィリアも原作を確認はしていたのだ。
トニーやフィリアの反応は蚊帳の外で、甲菜は己の心臓に当たるアークリアクターに手を当て、目を閉じる。心を燃やす蒼い炎が形を変えているのがヒシヒシと伝わってくる。
やがて、一つの形に定まる。それは、今まで甲菜が見てきたロボットアニメ、メカアクション、そのすべてを集結させたアイアンマンスーツ。甲菜が創造し、文面での設定でしか実現できなかった、未知のロボットスーツ。
「...フィリアさん、私」
「転生特典の追加、ですか?」
甲菜はコクリと頷いた。ダメ元での話である事を前置きに、甲菜はフィリアへ相談事を話した。
その話を聞いたフィリアは、むむ...と少し唸った後、甲菜へ問いかける。
「一応、上司に話を通してみますけども...。その資料とか、ありますか...?」
「多分...前世のファイルに収められている、はず」
甲菜の言葉を耳にして、フィリアは甲菜の前世からファイルを呼び出しペラペラとページを捲る。やがて、目的のページを見つけると、目を見開いた。そこにあったのは、綿密に設定されたオリジナルのアイアンマンスーツに、構想したであろうイラストの数々が載せられていた。
トンデモ発想であることをフィリアは自覚しつつも、驚愕した。よくここまで設定をまとめられている、と。
「これが没になった...のですか?」
「う〜ん...没というか、これが完成したあと急にやる気が霧散しちゃって。あははは...」
「それは気になるね。どれどれ...」
フィリアの手からスルリとファイルを取ったトニーがそのページを見ると、ほぅ、と小さな言葉を口から漏らした。トニーの目でもはっきりとわかった。それこそ、マーク85に匹敵するほどの戦闘能力と可能性を秘められたスーツであると。
「僕のとはまた違って、別のアプローチから攻めたスーツだね。マーク85のナノテクも加えたら、面白いことになりそうだ...」
トニーの口からそんな言葉が発される。それはお世辞というわけもなく、正真正銘の、心からの称賛としての言葉だった。
「...よかったですね。スターク氏からのお褒めの言葉ですよ」
「茶化すのはよしてくれよミス・フィリア」
トニーをフィリアがからかっているのを甲菜が苦情気味ながらも笑っていると、自身の手が文字通り消えかかっていることに気づいた。
「フィ、フィリアさん!?わ、私の手が消えかけているんですけど...!!」
「...もう時間切れですか。早かったですね」
消えかけている事実を知った甲菜はワタワタとしているが、時間は無慈悲にも進み続ける。手の指先から掌部、そして手首へと...徐々にタイムリミットが迫ってきていた。
「安心してください。夢から覚める時間が来ただけです。向こうではきちんと起きれますから」
「...あ、そうか。ここ夢で構成された世界だったね」
フィリアからの言葉に甲菜はホッと安堵の溜息をついた。締まらないオチなのが彼女らしいと言えばそうなのだが。
「...それではまた、会えるときに」
「はい。フィリアさんも、お元気で」
最後に挨拶を交わした甲菜は、フィリアとトニーに見送られながら、光の粒となって溶け消えて行くのだった。
「...本当によろしいんですか?」
「あぁ、彼女なら使いこなせるだろうからね」
甲菜が現実世界へと還った頃、フィリアとトニーはある程度話し、二人は彼女へ転生特典を送る下準備をしていた。
甲菜が話していたスーツの原型と、トニーの最高傑作となるとあるスーツを2つだ。
「...少し過保護すぎたかな?」
「ふふ、いいえ?むしろこのくらいが丁度良いのでは?」
「笑ってるね?ミス・フィリア」
そうして笑っていた二人だが、これからの彼女の世界に起こる歪みを思うと楽観視できる状況でもないことを改めて認識していた。
「...しかし、いいのですか?もしも彼女が────」
「彼女の人生さ。善に走ろうと悪に走ろうと、それは彼女自身が決めたことだ」
「そう...ですね」
彼女───甲菜の今後を案じていたフィリアだったが、一方のトニーは断言した。まるで
ここからさらに投稿頻度が落ちる…かもしれないですし逆に早くなるかもしれません。
感想を貰うと(作者が)嬉しくなりますので、(可能な限りで)お待ちしています!
ライセン大峡谷、どのスーツで攻略する
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マーク24 マーク17の発展型その1
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マーク32 マーク17の発展型その2
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マーク40 高速飛行型