鳴女さんの令和ロック物語   作:ディヴァ子

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いあ! いあ! はすたあ!


悪しき決闘者たち

 今始まる、赤い少女(むかご)金色の闇(シックス)最終決闘(ラスト・デュエル)。アンティは互いの命という、闇のゲームである。

 

「運命のダイスロール!」『ギィイイイッ!』

 

 まずはダイスによる先攻・後攻の決定戦。

 しかし、出目はお互いに「6」。続くジャンケンも「グー・チョキ・パー」のあいこばかり。

 ならば、これでどうだと行った「あっちむいてほい」により、ようやくシックスの先攻が決定した。何故コイントスをしないのかは置いておこう。

 

『グギィイイイッ!』

 

 という事で、シックスのメインフェイズ。

 まずは「暗黒の招来神」を召喚し、「幻魔皇ラビエル」をサーチ。その後「七精の解門」を発動して「カオス・コア」を、「悪王アフリマ」を捨てて「闇黒世界-シャドウ・ディストピア-」をそれぞれ引っ張って来て、「闇黒世界」を張った。

 そして、「招来神」で「カプシェル」を召喚してから、「招来神」を「リンクリボー」に変換した上で「解門」の(2)の効果により「招来神」を蘇生。

 さらに、今度は「招来神」を「サクリファイス・アニマ」に書き換え、「リンクリボー」「アニマ」「カプシェル」で「ライトロード・ドミニオン キュリオス」をリンク召喚して、2枚目の「七精の解門」を墓地へ送った。

 最後に「カプシェル」の効果で引いた死者蘇生で「混沌の召喚神」を蘇生、リリースする事で手札から「幻魔皇ラビエル」を特殊召喚し、「解門」で「解門」を回収して、「シャドウトークン」を1体呼び出してからターンを終了した。

 1ターンが、とても長い。

 だが、それは最近の決闘ではよくある事。気にせず零余子にターンを移そう。

 

「私のターン、ドロー! 「ダーク・サンクチュアリ」と「エクトプラズマー」を発動! 更に「怨念のキラードール」を召喚し、「手札抹殺」を発動! 手札を2枚捨てカードを2枚ドローする! そして、カードを1枚伏せ、「キラードール」を射出してターンエンド!」

 

 こちらはそこまで長くはないが、非常に嫌らしい布陣を築いた。あえてモンスターゾーンがガラ空きというのが逆に怖い。

 

『ギャヴヴウウッ!』

 

 しかし、翼をもがれた獣(シックス)は恐れない。

 まずは「解門」で「解門」を再度回収し発動。「招来神」をサーチして召喚、最後の「解門」をサーチしてから、それを捨てて「カプシェル」を蘇生し、「カプシェル」と「シャドウトークン」で「見習い魔嬢」をリンク召喚して1ドロー。その後「招来神」で「混沌の召喚神」を追加召喚して、次に墓地の「死者蘇生」と「手札抹殺」を除外して「カクリヨノチザクラ」を特殊召喚し、「魔嬢」「招来神」「混沌」「カクリヨ」の4体で「閉ザサレシ世界ノ冥神(サロス=エレス・クルヌギアス)」を呼び出す。

 そして、零余子が全く動かない事を確認し、伏せカードを“攻撃反応型罠”か“ブラフ”と判断して、「ハーピィの羽根箒」で厄介な永続カードごと一掃、一気に攻めへ転じようとする。

 

「甘いぞシックス! お前が壊したこれは、「ミラーフォース・ランチャー」だ! 底知れぬ絶望の淵へ沈め!」

 

 だが、それもまた零余子の罠であり、セット状態で破壊された事により「ミラーフォース・ランチャー」の効果が起動、自身と共にデッキから「聖なるバリア -ミラーフォース-」をセットした。「羽根箒」も使ってしまったし、これでは攻撃出来ない。

 

『グギギギギ……!』

 

 シックスは「悪夢再び」で「招来神」と「カプシェル」をサルベージしてから、とても悔しそうにターンを終了した。

 

「私のターン、ドロー! スタンバイフェイズで「怨念のキラードール」を蘇生!」

『アギャァアアアアゥ!』

 

 一応、せめてもの嫌がらせとして「冥神」の効果で「キラードール」の蘇生を妨害したのだが、それは囮人形だった。

 

「メインフェイズ! 「相愛のアンブレカム」を召喚し、「ノーマテリア」を蘇生して、チューニング! 名状し難き魔風なる神よ! 闇に蠢く邪悪なる触手をエルダーサインの下に集め、「黄衣の王」として顕現せよ! シンクロ召喚! 「古神(コシン)ハストール」!」

 

 そう、この「黄衣の女王(レディ)」を召喚する為の。

 これぞ【リトルナイトメアーズ】の主人公、レベル4風属性シンクロモンスターの「古神ハストール」だ。モノに託された、シックスを倒す為のデッキに相応しいカードである。

 

「更に手札から「月鏡の盾」を装備し、「閉ザサレシ世界ノ冥神」を攻撃! 「魔境怪風波(ミラーフォース・プル・ストーム)」!」

『ヴギィィイイイイッ!』

 

 さらに、「月鏡の盾」で「邪神アバター」と同じ戦闘能力を得て、「ハストール」は「月鏡」を翳すように黄金の波動を放ち、「冥神」を粉砕、玉砕、大喝采した。スゴイぞー、カッコいいぞー!

 

「さぁ、お前のターンだ! 倒したいんだろう、私を? やれるものならやってみなぁ!」

 

 そして、「ハストール」と一緒に、これでもかと言わんばかりに煽りまくって、零余子はターンを終了した。

 

『ヴギィイイイイッ!』

 

 遠目からでも分かるくらいにピキピキしながら、シックスがドローする。

 しかし、直ぐには動かない。当然だろう。「ハストール」は下手に墓地へ送ると、黄衣に封じていた触手を巻き付けて無力化する上、引き剥がそうとすると洗脳されてしまうのだから。

 だが、「月鏡」を装備したモンスターは戦闘で無敵化するので、どちらにしろ居座られると面倒である。特にシックスのデッキはパワーがある分、メタを張られると失速し易い。

 問題は何を切り捨て、どれを生かすか、だ。

 

『ギャアアアヴヴ!』

 

 シックスは決断した。

 「ハストール」をリリースして「天界蹂躙拳」を回収し、触手が「ラビエル」に絡み付いたのを確認すると、「解門」で最後の「解門」をサルベージしてから発動して、「暗黒の召喚神」をサーチ。

 さらに、「招来神」を召喚して別の「ラビエル」を持って来て、「カプシェル」を召喚しつつ「解門」の蘇生効果を二連打し、「混沌」と「カクリヨ」を並べ、「ラビエル」「カクリヨ」「招来神」「カプシェル」で「鎖龍蛇-スカルデット」をリンク召喚、5枚ドローして3枚デッキに戻した。これで「ハストール」の脅威は無くなった。「月鏡」はデッキボトムに戻った。

 そして、「混沌」の効果で「ラビエル」を特殊召喚し、「クリティウスの牙」で「デストロイ・ドラゴン」を呼び出した。

 その後、「悪夢再び」で「カプシェル」と「カクリヨ」を回収してから、「スカルデット」の効果と自力でそれぞれを特殊召喚し、「魔界の警邏課デスポリス」に変換して、自らを犠牲に「警邏カウンター」をラビエルに乗せる。

 さらに、「デストロイ」で零余子の「ミラフォ」をデストロイして、「ラビエル」「スカルデット」「キュリオス」の4体で一斉攻撃を仕掛けた。

 

「墓地から罠カードを発動! 「光の護封霊剣」! 直接攻撃を封殺する!」

『グヴゥゥゥゥッ!』

 

 しかし、たった1枚のカードで防がれてしまう。「手札抹殺」で姑息に落としておいた、「光の護封霊剣」の墓地効果を使ったのである。

 

「……私のターン、「命削りの宝札」を発動! カードを3枚引き、「サンダーボルト」と「ハーピィの羽根箒」を発動! 「ラビエル」以外の全てを破壊する!」

『ギャァオオオッ!』

 

 その上、次のドローで「ラビエル」を除いた全てを一掃されてしまった。ギリギリで「天界蹂躙拳」だけは回収したが、それだけだ。先にモンスターを破壊されたせいで、「解門」を1枚もサルベージ出来なかった。

 

「更に手札から「ダーク・サンクチュアリ」を発動! ターンエンド!」

 

 しかも、「ダーク・サンクチュアリ」がまたしても出現。これで「天界蹂躙拳」がとんでもないギャンブルカードになってしまった。成功すれば一撃で倒せるが、失敗すればLPが半分以上吹き飛んでしまう。「死者蘇生」や「ハーピィの羽根箒」どころか、デッキにカードが殆ど残っていないシックスにとっては、まさにデッド・オア・アライブである。

 

『ギャギャアアアアッ!』

 

 だが、シックスはあくまで攻める。彼女は欲望に忠実なケダモノなのだ。結果は―――――、

 

「コインは「表」だ!」『ギィイイイッ!』

 

 セルフ4000バーンだった。運命はシックスを選ばなかったのである。

 そして、この失敗がシックスに破滅を齎す。

 

「私のターン、「強欲で金満な壺」を発動! カードを2枚ドローし……「死者蘇生」で「ハストール」を復活させ、「月鏡の盾」を装備して、「ラビエル」を攻撃!」

『ギッ……!』

 

 零余子のマジックコンボにより復活した「ハストール」が、「ラビエル」を討った。

 もはや、シックスに打つ手は無い。伏せカードはブラフであり、デッキも残り僅か。その中にも1枚で逆転出来るようなカードは無い。後は「ハストール」に嬲り殺されるだけ。

 一応、ドロー次第では悪足掻きも出来るが、

 

『………………ッ!』

 

 流れを掴み損ねたシックスに、未来は無かった。「闇黒世界」を無意味に発動し、ターンを終える。

 

「私のターン! 「ゲイシャドウ」を召喚し、「ハストール」と共にダイレクトアタック! 「終点(ファイナル・デスティネーション)」!」

『ヴギャアアアアアアゥゥゥッ!』

 

 そして、今の自分と未来の自分を思わせるモンスター2体の攻撃を受け、シックスは決闘に敗北した。




◆ハスター

 「クトゥルフ神話」に登場する魔の風。初登場時は悪戯好きな風の妖精(一応、放牧の神らしい)という感じだったが、後に「旧支配者」の一柱である事が判明。本来の姿は無数の触手が絡み合った「名状し難いナニカ」で、「ニャルラトホテプ」程ではないが様々な形態に変化する事が出来る。世界中に信者が居たり、褒め称えられると部下の「ビヤーキー」を派遣してくれるなど、邪神の割りには結構人気がある模様。
 「黄衣の王」という姿を取る場合があり、“黄色いローブを纏った白い仮面の人型”という容姿が特徴。もちろん中身は触手三昧である。
 ちなみに、外道で有名な「ニャルラトホテプ」も「黄衣の王」の姿を取る事がある。どっちが先でパクリなのかは、「卵が先か鶏が先か」くらいに意味が無いので注意しよう。たぶん、指摘したらSAN値が直葬されます。いあいあ。
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