鳴女さんの令和ロック物語   作:ディヴァ子

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 バトルしようゼッ!


真名のまなわんリポート

 皆さん、こんにちは。真名(まな)です。初めましての人は、改めましてよろしくお願いします。

 本日は例のランドでねこ姉さんとデートを楽しんでいたのですが、何故か妖怪のカップルに二組も出遭ってしまい、現在私たちを間に挟んでメンチを切っております。誰か助けて。

 

『……一人のファンとして、あまり傷付けたくはないけど、仕方ないわね』

『そうだね、仕事をしよう。……ハァアアアアアアアア!』

 

 すると、ベア子&ヴィクターの西洋組が戦闘態勢に入りました。ベア子ちゃんは紫色のオーラを纏い、ヴィクターくんは進撃しそうな奇行種に変身しましたよ。怖っ!

 

『フム、やるしかないようじゃな』

『うー、りすなーさんとやり合うのは嫌なんじゃがのー』

 

 それを見た六部&丸子の東洋組も臨戦態勢を取りました。丸子ちゃんは上着をはだけて腕を六本に増やすという分かり易い形態になりましたが、六部くんは特に変わっていません。地味です。

 というか、何故彼らは争うのでしょう。東洋と西洋の違いはあれど、同じ妖怪なのに……。

 いや、妖怪同士だからかもしれません。生き物は同じ種類の生き物に縄張りを渡そうとはしませんから。悲しいですね。

 ――――――まぁ、単に今すぐ自分の住処に帰れって意味でしか無いんですけどねー。

 

『ヴォオオオッ!』

 

 まず仕掛けたのは、ヴィクターくんでした。その巨体に見合った突進を繰り出します。科学とは一体。

 

『ぬぅううんっ!』

 

 彼の相手をするのは、まさかの丸子ちゃんでした。確かに見た目がカイリキーだから違和感はありませんが、そこは男の子の出番だと思うのですが……。

 いいえ、もしかしたら、ベア子ちゃんの方が厄介な能力を持っているのかもしれません。オーラ出てますし。

 

『アナタがワタシの相手なの? ……丁度良いわ。やっぱり、丸子ちゃんに直接手を下すのは嫌だったからね!』

 

 それどころか、黒くてモヤモヤした妖気弾を放ちました。

 

『舐めるでないわ。飛び道具で儂に挑む事の愚かさを教えてやろう』

 

 ですが、六部くんも負けていません。彼の掌にある目が閉じると、何故かベア子ちゃんの妖気弾が偏向し、彼女自身に跳ね返って行きました。

 どうやら、六部くんにはベクトル操作の能力が有るようです。一方通行さんとお呼びしても?

 

『ええ、是非とも教えて欲しいわ』

 

 しかし、ベア子ちゃんもベア子ちゃんで、普通に殴って妖気弾の軌道をズラしました。手のオーラが強まった所を見るに、彼女は妖気を纏って戦うのが得意なようです。

 さらに、噴き出す妖気で周囲の重力を歪め、空まで飛び始めました。六部くんも重力の方向を微調整して、後を追います。何かこっちだけドラ○ンボールしてますね。

 

「ね、ねこ姉さん、どうしましょう?」

『帰りましょうか』

「全力で逃げようとしますね、ねこ姉さん」

『だって、関わったら絶対にロクな事になりそうにないんだもの』

 

 気持ちは分かりますが、ここで踵を返すのはマズいでしょう、鬼太郎サイドとして。

 

『……まぁ、冗談は程々にして、避難誘導をしましょうか。参戦するにしろ撤退するにしろ、こうも人が多くちゃやりにくいからね』

「おお、流石ねこ姉さん!」

 

 逃げるという選択肢は絶対に外さないんですね!

 ただ、人がいっぱいだと戦い難いのは事実です。押し合いへし合い我先にと逃げ出すような輩は正直死んでも良いと思いますが、我が子を守ろうと必死になっている家族連れとかを巻き込むのは可哀想ですしね。

 

『ヴォラアアアッ!』『うぐっ!』

「きゃあああっ!?」

 

 と、丸子ちゃんが私のすぐ傍まで吹っ飛んできました。どうやらヴィクターくんにパワー負けしたようです。手数は上でも地力が劣っているみたいですね。女の子ですからね、仕方ないです。

 

『よくもやってくれたのう! これはお返しじゃあ!』『グヴォオオオッ!?』

「わきゃーっ!」

 

 いいえ、全然仕方なくありませんでした。何と丸子ちゃん、鞠を無限湧きさせながら、ヴィクターくんに一方的なドッチボールをし始めたのです。一発一発が身体を抉るデッドボールです。それでもすぐに再生しちゃうヴィクターくんが凄いのは分かったから、あっちでやって下さーい!

 

『まな!』「ねこ姉さん!」

 

 よ、良かった、ねこ姉さんが御姫様抱っこをして離脱してくれました。ヒャッホウ!

 

『アハハハハハハ!』『ぬぅ、やるではないか!』

「『ギャーッ!?』」

 

 ですが、退避した先に妖気弾の雨あられが降って来ました。ベクトル操作が間に合わないように、ベア子ちゃんがグミ撃ちしているようです。これだけ連打されても被弾していない六部くんは凄いですが、頼むから向こうでやって!

 

『ほらほら、もっとワタシを楽しませなさいよ!』

『……舐めるなよ、小娘がぁ!』

 

 しかし、二人は話を聞いてくれません。ベア子ちゃんに煽られた六部くんが、天を仰ぐように頭上へ光を集め、無数のビームを放ちました。

 しかも、このビーム攻撃、折れ線グラフのようにホーミングしながらベア子ちゃんを射抜こうとしていますよ。六部くんのベクトル操作は射程距離が長いようです。

 

『ガヴッ!』

 

 ですが、ベア子ちゃんは避けるのが面倒になったのか、ある程度引き寄せると、何とガッツリ食べてしまいました。暴食のベア子ちゃん!

 

『ハァアアアッ!』

 

 そして、今度はチャージした妖気をビームとして撃ち出しました。どう見てもあの波です、本当にありがとうございました。

 

『シャアアアッ!』

 

 しかし、六部くんも掌が前になるよう腕を十字に組んで、同じく収束したビームを発射しました。彼は光の国が出身地なのかもしれません。

 

「きゃうぅーっ!」『まな!』

 

 さらに、正面からぶつかり合った光線が大爆発。凄まじい閃光と熱を放って来ました。ねこ姉さんが庇ってくれなかったら、丸焼きになっていたかも……。

 ああもう、誰か何とかして下さーい!

 そう思った、その時。

 

《虚ろな器……》「………………!」

 

 突然、瘴気のような物が集まって人の形を成し、黒いローブを纏い帽子被った、不気味な仮面の男となりました。




◆名無し

 アニメの第6期で初登場した怪人。愛の虚しさを演説しそうな重みのある声が特徴。
 呪術に長けているようで、様々な強豪妖怪たちの封印を解き、それらを利用して真名に呪いを植え付けるなど、物語の黒幕として暗躍している。幽霊染みた見た目の通り実体が無いらしく、大抵の攻撃はすり抜けてしまう。
 その正体は……。
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