鳴女さんの令和ロック物語   作:ディヴァ子

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 ドクターなら【ギミック・パペット】を使うと思ッタ? 残念、違ウヨー。


零余子ちゃんVSドクター・ジャドー診療所

 まずは先攻・後攻、決めるべし!

 

「運命のダイスロール!」『オォォン!』

 

 ダイスの結果は、私が「6」でドクターが「6」……って、ゾロ目だとぉ!?

 クソッ、こうなったらジャンケンだ!

 

「負けた!」『ホッホッホォ!』

 

 普通に負けました。私、何故かジャンケンは弱いんだよねぇ。あと、ムカつくな貴様。ドヤ顔するな、白目を剥いて!

 

『ホォオオン!』

 

 ドクターは先攻を選んだか。

 しかし、こいつは何を使うのかな。ハンターもティーチャーも予想の斜め上を行くようなカテゴリーだったし、彼も額面通りではあるまい。少なくとも【ギミック・パペット】では無いだろう。

 予想では、【お注射天使リリー】か【Heart-eart(ハートランド)】だと思います。私の中でOCG化されてるドクターのイメージって、この二人くらいなんだよねぇ。頼むから【ローズ・ドラゴン】は使わないで欲しい、見た目的に。アキさんだけは穢さないたげてー。嫁を穢して良いのは蟹だけなんよー。

 そんなドクターの使用カードは、

 

『ホホゥッ!』

「最初からカオスMAXだと!?」

 

 まさかの「ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン」だった。市長じゃなくて社長なのかよ!

 しかも、「光の霊堂」を採用しているらしく、「青眼の亜白龍」と「青き眼の賢士」から「青眼の精霊龍」に繋ぎ、「蒼眼の銀龍」を繰り出して、「太古の白石」まで並べて来た。

 その後は「太古の白石」を「転生炎獣アルミラージ」に変換し、エンドフェイズにデッキから「青眼の白龍」を特殊召喚してから、ドクターはターンを終了した。

 銀龍ってお前……Dr.コ○ーってか。いやいやいや。大空 ひばりさーん、あなたの曲ですよー、何とかして下さーい!

 ま、待て、落ち着け、落ち着いて羊を数えるんだ、その内安らかになれる……って、死んじゃう死んじゃう、永眠しちゃう。

 本当に落ち着こう、上を向いて決闘しよう。画角が怖いけど。

 とりあえず、ドクターはターンを終了した。場には「霊堂」が張られ、「カオス・MAX」「銀龍」「白龍」「アルミラージ」が並んでいる。伏せカードはない。手札が「白龍」一枚だけなんだから当たり前だが。

 うーん、どうしたものか。「カオス・MAX」は元々破壊出来ないし、「白龍」は「銀龍」で破壊耐性を得ている。「アルミラージ」を狙っても、さっさと墓地へ逃げられるだろう。中々に鉄壁の布陣である。流石は三番目のボス、一筋縄では行かないか。

 ――――――1ターンで全員倒すのは無理ね。あんまりにも硬過ぎる。かと言って放置するには「カオス・MAX」も「銀龍」も能力が厄介だ。少なくとも、どちらかはこのターンで始末しないと。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 よし、良いカードを引いた。畳み掛けるぜ!

 

「メインフェイズ! まずは「宣告者の神巫」を召喚し、「虹光の宣告者」を墓地へ送って、「高等儀式術」をサーチして発動! 「デーモン・ソルジャー」「ハロハロ」「異次元トレーナー」を供物に、現れろ「闇の支配者ゾーク」!」

 

 まずはこのデッキの切り札、「闇の支配者ゾーク」を高等な儀式で召喚。

 

「そして、手札から「デーモンの召喚」を供物に、「高尚儀式術」を発動! 出でよ、「デーモンの降臨」! 更に「宣告者の神巫」と「デーモンの降臨」でオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚、「デーモンの超越」! バトルフェイズ、「転生炎獣アルミラージ」を攻撃! 「超雷弾」!」

 

 さらに、「デーモンの召喚」を「デーモンの降臨」→「デーモンの超越」と進化させ、「アルミラージ」を攻撃。当然サクリファイス・エスケープされるが、それは予定通り。メインフェイズ2に移行するのが目的なのだから。

 

「――――――メインフェイズ2で「デーモンの超越」に「天霆號アーゼウス」を重ね、効果を発動! 「アーゼウス」以外の全てを墓地へ送る!」

『ウァアアアッ!?』

 

 そう、これが私の狙い。対象耐性も破壊耐性も、「墓地に送る全体除去」には意味を為さない。消え去るがいい!

 むろん、ゾークも墓地へ行くが、これも想定内。蘇生制限はクリアしてるからね。何時でも蘇りますよ。何処ぞの冥王とは違うんです。

 一先ず、カードを一枚伏せてターンエンド。

 

「さぁ、お前のターンだ!」

『ホォオゥン!』

 

 そして、ドクターのターン。

 

『ホッホォウ!』

「くっ、「トレード・イン」か……」

 

 ここで手札交換を引くとか、ティーチャーと違って、運が良過ぎませんか?

 さらに、「太古の白石」を除外して「カオス・MAX」を回収し再度降臨させ、その後「亜白龍」と「白龍」の2体をコストに「龍の鏡」を発動して「青眼の究極亜竜」まで融合召喚して来た。マ、マジかよ!

 

「リバース罠発動、「デーモンの呼び声」! 手札の「デーモン・ソルジャー」をコストに、蘇れ「ゾーク」!」

 

 このまま攻撃を受けると大ダメージなので、「ゾーク」を一時復活させ肉盾とした。それでも半分近く持って行かれたが。

 ……良かったぁ、焦って先に「呼び声」発動しなくて。最悪、「究極亜竜」で慎重に処理されてたかもしれないしね。

 とは言え、相手の場には対象と破壊に耐性を持った攻撃力4000超えのモンスターが2体。対するこちらは「デーモンの呼び声」が発動しているのみ。

 このドローで何か引かなきゃ負ける……!

 

「ドロー! ……これは」

 

 ヤバい、サイコロやコイントスとは別方向で怖いギャンブルカードが来ちゃったぞ。

 だが、もうやるしかない。奴らを葬り、逆転するには、“コイツ”に任せるしかないんだよぉ!

 

「墓地の「デーモンの降臨」「デーモンの超越」「異次元トレーナー」「宣告者の神巫」の4体を除外し、現れよ「天魔神 ノーレラス」!」

 

 腹を括った私は、このデッキの隠し玉である「天魔神 ノーレラス」を特殊召喚した。一本角が生えた髑髏の顔を持つ悍ましい姿の悪魔が、手札もフィールドも自分自身さえも巻き込んで、墓地の闇へ消えていく。

 そして、たった1枚だけだが、私にドローを許される。墓地以外の全てがリセットされたので、この引き次第ではとんでもない泥仕合が始まるだろう。

 まさに、これが最後の希望。私の命運は、この1枚に懸っている。

 大丈夫だ、自分を信じろ。何時もそうだったでしょ。こんな酷い時にこそ、最悪の時にこそ、「チャンス」というものは訪れる。

 「追いつめられた時」こそ、冷静に物事に対処し、「チャンス」をものにするのよ、零余子!

 

『ぴきゃーん!』

 

 ほら、ノームくんも応援してくれてる。これは勝つるぞぉ!

 

「ドロォオオオオオッ!」

 

 三回転するような勢いで、デッキトップを引く。

 

「――――――よしっ!」

 

 引いたのは、「死者蘇生」だった。よっしゃあ、勝ったぞぉ!

 

「手札から、「死者蘇生」を発動! 我が下に来い、「青眼の究極亜竜」! 「アルティメット・バーン」!」

『ブヴォオオオッ!』

 

 さっそく「究極亜白竜」を蘇生して、ドクターへダイレクトアタック。これでLPがほぼ横並びになった。

 さぁ、今度はお前が賭ける番だぞ!

 

『ホォオオン!』

「くっ……「貪欲な壺」!」

 

 しかし、ドクターも大概に豪運なようで、「貪欲な壺」でドローしやがった。

 

『フォオオオッ!』

「嘘だろ!?」

 

 さらに、「青き眼の威光」で「究極亜竜」の攻撃を封じ、「死者蘇生」で「白龍」を蘇らせてきた。クソッ、社長並みに愛されやがって!

 こうなると「究極亜竜」が邪魔だな。「白龍」は消せるが、攻撃出来ないんじゃ壁にしかならない。レベルが高過ぎて素材に使えないし。

 ならば、このドローで……!

 

「よっしゃ、私も「貪欲な壺」!」

 

 もちろん、カードは鼻から出る!

 

「行くぞ、墓地の「虹光の宣告者」を除外して「執愛のウヴァループ」を特殊召喚! 更に「デーモン・ソルジャー」を召喚し、チューニング! 王者の咆哮、今天地を揺るがす。唯一無二なる覇者の力をその身に刻むがいい! シンクロ召喚! 荒ぶる魂、「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト」!」

 

 そして、引いたカードで「スカーライト」をシンクロ召喚して、「白龍」を爆殺。500ダメージを与えてから「灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング」を食らわせ、ドクターを火炙りにした。

 

『ォオオォ……オ……』

 

 LPを失い、地に落ちるドクター。闇のゲームで命を焼かれた為、起き上がる事は二度となかった。

 

『『『………………』』』

 

 さらに、そんな彼の遺体を、わらわらと集まって来た患者たちが、神輿を担ぐように運んでいく。一体何処へ連れて行くのだろう。

 だが、私がドクターの末路を知る必要はない。彼がどうなろうと、“私たち”の目指すべきゴールは一つしか無いのだから。

 

「……行こう、ノームくん」『ぴきゅー』

 

 さぁ、そろそろ物語も佳境だ。




◆ドクター

 「リトルナイトメア2」の第三ステージ「病院」の支配者。ムッチムチで白目を剥いた禿げ頭のおっさんが天井を赤ん坊の如く這いずり回るという衝撃的なビジュアルを誇るボスキャラで、その最期もまたインパクト大。とりあえず、シックスの正気を疑ってしまう。
 彼の病院には「患者」という名の生きたマネキンモンスターが蔓延っているのだが、少なくとも「ティーチャー」よりかは「患者」を大事に思っているようで、とある場面で「患者」の一人が危篤になった際は脱兎よりも素早く駆け寄り救命措置を行い、それを実行したであろうモノたちを殺す気かつ死に物狂いで追い掛けて来た。
 そんな彼は、この世界ではまさかの儀式軸【青眼の白龍】を使用。決闘の腕も中々で、零余子に初めてダメージを与えたばかりか、かなりギリギリまで追い詰めた。
 闇のゲームに敗北し息を引き取った彼を、「患者」たちがどうしたのかは、もはや誰にも分からない……。
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